NGC 定例会レポート - 公益社団法人 日本照明家協会

しては、こういう場所があったことは、知らなきゃ損!?
とにかくこんな感じで希望だけは出し放題です。もちろん
それを実行できることも過去のバックステージツアーで実
証済みです。
N.G.C. 定例会レポート
山下顕治(N.G.C. メンバー)
CELCO 社の話
色々な話が出てくる中で、奥村さんが CELCO 社の
Navigator を使っている所ってありますか?と。おーっ懐
かしい! なんて思った方がチラリホラリ。プリセット
いつものこのページは、ワークショップなどの報告を行っていますが、今回は趣向を変えて……。
フェーダーが、いわゆるフェーダーではなくクルクル回
そもそも、毎月第 2 火曜日あたりで定例会議と称して、色々なことを話し合っています。もちろんワークショップの企
すエンコーダータイプ。しかも卓面には 12 個のエンコー
画や準備などを話し合うことがメインです。が、メンバーにとって有意義なのは、一口に照明さんと言えども、さまざま
ダーしかないけど、それがスクロールして多数のプリセッ
な仕事をしている方々との情報交換。今月は、そんな白熱している定例会議の様子を紹介したいと思います。
トフェーダーが存在するし、サブマスター(Q フェーダー)
名器 celco gold
富士ライト商事(株)や
コートーライティング(株)の電球工場見学!
もスクロールして同じように多数のサブマスがある作りの
走りともいうべき名器でした。それを使って色々と試した
お次の話題。これはすでに行ったことのある人は皆さ
(株)パシフィックアートセンターの舩山さんが司会進
りました。かなり面白い内容で、これは勉強会ネタとして
いことがあるとのこと。思えば、エフェクトエンジンなど
ん口を揃えて「よかったよ、絶対一度は見ておいた方がい
行。もう手慣れたもので、N.G.C. 楽団のタクトを振って
放っておく手はないということで、さっそく勉強会を 7 月
がない時代に、この卓でランダムサーチ(というかランダ
いよ!」と言うので、ずいぶん前から話題にはしていまし
らっしゃいます。今回は他にどんな方が出席していたか
に実施してしまいました。これが記事になっている頃に
ムに見えるようにフォーカスポイントは吟味に吟味を重
た。
をちょっとご紹介しましょう。まだまだ色々なものを隠し
は、すでに終わっているのでホームページをチェックして
ねた)のプログラミングなどに猛烈な手間をかけていまし
特に電球を手作りしている所。熟練の職人さんがガラス
持っていそうな泉 次雄さん(
(有)ライズ)
、はるばるやっ
みて下さい。アドレスは http://www.densokogei.jp に
た。円を描くような動きを「もう少し大きくして!」と簡
を吹いて、フィラメントを手巻きしている所などは感動す
て来られた奥村知行さん(
(株)東日本舞台)と濱野祐二さ
なります。
単に言われても、今と違い、修正にとんでもなく手間のか
るそうです。皆さんそれぞれ大事に扱っているとは思いま
かる作業でした。ただ、これのおかげでエフェクトエンジ
すが、これを見るとよりそういった思いに駆られるそうで
ん(フリー)の栃木組!?、今回、紅一点の榎田安季さん
(
(株)綜合舞台サービス)
、最近、この誌面で文才を存分
今後行いたいワークショップが挙がっているので、その
ンなどの理屈がとても理解しやすく、今思えばいい勉強に
す。ただちょっと東京から離れた栃木県と茨城県にあるの
に発揮されている野口和貴さん(
(独)日本芸術文化振興
内容をちょっと紹介しちゃいます。やるかやらないかは今
はなりましたね。そんな苦労があったからこそ、エフェク
で、工場見学という社会勉強の他にも何かオプションが欲
会)
、露木眞一さん(
(株)ニイ イチ ゴ)
、N.G.C. に来て、
後の展開ということで。某スポーツ新聞のような眉唾的な
トエンジンなる物を搭載している卓を触った時の衝撃は忘
しいね〜なんて話も。ということで美味しいものや温泉な
