小次郎講師のトレーダーズバイブル第20回

最高レベルのトレード手法をどこよりもわかりやすく!
小次郎講師のトレーダーズバイブル第20回
「エッジの発生する仕組み1、
移動平均線のエッジ」
皆さん、こんにちは、小次郎講師です。
助手のムサシです。よろしくお願いします。
【1、トレードエッジの見つけ方】
タートルズのトレードエッジはシンプル、シンプルでトレードに有効な
らこんな素晴らしいことはない。
シンプルイズベストですね。
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ただ、タートルズのトレーダーがタートルズを卒業後ずっとタートルズ
のトレード手法をそのまま使っていたかというと、当たり前の話だが、
そのままではなく、改良してどんどん進化させていったわけだ。
その改良の一番はやはりエントリールール。
価格変動の中でどうやってエッジを見つけるかと言うことに関しては、
それぞれがどんどん工夫していった。
そうなんですね。
だから、タートルズたちが授業の中で教えられたのは決して「20日ハイ
で買え20日ローで売れ」などという単純な話ではなく、トレードエッジ
をどうやって見つけ出すかという根本原理も教えられた。
なるほど。
本日はちょっとそこら辺をしっかりと教えたい。
よろしくお願いします。
まず、身近なものとしては各種テクニカル指標の買いシグナル売りシグ
ナル、これは価格変動の中でエッジがある瞬間を示したもの。
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【身近なエッジ】
・テクニカル指標の買いシグナル、売りシグナル
そうなんですね。
【2、移動平均線のエッジ】
たとえば、移動平均線で有名なのは「ゴールデンクロス=買いシグナ
ル」「デッドクロス=売りシグナル」という売買シグナル。
知ってます。
有名だが、読者の中には知らない人もいるかもしれないので、一応説明
を入れておこう。
【ゴールデンクロス】
価格が移動平均線を下から上にクロスすること。=買いシグナル
【デッドクロス】
価格が移動平均線を上から下にクロスすること。=売りシグナル
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さあ、ムサシ君、考えてごらん、何故ゴールデンクロスで買うことがチ
ャンスで、何故デッドクロスで売ることがチャンスなんだろう?
えーと、移動平均線ってのはある期間の終値の平均値でしたね?価格が
それとクロスするということは・・・・・難しいです。
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あきらめが早い。
上図を見てごらん。これは東京金の価格に20日移動平均線を付けたも
の。左側にゴールデンクロス、右側にデッドクロスがあるね。
確かにゴールデンクロスで買ってデッドクロスで売れば、利益を上げる
ことが出来ますね。なるほど、ゴールデンクロスはそこから上昇トレン
ドが発生することを意味しますから、そこが買いチャンス、デッドクロ
スはそこから下降トレンドが発生することを意味しますから、売りチャ
ンス。これでどうですか?
ではゴールデンクロスだとどうしてそこから上昇トレンドになるんだ
い?デッドクロスだと何故そこから下降トレンドになるんだい?
それは・・・・・。
むしろ上昇トレンドが起こるとゴールデンクロスが発生する。下降トレ
ンドが起こるとデッドクロスが発生すると捉えた方がいいね。別の角度
から見てみよう。
はい。
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価格(ろうそく足)と移動平均線の関係を見てごらん。
もし価格が移動平均線の下にあったら、そのときはどういう状態だね?
ちなみに上記図の左側と右側がそういう状態だが。
価格が移動平均線の下にあるんですね。移動平均線は今回20日移動平均
線ですから、20日間の終値の平均値ですね。
それと価格の関係・・・、教えてください。
ほんとにすぐあきらめるやつだな。
移動平均線の計算は以下のとおり
【20日移動平均線の計算式】
20日移動平均線=過去20日間の終値の合計÷20
今日を含めて過去20日の平均的買い値(=平均的売り値)を示したもの
が20日移動平均線
それはわかります。
それと価格を比較するのだから、価格が下にあり、移動平均線が上にあ
るということは、過去20日間に買った人は平均的に損しているというこ
と。
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なるほど。過去20日の平均的買値と現在の価格を比較して、どれくらい
儲かってるのかどれくらい損しているかを見ているんですね?
それが移動平均線の本質。
ということはもし、移動平均線が下にあって価格が上にあったらどうい
うことになる。
過去20日間に買った人は平均的に儲かっている。
そういうこと。
ということは移動平均線と価格の差を見れば、過去20日間に買っている
人がどれくらい儲かっているか損しているかを判別出来る。
奥が深い。
もう一度さっきの図を見てごらん。
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図の左側では移動平均線が価格の上にあるから、買い方はマイナスだっ
た。ということは買い方の心理はどんなことになる?
買って価格が下がっているわけですから、不安ですね。
不安だとどういうことを考える?
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早く損切りした方がいいんじゃないかと心配します。
だね。ところがやがてゴールデンクロスを迎えた。ゴールデンクロス以
降は価格が移動平均線の上にある。これはどういう意味だっけ?
買い方が儲かってるということです。
そうういうこと。つまり、ゴールデンクロスの重要な位置づけは、今ま
でマイナスだった買い方がプラスに変化したということ。
あ、そうか。
プラスになったら、買い方はどんな心理になる?
自分の予想が当たったと思って自信を持ちます。
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だね。「やっぱり思ったとおりの展開だ。」と自信を持って追撃の買い
を検討したりする。ゴールデンクロスより前はいつ売ろうかいつ売ろう
かと不安いっぱいだったものが、ゴールデンクロスによって、よし買い
だ、どんどん買うぞという気持ちに変化する。
「売り」から「買い」へ気持ちが大きく変化するのがゴールデンクロ
ス。だから、ゴールデンクロスが買いチャンスなんだよ。つまりその瞬
間に買いにエッジが出てくるということ。
なるほど。
ではデッドクロスとはどういう変化が出てくるか説明してごらん。
はい。デッドクロスより前は買い方が儲かっている時代。
ということは、自信たっぷり買っていたわけですが、デッドクロスによ
り利益がなくなり、その後マイナスの世界に変化します。
ということは、急に不安になって手じまいの売りを検討し始めます。
だね。つまり、気持ちが「買い」から「売り」へ一気に変化する。その
分岐点がデッドクロス。だからそこに売りのエッジが発生する。
わかりやすい。
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こういう指標の意味を知ることが大切。
このように移動平均線を正しく認識すればだましに会わなくなる。
意味を理解すれば移動平均線のゴールデンクロス、デッドクロスという
のはもみあい相場のときは有効でないということも自然にわかる。
確かに。もみあい相場なら、価格はある時期移動平均線の上にあり、あ
る時期移動平均線の下にあるということを繰り返しますから、今までマ
イナスだった買い方がプラスになったとか、プラスの買い方がマイナス
になったというような喜びや不安は別に感じないですね。
だろ?正しく理解すればだましにも強くなる。
この例のように、各種テクニカル指標は価格変動の中でどのようにエッ
ジが発生するかを分析するツール。だからその指標において、買いシグ
ナル、売りシグナルというのは、その指標の分析によって買いにエッジ
が出た瞬間、売りにエッジが出た瞬間を教えてくれると思えばいい。
そのエッジが出る瞬間を指標指標によっていろいろな角度から分析して
いるんですね。
そういうこと。ということで、投資家にとってエッジを見つける最大の
ツールはテクニカル指標とわかる。
しかし、その他にもエッジが発生する瞬間というのがある。
それを次回詳しく教えよう。
それを知っているのと知らないのでは大違い。
楽しみです。
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ではまた次回。
起立・礼
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