日消外会議 1 0 ( 2 ) : 2 1 8 ∼ 2 2 2 , 1 9 7 7 年 特集 5 や 人工肛 門 とそ の Atter care (と くに腸洗除法 を 中心 に) 聖路加病院外科 牧 野 永 城 葛 西 猛 COLOSTOMY AND ITS CARE WrrH SPECIAL EMPHASIS ON COLOSTOMY IRRICAT10N E二ki― NO,M.D.and Takes】 崩 KASAI,M.D。 St.Luke's lntcrnational I=ospital,TOkyO 索引用語 人 工肛門, 腸 洗淋法 われわれの直腸癌手術症例は1965年1月 か ら1976年4 P resectiOnを 月まで87例で,そ の うち A‐ 行 った者は56 名 であ る。われわれがこれ らの患者 に対 して人工肛門 の After Careとしての腸洗淋法を指導 し始めたのは1965年 Erythromycinの 経 日投与 に よる腸内消毒 を 試み てはい るが, 1次 的 に人工肛門を開 口す る際 ,手 術野を便で汚 染す ることも何度かあ ったが,こ れ までに 1例 も StOma の感染を経験 していない。近年腸管を retrOperitmealに でこれまで約11年間 の経験 になるので ,そ の間に得 られ た ことを中心に述べ てみたい。 腹壁外 に出 して くる方法が盛になって きた よ うだが ,著 者 自身 の経験では tranSPeritOneal routeで 1例 もそのた P resectiOnのうち,現 在 まで死亡 のはっき 56名の A・ いる りして 者を除 いた48名に対 し,人 正肛門の管理 に関 す るア ンケー ト調査を行 い ,そ の うちの33名か ら解答を めの腸閉塞や ParaCoIostOmy herniaは みていないので現 在 で もすべ て transperitOnealに 行 っている。そ の際結腸 得た 。 この他 にわれわれの 病院では ,人 工肛門 の 専門外来 として Stoma clinicを設けてあ り, そ こには 専属 の S,oma care specialistと もい うべ き者を,医 師や看護婦 の中か ら養成 して患者 の相談 に応 じた り,助 言や指導 を 行 ってお り,そ こで得 られたデ ータな ども加えて報告 し たい。 1. 人 工肛門造設法 われわれの行 っている人工肛問造設 に ついて は 以前 に発表 した ことがあ るが1), ここで 簡単 に 触れ ると, 1963年以来 ,著 者 の執刀す る症例 はほ とん ど全例に A‐ P resectionと 同時 に人工肛門を開 日し,Skin leveIで1次 的 に皮膚 と粘膜 の縫合を行 い 。平 坦な StOmaを つ くっ て きた 。術前 2∼ 3日 前 より,原 則 として Neomycinと * 第 9 回 日消外総会 シ ンポ I 人工肛門 とそ の A f t e r C a r e = 外側簿は完全に閉 じるように している。 2.術 直後の管理 人工肛門がで き上 った ら直ちにプラスチ ック製の集便 バ ッグを患者が手術場を去 らぬ うちに貼 りつけ る.こ の 際たいてい術後 1∼ 2日 は 便が出ない こと が 多いのだ が,出 始 め ると 1週 間,10日 は多少液状で便の排出 も不 規則な ことが 多いので皮膚 もぴらん しやすい。そのため 術後 10日間位は とくに皮膚を保護す る目的で,カ ラヤ リ ング付 きで ,し かは頻回の貼 り替えをせずにすむ ような 裾 の開閉 自在な集便 パ ッグを使用す る。この期間 のパ ッ グの交換 は看護婦が行 う。 3.そ の後の管理 術後10日を経 る頃か ら人工肛門 の 自己管理について積 極的な患者指導を行 いは じめる。このために患者指導 の ための手引 きを作 ってあ り,こ れを よく読んで もら うと 同時に実地指導を行 う.こ の指導は医師 ととくにこの方 面 に熟練 した看護婦 が担当する。指導 の主な内容は,集 便 バ ッグの使用法 ,腸 洗維法,生 活上 の一般的注意 ,人 53(219) 1977年3月 主肛門周囲の皮膚 の管理 ,な どが主なもの となる. 1)集 便 バツグについて 集便パ ッグには市販のものに種類が多 く選択に迷 う程 たが,注 意すべ き主な点だけでも拾 うと,ま ず最も大切 な ことは皮膚がかぶれないとい うことである。