商業建築における現代的ヴァナキュラーについての考察と

「商業建築における現代的ヴァナキュラーについての考察と設計提案」
背景と目的
建築においてヴァナキュラーという概念は、モダニズムにおける機能主義やインターナショナルスタイルに対するアンチテーゼ
として、風土性を重視する建築の在り方を再考するきっかけとなった。しかし、風土性が欠落し、経済的合理性によって設計さ
れる現代の都市の建築においては、形態は画一化し、そこに地域による変化を見つけるのは難しくなっている。特に日本の商業
建築では、経済的理由から容積率を最大限確保し、その上で斜線制限や高さ制限といった法律上の規制によって形態が決定され
ることで、その画一化が顕著に表れている。
この様な日本の商業建築の現状に対し、本計画では、建築の表層から読み取るコンテンツを新たな風土性として捉え直す。この
コンテンツを用いて建築の設計について考察することで、現代的なヴァナキュラーという視点から新たな設計手法を導き出すこ
とを目的とする。
Ⅰ
モダニズム以降のヴァナキュラー
産業革命
エネルギー問題
大量消費社会
発生
発生
批判
モダニズム
ルドフスキーが提唱したヴァナキュラーとは「非
発生
ポストモダニズム
職人性」
「非商品性」に大きな特徴を持つものであっ
た。しかし、現代の都市においてはそのような建
インダストリアル
コマーシャル
サスティナブル
ヴァナキュラー
ヴァナキュラー
ヴァナキュラー
築を見ることは難しい。
岩本真明と川島範久はヴァナキュラーを三つに分
類し分析している。
産業革命以降のモダニズムと結び付く「インダス
産業革命
ポップ
クリスタルパレス
トリアルヴァナキュラー」ラスベガスでベンチュー
環境破壊
パリ地下鉄入口
コマーシャル・ストリップ
空調設備
(ジョセフ・パクストン)
リが掲げ、ポストモダニズムと結びつく「コマー
シャルヴァナキュラー」環境負荷軽減のための「サ
デザインから
スティナブルヴァナキュラー」である。岩本らの
技術へ
大衆化
エコテック
ガラスの家
レヴィットタウン
関西国際空港
(ピエール・シャロー)
視点からヴァナキュラー建築を再考すると、いず
(レンゾ・ピアノ)
れも「産業革命」
「大量消費社会」
「エネルギー問題」
といった社会背景との結びつきが確認された。よっ
パッシブ手法
脱構築主義
大衆化
リノベーション
ハイテックスタイル
て、現代におけるヴァナキュラー建築を考える上
イームズ邸
ビルバオ・グッゲンハイム美術館
(チャールズ・イームズ)
(フランク・O・ゲーリー)
コンバージョン
チバウ文化センター
(レンゾ・ピアノ)
で社会背景に着目して考察を行う。
産業廃棄物・CO2の排出
目先のデザイン・不要な構造
環境汚染
Ⅱ
既往研究の分析
1985
K・フランプトン
「近代建築・批判的歴史」
バーナード・ルドフスキーの「建築家なしの建築」
(1964 年)から現代までのヴァナキュラー研究を建
1964
B・ルドフスキー
築と都市に分けて体系的に捉える。その上で現代
の日本におけるヴァナキュラー建築を考察するた
め、塚本由晴らの「メイド・イン・トーキョー」
、
発生
1981
A・ツォニス /L・ルフェーブル
「グリッドと通行路」
1972
1990
R・ベンチューリ
L・ルフェーブル
「ラスベガス」
「a+u 1990 年 5 月号」
都市 「建築家なしの建築」
建築
1977
B・ルドフスキー
「驚異の工匠たち」
2001
塚本由晴 / 貝島桃代 / 黒田潤三
「メイド・イン・トーキョー」
1988
藤森照信
「看板建築」
2006
吉村靖孝
「超合法建築図巻」
吉村靖孝の「超合法建築図巻」を参照する。
2001
アトリエ・ワン
「PET ARCHITECTURE GUIDE BOOK」
これらの著書に紹介されている日本独自の建築は、
法律による形態の決定、経済的合理性によるプロ
グラムの複合が多く確認され、その形態は画一的
にである。
そこで本計画では経済の影響を強く受ける現代の
法律上の規制による形態
経済的合理性による
プログラムの複合
商業建築に着目し、
「風土性」という視点からヴァ
ナキュラー建築における新たな視点を獲得するこ
とを試みる。
Ⅳ
Ⅴ
ヴァナキュラーの再定義
