シュローダー・グローバル投資家意識調査2016年

Schroders Global Investor Study 2016
シュローダー・グローバル投資家意識調査2016年
シュローダー・グループ ( 英国・ロンドン ) は、個人投資家の投資動向や投資意識を把握することを目的に、
「シュローダー・
グローバル投資家意識調査 2016 年」を実施しました。
本調査は、欧米、日本、オーストラリアのほか、ブラジル、インド、中国などを含む世界 28 カ国の個人投資家約 2 万人を
対象に、オンラインで行いました。
1. 投資の目的
要旨
約半数が年金収入の補完を目的に
子供の教育資金、退職後の生活資金、あるいは給与の
世界的に、投資の目的は「年金などの収入を補うため」と回答
補充。人によって目的こそ異なりますが、投資家は何らか
した投資家が最も多く、およそ半数
(45%)
を占めています。次
の収入「インカム」を得るために投資をしています。
いで「投資資金を増やすため」
(44%)
、
「給与などの収入を補う
しかし、現在の経済および市場環境を考慮すると、求め
ため」
(43%)
といった回答が、
ほぼ同等に高い結果となりました。
る投資収益に対して投資資金の保有期間などにギャップ
また、投 資家の約 2 割が、
「子 供や親 族を援助するため」
があり、投資家がかなり現実離れした期待を抱いているこ
(23%)
、あるいは「子供や孫の教育費に当てるため」
(20%)
とが、今回の調査で明らかとなりました。
に投資していることがわかりました。
世界的に投資家は、退職後の年金などの収入の補充を
投資の主な理由に挙げています。退職後の生活資金と
いった長期的な資産形成を考えるうえで、その期間と期
待収益の相互関係を考慮することがカギとなります。今
回の調査では、特に現代の投資家の投資資金の保有期
間に対する認識不足が、個人の資産形成の意識に大きな
影響を与えていることが浮き彫りとなりました。
世界の投資家の投資目的
年金などの収入を補うため
投資資金を増やすため
(再投資含む)
給与などの収入を補うため
子供や親族を援助するため
子供や孫の教育費に当てるため
住宅購入の頭金に当てるため
自分や家族の医療費などに当てるため
転職や資格取得の費用に当てるため
唯一の収入源を確保するため
住宅ローンや家賃に当てるため
その他・わからない
0%
5%
10%
15%
※複数回答
1
20%
25%
30%
35%
40%
45%
50%
Schroders Global Investor Study 2016
2. 期待運用利回り
3. 投資資金の保有期間
元本確保重視でも高い利回り期待
株式投資でも 5 年以上は 2 割未満
今回の調査では、世界的に投資家の期待運用利回りが、か
世界の投資家は、投資資金の保有期間に対して平均 3 年程
なり高くなっていることが浮き彫りとなりました。世界の投資
度と考えていることがわかりました。退職後の余命については、
家の期待運用利回りは平均 9.1%と、非常に高い水準を示し
平均 21 年程度と現実的に捉えているにもかかわらず、退職後
ています。さらに、10%以上の運用利回りを期待している投
の生活資金といった長期的な資産形成を考慮するには投資期
資家が、約半数に上りました。
間が非常に短期であると言えます。一般的に株式投資では最
世代別に見ると、1980 年から 2000 年ごろに生まれたミ
低 5 年必要と言われるなか、約 5 年以上保有すると回答した投
レニアル世代は、平均 10.2%とより高い利回りを見込んで
資家は 20%未満でした。
います。
ミレニアル世代は平均 2.7 年と、さらに短期志向となってい
高い利回りにはそれ相応のリスクが伴います。しかし、調査
ます。投資資金の保有期間 1 年未満と回答したミレニアル世
結果では、ほとんどの投資家が元本確保を重視していることも
代は約 40%に上ります。日本の投資家の平均投資(保有)期
明らかとなっています。
間は 4.3 年と世界平均より少し長い結果となりました。
世界的に高利回り志向が依然として根強いですが、金利が
こうした結果から、投資収益の目標と収益成長の期間に対
5%以上だった時代とは、
投資環境は大きく様変わりしています。
して、世界的に投資家は現実離れした過大な期待を抱いてい
現在の低金利環境下でも投資に対して過度な期待を抱いてい
ることがわかります。退職後、20 年、30 年といった長期的な
ることは、長期的な資産形成を考慮するうえで、大きな問題と
資産形成の観点では、理想と現実のギャップがさらに広がる
考えます。
可能性があると考えます。
世界の投資家の期待運用利回り
世界の投資家の投資資金の保有期間に対する意識
35%
期待運用利回り:平均9.1%
30%
25%
5~10年
未満
10%
20%
4~5年
未満
9%
15%
10年
以上
8%
6カ月
未満
12%
投資資金の保有期間
平均3年
6~12カ月
未満
18%
3~4年
未満
8%
10%
2~3年
未満
15%
5%
1~2年
未満
20%
※年金と不動産を除く
0%
2%
以下
3%
4%
5%
6%
7%
8%
9% 10% 11%
以上
2
Schroders Global Investor Study 2016
シュローダー・グローバル投資家意識調査2016年の概要
調査機関
リサーチ・プラス・リミテッド
(Research Plus Ltd)
調査方法
オンライン
調査期間
2016年3月30日~4月25日
調査対象
ブラジル、
カナダ、中国、
フランス、
ドイツ、
インド、
イタリア、
日本、
オランダ、
スペイン、英国、
米国を
• オーストラリア、
含む世界28カ国
• 1万ユーロ
(または相当額)
(約127万円*)以上を今後1年間に投資する予定があり、
かつ直近5年間に投資商品
の取り引きがある投資家
*2016年3月末現在、1ユーロ=127.70円
有効サンプル数
2万件
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同社の子会社および関連会社等を意味します。
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 90 号
加入協会:一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人投資信託協会
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