実は同じ高校出身だったことが発覚し、びっくりしていた
話題もありますが、それはご愛嬌。
れられません。
どがあれば、照明家のモラルも向上する上にコミュニケー
高橋雄介さん(
(株)ハートス)と今回の報告記事を書いて
まずは LED ワークショップ。すでに何度か実施してい
そこから話は更に一般照明卓の名器、CELCO の GOLD
ションの向上も図れ、工場見学がさらに意義を増します。
いる私、山下顕治(日本工学院専門学校)
、そしてご意見
ますが、今回挙がっているのは“.image(ドットイメー
に話は移りました。思いっきりレトロな感じはあります
ということでどっかいい温泉ある? なんて話に脱線しま
番というか、監査役というか、とにかく我らの長にあたる
ジ)
”という LED。ステージ & ライティングの現場という
が、この卓ならではの機能や仕様は、新しい卓がいくら
した。そっちの話から本線に戻るまでには、しばらくかか
勝又伸夫東京支部長(
(株)綜合舞台サービス)の御出席も
『Sound & Recording』の別冊で紹介されていたもの。な
出ても求めてしまうところがあります。これに取って代わ
りましたね。
賜りました。
かなかスケジュールが合わないので実現していませんが、
る一般照明卓はまだ出現していないといっても過言ではあ
なんとか形になればと思います。
りません。余談ですが、私の周りに「女の子が生まれたら
そして、最近のトラブルなどの報告。誌面に書けないよ
『せる子』って名前を付けよう!」なんて言うくらいのファ
うな話は沢山あるのですが、何気なく出した話題で、何と
毎月どんな会議を行っているかというと、まずは最近
バックステージツアーの希望もいくつか挙がっていま
行ったワークショップなどがあればその報告。今月は 5 月
す。希望を出す時はとにかく思いついたもの、メンバー
に行われた、カラーフィルター勉強会の報告がありまし
が勝手に見たいものがそのまま候補になります。6 月の時
パーライトをイントレに付けた単管にオーバーハング
た。その内容は、先月のこのコーナーでも報告済みです。
点では、東京ディズニーリゾートにオープンするシルク・
(いわゆる上吊り)というのはよくやりますよね。その G
それから、この時点ではまだ開催前でしたので、ワール
ドゥ・ソレイユ シアター東京のバックステージツアー。
ハンガーをプライヤーなどでしっかり固定する際に出てく
ド・ライティング・フェア 2008 について。協会としてテ
なんといってもこの組み合わせで出来るものですから、面
る場面でのこと。誰もが「下がらないようにちゃんと締め
レビスタジオ・デモンストレーションブース、ムービング
白くない訳がない。ぜひとも、その裏側を見てみたい! とけよ!」と声をかけると思います。まだまだ若くて元気
ライトワークショップを開催。N.G.C. メンバーとしても、
というのは至って自然な流れではないでしょうか。
な(N.G.C. メンバーもそこは同じ!?)1、2 年目の子達だ
期間中のスタッフ募集中ということがありました。この
あとは、今のうちに見ておかないと一生見られなくなっ
とこの“どのくらい!?”というのが感覚として身につい
ワールド・ライティング・フェア 2008 での出来事は、来
てしまう! そう、今年で閉館することになった新宿コマ
ていない。
月のこの誌面で紹介予定です。
劇場!! 演歌?の聖地で、照明的にはアークピンを最近
緩すぎて時間とともに灯体自体がお辞儀してしまうな
ンがいました。
なく大きな話になってしまったものをひとつ紹介します。
までフル活用していた、とても貴重な場所。なくなってし
らまだしも、気合いを入れすぎて締めすぎた結果、G ハン
奥村氏からの提案もあり、CmsEditor の制作者(株)
まうものを今更見てどうするの? なんて御意見もあるか
ガーが割れてしまった! しかもその割れたものが自分に
ジャスト吉崎 徹氏のホームページ<電装工芸>の話にな
もしれませんが、やはりこの業界に首を突っ込んだものと