現代においてコマーシャルヴァナキュラーやサスティナブルヴァナキュラー
という新たなヴァナキュラーが発生したように、その意味は変化をしている。
よって建築の表層に着目してヴァナキュラーについて考察するために、現代
見上げ看板
パチンコカテドラル
吉村靖孝
「超合法建築図巻」より
塚本由晴ら
「メイド・イン・トーキョー」より
設計プロセスにおける
概念モデルとの比較
概念モデル
現代の商業建築の表層のつくられ方を表すモデル
建築モデル
として、東浩紀の著書「動物化するポストモダン」
データベース
(2001 年)の中で提唱されたシミュラークルとデー
的ヴァナキュラーを「風土的特徴をその表層に持つこと」「その特徴が特定
タベースという概念モデルを援用する。これは、
の地域において多用されていること」と再定義する。
客体がシミュラークルという表層を観察し、類似
既存プロセス
その上で、表層を構成する看板、軒、開口などの要素を「コンテンツ」と名
性のある要素をジャンル化してデータベースに蓄
existing process
付ける。
積することで、そこから新たなシミュラークルを
シミュラークル
客体
建築
コンテンツ
コンテンツ
客体
開口
看板
生みだすというループの概念である。現状の建築
商品
の設計プロセスはこれに当てはまる。
Ⅲ
商業建築と表層
客体がシミュラークルを読み取り、ジャンル化してデータベースを形成する。
客体がコンテンツを読み取り、ジャンル化する。それらを記号論的に貼り合わせ
て行ったものが建築となる。全てのコンテンツには等価に扱われるため、組み合
現代の商業建築においてもその構造が当てはまる
わせにしかならず、形態は変化しない
ことから、ヴェンチューリのデコレイテッドシェッ
表層
ドの概念に着目した。デコレイテッドシェッドで
開口
decorated shed
は、象徴が空間のプログラムの要求に基づいて作
られるのに対し、そこから無関係に装飾が分離す
深層
る構造を持つ。すなわち、商業建築は表層と深層
に分離されていると言える。
社会学者である若林幹夫は、「ウチ」と「ソト」と
ヴァナキュラー建築
提案する設計プロセスは、シミュラークルとデー
看板
壁
付加
コンテンツ
A B
開口
ラルキーを付けることによって形態の変化を発生
現代の商業建築
軒
ファサード
コンテンツ
タベースの概念を踏襲しつつ、コンテンツにヒエ
させる。コンテンツヒエラルキーを付けることで
いう言葉を用いて人間の住居と動物の巣の違いを
チラシ
プロセスを細分化し、既存の設計プロセスを逆転
提案プロセス
述べている。人間の住居は「ウチ」と「ソト」の
商品
させ、通常最後に設計される看板や商品の溢れ出
proposal process
境界が本能的ではなく恣意的かつ規範的に決定さ
しといったコンテンツから設計をすることによっ
れるものとし、「ウチ」の構成の違いがその地域の
て、より風土性を強調する設計を提案する。
看板
A
B
商品
文化であり、ヴァナキュラーな建築とはそれ自体が
建築の表層
生活を表すメディアであるとする。
しかし、現代の商業建築においては、経済的合理
タイの水上住居
スーダンの崖下住居
秋葉原の電気量販店
すなわち表層にその文化的特徴が表れていると考
える。
原宿のアパレルショップ
客体が、シミュラークルにヒエラルキーを付けた状態でジャンル化し、データベー
スを形成する。
客体がコンテンツにヒエラルキー付けた状態でジャンル化する。コンテンツの構成
を保ったまま、既存の設計手法とはヒエラルキーを逆転させる。各付加コンテンツ
に最適の形態を用いることで形態に変化が生じる。
性で決められるウチの構成ではなく、むしろ「ソト」
生活様式の違いによって変化が生じる
開口の位置や看板、
軒によって変化が生じる
site
分析対象地域
と」
「同様の時間経過を辿りつつ異なる形式の商業
akihabara
建築が発展した土地であること」「特定の文化を中
京浜東北線
keihin tohoku
line
京大空襲で多くの建物が焼失し、その後商業地域
中央線
再開発地域
redevelopment
area
ラジオ商店街
chuo line
として発展した秋葉原と原宿を調査の対象地域と
電気街
electoric area
1950's