これは接 着に使 う糊の性状に左右され ることが多 く,製 品によっ て糊の材料,組 成による差が種 々ある。と同時に同 じ製 品で も,あ る人はかどれてある人はかがれないといった ことも多く,患者の糊に対する感受性の個人差は大き■ 要素 となっている。われわれ の経験 では ,比 較的かぶれ に くい とい う製品はあって も,絶 対 にかがれぬ とい うも のはな く,個 人差 については予め知 る方法 もないので , 2∼ 3種 の違 った製品を備えておいて,語 用 した後 自分 に適す るものを選ぶ ように指導 してい る. るものもあるし,本 質的 な ことではないか もしれぬが, 日常使用す る場合はバ ッグを通 して中の便が見えない よ ー うに材質を不透 明に した り,カ ラ をつ けた り,と くに 女性用 に花模様をあ しらってみた り,さ まざまな工夫 が み られ るもの とみ られない ものとある。 集便 パ ッグには以上 の ように接着剤 に よって直接皮膚 に貼 りつけるものの他 に ,ベ ル トに よって器械的 に装着 一 す る型 の ものがあ る。 般 に前者 の方が普及率が高 くな りつつ あ るが,わ れわれ の患者 の調べ では ,約 半数が接 着式 ,他 の半数 がベル ト装着式を使用 していた . 2)生 活上の一般的注意 食事 としては,下 痢や ガスや臭 いの原因 となる食物 に はかな り個人差があ り,ま たそれを気 にす る人 ,し ない 人 とあって ,あ れ もいけない ,こ れ もいけない とは じめ 材質 に工夫を こらし,体 を動か して もガサガサ と音をた か ら指示す るよ りは,は じめはなんでも食べ てみて,自 分 に適 さない食物 は 自分 の経験 で覚えて避け るように指 ー 導 している。アンケ トの結果 では33名中22名が何で も 食べ ていると答えている。下痢 ,ガ ス ,臭 いなどの原因 てぬものがある。患者'ま 案外この音を気にするものであ として挙げ られ ているものを表 に示 してお く (表 1). バ ッグの材質その ものに よって臭 いを発散 しやす い も の とそ うでないもの とあるが,材 質 の もつ厚 さも臭 いに 大 きく関係す る。薄い ものは臭 いやす い。製品に よって る。 い くらかがれに くくて も剣れやす い 糊 では 役 に 立た ぬ ,製 品 に よって この点相当 な 差 があるの も 事実で あ る。 パ ッグの形が矩形 の形 を とっていると,角 が体動 の と 音に皮膚 にささって痛い とい う人 がある.親 切 な製品は を円 く切 ってある。はち ろん これはパ ッグの材質 の柔 表1 食 事 ・2 2 / 3 3 ( 6 7 % ) 何んでも食べ る…・ 下痢を起 しやすいもの…… ビール, ミル ク, カ レー, 冷 い ものなど ガスの原因 となるもの…… ごぼ う, い も類, き ゃべつ, 萄 , 線維の多いもの 臭いの原因となるもの……葱, 玉 葱, に らなど かさとも関係がある。 手術直後 のパ ッグと違 ってこの時期は不意 の漏便 に備 人工肛門周囲 の皮膚 の Careと しては石けん と水 で洗 える目的を もつ ものだか ら頻回の交接を必要 としないこ とが多い 。とくに後述す るように洗棒法を行 う人 に とっ って よく乾燥 させ ることを怠 らなければ滅多にび らんを 起 こさないが,も し起 こった場合 は ,昔 は セビレヒ ト軟 ては ,唯 用心 のためにバ ッグを装着す るとい う人 も多 く 頻 回の交換を 必要 とせず diSPOSableでそ の都度捨 てる ようにで きている。したがってバ ッグの裾 も最初か ら閉 膏や亜鉛華軟膏なども使 っていたが,今 日ではもっば ら カラヤ ゴムか ,と きにはケ ログ軟膏を使 ってお りほ とん どす ぐ例外 な く治 ってしま うといつて よい と思 う. じた形で作 られ ているものが大部分である。