ルノー・カプソン - KAJIMOTO

フ今み
ラもず
ンっみ
スとず
のもし
新注い
鋭目感
さ性
れが
る光
る
2006
6.1∼6.4
●ヴァイオリン
ルノー・カプソン
クライスラーが愛用した1721年製ストラディヴァリウス
と一体化した伸びやかな音色、
ステージの上でも外でもつ
ねに変わらない人懐っこさと誠実な人柄そのままに、みずみ
ずしい感性で颯爽と弾き進めるルノー・カプソンの音楽は、
聴衆を晴れ晴れとした気分にさせてくれる。音楽の全体像
をしっかりと把握しつつ、独自のしなやかな音楽性を発揮す
るその極めて高い能力は、
グスタフ・マーラー・ユーゲント・
オーケストラでコンサートマスターを務めた貴重な経験によっ
て培われたものだ。
2005年フランス・カンヌ音楽賞ソリスト・オブ・ザ・イヤー
cSimon Fowler
プロフィール
を受賞し、世界を舞台に活躍の場を拡げる、
まさに今もっとも
注目されるヴァイオリニストの来日である。
CD=ドイツ・グラモフォン/ユニバーサル ミュージック
ヴァージン・クラシックス/東芝EMI
1976年生まれ。パリ高等音楽院でジェラール・プーレ、
ヴェダ・レイノル
ズに師事、
1等賞で卒業。さらにトーマス・ブランディス、
アイザック・スター
ンの薫陶を受ける。
「2000年の新しい才能」と賞され、
シャルル・デュトワ、
Renaud
ダニエル・ハーディング、ベルナルト・ハイティンクらの指揮のもと、ベル
カプソンは甘美な音色の持ち主だが、
表現にはシャープなキレがあり、
響きも豊
リン・フィル、パリ管、バーミンガム市響などと次々共演。室内楽にも熱意
かで芯がある。
また、
叙情のスッキリした甘さも魅力的。細やかな情感表現と高
を注ぎ、
アルゲリッチ、バレンボイム、バシュメットらと共演。ベルリン、
ヴェ
度な技巧性。
ヴィルトゥオジティの醍醐味を鮮やかに聴かせながら、
そこには常に
ルビエ、エクサン=プロヴァンス、ストラスブールなどの音楽祭から招か
豊かなニュアンスと表情があるから、
決してこれみよがしの曲弾きにならない。技
れている。レコーディングはシューベルトやシューマンの室内楽をピリス、
巧が一人歩きしない高い音楽性とセンスがあるからだ。現代感覚に溢れたカプ
デュメイらと(DGG)、サン=サーンス、
ミヨー、
ラヴェルの作品やメンデル
ソンの演奏を聴いていると、
今世紀はこういう人がジャンルを越えて活躍するの
スゾーン、
シューマンの協奏曲をハーディング指揮で(ヴァージン・クラシッ
だろうと痛感。
(1月22日 トッパンホール)
クス)
リリースしている。
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コンサート評から
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Capuço
諏訪 節生(音楽現代 2005年4月号)