心に発展した地域であること」を条件として、東
秋葉原駅
radiio street
akihabara
station
する。
また、地域の風土的特徴が表れている建築が多い
ことから秋葉原では電気街を、原宿ではキャット
Ⅸ
1960's
秋葉原
ストリート沿いを詳細な対象地域として選定し、
1990's
Ⅵ
プログラムを商業建築に定め、「商業地域であるこ
高架下にラジオ販売店が出店
電器街として広範囲に拡大
大型量販店
コンテンツの構成の分析
表から得られた風土的特徴を立体モデルとして立ち上げ
風土的特徴を抽出した。
る。秋葉原においては看板と開口の構成から四種類、商品
秋葉原は原宿に比べ、調査対象の建物数が多くコンテンツ
と軒の構成から四種類の風土的特徴を抽出し、原宿におい
の数が少ないため、一つの構成から多数の風土的特徴を抽
ては看板と開口の構成から三種類、商品と軒の構成から三
出することでファサードのバリエーションを増やし、適用
種類、ベンチと段差の構成から一種類、植栽と段差の関係
することとする。
から一種類、ショーウィンドウと開口の構成から二種類の
volume seller
青果市場が解体され大規模再開発が始まる
選定地域における建物に番号を付け、調査対象と
秋葉原
する。
開口 × 看板
竹下通り
原宿
takeshita street
原宿駅
harajuku
キャットストリート
harajuku station
cat street
70 年代を通して海外ブランドが発展
開口「上部全面・下部全面」
開口「上部部分・下部全面」
開口「上部部分・下部部分」
看板「上部階層・下部全面」
看板「下部全面」
看板「下部部分」
看板「下部部分」
1979
omote-sando
開口「上部全面・下部全面」
軒 × 商品
1970's
表参道
1970's
山の手線
yamanote line
同じく 70 年代にストリートブランドが発祥
79 年からゴスロリブランドを通して発展
軒「付加型・全面」
軒「付加型・全面」
軒「ロール型・全面」
軒「ロール型・全面」
商品「部分・外部のみ」
商品「全面・内部まで」
商品「全面・外部のみ」
商品「全面・内部まで」
原宿
開口 × 看板
Ⅶ
コンテンツの分類と調査
看板
階段
sign board
stairs
開口 ×ショーウィンドウ
階段
看板
stairs
sign board
軒・開口・壁など建築の設計に係る「ファサード
コンテンツ」と、看板・商品・植栽など設計後に
秋葉原モデル
壁
ショーウィンドウ
置かれる「付加コンテンツ」という二種類のコン
原宿モデル
show sindow
テンツに分類する。
wall
開口「上部全面・下部全面」
開口「上部部分・下部部分」
開口「上部部分・下部全面」
開口「上部全面・下部全面」
開口「上部部分・下部全面」
看板「上部壁面」
看板「上部壁面」
看板「上部壁面」
SW「上部全面・下部全面」
SW「下部全面」
軒 × 商品
チラシ
eaves
goods
開口
看板
段差 × 植栽
軒
商品
flyer
段差 × ベンチ
壁
ベンチ
軒
チラシ
商品
柱
bench
付加コンテンツ
pillar
軒「一体型・部分」
軒「ロール型・全面」
軒「一体型・全面」
段差「凸型・階段なし」
段差「凸型・階段あり」
商品「部分・外部のみ」
商品「全面・内部まで」
商品「部分・外部のみ」
商品「敷地内・部分」
商品「低木・部分」
ファサードコンテンツ
軒
商品
段差
植栽
eaves
goods
両地域において商業建築の立面写真を撮り、その
green
step
地域において多用されていると感じたコンテンツ
を選択し、分析対象地域全域にその広がりが見ら
れたコンテンツを分析対象とする。
Ⅹ
分析対象地域全域に広がりが見られたコンテンツ
付加コンテンツ
を赤枠で囲い、分析対象とする。
ファサードコンテンツ
付加コンテンツ
ファサードコンテンツ
ファサードコンテンツの「開口」においては分析対象とするすべての建物において確認できたため、作図はしていないが分析に用いることとする。
Ⅷ
コンテンツの構成の分析
【商品 × 軒】におけるコンテンツの構成の比較
下図のようにファサードコンテンツと付加コンテ
設計プロセス
概念モデルとの比較における設計プロセスをもとに、風土
