No.124 - 首都大学東京 図書館

りべる No.124
1. 著作権法改正と変わる図書館の役割
3. 本館の使い方 新 いろいろ
4. スタディ・アシスタントのページ 第 1 回
5. 第 7 回首都大学東京図書館本館講演会「出会いの空間をプロデュースする」レポート
7. 危険な本
8. 旬な本コーナー「シーズナルコレクション」
9. 図書館のある映画 vol.17
10. 先輩から新入生に向けて
11. インフォメーションコーナー / 編集後記
首都大学東京図書館 2013. 4
著作権法改正と変わる図書館の役割
法学系 教授 山神 清和
近年、 情報技術の発展はめざましく、 図書館
にアクセスが可能となる。
にも情報化の波が押し寄せてきていることには異
以上見たように情報化の帰結としての書籍の電
論がないであろう。 りべるの巻頭ページのバック
子化は、 既存の図書館というシステムを圧倒する。
ナンバーを紐解いてみても、 情報化が図書館にも
「もはや図書館は不要であり、 全ての書籍を電子
たらす影響に言及したものは少なくない (1) 。 これ
化した上で、 そのスペースは、 昼食難民となって
らの論考は、 それぞれ情報化が図書館に変容を
いる学生諸君のための、 飲食可能な自習スペース
迫っていることを指摘しつつ、 どの方向へ進むべ
に転用する。 電子化された書籍を閲覧することは、
きかについて指し示しているという点で共通する。
各利用者のセルフサービスで出来るのであるから、
本稿もこれらと同じく筆者の専門である知的財産法
図書館のスタッフは全員解雇した上で、 その予算
学の観点から、 図書館の果たしていく役割を検討
は教員の研究費に振り替えるべし」、 このような意
するものである。
見が出てくるかもしれない。
まず、 情報化によって図書館はどうなったので
しかし、 情報化によって図書館が旧来の任務を
あろうか。 かつては知の結晶たる書籍を収集し、
果たせなくなりつつあるとしても、 それは直ちに 「図
公開することで、 知の伝達の一翼を担うことが、
書館の死」 を意味するのではない。 むしろ情報化
図書館の使命であった。 しかし、 電子化された書
の進展により、 図書館の新しい使命が浮き彫りにさ
籍は、 三つの点で図書館より優位に立つ。
れてくるのではないか。
第一に電子化された書籍は場所を取らない。 最
近はやりの 「自炊」
(2)
をする目的の一つは、 各
が所蔵する図書のうち一定のものを、 各地の図書
家庭の書籍が占めていた空間を再利用するためだ
館の求めに応じて電子的に送信できるようにするこ
と言われている。 書籍情報が電子化されれば、
とが可能とされた。 この改正自体は、 全ての書籍
その占めるスペースは大幅に節約できる。 この世
を所蔵することが出来ない地方図書館を、 ほぼ全
に存在する図書館はいずこも、 書籍を保管する場
ての書籍を所蔵する国会図書館が支援しやすくする
所を確保しつつ、 どのように蔵書を増やしていくか
ためのものであり、 書籍の保存や伝達を行う任務
に余念がないはずである
(3)。
第二に電子化され
を補強するものでしかない。 しかし、 私が専門とす
た書籍は、 その多くが検索可能な情報となる (4)。
る著作権法の目的という観点からは、 別の見方も
実際に Google 社は書籍の全文検索を出来るサー
できよう。 著作権法では、 情報の生産者と利用者
ビス (5) を提供しており (6) 、 「図書館 使命」 と入
のそれぞれの利益のバランスを取ることが重要とさ
力して検索してみると約 21600 件の 「図書館、 使
れるのだが、 それはより多様な情報が多く生み出さ
命」 のいずれをも含む書籍 ・ 雑誌の一覧が、
れ、 それが利用者に幅広く利用される環境を作り
0.31 秒で検索される (7)。 第三に電子化された書
出すためであるとされている
籍は、 どこからでも、 また 24 時間いつでも自由
1
平成 24 年著作権法改正 (8) では、 国会図書館
(9)。
図書館に求められる役割が、 知識の保存と伝達
からシフトするとすれば、 それは知識の効率的
「ラーニング ・ コモンズ」 の運用を 2012 年 10
な利用の支援に見出されるのであろう。 大学
月 1 日から開始しており、 その目的を 「学生
でレポート課題を出すと残念なことに、 Web か
が電子情報を含む情報資源を用いて議論を進
らコピペをして作成されたレポートに遭遇するこ
めていく、 アクティブな学習スタイルを可能にす
とがままある。 レポート作成にあたっては、 課
る」 ためとしている (10)。 そこで、 学生を指導
題を咀嚼し、 それに答えるべく、 資料を収集し、
する任に当たるのは、 大学院生のスタディ ・ ア
読み込み、 自分で分析 ・ 検討して作成すると
シスタントであるという。 しかし、 もっと前面に
いうのが、 正しい在り方であるにもかかわらず、
出ていただいてよいのが、 司書の方々である。
