24 年度全道高等学校選手権

北海道バスケットボール協会
指導者育成専門委員会
2012/07/06(金)
タクティクス(HBA指導者育成専門委員会ブログ)
NO.
113
24 年度全道高等学校選手権(インターハイ予選)を終えて
指導者育成専門委員会
永野 博子、川村 健二
本大会は 6 月 22 日から 24 日まで室蘭市を中心に、海星学院の当番校で行われた。
男子は圧倒的強さで札幌日大が平成 15 年度以来 2 回目の優勝、女子は札幌創成が決勝リ
ーグ初日、まさかの黒星を喫したものの、翌日連勝し、同率・対戦成績結果により念願の
初優勝を飾った。 はたしてこの強さが続くのか。特筆すべきは、女子札幌山の手の連続
優勝が 21 連勝でストップし、再び新たな挑戦が始まったことと、男子札幌日大がかつての
東海大第四を彷彿させ、全国の舞台を見据え鍛えられた強さが他の追随を全く許さない程
に成長した姿である。
男子は、札幌日大以外、その日の調子如何といったやや混戦模様の感があった。
Aブロックでは、昨年度優勝した帯広白樺が 2 回戦で函館有斗に敗れ、その函館有斗も
札幌日大には完敗、札幌日大が難なく決勝リーグへと駒を進めた。
Bブロックでは、シード校以上に呼び声が高かった旭川工業が不運にも怪我人に泣き、2
回戦で札幌月寒にまさかの逆転負け、シード校の釧路北陽が当番校海星にやっと勝つとい
う苦戦を強いられながらも、結局、月寒をも破り 5 年ぶりに決勝リーグ進出を果たした。
Cブロック、旭川大学と東海大第四(札幌 3 位)とのベスト 4 を掛けての戦いは、身長
と経験に勝る旭川大学が第 3Q(period;Q 表示)後半に逆転、東海は旭川大学のスローペ
ースにはまり、ゾーンを攻略出来ずに失速、旭川大学が 2 年ぶりにベスト 4 に進出した。
Dブロックは、札幌地区 4 位の札幌工業が、同じく 2 位の恵庭南を第 4Q 残り 5 分、13
点差を逆転、終始押し気味だった能力集団とも思える恵庭南を、ディフェンスのねばり強
さで耐え凌ぎ、鮮やかな逆転勝ちを収め、2 年ぶりのベスト 4、結局、札幌地区 2 校と旭川・
釧路地区それぞれ 1 校がベスト 4 進出を果たし決勝リーグ戦へ突入した。
決勝リーグ第 1 戦は札幌日大 対 釧路北陽、旭川大学 対 札幌工業の対戦となった。
札幌日大 対 釧路北陽は、スピードと高さ上手さに勝る札幌日大が第 1Q から⑧三井の 4
連続ゴール等で終始圧倒、前半で 31 点差となり、結局 113-47 の大差で札幌日大が余裕の
勝利。
旭川大学 対 札幌工業は、第 3Q 終了時点で 51-43 のロースコアで旭川大学がリード、
札幌工業はオールコートプレスで追い上げをはかるが、大事な局面で旭川大学⑧佐竹に連
続シュートを決められ、最後は 78-74 で旭川大学が逃げ切った。
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翌日最終日、第 2 戦、札幌日大 対 札幌工業は、攻守に優る札幌日大が⑤高橋が 34 得点
の活躍に加え、④森川⑭高橋のガード陣のディフェンスのねばりもあってこの試合でも全
く危なげなく 107-55 の 100 点ゲームで勝利し、全国大会行きを決めた。
旭川大学 対 釧路北陽戦、旭川大学は今大会、⑥林(192cm)をポイントガード的に使
ってゲームに臨んでいるが、スタートはオフェンスがかみ合わず、前半は 21 対 22 という
ロースコアで終了。しかし第 3Q にやっと目覚めた感じで、瞬く間に北陽を突き放し、結局
71-38 で勝利し、インターハイ出場の切符を初めて手にした。
リーグ最終戦、2 敗同士の札幌工業 対 釧路北陽戦は、幾分試合経験に勝る札幌工業が
⑥山本、⑦瀬川の活躍で第 3Q 終了間際に逆転、そのまま突き放し、結局 70-54 で粘り勝
ちを収めた。 際立った長身者がいないながら④伊藤を中心にチームとしてよくまとまり、
粘りを見せる戦いぶりはさすが・・の感があり、今後に期待したい。
釧路北陽は、現時点は目一杯というところであろうが、主力の⑩藤田、⑪中山(190cm)
がまだ 2 年生ということもあり、今回の経験によって一層相手を脅かす存在になっていく
ものと思われる。
2 勝同士の対決となった札幌日大 対 旭川大学戦、旭川大学は 185~192cm の選手 5 人
を要し、札幌日大に唯一高さで対抗出来るチームとして注目されたが、その高さが通用し
たのは 18-19 で終えた第 1Q のみ。以降は札幌日大の執拗なゾーンプレスを全く攻めるこ
とが出来ずに速攻を繰り出され、ワンサイドゲームの 53-102 で終了。
運も味方し全国出場を果たしたもののポイントガードの定着、ドリブル多用の動かない
オフェンス、更に走力を含め本番までどう修正して臨むのか興味深いところである。
札幌日大は今大会、全て 100 点ゲームで終えるという、全ての面において圧倒的強さの
みが際立った大会であった。鍛えられてきた 3 年目の成果がいよいよ全国で試されること
となり、どれほど通用するのか、昨年までの女子のように、その晴れ舞台での結果を大い
に注目したい。
最後に、今回の当番校であった海星学院には、全校をあげての心配りの行き届いた対応
と、室蘭地区協会の皆様のご尽力に対し、心よりお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
(男子総評:川村 健二)
札幌創成高等学校
初優勝を飾る!