加コンテンツを選択し、コンテンツに適した形態を与える。
的特徴を重視するプロセスを提案する。既存の商業建築の
その上で、第四章における構成を維持しながらファサード
設計プロセスでは、建蔽率や容積率からボリュームが決定
コンテンツを設計し、最後にボリュームを決定する。これ
し、ファサードコンテンツ、付加コンテンツの順に設計さ
によって付加コンテンツは純粋な形態をとり、建築の部分
れる。この手法ではコンテンツは建築の表層における組み
部分では風土的特徴を保ったままそれらの組み合わせに
合わせにしかならず、形態は変化しない。
よって全体が構築されていく。
提案するプロセスでは既存とは逆のプロセスを辿る。ま付
原宿
秋葉原
ンツにおいて関係性の強いもの同士を結び付け、
軒の
配置
各々のコンテンツ同士において一覧表を作成し、
分析対象の建物をプロットする。
軒の
配置
商品の
配置
秋葉原モデル
階段
看板
部分
ロール型
付加型
躯体一体型
全面
全面
付加型
全面
3-6
25-3
5-3
28-7
12-8
12-9
12-24
17-8
18-4
21-8
1
10-6
1
11-7
1
11-13
1
11-26
1
15-11
1
17-3
1-7
8-5
26-5
29-4
1-6
3-3
21-5
1-11 13-12
1-12 17-7
2-3
18-7
2-7
3-13
4-3
7-5
11-14
9
9-7
1
10-3
1
15-1
1
15-16
1
15-20
1
18-9
2
21-7
2
25-2
部分
15-6
16-13
22-5
ロール型
躯体一体型
部分
部分
15-3
29-5
経済的設計プロセス
ecomnomical planning process
商品の
配置
なし
躯体一体型
全面
全面
15-5
20-4
26-3
15-21
ロール型
付加型
16-9
4-10
付加型
全面
ロール型
部分
8
8-6
5-3
10-6
10-11
16-5
22-5
24-6
部分
13-1
部分
外部のみ
躯体一体型
なし
部分
3-14
7-3
7-6
10-2
10-12
15-3
15-4
15-6
1
15-2
1
19-2
2
21-4
16-4
17-4
18-5
20-3
21-1
23-4
25-11
27-1
外部のみ
開口
チラシ
軒
商品
全面
27-11
12-12
看板
ベンチ
植栽
外部のみ
21
2-1
開口
階段
壁
軒
柱
部分
全面
部分
る同じ付加コンテンツとファサードコンテンツの
なし
27-9
②
床面積
×
階数
③
建築のファサードにおける
コンテンツの組み合わせ
(ファサードコンテンツ)
④
建築の表層における
コンテンツの組み合わせ
(付加コンテンツ)
⑤
完成
9-3
内部まで
1-10
3-2
9-15
10-5
17-1
18-1
20-10
20-11
21-6
23-4
24-1
24-2
27-2
1 14
1-14
2-2
3-8
3-9
4-13
5-4
6-3
6-17
92
9-2
9-3
9-6
10-4
10-7
11-24
11-27
12-5
内部まで
右の表は以上の内容において秋葉原と原宿におけ
1-7
8-1
8-2
9-4
10-3
17-1
24-3
27-8
27-2
内部まで
段差
①
けんぺい率による
フットプリントの決定
全面
外部のみ
原宿モデル
ショーウィンドウ
商品
25-10
13 5
13-5
15-14
15-18
15-24
16-16
21-3
27-3
28-6
2
2-12
3
3-1
3
3-4
3
3-11
3
3-12
4
4-5
4
4-6
8
8-6
10-2
11-6
14-2
15-11
16-23
17-4
17-10
17-11
17-9
18-2
21-1
21-4
22-3
23-1
26-1
26-2...
計 29
1
1-7
9
9-1
1
12-13
1
18-8
14
1-4
1-9
2-2
2-6
3-5
4-1
6-9
6-10
6 11
6-11
6-13
6-15
7-4
8-2
8-3
8-7
8-10
8 11
8-11
10-9
11-8
11-10
11-12
16-15
17-2
18-3...