コピペをしてしまうのは、 読むべき資料が何か、
図書館司書は本の整理やカウンターでの
どこにあるのかがわからないからであろう。
受付以外に 「リファレンス」 という役割を担う。
迷える子羊たちの針路を指し示すことは、 ま
図書館が新たに求められる役割を果たすために
ずは大学教員の任務となろうが、 司書の方々
は、 調査 ・ 研究のエキスパートである図書館
の働きも忘れてはならない。 図書館本館では、
司書が不可欠と言えよう。
《注記》
(1). 鈴木徹 「電子ジャーナルと図書館」 りべる 112 号 (2007)、 水越康介 「情報の彫刻としての書籍」 りべる 116 号 (2009)、
江原由美子 「激動の中の大学図書館 ―図書情報センター長就任にあたって―」 りべる 117 号 (2009)、 岡部豊 「図書館
からインターネット情報発信の場へ」 りべる 118 号 (2010) 等を本稿とあわせて読み直して欲しい。
(2). もちろん自宅で料理を手作りすることではなく、 書籍をスキャナーなどに読み取らせ電子化することを最近はこのように 「」
付きの自炊と呼ぶ。
(3). 国会図書館にはもれなく書籍を収集するために、 納本制度というものが用意されているが、 これは例外であって、 多くの
図書館は、 予算 ・ スペースの制約から、 網羅的に図書を収集することは不可能である。
(4). しかるべき解像度を設定すれば、 最近の OCR ソフトの性能向上は著しく、 これらのソフトは極めて高い変換効率を誇る。
PDF ファイルにいわゆる透明テキストをつけることで、 書籍のイメージを崩さず、 特定の単語を検索することが可能となる
のである。
(5). http://books.google.co.jp/ を参照して欲しい。
(6). このサービスについては、 全世界において訴訟を含む法的紛争が勃発しているところであるが、 その詳細を述べることは
本稿の目的から外れるため差し控えたい。
(7). 例えば上位にヒットする中田邦造 『公共図書館の使命』 ( 日本図書館協会、 1978) は、 著作権が存続しているので、 中
身を見ることは出来ないが、 実物は、 本館 :B1和図書に配架されており、 請求記号は /016/N43K となっており、 借り
出し可能である。
(8). 「著作権法の一部を改正する法律」 ( 平成 24 年 6 月 27 日法律第 43 号 )
(9). 著作権法の目的は 1 条に規定されるように 「文化の発展」 である。 しかし、 それだけではなく、 社会全体の厚生増大を
もたらす情報の自由利用を確保し、 表現の自由、 学問の自由を保証することも重視する。 中山信弘 『著作権法』 ( 有斐
閣、 2007)[ 本館 : 2F一般書架に配架、 請求記号 /021.2/N45c/2007]13 頁参照。
(10). http://digitalpr.jp/r/2416 (2013 年 1 月 31 日閲覧 )
2
閲覧サービス担当 別府裕美子
本館は昨年 10 月にリニューアルオープンを果たしました。従来の図書館といえば、個人個人で「静かに勉強をする」
場所でしたが、リニューアルオープン後は従来の機能も残しつつ、多様な学習スタイルに対応可能な場所となっています。
その学習とは、必ずしも一人で完結するものとは限りません。リニューアルしたエリアは「ラーニング・コモンズ」と
呼ばれ、「共通の学びの場」という意味が込められています。
静かで薄暗い昔ながらの図書館もそれはそれで趣があるかもしれませんが、明るく開放的なこれからの図書館の魅力
を、ぜひ利用して感じてみてください。
発表の場がほしい!
話し合いながら勉強したい!
プレゼンの練習がしたい!
会話が可能な「コミュニケーションスペース」が 1F にあります。
可動式の机や椅子を自由に動かして組み合
演台やプロジェクタ、スクリーンを備えたその
わせることのできる、グループでの(もち
名も「プレゼンテーションルーム」が 1F に
ろん 2 人からでも)議論・学習に適した
あります(8 ∼ 30 名対応)。ガラス張りのため、
スペースです。使い勝手の良い小型ホワイト
注目度の高い発表の場を設けることができます。
ボードも常備してあり、自由にご利用いただけます。話し過ぎて
視線に慣れることもでき、プレゼンの練習等にももってこいです。
喉が渇いても、飲食可能な「リフレッシュルーム(後述)」に隣
原則予約制です。
接しているので、すぐに水分補給できます。
3F の「グループスタディルーム」にもプロジェクタとスクリーンが
あるので、より少人数の場合はそちらをご利用いただけます。
また、3F には「グループスタディルーム」
という仕切られた空間もあります(10 人用
4 部屋、8 人用 1 部屋)。
勉強するとお腹が減るし、喉も渇く!
こちらは原則予約制です。
今までは全館飲食禁止でしたが、
軽い飲食が可能な「リフレッシュ
いや、静かに勉強したいんだけど!