32
Journal of Lighting Designers & Engineers Association of Japan
Navigator
向かって飛んで来て流血していた子もいました。
Journal of Lighting Designers & Engineers Association of Japan
33
電源の端子台
パーライトの上吊り
そこで誰彼ともなく口にしたことが「
“適当にとか、い
こういう所のネジも…
い(良い)加減に”ということをどうやって教えるか? 特に最近は、いろんなことやモノが便利になりすぎて、何
ダンスやバレエなどの仕事での話がありました。とは
でも自分の手加減さじ加減でするということ自体が実生
いっても、別にダンスやバレエに限った話ではありません
活の中でも減っているのではないか?」ということでし
が……。ちょっと照明に詳しい(つもり)の○×教室の先
た。まず、例に出て来たのが水道の蛇口。適度に締めると
生が照明に対する注文でありがちな場面。まず、トップサ
いうのよりは最近はシンプルにバーを上げ下げするものが
スとフォロースポットの違いが分からないでそれぞれの言
圧倒的に多くなりましたね。公共施設においては衛生面を
葉を使っている。特に、御自分のお考えを言葉や絵で説明
重視されていることもあってか、蛇口自体を触らなくなっ
してくれる方もいらっしゃいますが、どうも話を聞いてい
てきていています。ということで、きちんと締める、けど
ると「それってトップサスがフォロー出来ると思ってませ
締めすぎないという感覚を養う機会は確かに減っているか
んか??」なんて言いたくなった(言ってしまった)人も
も……。
多いはず。それと照明が当たっていない=見えない! と
専門学校でも「どうやって教えるの?」なんて言われま
思っていること。確かに直接当たっていなくても周りのハ
したが、確かにこれは大きな命題。言われてみれば照明に
レーションにより見えていたり、背景には照明が当たって
は「いいカンジにしておいて〜」という場面が多々あるこ
いるので、自分のシルエットがきれいに見えていることを
とを思い知らされます。灯体ひとつとっても、G ハンガー
すっかり忘れていたり。そのことを相手のプライドを傷つ
のクランプでバトンやパイプの締め具合、首の振りを適度
けずにどうやって説明(説得)するかに気を使うな〜なん
にするネジ、蝶ネジは抜けないようにしっかり締めてなけ
て話にもなりました。
ればいけません。それに、灯体のアームにあるネジでの首
話は尽きないのですが時間が来たので場所を移し、さら
の上げ下げ。そもそも、ケーブルなどを作った時やさまざ
に話はヒートアップ。とにかく色々なジャンルの仕事をし
まな機材のメンテナンスを行う際のドライバーとネジの関
ている人たちとの情報交換はとても貴重です。また好奇
係もそれに当たりますね。サイズが合うものを使うのはも
心が旺盛なら、個人では見られないようなバックステージ
ちろんですが、その締め加減や締める時にしっかり押し込
ツアーやワークショップもわりと言った者勝ち(でも本当
むなど。ネジ山をなめてしまうと厄介なことになりますよ
にそうなんです!)ってところがあります。こんな調子で
ね。電源ケーブルの端子台でこれを適度にしないと自体は
やっていますので、ぜひ一度顔を出してみてはいかがです
さらにおおごとになるわけです。端子台はプラスチックな
か? 突然の参加も大歓迎です!
ので気合いを入れて締めよう(サイズが合うからと言って
ということで、毎回お酒が入ると歯止めが利かない面々
ラチェットを使うなんて言語道断)ものなら、端子台を破
につられ、今回もやっぱりお酒がすすんだ、やましたが報
損しかねません。そうなって電源がとれない事態を招いた
告いたしました。皆さんのお越しをお待ち申し上げており
ら目も当てられません。 ます。
34
Journal of Lighting Designers & Engineers Association of Japan