この場合案 外困るのは排 ガスが多か った場 合バ ッグがガスで充満 し 入浴や水泳 については ,と くにそ のため人工肛門部を 覆 って シールす るパ ックもあ るが,か えって 目につ くと て逃げ場 がな くなって大 きくふ くらんで しま うことがあ ることであ る.こ のガスを抜 くために小 さな針穴 の よう 人では,使 いって嫌 が る人 もあ る。漏便 のおそれのなヽ十 いはない.旅 い て した違 行 について って も使わな く もた べ は洗族の項 で述 る。 なものがあって通常はその上を接着剤 のついた紙であ さ いであ り,必 要に応 じて これをはがしてガスを逃が し, 再 びその紙 で シールで きるといった配慮を示 している製 品 もある。患者 に よっては これを非常 に有難 がる者がい る。 そ の他集使バ ッグの材質そ のものに防臭処理 を してあ 3)腸 洗維法 人工肛門患者 に とって最大 の問題 はい うまでもな く排 便 の方法 であ る。従来は術後 は排便処理 の方法 として , いつ 出て くるかわか らない便を うけ るべ く,人 工肛門に 集便 のため の装具を当ててお くだけで,そ の装具 は とか 54(220) 人工肛 門 とそ の After care(と くに腸洗濫法 を■心 に) く初期 の頃 には金属や ゴムなどでで きていて腹壁 との接 着 も悪 く,防 臭 の点 で も欠陥が多か った。人工肛門患者 が術後社会 に出てか ら案外平気で一 向苦にしない人 がい る反面 ,人 知れぬ心労を重ねてい る人が多いこ とは種 々 の調査で も明らかであるの3).就 中最 も苦労 しているこ 日 消外会議 1 0 巻 2 号 図 1 折 りた ヽみ式 プ ラスチ ック製貯水襲 とプ ラス テ ックチ ュー プ, 滑 車式括栓付 き, 先 端 は○状 ス トッパ ー付 きのカテ ーテル とは不規則 に起 こる漏便 と排 ガス と,そ れ に伴 う便臭 と 排 ガスの音 であ る。社会的に職業上集団の中で仕事す る 人 に とくに この悩みは著 しい.こ の問題は一体 ど う処理 すべ きか。癌 は切除 した ,後 は 自分で考えて仕末す るが よい。 とい うのが極端 にいえば従来 のや り方 であった の だが ,果 してそれで よいのか .手 術 に よって残 された人 間 としての失地回復 について も真剣に取 り組んで手を差 しのべ るのがほん とうの 医療 とい うも の ではあるまい か 。 しか し人工肛門については現在上述の悩みを完全に 解決 して くれ る方法 は知 られていない。現在 で きる最良 の方法は,せ めて排便をなるべ く予期 した時 に規則正 し く起 こす ことに よって上述 の ような悩みをで きるだけ軽 図 2 便 を入 工 肛 門 か ら便 器 に 誘 導 す る筒 状 の プ ラ ス チ ッ ク袋 減す るところにあるようである。しか し食事 の注意だけ で排便を規則的にさせ るのは結局無理であ る。このため アメ リカでは浣腸 の よ うな用具を用いて腸を洗濃す る方 法 が試み られ ,今 日では普及 してほ とん どすべ ての人工 肛門患者 に応用 されている.こ の洗練を毎 日または隔 日 に規則的に行 うとその中間期 には排便が起 こらず,ガ ス の排出はほ とん どな くなるので 自信を もって社会生活 に 戻 ることがで きるようになるとい うのである。 a.用 具 極端なことをいえばイル リガー トル とゴム管 があれば よい よ うなものだが ,な に しろ一生使 うものであ り,場 合に よっては旅行中には使わねばならぬので ,そ のため 図 3 携 帯用 セ ッ トに入 れ た ところ 小 さなセ ッ トになって携常 に便利な外国製の市販 セ ッ ト を使用 している。 (図 1,2, 3) b.洗 膝 の指導 と要点 前述 の如 く術後 10∼14日後位か ら指導を始 めるが ,患 者 に ものみ こみの よい人 ,あ るい人 といろいろなので , なるべ くわか りやす く,間 違 いの少ない よ うな指導法を 選ぶ 。そのため ,水 は約 1升 ,温 度は人肌 よ り少 し冷た い位 ,挿 入す るカテーテル の 長 さは 示指 よ り少 し長 目 に,そ して 吊 り下げる貯水 パ ッグの高 さは耳の高 さ位 と 教える。