ルーム」が 1F にできたので、もう
新聞・雑誌コーナー
休憩時に外に出る必要はありませ
自動販売機
勿論、静かな場所もあります。2F,3F,B1F,
B2F の閲覧席やキャレル(個人用の閲覧席)、
ん。紙コップのコーヒー自動販売
機や、缶・ペットボトルの自動販
売機もあります。適度なざわめき
1F の「メディアスペース」や「新聞・雑誌
と珈琲の香り漂うカフェや喫茶店
コーナー」の閲覧席は
自動販売機
会話禁止なので、集中
を好む人も
して黙々と勉強できます。
「メディアスペース」には
AED
多いかと思い
ますが、まさ
PC が用意されているので、レポートや論文
1F フロアマップ
作成も可能です。
等での勉強
にそうした感覚で勉強もできます。
持込 OK なもの:蓋付きで鞄にしまえるもの 行き詰まった! 誰かに相談したい!
ずっと一人で勉強していると、必ずどこかで行き詰まる
(水筒、ペットボトル)、汁気のないもの
持込 NG なもの:アルコール飲料、ふたのない飲み物、
汁気のあるもの、においのきついもの
もの。「コミュニケーションスペース」には、院生の先輩
「スタディ・アシスタント」が常駐しています(次ページ
をご覧ください)。学習面でわからないことや迷うことが
あったら気軽に相談できる、頼れる存在です。
また、相談カウンターには司書が常駐していますので、資料の探し方や文献の検索方法、調査方法等については、
こちらでご相談ください。
以上のように、様々なニーズに応えることのできる設備が整っています。利用してもらえなければただのハコですが、
皆さんが利用、参加して下さることで、そこに有機的な出会いが生まれます。ぜひ、まずは図書館に足を運んでくださ
3
ることを、職員一同願っています。
人文科学研究科 日本文学専攻 服部剣仁矢
<スタディ・アシスタントってなに?>
はじめまして、スタディ・アシスタント(以下「SA」と表記)の服部と申します。今回は、SA とはどんなものか、という
ことをお伝えしたいと思います。前年、図書館は積極的利用者増加計画としてかなりの時間と費用をかけて改修工事を行い、
「ラーニング・コモンズ」(「共通の学びの場」という意味)と呼ばれる施設及び制度を新設しました。SA はその一端を担う
ものとして組織された、本学大学院生のアルバイトからなる学習補助員です。学校のアルバイトというとぬるいというのが
学生の常識ですが、SA は費やされた時間と予算の分だけ気合いも入っていて、研修では図書館の運命を背負うようなことも
言われました。それだけ真剣です。
<どんなことをしているの?>
簡単に言えば、大学院生の知識と経験を活用して学習に関する相談にお答えする職員になります。しかし一口に「学習」
といっても、大学生の場合は中学や高校のように勉強内容が理解できればそれでいいというものではありません。その都度
の課題に合わせて必要な文献(情報)を探したり、体裁を整えて論理的な文章を書いたりしなければなりません。また近年
ではこういったことに加え、WEB や専用ソフトの活用といった PC 関連の知識・技能というものも文理ともに必要とされて
います。
問題の解き方がわからない…
学習の相談にのります!
レポートの書き方って?
ワードやエクセルが
うまく使えない…
こうした中高にはなかった新たな課題に対して、これまでは先輩に尋ねたり同期と相談したりして対応してきたわけです
が、SA はそれを制度的に行おうという組織です。したがって、授業内容に関する質問は当然のことながら、テーマをどう決
めていいかわからない、レポートや論文はどう書いたらいいのか、引用するときの加減や書き方ってどうする、といった論文・
レポートに関する疑問や、ある事に関する情報を集めたいがどの文献やサイトを当たればいいか分からない、先行研究って
どう調べたらいいのか、そもそも研究書や論文の在処がわからない、といった情報検索に関する質問など、学習にまつわる様々
な疑問質問に自らの経験と知識を踏まえながら答えていくのが私達の仕事です。もちろん、PC に関してソフトの使い方がわ
からない、専攻に関するサイトがうまく活用できないというようなことにもお答えしています。また SA は大学院生で構成
されていますので、進路の選択や専門に関わった就職対策など進路の相談も受け付けています。もちろん SA それぞれの専
攻や得手不得手はありますが、SA どうし協力し、足りない部分は補い合って、相談者の方と共に考えながら問題解決にあたっ
ていきます。
<相談してみたい! どこに行けばいいの?>
図書館のゲートを入ってすぐ右の部屋、コミュニケーションスペース1と呼ばれるエリアの入り口近くに常駐しています。
勤務時間は平日の 9:00 21:00 開館時間帯(長期休業期間を除く)、一人二時間のシフト制で勤務しています。相談したい専
攻の SA のシフト※を事前に本館 HP などで調べて利用すると便利です。まだ発足したばかりの幼い組織ですが、これからも
怠らず改善を重ね、みなさんの学習の助けになれたらと思っています。是非一度、利用してみてください。
※1 ヶ月ごとに変わります。
※「学習相談」は、自立的学習の支援です。
テストの採点、レポートの代筆等には応じることができません。
4
第7回 首都大学東京図書館本館講演会
講演会レポート
閲覧サービス担当 鵜川 良恵・清田 華林
開催概要
日時:2012年11月20日 ( 火 ) 17時∼18時30分
会場:首都大学東京南大沢キャンパス 1 号館 120 号教室
参加者数:115 名
講師プロフィール
長谷川 祐子氏
京都大学法学部卒業、東京藝術大学大学院修了。1999 年より金沢 21 世紀美術館の立ち上げに参加、建築、
コレクションなどのディレクションを行う。2006 年より現職。2010 年より東京都現代美術館にて「東
京アートミーティング」という他ジャンルの専門家との共同企画を進行中。2012 年は総合アドバイザー
に坂本龍一をむかえ『東京アートミーティング(第 3 回)アートと音楽−新たな共感覚をもとめて』を開催。
2013 年第 11 回シャルジャ・ビエンナーレのキュレーターを務める。
「出会いの空間をプロデュースする」とは?