計 30
1-2
1-13
2-7
2-10
4-7
4-11
5-2
7-1
9-10
25-5
6-2
10-11
16-3
20-1
20-3
2-5
12-23
6-1
14-5
8-1
15-7
8-4
22-7
11-1 29-6
11-21
12-10
12-22
1-5
2-8
4-12
6-8
6-16
8-11
10-2
11-10
27-3
3-6
8-4
8-5
8-12
10-8
風土的設計プロセス
7-2
10-4
10-7
25-9
vernacular planning process
全面
内部まで
8-9
9-10
9-11
9-12
11-3
12-2
12-3
12-20
13-2
15-17
15-19
16-6
16-7
16-14
16-18
27-4...
計 38
11-17 22-2
11-20 22-4
11-25 23-5
12-1 25-1
12-7 28-1
13-3
13-11
15-5
2-11
3-7
4-10
8-8
9-5
9-8
10-10
11-9
11-16
11-18
11-22
12-14
12-16
12-17
12-18
12-19
12-25
13-1
13-4
15-15
16-16
16-1
23-2
27-1...
計 36
1-2
1-15
1-16
4-9
6-12
6-18
6-19
9-4
9-14
10-8
11-2
11-5
11-23
12-6
12-14
12-15
13-8
13-9
13-10
14-1
15-8
16-4
27-5
28-5...
計 26
なし
4-6
10-5
19-1
21-3
23-1
24-1
25-5
26-1
27-6
構成をプロットしたものである。各地域において
頻度が多く確認できたものを赤枠で囲う。
同様のコンテンツを用いても、頻度の多いものの
傾向に違いがみられることから、この特徴をその
同様のコンテンツを用いても
この違いを「風土的特徴」
地域の風土的特徴と位置付ける。
構成の偏りに違いが生じる
と位置付ける
1-1
1-4
4-11
7-5
13-4
17-3
21-2
22-3
25-6
27-5
27-7
27-10
1-5
3-5
3-12
4-1
4-4
5-2
8-3
8-7
8-8
10-13
10-15
20-1
22-4
12-2
12-3
16-1
18-8
23-5
23-6
24-5
25-2
25-7
27-12
1-2
2-4
3-8
8-9
8-10
8-13
8-14
8-15
9-2
10-1
17-6
11-7
25-3
26-4
3-13
8-16
12-4
24-4
1-3
2-2
2-5
3-2
3-4
3-7
3-11
4-2
5-1
6-1
7-1
7-4
8-11
9-1
10-10
10-14
11-1
11-2
14-2
15-1
16-4
16-8
16-17
17-2...
計 40
2-1
3-1
3-3
3-9
3-10
4-3
4-5
4-7
4-8
4-9
4-12
6-2
6-3
6-4
10-9
12-1
13-2
13-3
16-2
16-3
17-5
18-2
18-4
20-5...
計 27
開口
Φ
看板
①
コンテンツの
選択
②
付加コンテンツに
応じた形態の形成
③
ファサードコンテンツと
付加コンテンツの構成を
保った結合
④
ボリュームの
決定
⑤
完成
process
秋葉原
3
1
2
3
akihabara
1
1
1
3
第五章
level +16100
level +30500
1
1
3
2
1
2
3
3
2
3
1
1
3
1
site
3
1
level +26900
level +12500
3
1
1
2
3
1
1
3
3
1
1
3
2
1
1
level +23300
level +8900
屋外広場
各々のファサードが秋葉原の風景を作り出す
3
1
2
2
1
1
2
1
3
1
1
2
1
level +5300
高さ39mのビルに面する東面
ビルによって切り欠かれた西面
2
1
3
1
1
1. shop
3
3
3
level +19700
2. storage
1
3. counter
平面図
1:1000
level +1700
雑居ビルが立ち並ぶ南面
大通りに面する北面
敷地は電気街にあり、敷地北面は幅員 12m の大通りに面し、
南と西側は電気街としての風景を構成する雑居ビルが並ぶ
通りに面する。東側には高さ 39m のビルが建ち、西側は高
