塗装工程の効率・品質向上 - Dürr in Japan

塗装工程の効率・品質向上
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実績と技術力
塗装工程の生産効率
自動車業界における、塗装工場の設計・設置で世界をリードする Dürr 。既存設備の更
新やラインの新設工事といったプロジェクトを手掛けています。そこでは、数十年にわた
る実績、また工程に関する確かな見識を基盤とした、総合的なアプローチを展開してい
ます。Dürr は、その製品設備及びコンセプトにおいて常に開発努力を続けており、省エ
ネルギー、品質向上、単価低減の観点から、塗装工程全体の生産効率の向上に寄与し
ています。
塗装工程における環境負荷低減策
塗装工程は、自動車製造工程の中でエネルギーの消費量が最大の工程です。塗装 工程における車体一台あたりの消費電力は平均 700 – 900 kWh に上り、この工程
のインパクトの大きさが分かります。自動車 1 台完成にかかるCO2 排出量は、自動車
4 万 km 走行時の排出量に相当します。しかし同時に、エネルギーや原材料の使用
量削減、省スペース、CO2 排出低減を図る上で、塗装工程はその複雑な構造から、
数多くのアプローチを生み出せる工程でもあるのです。
– 今日から明日へ、持続可能な生産工程を
Dürr は、環境負荷低減の可能性分析やその最大限の活用に取り組んでいます。
これまでに が達成した塗装工程のエネルギー削減量は 60 %超に
上っています。もっとも Dürr にとってこれは出発点に過ぎません。
の理念は、継続的な技術革新、そして個々の要求仕様への
総合的なアプローチにあります。こうした理念に基づき、
Dürr はスタンダード設備及びお客様毎にカスタマイズした
ソリューションを提供しています。常に最新型の
。
プラント技術を提供する Dürr の 現在 は、自動車塗装業界に
おけるベンチマークとなっています。
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効率の徹底追求
自動車業界で常に求められる、最高水準の品質と単価低減。これらの両立には、全工程の調査・分析、 そして最適化がかかせません。重要なコスト削減対策として、今
エネルギーや原材料の使用量削減かつ
最大限利用、すなわち、省資源型の工程、製品、システムの導入が注目されています。
– あらゆる分野の効率向上へ
»» 工程の効率化
»» 効率的な CO2 排出低減
»» 原材料の有効利用
»» スペースの有効活用
»» 柔軟性がもたらす効率化
塗装工程におけるマテリアルバランスの最適化を図ります。 エネルギー、水、塗料、原材料、CO2、有機溶剤、排水、廃棄物の
各々について、使用量及び排出量を把握していきます。
最適化の対象は、一連の工程全体に渡って存在します。最適化
の作業は、合理的な設備レイアウトを設計する段階から始まり
ます。 Dürr では、前処理・電着、ロボットや塗装技術を駆使した新しい
塗装ブースのコンセプト、新型のオーブン加熱システムに至るま
で、あらゆる分野における最適化を追求しています。最終工程で
は、高効率の排気処理システムに廃熱回収機能を統合し、プロ
セスを循環させることができます。
環境負荷の低減:
パーティクル
VOC(揮発性有機化合物)
CO2 、騒音 、臭気
ユーティリティー使用量の削減:
電力、
ガス、水
廃棄物排出量の削減
マテリアル使用量の削減:
塗料、薬品
排水量の削減
排
高品質
生産性向上
生
高品質
生産性向上
生
塗料、薬品
マテリアル使用量の削減:
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排水量の削減
排
塗装工程におけるコスト削減
には、高水準の機能と品質を生む Dürr のノウハウが結集されています。Dürr の
堅牢なコンポネント及び高機能な総合システムは、高品質なコンプリートシステムとして、あるいは、
既設塗装工場のパフォーマンス改善の一端として、お客様の具体的な「コスト削減」に貢献します。
Ecopaint RoDip
EcoDryScrubber
»» 台当たりコストを最大 16 % 削減
»» 塗膜品質の向上
