PowerPoint プレゼンテーション

*グローバル投資環境
No.1240 *
ご参考資料
髙木証券投資情報部
中国市場の混乱とグローバル株式
2016年1月12日作成
2016年のグローバル株式市場は波乱の幕開けとな
り、年明け後最初の一週間で株価が世界的に下落し
た。
主要株価指数
昨年末
1/8終値
変化率(%)
中国 上海総合指数
3539.18
3186.41
-10.0%
ハンセン中国企業株指数(H株)
9661.03
8845.89
-8.4%
ドイツ DAX指数
10743.01
9849.34
-8.3%
世界的な株価下落の最初のきっかけは、今月3日
にサウジアラビアが発表したイランとの国交断絶で
あり、6日には北朝鮮が初の水爆実験を行ったこと
を発表するなど、地政学的なネガティブイベントも
相次いだが、中国人民銀行による人民元切り下げが
中国の景気に対する投資家の懸念を高め、それが上
海株の急落を招いたことが、投資家心理が冷え込ん
だ最大の要因であることは明らかだろう。
日経平均株価
19033.71
17697.96
-7.0%
ブラジルボベスパ指数
43349.96
40612.21
-6.3%
メキシコ ボルサ指数
42977.50
40265.37
-6.3%
NYダウ 工業株30種
17425.03
16346.45
-6.2%
フィリピン 総合指数
6952.08
6575.43
-5.4%
英FT100指数
6242.32
5912.44
-5.3%
インドセンセックス
26117.54
24934.33
-4.5%
タイ SET指数
1288.02
1244.18
-3.4%
579.03
560.05
-3.3%
韓国総合株価指数
1961.31
1917.62
-2.2%
FTSEブルサマレーシアKLCIインデックス
1692.51
1657.61
-2.1%
また、上海市場では年明けから導入されたサー
キットブレーカーが、株価の急落を受けて4日と7日
に発動された。日本を含む多くの国ですでに導入さ
れているサーキットブレーカーでは先物の取引が停
止されるのが一般的だが、上海市場のそれは現物株
取引を停止させてしまうため、発動されると投資家
が株を売却する術がなくなってしまうという制度的
な欠陥がある。このため、二度目のサーキットブ
レーカー発動となった7日には、売買停止前に売却
しようとする投資家の売りが殺到した結果、この日
に取引が行われた時間は僅か30分程度にとどまると
いう異常な結果を招いたことを受けて、証券監督管
理委員会はこの制度を翌日以降一時停止することを
発表、8日にはこれを好感した上海と香港の市場の
ほか、インドやインドネシアなどアジアの一部の国
の株式市場が上昇した。
イスタンブール100種指数
71726.99
70613.20
-1.6%
4593.01
4546.29
-1.0%
ベトナム VN指数
ジャカルタ 総合指数
※昨年の最終売買日はフィリピンが29日、ドイツ、日本、
ブラジル、韓国、タイ、インドネシアが30日、その他の国
は31日、なお、インド市場は1月1日も通常取引
証券監督管理委員会のこうした対応に加え、中国
人民銀行も人民元の基準値を自ら切り下げておきな
がら人民元買い介入を行うなど、当局の場当たり的
な対応が市場の混乱を助長している感がある。中国
の金融市場の安定のためには、当局が過度の介入姿
勢を修正し、価格形成を市場に任せることが最善手
なのかも知れない。
(文責:勇崎 聡)
(出所:Bloombergのデータより髙木証券作成、上海総合指数の推移は日本時間で表記)
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