さ 17m のビルによって約半分切り欠かれた状態である。こ
の敷地において、街並みに溶け込むボリューム感と、各々
コンテンツのみに着彩した模型
異なる敷地の東西南北の面に応えることが重要だと考え
る。
大通りに面する敷地北側のファサード
のファサード
秋葉原では二種類のコンテンツのみによって全体が構成される
大きくえぐられた開口がエントランスの表情を作り出す
情を作り出す
建物全体に看板と軒が広がり、部分部分で秋葉原の風土性を生み出す
ボリュームの決定
視線による看板位置の決定
ルーバー
建物全体が一つの塊と見えるよ
うに建物全体を囲う。周辺の建
物と呼応するボリューム感を生
む。
柱
梁が通る位置に柱を設ける。内
視点位置
視線方向
視界の境界
スタディボリューム
部にヴォイドが空いたような建
決定ボリューム
敷地外の、建物を認識し始める点を起点として視線の方向を決定し、看板の位置と大きさを決定する。秋葉原においては地階部分のみ外部からの視線でボリュームを決定し、上階は同じ手法を内部動線に適用することで全体を構成する。
看板 における設計手法
看板 における構成
看板の角度
商品 における設計手法
A
B
C
物 で あ る た め、外 側 に は 約
秋葉原の電気街は一階部分に店舗が集約し、二階以上には空きが多くみられる。
店舗を積層させ、動線でつなぐことで建物全体ににぎわいが生まれる。
A-Aʼ section
1:300
軒 の配置
軒の高さ
level
D
A
(内部)
軒
+11500
+11500
≧
10
°
上階のスラブと階段のかからな
≧10°
い位置に配置する。秋葉原特有
GL
5m
6000mm ピッチで配置する。
開口「上部全面・下部全面」
開口「上部全面・下部全面」
開口「上部部分・下部全面」
開口「上部部分・下部部分」
看板「上部階層・下部全面」
看板「下部全面」
看板「下部部分」
看板「下部部分」
の商品の溢れ出す風景を生み出
雨にかかる部分に軒を変形させて配置する。
看板
C
D
す。
B B
+19800 ~ 24600
+22500
秋葉原ではファサード前面の全面において商品が溢れ出す傾向があることから、対象
+21900
視点を高さ 1.55mに設定し、人の視野より、水平方向から 10°上げ
軒は上下のスラブがかからない位置に配置し、各ボリュームにおいて上階が
た角度で看板の上端を設定し、これと前方 5m にいる高さ 1.7m の人
あるものを A、最下階の開口の幅が広いものを D とし、残りのボリュームに
にかからない角度で上端までと等距離になるように下端を設定し、
B と C を交互に配置する。
階のファサード前面において上階のスラブが上にかからない面に軒を配置し、商品の
+19800
溢れ出す空間を設ける。
+24600
商品 における構成
看板の角度を決定する。
D
A
ボリューム
D A
+24150 ~ 27750
A
B
C
D
上階への動線を兼ねる場合 の看板における手法
+24750
+26550
形態は看板の見え方によって決
+24150
定される。地上に面するボリュー
+27750
上階への動線を兼ねる場合、看板の上方向の角度を階段の勾配+10°
看板の角度
ムは外側から、その他は内部動
とし、下方向の角度を視線位置から階段上端までの勾配とする。
線からの見えによる。
D
軒「付加型・全面」
軒「付加型・全面」
軒「ロール型・全面」
軒「ロール型・全面」
商品「部分・外部のみ」
商品「全面・内部まで」
商品「全面・外部のみ」
商品「全面・内部まで」
C
D
B
+30750 ~ 49350
+29950
+31650
看板
≧階段の勾配+10°ー視線から階段上端までの勾配
軒は上階のスラブがかからない位置に配置し、各ボリュームにおいて開口が部分的なも
+30750
のを A とする。全面開港のものにおいては、前面のフロアの変形に合わせられるものを
+49350
B、その他において開口が 10m 以下のものが C、10m 以上のものを D とする。
敷地南側
敷地西側
ルーバーと壁面によって街並みに溶け込むボリューム感を生む
都市の隙間から看板が現れる
看板
における構成と手法
原宿
C CB
harajuku
AC
C C
2
4
1
2
1
(内部)
2
2
1
1
1
2
1
3
4
3
2
4
事務空間
cat streer
1
A
A
A’
A’
3
2
4
A’
3
2
3 2
3
1 1
1