»» タンク容量の縮小
»» ライン長の短縮
»» シンプルかつ優れた柔軟性・堅牢性
»» 塗装ブースでの電力消費量を 60 % 削減
»» パーティクル排出量を 90 % 超削減
»» 水・化学薬品が不要
»» オーバースプレーの捕集剤に天然のライムストーン (炭酸カルシウム)を使用
»» 塗装ブース断面積のダウンサイジング
水の使用量・排水量を最小限に
エネルギーの効率と使用量の監視
水は、将来特に貴重となる資源の 1 つです。Dürr の は、可能な限り水資源の節約に貢献します。
例えば、EcoDryScrubber におけるオーバースプレーのドライ分
離、あるいは、Ecopaint RoDip の省スペースかつ容量縮小型タ
ンク。これらの導入による水の使用削減量は約 60 %に達します。
水の使用量を削減すれば、排水量も減少します。排水量について
も、きわめて低い水準に達しています。
は、包括的なエネルギー効率の向上に貢献しま
す。理想的なケースでは、ボディ塗装一台当たりのエネルギー消
費量を 400 kWh 以下に抑えています。Dürr には省エネに貢献す
る製品が数多くあります。例えば、EcoDryScrubber は、その持続
可能なプロセスが評価されて数々の賞を受けるなど、国際的に高
い評価を頂いています。これらと並行して、Dürr の工程管理システ
ム EcoEMOS はエネルギー使用量を総合的にモニターし、電力を
消費するすべての設備に対して制御と最適化を図ります。この結
果 Dürr は、エネルギー使用量と密接に関係する CO2 排出量をわ
ずか 2 年間で半減させています。
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EcoBell 3 高速回転アトマイザー
EcoLCC リニアカラーチェンジャー
»» 高性能かつシンプルな技術
»» ボルテージブロック不要で、水性塗料の連続塗装
»» コンパクトなアトマイザーで、あらゆる塗装面に対応
»» 柔軟性に優れたスプレーパターン
»» アトマイザーの変更なく1ゾーンで内板と外板の塗装が可能
»» 色替時間:10 秒未満(押出方式)
»» ドッキング時の混色防止
»» 色替ロス:10 ~ 15 ml 未満(色替え毎)
»» カラー数: 最大 36 色の水性塗料(ペイントサーキュレーション
なし)、最大 24 色(ペイントサーキュレーションあり)
»» 5 つの電磁弁で色替制御に対応
塗料使用量の削減 – 資源消費と廃棄物の削減
Dürr は、塗料使用量の削減を目標にかかげ、新たな開拓に向
けて挑み続けています。塗装工程の小型化・最 適化であれ、高
効率な高速回転アトマイザー ­EcoBell 3、リニアカラーチェンジャ
ー EcoLCC などのテクノロジーを通じてであれ、Dürr が今後も新
分野に踏み出し、切り開いていくことに変わりありません。
Dürr の は、あらゆる方面のマテリアルバラン
スを改善します。塗料使用量の削減は、塗料製造段階の原材料
消費量の減少だけでなく、塗装工程で発生する廃棄物や溶剤排
出量の減少をももたらします。塗料使用量削減により、過去 3 年
間でお客様の台当たりコスト27 % 減、という成果が生まれていま
す。
またシーリング工程でも、シームシーリング、アンダーボディ・プロテ
クション、キャビティーシーリングといった各工程を自動化すること
で、労働力及び原材料のコスト縮減が実現します。
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スペースの有効活用
は、塗装ラインのほぼ全エリアにおける省スペース化を念頭に置いています。中でも塗
装ブースでは大幅な省スペースが実現しており、Dürr の革新的なコンセプトが確実にコスト削減効果に
貢献しています。
塗装ブースの省スペース化
モジュール式のコンパクトブース
内板塗装ブースでは、ロボット走行レールを上下に配置し、ハン
ドリングロボットは上部レール、塗装ロボットは下部レールを移
動させる事により、ロボットの交差が可能となります。結果、塗
装ブース長を 1~2 m 短縮でき、イニシャルコスト・ランニングコス
ト両面の削減に繋がります。