作品と人が出会う場所である美術館と、さまざまな情報と人が出会う場所である図書館。どちらもたくさんの出会いを生
み出す空間である。
近年、図書館の機能が大きく変化しており、情報と人をいかに結び付けるかといったことが課題になっている。首都大学
東京図書館本館でも昨年 10 月に「ラーニング・コモンズ」が OPEN し、静かに 1 人で勉強する場所から、グループワー
クやプレゼンテーションもできる空間となった。
そこで、今回の講演会は「出会いの空間をプロデュースする」というタイトルのもと、東京都現代美術館チーフキュレー
ター、多摩美術大学特任教授でもある長谷川祐子先生に自身の活動、出会いの空間をプロデュースする、ということにつ
いてお話しいただいた。
講演内容 ※以下、講演より抜粋
<美術館と図書館の関わりについて>
<人はなぜ集まるのか?金沢 21 世紀美術館立ち上げについて>
図書館が静かに情報と個人的に出会う場所ではなくて、
1999 年から 2004 年まで立ち上げから行った金沢 21 世
むしろソーシャルスペースになろうとしていることに大
紀美術館においての大きなテーマが、美術館をいかにソー
変興味を持った。アートの動向も含めて、情報とどう接
シャルに開いていくか、ということだった。
するかというのが非常に大きくなっている。それで、展
5 歳のおいを京都の国立博物館でやっていた「スター・
覧会もそのドクメンタも含めて、いわゆるアーカイブ的
ウォーズ展」に連れて行ったら泣いてしまった。「どうし
な展示、そして、いろいろな複雑な世界状況を反映して、
て?」と言ったら「暗いから」と言われた。それは暗さだ
いわゆるソシオポリティカル(socio-political)、政治的
けではなくて、空間の重さということもあったと思う。つ
社会的な作品を作ろうとしているアーティストはみんな、
まり、「開かれた」という意味は単にガラス張りということ
アーカイブに対して大きなアクセスを持っている。
ではなくて、中にいる人たちがどういう体験をしていくの
図書館というのは、そういう情報を保管し、それをど
かということ。今日の大きなテーマというのは「人が集ま
ういうかたちで活用するかというコンシアージ
る場所をつくる」ということたが、人が集まれる環境とい
(concierge)的な役割があると同時にインデックスでも
ある。だから、そういう場所に同時に会話の場所、ソーシャ
うのはどういうことなのかについて考えていくということ
が大切かと思う。
ルな場所を設けるということは、今後、非常に有意義な
ことだと思う。
5
金沢 21 世紀美術館
<出会いの場所をプロデュースすることへの思い>
人が集まるというのは、そこに居ると気持ちがいいから。
それぞれの場所とか文脈によって、出会いの場所のプロ
単純だ。そこに居て気持ちがよかったら、何か楽しいこと
デュースの仕方は違う。でも、私の場合は、やはり必ずアー
があれば、人は必ず来る。その根本的なことが多くのとこ
トを核としてやっていくという一つのやり方、自分の専門性
ろで忘れ去られている。特にパブリックスペースのデザイ
においてそれをやっている。そのときに、そこから発想され
ンや公共空間のデザインに関しては、その欠落を感じる。
る要素は非常にシンプルな要素である。何が人を引き付ける
やはり、みんながどうしても集まってきてしまう場所につ
のか、どうしてここに居たいと思うのか、誰かに誰かの話を
いて、まず場所自体がどういうふうに人を引きつけるのか
聞きたいと思うのか、誰かと話をしたいと思うのか、ここで
ということを考えていった。もちろん、場所が便利だとい
どういうふうな自分が吸収できるものに触りたいと思うのか
うこともあるし、どういうプログラムが展開されているか
という動機付けである。それは、そこに居るあなたがリスペ
というプログラムの魅力もあるし、いろいろな要素がある
クトされているということ。人はリスペクトされるものには
けれども。
リスペクトで返す。
これが今回のテーマでもあるけれども、いつもそういうふ
<東京都現代美術館の改革>
うにして考えている。だから、一般の人でワーカーだからと
東京都現代美術館に異動した際、金沢の美術館とは違
いって、そういう人はこの場所に来る、いわゆるアテンダン
い、外観がまるで戦艦大和のようで、大変怖かった。毎
ス(attendance)ではない、ビジターではないと考えたこと
日通うのが大変恐怖だったため、それを改善すべく、
は一度もない。そういう人も来るかもしれない、全然アート
2F のカフェをベトナムカフェにリニューアルし、ミュー
を見ないかもしれないけれど、ベンチに座って帰るかもしれ
ジアムショップをリニューアルした。究極なのはトイレ
ないと思って仕事をしている。そこの場所にある、その空間
だ。人を幸福にするのは、いろいろなプレッシャーから
にある人たちに必ず何かの影響を与えていくと私は考えてい
解放される時。トイレが素敵だということはすごく大事。
る。
台湾アーティストのマイケル・リンにデザインしても