洗捺は初めの うちは原則 として 1日 1回 大体同 じ時刻位に行なわせる。 水の畳 :最 初は1,000∼1,200ml位 か ら始め, 段 々増 量 して1,800ml位 まで もってゆ く,量 が少 ない と洗株が 不完全にな りやす く漏便 の原因にな りやすい。ベ テラン になると普通量の 2倍 の3,600ml位使 う人 もあるが多 く は 1度 の洗株で排液が きれ いにならぬ場合に限 る。この 患者 はここ10年その よ うな実施法を続けて何 の障害 も認 めていない. 55(221) 1977年3月 水温 :多 少冷 ための方が よく効 くとい う人が多い .25 ∼30℃位をすす めている。 挿入す るカテ ーテルの長さ :約 10Cm挿 入すれば よい ようで ,兎 角初心者が失敗す るのは怖 がってわずか しか 挿入 しないため,注 入中水が逆流 して漏れ ることが多い ことであ る。この場合 も不完全洗淋 の原因 となる. パ ッグの高さ :貯 水 パ ッグの高 さは60Cm位 で よく 1 m以 上には しない方 が よい。勿論 この際用 いるチュー ブ やネラ トンの大 さとも関係す るが ,わ れわれの使用 して い る外径 10mm内 径 8mmの チュー ブ の 場 合は60∼80 Cmで よい.耳 の高 さといっておけば,立 位で も腰かl‐ l た位置で も圧を大体一定 に保つ ことがで きる. 所要時間 :た いていの人は廟‖ れ ると平均45分位です ま せ るが ,中 には団‖ れない人や無器用な人 ,そ れか ら排泄 がす ぐには起 こらぬ人などもあ って, 1時 間以上かか る 人 もある (表 3).ト イ レを約 1時 間 占領す ることになる ものだか ら,他 の家族 の迷惑にならない時間常を利用す る人が多い, トイ レが 2つ 以上あるところではこの問題 がない。要は定 まった時刻に規則的に行 うことであ る。 洗株 の頻度 :表 2の 如 く, 1日 1回 または 2日 に 1田 表 2 腸 洗綜 の回 数 (20名 中) ・ …………………… 7 1 日に 1 回t … お ・ ・ ・・ ・・ ・ ・ ・ i t "・ ・ ""`・ …・ ・ こ1 回 ・ 2 日ヤ 9 ● ……● ● ・ "・ ・ ・ ・ …・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・1 3 日 に 1 回 …・ ・2 , 不 明 1 ) ( 不定期 ・ 表 3 腸 洗淋 の″r要時間 ・ ・ … … … … … … … …・ 1 時 間以 内・ 12 ・ 1∼ 15時 間 … … … … … … … … ・ 6 不 明 とい うのが大部分 で ,中 には 3日 に 1度 とい うのはあ る が ,な るべ くは 3日 以上に亘 らぬ方が よい。腹部膨満 な 表 4 洸 練法 の利点 洗維者 非洗綜者 規則的排便 17/20(85%) 5/13(38%) 漏 便 殆 どな し 15/19(79%) 5/13(範 %) ガスの悩み 殆 どな し 12/20(60%) 4/13(30%) 14/20(70%) 4/13(30%) いの悩み どな し はゆかないが ,自 然排便 に委せ る場合 よ り少ない とい う ことであ る (表 4). 欠点 :第 1に 時間がかか ること,次 に冬など暖房のな い トイ レで 1時 間過す とい うことは大変 であ った り,洋 式 トイ レ,そ れ もシャワー と接続 していると極 めて都合 が よいが和式だ とや りに くいことがあ るなど設備上の間 題 も絡んで くる. それか ら人工肛門患者 には洗維な どしな くて も 1日 1 ∼ 2回 の規則的 なり1便があ って,そ の中間 に粗相を しな い とい う人連が結構30%以 上 もあるとい うこと,そ れか ら職業や生活環境次第では排便 が多少不規則で も別段苦 にな らない とい う人 もあ って,こ れ らの人達 まで何 も洗 維法を強制す る必要はあるまい とい うことである。 