塗装ブースを全面的に見直して誕生した Dürr の EcoReBooth。
そこでは、塗装ブース下部に、ダクト・空調・エア再循環システムを
配置。オーバースプレーのドライ分離技術で実績がある EcoDryScrubber と共に、関連装置を全て、同一レベルにま
とめました。建屋の構造と独立したモジュール式というコンセ
プトで、オーバースプレー分離モジュール数の削減、設備全体
のシンプル化、そして省スペース化を実現しています。
EcoRP
EcoReBooth
»» 塗装ブース長の短縮による、スペースの有効活用
»» イニシャルコスト・ランニングコストの両面から削減
»» 同期化された高精度な動きと処理機能
»» マテリアル消費量の低減と品質向上の両立
»» 塗装ブース内の革新的なプロセスエア技術
»» 電力、水、化学薬品の使用量を削減
»» 省スペースで自由度の高いモジュール方式
»» 実績ある EcoDryScrubber の確かな技術
»» エネルギー効率に極めて優れた、コンパクトな塗装ブースとい
うコンセプト
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将来への持続可能性
Dürr が考える「持続可能性」のコンセプトは、エネルギー生産とその再利用に関するあらゆる側面をカ
バーしています。
は、革新的なオーブンコンセプトや熱回収システムを通じ、エネルギー
供給源の多様化、エネルギー自給といった方向へ、大きく踏み出しています。
太陽の力
クリーンな排気
塗装ブースに次いでエネルギー消費量が高い乾燥システム。 Dürr では、同設備に太陽熱エネルギーを利用します。熱出力
が 80 °C に留まる従来型ソーラーコレクター(太陽熱集熱器)
と異なり、Dürr の高性能型コレクターは、オーブン稼働に必要
な 220 °C 以上の熱出力が可能です。また Dürr は、日照に関係
なく持続可能な発電として、コジェネシステムを利用した代替発電
も提案しております。そこではガスタービン内の低排出燃焼プロセ
スで発生した廃熱をオーブンの加熱に利用します。
では、排気浄化処理に熱回収装置を携え
ています。オーブンの排気浄化は、統合されたアフターバー
ナー(再燃焼装置)で低コストに行われます。発生した廃熱
は、必要に応じてオーブン給気の予熱に利用することがで
きます。新しい排気浄化処理システムでは、排出基準値を確
実に下回ります。同時に、設備全体のエネルギーバランスの
向上に貢献します。
Ecopaint Oven
Ecopure 排気浄化処理システム
»» 太陽熱エネルギー及びコジェネの利用
»» エネルギー供給源の分散による台当たりコスト削減
»» CO2 排出量の年間削減効果:太陽熱エネルギー 1,000
»» 非常に効率的な排気浄化プロセス
»» 極めて高い VOC(揮発性有機化合物)浄化処理効率
»» 低ランニングコスト、低メンテナンスコスト
»» モジュール式でコンパクトな設計
»» 高度な加熱性能 – 迅速なプレヒート
トン、コジェネシステム 2,000トン
»» エネルギー自給のための重要なステップ
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Dürr – Leading in Production Efficiency
四事業部門が掲げる共通目標。それは、お客様の生産効率を、最大限に引き上げることです。
パンフレットの内容は、当社の判断で変更を加えることがあります。ここでは、製品の概要または性能上の特徴を説明する内容に留めて
おり、実際には個々のケースで異なる場合があります。性能パラメータは、契約書で明記されている場合に限り、保証されるものとします。 © Dürr Systems GmbH
»» 塗装・組立システム:自動車、航空機製造向け、塗装設備および最終組立プラント
»» アプリケーション・テクノロジー:塗装技術、接着剤/シーラー塗布ロボット、アプリケーション設備
»» 測定・制御システム:バランシング装置、クリーニング設備・テスト装置、充填装置、組立設備
»» クリーンテクノロジーシステム:排気処理システム、エネルギー高効率化技術
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