だから、意識したもの、意識しないものも含めて、出会い
らったところ、写真だけ撮りに行く人々もいた。
の空間というのはあり得る。言語とか人種が違うと、そうい
また、現代美術館では、これまでなかったちょっとし
う部分というのは非常に大きいと思う。リスペクトというこ
た展示スペース、いろいろな声を反映する場所作りや、
とと、ラーニングということだ。何かから学ぶということだ
一緒に体験していく場所、機会つくり、ということにも
と思う。
力を入れた。
基本的にそういうことでも考えていると、やはり、ある意
味で絶えずエネルギーをプロジェクトからチャージされてい
る感覚が非常にあるので、それはいろいろな方に対して語り
かけていく時に、自分自身の一つのモチベーションになって
いるということはあると思う。
マイケル・リンのトイレ
講演の様子
現代美術館敷地内のブルームバーグパビリオン
担当者より
「人」と「アート」を結ぶ美術館、「人」と「情報」を結ぶ図書館。美術館で活躍する長谷川先生のお話はこれからの図書館
のあり方について学ぶところがたくさんありました。
質疑応答の時間はたくさんの質問で、予定時間を過ぎてしまうほどで、多くのことを吸収していきたいという参加者の熱心
な気持ちが伝わってきました。
この誌面ではお伝えしきれないことがたくさんありますので、もっと詳しくお話を知りたい!という方は、図書館資料として、
講演会の様子を収録した DVD を保管していますので、是非ご利用ください。DVDは貸出も可能となっています。
6
法学系 准教授 前田健太郎
私は危険な本から多くを学んだ。 ここで言う危険な本とは、 権力者にとって危険な本のことである。 そうい
う本は、 書く方も身の危険を冒さなくてはならない。 例えば、 ジョン ・ ロックの 『統治論』 (1689) によれば、
君主に命や財産を脅かされた市民には抵抗する権利があるのだという。 当時のイギリスはまだ名誉革命の直
後だったから、 こんなことを正面から言うのは大変だっただろう。 この本を匿名で出版した
ロックは、 自分がその著者だということを親しい友人たちにさえ認めなかったらしい。 別の
例を挙げれば、 マルクスとエンゲルスの 『共産党宣言』 (1848) は、 労働者階級の革命
による資本主義の崩壊と共産主義の到来を予言している。 そんな主張を広めようとする者
は、 当時の支配者たちにとっては許しがたかったに違いない。 この本を発表した直後、
ジョン・ロック (1632-1704)
マルクスはブリュッセルで逮捕され、 パリやケルンを転々とした後、 最終的にはロンドンに亡命する。
こうした危険な本に魅せられるのは、 私のような研究者だけではあるまい。 特権階級による支配の不正を
告発する本は、 抑圧された人たちに希望を与える。 強い者に従うのが当たり前だと思っていた人が本を読み、
それが当たり前でないことに気付く。 そんな人が増えれば、 権力者に反抗して立ち上がろうという考えも出て
くることだろう。 それを権力者は何よりも恐れ、 そういう危険な本の書き手を弾圧しようとする。
それに負けない勇気を振り絞って書かれた本には、 とてつもないエネルギーが込められている。
一見すると、 こんなことは昔の話だ。 今の日本のような民主的な社会では、 言論の自
由が保障されている。 政府を批判するような本を書いても、 警察に捕まることはない。 反対
マルクスとエンゲルス
意見を無理やり封じ込める権力者は、 次の選挙で政権を失うだけだろう。 そう考えれば、 本
を書くことは昔のような命懸けの仕事ではなくなった。
しかし、 やはり今の社会でも書くのに勇気が要る本はある。 それは、 権力者を批判する本ではなく、 多く
の一般市民の生き方に疑問を投げかける本だ。 例えば、 「男は仕事、 女は家事」 という伝統的な家族像を
捨て、 働きたい女性は自由に働ける世の中にすべきではないか。 あるいは、 日本は単一民族国家だと言い
張るのではなく、 もっとマイノリティや外国人に開かれた国にすべきなのではないか。 残念ながら、 こういう考
え方に抵抗感を持つ日本人は未だに多い。 そんな主張をする本はあまり売れないだろうし、 それを書いた人
は世間から白い目で見られてしまうかもしれない。
つまり、 今は危険な本を書くということの意味が昔とは違うのだろう。 良くも悪しくも、 民主的な社会では多
数派が権力を握り、 少数派は隅に追いやられる。 今の時代の危険な本とは、 そういう社会の多数派にとって
都合の悪い本のことなのだ。 図書館には、 こうした意味での危険な本がたくさん置いてある。 それは、 書か
れた時には全く売れず、 世間からは無視され、 すぐに絶版になってしまった本かもしれない。 しかし、 その
中にこそ、 社会をより良い方向に変えていくための手掛かりがあるに違いないと私は考えている。
参考図書 (首都大学東京図書館本館所蔵)
・ 『統治論』 ロック著 ; 宮川透訳 . 中央公論新社 , 2007. ( 中公クラシックス ; W49).