(担当:永野
博子)
今年は、室蘭を中心に伊達、登別の各会場でスタートし、私は女子を担当することにな
った。思えば私も第 13 回の室蘭大会で優勝した思い入れがある場所でもあり、当時のこと
を今でも鮮明に覚えている懐かしい場所でもある。新人戦とは違い女子は 23 チームと少な
く、3 試合を勝ち抜くと決勝リーグへ進出できる方法である。2 月の新人大会の後、各チー
ムの仕上がり状況が楽しみな大会でもあった。
A ブロックは札幌創成、B ブロックは札幌東商、C ブロックは海星学院、D ブロックは札
幌山の手の 4 チームが出揃った。中でも D ブロックの北星女子は旭川藤に初戦敗退、新人
戦 3 位の帯広南商は北見緑陵に初戦敗退と波乱の幕開けとなった
それでは、決勝リーグの中で特に印象に残った 3 試合を紹介したいと思う。
[ 札幌東商 VS 札幌創成 ]
支部の春季大会では、15 点位の差で創成が勝っていたが、この日の東商はディフェンス、
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リバンド共に頑張り前半 36-27 の東商リードで終了。3P に入り創成はオールコートマン
ツーマンディフェンスに変え#13、#5 の 3P で流れを引き寄せ 54-51 と迫る。4P に入り#13
のインサイドを中心に攻めるがなかなか点数が伸びない。残り 5 分試合が拮抗していると
きに東商#12 の 3P、#4 のドライブが決まる。更に創成が激しく当たりボールを取りにいき
3P を狙うがシュートが入らない。最後は 74-67 で東商の勝利。第一シードが敗れるとい
う波乱の決勝リーグのスタートとなった。
[ 海星学院 VS 札幌東商 ]
両者マンツーマンでスタート、お互い粘り強いディフェンスと外郭のシュートが思うよ
うに決まらず拮抗した形で進行するも、東商#5 のドライブ、#7 の 3Pで優位にゲームを展
開し前半を終了。後半も立ち上がりから東商#7 のパスカット、3P の連続で流れを引き寄せ
点差を広げ 3P では 38-25 と 13 点差で終了。4P に入ると海星はオールコートプレスを仕
掛け、東商のミスを誘い一気に流れが変わる。#15 のドライブシュートやバスケットカウ
ントで残り 5 分を切って同点に追いつく。東商タイムアウトをとるも海星の勢いを止める
ことができず逆転を許し、さらに海星は#15 のスリ-などで点差を広げ 51-44 で試合終了。
地元の声援を受けた海星の見事な逆転劇だった。それにしても東商は前日の創成戦に勝っ
ており、このゲームを取ると全国の切符も見えた大事な一戦を落とし、悔いを残す結果と
なった。
[ 札幌創成 VS 札幌山の手 ]
昨年の新人戦、支部予選と創成が勝っており山の手のまき返しが期待されるゲームで始
まった。両者マンツーマンで始まり一進一退のゲーム展開で、前半 40-36 と山の手にリー
ドを許したが後半は粘り強いディフェンスと#5 と#13 の連続得点で流れをつかむ。一方山
の手も#4 のスリー、#8、#17 のインサイドで対抗するもミスが続きリズムがつかめず、勢
いは創成に。最後に追い上げを見せたが一歩及ばず 71-67 で創成が激戦を制した。
以上、決勝リーグの結果、創成と山の手が 2 勝1敗で並び直接対決で勝った創成が初優
勝で山の手の連覇は 21 でストップした。1 勝 2 敗の海星と東商は、直接対決勝者の海星が
3 位、東商が 4 位となった。
昨年新人戦の TACTICS を担当し、この大会を楽しみにして室蘭に入ったが、感想を一言
述べたいと思う。創成は前任の三上先生が退職され、若い吉田先生に代わったがチームの
雰囲気も今までとは違い明るく、伸び伸びとプレーしていた感が強い。三年生中心のチー
ムで全国までにより一層の努力を惜しむことなく一つでも多く勝進んでほしい。山の手は
一年生主体のチームになっているが上級生がここ一番奮起して全国大会に臨んでほしい。
先輩の残してくれた財産を糧として!!
海星は二度目のベスト 4、下級生に能力のある選手が多いチームで次大会はおそらく上位
に食い込んでくるであろう。東商は唯一の公立高校でメンバー的にはあまり恵まれていな
いが、基本に忠実なプレーとチーム力で勝ち進んできたように思う。他の公立高校の刺激
になってくれればと思う。
又、審判に関しては、春には女性審判研修会、この大会ではA級審判講習会を兼ねてお
り、参加者一人一人が真剣にそして適正に、笛をふいていたのが印象に残っている。より
一層レベルの高いレフリーを目指し研鑽してほしいと願っている。
最後に、室蘭地区バスケットボール協会、当番校の海星学院高校には大変お世話になり
ました。有り難うございました。
HBA(北海道バスケットボール協会)指導者育成専門委員会
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