著作権保護と可搬性 紙の出版物をデジタル情報化すれば、なんらかの

第5回課題レポート
1年3組9~12番
演習5-3A
代表者:12番
篠原昂
電子書籍(でんししょせき)とは、古くより存在する紙とインクを利用した印刷物ではなく、電子機器
のディスプレイで読むことができる出版物である。電子書籍はソフトウェアであるコンテンツだけを
指すが、ハードウェアである再生用の端末機器(電子ブックリーダー)も重要な要素であり、本記
事ではコンテンツと端末機器の両方について記述する。
呼称については電子書籍の他、電子ブック、デジタル書籍、デジタルブック、E ブックといった呼称
が存在する。
コンテンツの流通と再生の違いにより、以下の方法が存在する。
1.
携帯電話や携帯情報端末などで、携帯電話ネットワークやインターネットからダウンロー
ドして閲覧する
2.
PC 等でインターネットからダウンロードして閲覧する
3.
PC などでインターネットからダウンロード後、さらに再生用小型機器にダウンロードして閲
覧する
しかし、問題点も多い。
著作権保護と可搬性
紙の出版物をデジタル情報化すれば、なんらかの複製制御の仕組みを配布方
法や再生機器内に備えないと、デジタル情報は容易に複製物が作られるよう
になり、P2P 型共有ソフトなどの違法な情報複製によって本来の著作物の販
売が阻害されるなど著作権者の権利が侵害される可能性が高い。これを避け
るために、電子書籍では当初からオンラインによる認証機能を設けたり、ダ
ウンロードした端末以外で閲覧できないようにするといったハードウェ
ア・キーを導入したりすることで、広範な複製は行なわれないようになって
いる。著作権者の権利保護はこれでほとんど問題がないが、利用者にとって
は購入したコンテンツは特定の機器に縛られて他へ移動することが制限さ
れるなど、可搬性は低下する。閲覧キーを購入する方式ではその損壊によっ
て再生できなくなる
電子化権利問題
最も大きな課題は電子書籍に関わる複雑な権利関係をどのように処理するか、と
いうことである。
現在の電子書籍は、主にこれまで紙媒体で流通していた作品を電子化したもの
が大多数である。また、そのような作品には一番人気があり市場でも売れている。
しかし、既に発売された作品を電子化する権利を誰が所有しているのかがはっき
りしていないことが多い。
本来、電子化をする権利は読み物であれば著者であり、漫画であれば漫画作家
であると思われるかもしれないが、実際には契約によっては紙として出版した出
版社に権利があるケースもある。また、アニメを原作にした作品では、そのキャラ
クターの版権を所持する団体が最終的な権利を有しているため、さらに複雑な権
利関係を処理しなければ電子書籍として市場に流通させることができない。
なお、電子化を行う手段としては紙媒体をスキャンする方法と近年主流になって
いる印刷用に用意した DTP データを電子書籍用のデータに変換することで電子
化する方法がある。スキャンする方法では紙媒体のレイアウトもスキャンすること
になるが、このレイアウトの権利(版面権)は著者ではなく、出版社が保持してい
るとの見解もあり、このような非常に複雑な権利関係の処理が出版業界に電子化
を躊躇させている。
また、収益性からオリジナルの電子書籍作品が流通しにくい環境も電子書籍が
普及しない一因とも言える。従来の紙による出版物であれば、書店取次ぎに出版
物を卸した段階で出版社に収入が(実際には数カ月の期間がある)あり、それを
原資に著者や制作に関する費用を支払うことができるが、電子書籍ではこのよう
なシステムを構築するのが難しい。一部の電子書籍書店ではアドバンス(売上げ
の前払い)で対応しているが、上手く機能しているとは言い難い
考察:電子書籍は現在急速に普及し我々の生活をより良いものにしている。そして
これからも進化していくものと思われる。
しかし上にも挙げたとおり問題点も多い。もっとも大きな問題はやはり著作権の問
題と思われる。この問題はすぐには解決できるものではないが、いずれセキュリテ
ィの進化により無くなると思われる。よって問題解決のための研究は必須である。
これからは電子書籍の普及により世の中から紙の新聞、雑誌、小説などは無くなる
かもしれない。よって電子書籍を誰もが手軽に扱えるように改良していくことも必
要不可欠である。
以上