・ 『全訳統治論』 ジョン ・ ロック著 ; 伊藤宏之訳 . 柏書房 , 1997.
・ 『共産党宣言』 マルクス , エンゲルス著 ; 村田陽一訳 . 大月書店 , 2009. ( マルクス ・ フォー ・ ビギナー ; 1).
・ 『共産党宣言』 カール ・ マルクス , フリードリヒ ・ エンゲルス著 ; 水田洋訳 . 共産主義の諸原理 / フリードリヒ ・ エンゲルス著
; 水田洋訳 . 講談社 , 2008. ( 講談社学術文庫 ; 1931).
・ 『共産党宣言』 マルクス , エンゲルス著 ; 大内兵衛 , 向坂逸郎訳 . 改訳 . 岩波書店 , 1971. ( 岩波文庫 ; 白 (34)-124-5, 4428)
7
図書館本館 1 階、 パソコンが並ぶメディアスペースの一角に、 「シーズナルコレクション」 があり
ます。 話題の小説、 ビジネス書、 旅行関連本や資格の本など、 今まで図書館本館には無かったよ
うなジャンルの本を揃えています。 今回は、 シーズナルコレクションの中から、 受入担当がお薦めを
ご紹介します。 ぜひ、 手にとってみてください。
『「正しい食生活」 でつくる健康』
佐藤和子著 , モラロジー研究所 , 2012
請求記号 : /498.5/Sa85t/2012
資料 ID : 10002690990
首都大学東京新入生の皆さん、 在校生の皆さん、 ちゃんとしたごはん、 食べてますか ? バイト
や研究で忙しいから ・ ・ ・ 自分はまだ若いから ・ ・ ・ と食生活に無頓着になって、 朝昼晩の食事
をついファストフードで済ませたり、 毎食コンビニで買ってしまったり、 お菓子だけで満足したりしていませんか ? ある
いは見かけが気になって過度なダイエットに走ったり、 お酒が呑める年齢になったのが嬉しくて居酒屋で揚げ物とサワ
ーばかり注文したりしていませんか ? 「病気は起こるべくして起こり、 治るべくして治る」。 人間の身体は食べたもの
で出来ています。 一人暮らしの方も、 実家で家族と一緒に暮らしている方も、 一読してみませんか ? でもこんな字ばかりの本はつまらないよ ・ ・ ・ レシピも載ってないし。 という方にはこちら。
『Lets cook in English』
James Miranda with KOKOKU High School English Staff, どりむ社 , 2012
請求記号 : /596.2/Mi49l/2012 資料 ID:10002530012
可愛いイラストと美味しそうな写真がたくさん。 絵を眺めながら英語と美味しいハワイアン料理の
レシピが学べます。 材料は日本で簡単に手に入る物ばかり。 Fried Rice( チャーハン ) Ahi Poke
( マグロのポケ )、 Lomi Lomi Salmon & Potato Salad( ロミロミサーモンとポテトサラダ ) などは簡単で普段のご飯にぴっ
たり。 Loco Moco( ロコモコ ) や Spam Musubi( スパムむすび )Haupia( ココナッツプリン ) にチャレンジすれば、 南大沢に
いながらにして、 気分はハワイアン ! 是非チャレンジしてみて下さい。 ( 大原 ) 『大学時代を後悔しないための 52 のリスト
1、2 年はあっという間 ! 就職活動で困らないために !』
田口久人著 , さくら舎 , 2012 請求記号 /377.9/Ta19d/2012
資料 ID 10002734657
皆さん、 大学生活は充実していますか?新入生の皆さんは、 まだ入られたばかりで、 「え ?