2
B
視線の方向
敷地境界線の一番近い一辺を、近い方から辺の 1/4 の距離の点を見
C C
B B
A
BC
B
C
3
るように視線を設定し、これと垂直になるように看板を配置する。
1 4
1 2
ファサードの一部を凸上にすることで看板を設置し、この延長線上
に内部では事務空間を設ける。
開口「上部全面・下部全面」
開口「上部部分・下部部分」
開口「上部部分・下部全面」
看板「上部壁面」
看板「上部壁面」
看板「上部壁面」
site
二階平面図 1:1000
三階平面図 1:1000
ショーウィンドウ における構成と手法
BA B
A
B
3
1
4
商品
2
試着室
1
マネキン
4mの高低差によって隔てられた東面
1
ショーウィンドウ
B B A B
(外部)
ショーウィンドウごしに配置される商品を引き立たせるため、商品
A
B
4
2
3
5
4
B
3
2
の後ろに試着室の一部となる白い壁面を配置する。
1
1
開口「上部全面・下部全面」
開口「上部部分・下部全面」
SW「上部全面・下部全面」
SW「下部全面」
1
3
3
4
商品
キャットストリートに面し、人で賑う西面
3
4
1
2
1
2
4
3
4
における構成と手法
敷地はキャットストリートの南端、明治通りと接する位置
にあり、渋谷からも人が流れてくる場所である。敷地西側
A-1B-2 A-1A-1
にキャットストリートが面し、東側は公園に接するが、東
4
西では高さ4mの高低差があり、現状では完全に分断され
1
ている。よってこれを繋ぎ、キャットストリートの街歩き
A
の流れをそのまま受け流すようなヒューマンスケールの建
4
3
A’
1
3
建物鳥瞰
築を設計することを試みる。
1
3
2
多様なコンテンツの複合によって全体が構成される
1
2
2
2
4
1
2
3
2
study
視線の方向によって看板の位置をスタ
原宿方面
1
study
4
2
1
切り欠く
延長する
A-1
B-2
3
築エリア ) に適合するようにボリュー
原宿では、躯体の一部が軒となり商品が置かれる構成、ロール型
ムを決定する。また、敷地内に街路を
site
4
1
北側道路へ
ディし、敷地内の街路以外の部分 ( 建
A
B
C
3
5
の軒がかかる構成が多かったことから、平面上で全面道路に水平
増やしていくことで建築エリアを細か
渋谷方面
decide or devide
decide or devide
て歩行者からファサードを認識しやすくし、商品が溢れ出す空間
交互に決定することで全体を構成す
を設ける。
公園入口へ
る。
2
になるようにボリュームを切り欠く、あるいは伸ばすことによっ
く分節し、看板の位置とボリュームを
軒「一体型・部分」
軒「ロール型・全面」
軒「一体型・全面」
商品「部分・外部のみ」
商品「全面・内部まで」
商品「部分・外部のみ」
3
東側道路へ
植栽
1
1. shop
における構成と手法
N
美竹公園
4
2. office
3. fitting room
敷地の東西をつなぐように分割する
study
3
視線方向からボリュームを決定する
study
4
decide or devide
4. counter
study
5
31
decide or devide
5. storage
°
一階平面図 1:400
decide or devide
≧31°
冬至の南中高度で切り欠き階段にする
決定ボリュームで見えなくならないような位置にさらにボリュームを配置する
街路を増やすことによってさらに建築エリアを分割する
敷地全体にボリュームが配置できるよう計画する
2
1
3
1
1
1
3
1
A-A’断面図 1:400
視点位置
スタディボリューム
視線範囲
決定ボリューム
視線方向
北側に植栽のためのスペースを確保し、南方向に冬至の太陽高度
である31°でボリュームを切り欠くことによって、植栽に陽が
当たるように計画する。切り欠かれた部分は上階への動線とし、
上階部分にエントランスを設ける。
ベンチ
段差「凸型・階段あり」
商品「低木・部分」
における構成と手法
l
l =キャットストリートの全長 ÷ ベンチの数
(1228m)
(38)
≒32m
壁の一部を凹ませてベンチを配置する。配置に関してはキャット
ストリート沿いのベンチの平均距離で決定する。
敷地東側からファサードを眺める
段差「凸型・階段なし」
公園へと上下動線がつながり、キャットストリートの裏通りにもにぎわいを広げる
商品「敷地内・部分」