5)洗 維法の実施状況 アンケー ト調査 の 結果か らみ てみ ると (表5),現 在 表 5 洗 淋 か 自然排便 か 洗 維 …… 抑 名 1 3 名( この中5 名 は洗海の指導 うけず) 自然排便 …・ けたか … 8名 >… 彎 援簡 歓 その理由 時間がかかって面倒 ……………… 5 ・ ・ ……………Ⅲ 4 , 自然排便で不便な し ……………2 に馴れたから 自然俳便 洗襟すると貧血様症状が くる……2 洗綜法が不安 ……………………… 1 どを来す ことがあ るか らである. 洗漆 の中間期 :用心 のため集便装具をつける人が多い 洗維を行 っている者20名に対 して 自然排便 に委せている 者 13名であ る。 うか しその うち 5名 は初期 の患者で洗株 が ,約 半数が接着型 で皮膚 に貼 りつけ るパ ッグ,他 の半 数は ベル トで とめる型の装具をつ け,4∼ 5人 に 1人 位 の割で ,日 常 は唯 ガーゼを当ててお くだけで失敗す るこ の指導か ら洩れてその方法を知 らなか った人達であ る。 残 りの 8名 は洗膝法 の指導を うけたに も拘 らず 自然排便 とはない と自信をもっている。 4)洗 維法の利点と欠点 利点 :ま ず第 1に 排便 が規則的 になって,そ の中間に 漏便 ,ガ ス排出,臭 いな どの悩みが,全 くな くすわけに に委せている人達 であった 。その中には洗維す るとめ ま いがす るといって中止 した人が 2名 程あるが ,他 の 6名 は 自然排便が規員J的にあるか ,ま たは多少不規則で も苦 にな らず ,洗 榛 は却 って面倒であるとい うので止めた人 達 である。しか しまた反面 これ らの人達 には生活 の上で 人工肛Flとその Atter care(と くに腸洗淋法 を中心 に) 56(222) 他人 との接触 が比較的少ない者 が多 く,反 対 に生活上家 庭 の外 で他人 との接触 が 多 く,会 議 に よく 出席す ると か,旅 行す る機会などが多 い とか ,社 会的活動 の多い人 達 は殆 ど洗榛法を選 ぶ傾向がみ られ る。 4.結 語 日 消外会議 10巻 2号 全 な括約筋機能を もった人工肛門をつ くる方法は知 られ ていない 。 最近 ヨー Pッ パ では人工肛門を取 りま くよ うに して磁 石 の リングを皮下 に埋 没 させ ,StOmaに 磁 力を利用 して 蓋 をかぶ せ る方法 な どが試み られ てい る。著者 も器具 を 以上のように腸洗濃法 には大 きな利点がある反面欠点 もあるので ,わ れわれは退院前に一応すべ ての人 に洗維 入手す る機会 が あ って実際 に症例 に試 みてみたが まだそ 法を指導 してはいるが,決 して強制はせず ,退 院後はそ の人 の性格,職 業 ,社 会活動 ,家 庭環境 , トイ レの設備 門 で 満足す ることな くまだ まだ この方面 での改善 の努 力 を傾け るべ きで あ ろ う。 その他 に応 じて最 もよい方法を選ばせ ,そ の後 も定期的 に StOma Clinicで f0110Wして適切な助言 と指導をす る のを原則 としている。ま た この Clinicで適確 な指導 と 助言がで きるように看護婦 に専属 で人工肛門 の Careを わば StOma therapistとぃぇるような 覚えて もらい ,ヽヽ 者 の養成 につ とめてい る。 なお最後 に上述 のよ うに人工肛門の After Careと し ての腸洗擦 は近年 における大 きな進歩であ り,患 者 にと ってその福音で もあるが,将 来は ともか く現在 は未だ完 の結果 を報告す る段 階 にない .わ れわれ も現在 の人工肛 文 献 1)牧 野永城 :人 工肛門 の 手術 と管理一 最近 の 変 遷――. 臨床外科, 27:503, 1972. 2)Samp, RJ.: ThC resul低 oF a questionaire survey Or colostomy patients. Surg. Cyncc. Obst. 105: 491, 1957. 3)Bicrman, H.J., ToCkCr, A.取【 . and Tockcr, L.R.: Statistical survey or problerls in pa‐ tients with c010stOm)and■ eostomy.Amer.」. Surg` 112: 647, 1966.
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