もう ??」 と困惑する質問かもしれせんね。
さて、 結論から申し上げますとこの本、 ずばり就職活動対策本です。 「え ??m…( 二度目 )」 と感じられた方。
この本の副題を見てください。 「あっという間」 なんだそうです。 その 「あっという間」 を、 何も意識せずに過ごす
のか。 それともポイントを知った上で過ごすのか。 大きな違いが生まれそうですね。
ちなみに私自身、 こうした自己啓発本を読むのは恥ずかしい、 と思っていたクチですが、 ある本を読んで、 意識が変わりました。 知らないよりも知っていたほうが断然いいです。 実際、 心が軽くなり、 自分なりの目標が明
確になります。 頼りすぎるのも考え物ですが、 まずは 1 つの考え方として参考にしてみませんか。 (大橋 )
シーズナルコーナーでは、この他にも大学生活を送る上で参考になりそうな本も揃えています。
勉強の合間にぜひご利用ください。
8
図書館のある映画:17
図書館好きなアン
荒川館 長内 尚子
『疑惑の影』The Shadow of a Doubt(1943 年米)
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:テレサ・ライト、ジョセフ・コットン、マクドナルド・ケイリー
サスペンス映画の神様といわれるヒッチコック中期の作
品。1950 年代のヒッチコック黄金時代直前のフィルムノワー
チャーリーの妹のアンは大の本好きで、いつでも本が借り
ルであり、『汚名』『裏窓』『めまい』『サイコ』『鳥』などの
られるからという理由で、将来は司書 (Librarian) と結婚する
有名作品の前に撮られたものである。細部に渡る小道具の見
ことを夢見ている。まだ小学生ながら、さすがは司書と結婚
せ方、ふっと湧く恐怖を募らせていくストーリー展開、はまっ
したい女の子、図書館に行って新聞のバックナンバーを当た
たキャスティング。ラストが何となく分かっていても、あっ
れとは、的確なアドバイスである。
と思わせる、そんな期待を裏切らない名作である。
時間はあと数分で夜の 9 時になる。チャーリーは、姉のプ
カリフォルニア州サンタローザ。チャーリーは、大好きな
ライドがあってか、アンに悟られないようそっと家を抜け出
叔父が家に遊びにきていることが嬉しくて仕方がない。叔父
し、図書館に向かってダッシュした。そんな彼女を公共図書
は知的でお金持ち、何より周囲が振りかえるほどのハンサム
館の司書が嫌みの一つで迎える。
だ。チャーリーへのお土産にと、大きなエメラルドの指輪を
プレゼントしてくれた。だがその指輪には見知らぬ他人のイ
ニシャルが彫られていた。
夢心地のチャーリーに、国勢調査員を名乗る 2 人組の
Librarian: Really, Charlie. You know as well as I do the
男性が近づいてくる。実は彼らは刑事であり、連続
library closes at 9:00. If I make one exception, I ll have to
未亡人殺害の容疑者として叔父をマークしていたのだ。
make a thousand.
若い方の刑事は、チャーリーに叔父の動向を探って
(いいことチャーリー。図書館は 9 時で閉館です。例外は許
欲しいと頼み込む。この頃から、絶対に写真に
されませんよ。)
写ろうとしない、ある日の新聞を家族に
You ve got all day, Charlie, to come here.
見せないように捨ててしまうなど、叔父の
I don t know why you want to rush in here tonight like
態度が怪しくなった。
叔父への疑惑が募るチャーリーは、叔父の
無実を証明したくて、彼が捨てた新聞記事
madwoman. I ll give you just three minutes.
(あなたはいつでもここに来られたでしょう。3 分だけあげ
ましょう。)
をごみ箱から探していたところ、妹のアン
が当然のように言う台詞がある。
かくして司書から貴重な 3 分をもらったチャーリーは、図
書館に保存されていたバックナンバーの中から、伯父が捨て
Ann: They have papers in the library new ones and old
ones. Miss Corcoran will get them out for you.
(図書館には古いものから新しいものまで新聞があるのよ。)
If you read as much as you should, you d know it closes at
9:00.
(あなたは何も知らないのね。図書館は 9 時に閉館よ。)
た新聞の記事を探し出した。それは、連続未亡人殺人につい
て書かれた記事で、犯人らしき男が西部に逃走中であること、
最後に殺害された未亡人のイニシャルが、伯父からプレゼン
トされたエメラルドの指輪に彫られたものと同じであること
を知るのであった。
物語はここから、犯人が誰かを悟ったチャーリーと徐々に
本性を見せる叔父との心理戦の様相で、不気味に盛り上がっ
ていく。
調べ物をしたくてもその方法をきちんと知っているのと知
らないのでは、得る情報に格段の差が出てしまう。チャーリー
は、図書館で新聞のバックナンバーを調べられることを知っ
9
たおかげで、必要な情報を手に入れることができた。全ては
図書館好きな妹のアンのおかげである。
先輩から新入生に向けて
スタディ・アシスタントの佐藤です☆
いよいよ大学生活が始まって、
「どんなサークルに入ろうかな」「色んなバイトをやってみたいな」などなど、
きっと楽しみなことが沢山あるんじゃないでしょうか。
でも、勉強もしましょうね!笑
大学に入ったら自然と友達ができて、一緒に宿題や課題をやる習慣がつくんじゃないかなと思います。
そんな時に便利なのが、「コミュニケーションスペース」です。
「コミュニケーションスペース」は、みなさんが友達と一緒に勉強をするためのスペースとして図書館に新
しくオープンしました。今までの図書館の自習スペースとは違って、会話をすることもできるし、机もみん
なで囲んで使えるような自由に動かしたりくっつけたりできるデザインです。何か知りたいことがあれば
PC で検索したり、スペース内にまとめられたレポート作成用の本ですぐに調べることもできます。
なにより、わからないことがあれば学習相談デスクに常駐しているスタディ・アシスタントにいつでも、
なんでも相談できますよ!よかったらぜひ利用してみてくださいね。
では、コミュニケーションスペースでみなさんにお会いできるのを楽しみにしています!♪
スタディ・アシスタント 佐藤 慎平 (都市環境科学研究科 建築学域)
桜の盛りも過ぎた今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。1 年生のみなさんはご入学おめでとう
ございます。
これからみなさんが大学生活を送る中で、ゼミ活動やレポート作成にあたり、図書館を利用する機会が多々
あると思います。そこで今回は、図書館をより便利に利用するために役立つ、「マイライブラリ」について
紹介します。
「返却期限が迫っているけどもう少し借りていたい」、「OPAC で検索してみたけど欲しい資料が貸出し中
だった」、みなさんが図書館を利用する中でこのようなことがあるかと思います。そんなときに便利なのが
マイライブラリです。マイライブラリとは、図書館のサービスの一部をインターネット上で利用することの
できるシステムのことで、学内は勿論、自宅からでも利用可能です。
マイライブラリの機能として、たとえば貸出期間の延長があります。学生の方の場合、資料の貸出期間は 2
週間となっておりますが、一度だけ貸出期間を延長することができます。この手続きは図書館カウンターで
も勿論可能ですが、マイライブラリで行うこともできます。わざわざ図書館に出向く必要がありませんので、
「返却期限間近だけど図書館に行く余裕がない」という場合も安心です。
また、目的の資料が貸出中の場合には、その資料の予約ができます。さらに、日野館や荒川館にある資料を
取り寄せる際も、予約と同様の手順で申請することが可能です。予約・取り寄せされた資料の用意が完了次
第、メールで連絡がありますので、取り置き期間内に図書館にお越しください。なお、取り置き期間は 10
日間です。
この他にもマイライブラリには有用な機能がありますので、利用のしおり等を参照しながら有効活用してく
ださい。不明な点がありましたら、遠慮なくカウンターにてお尋ねください。
図書館がみなさんの大学生活をより充実させる助けになることを心より願っています。
カウンター学生アルバイト 川口 楓馬 (都市教養学部 法学系)
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Information
*新入生オリエンテーションにご参加ください!*
図書館本館では、新入生のみなさんに図書館の利用方法を知っていただくためのオリエンテーション
を実施します。所要時間は 1 時間程度です。
当日は、教室でプロジェクタを使用した図書館の利用方法について説明し、その後、図書館に移動し
て「館内ツアー」を開催致します。
大学図書館は、みなさんの学修・研究をサポートするサービスがたくさんあります。
まずは、このオリエンテーションに参加して、基本的な使い方をマスターしてみませんか?
奮ってご参加ください!!
日時 : 4 月 4 日 (木) ①10 : 00 ~ ②13 : 00 ~ ③15 : 40 ~
4 月 5 日 (金) ①10 : 00 ~ ②13 : 00 ~ ③15 : 40 ~
場所 : 南大沢キャンパス 1 号館 110 号教室
* 申込不要です。各回とも、内容は同じです。
寄贈図書
平成 24 年度中に、先生方から以下の図書をご寄贈いただきました。ありがとうございました。(受入順)
杉浦芳夫先生 『地域環境の地理学』
多々良源先生 『ミニマム電磁気学』
坂元忠芳先生 『東日本大震災と子ども・教育:震災は私たちに何を教えるか』
永井撤先生 『実践から学んだ心理臨床 : クライエントと指導者、そして物語との出会い』
『乳幼児期・児童期の臨床心理学』
『思春期・青年期の臨床心理学』
『中年期・老年期の臨床心理学』
川村栄一先生 『地方税』
岡崎一先生 『開化都々逸:文明開化万華鏡』
上野淳先生 『未来の学校建築 : 教育改革をささえる空間づくり』
『高齢社会に生きる : 住み続けられる施設と街のデザイン』
『学校建築ルネサンス』
『多摩ニュータウン物語 : オールドタウンと呼ばせない』
編集後記
IT 技術発展の大波は、大学図書館にも影響を及ぼしています。法学系の山神清和先生からは、電子化・情報
化時代の図書館像についての興味深い巻頭言をお寄せいただきました。図書館本館も大きくリニューアルし、
本号では、その新しい使い方や、スタディ・アシスタントからの情報も掲載しています。さらに、同じく法学
系の前田健太郎先生からは、変化の激しいこの時代においてもなお見失うべきではない、本から学ぶことの大
切さ、面白さを感じられるエッセイをご寄稿いただきました。何よりも学習・研究の拠点として、また充実し
た学生生活を送る場として、大学図書館はこれからも重要な存在でありつづけることでしょう。
大好評だった長谷川祐子先生の図書館本館主催講演会レポート、17 回目をむかえますます充実の「図書館
のある映画」も、ぜひお楽しみください。
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(図書情報センター委員 法学系 教授 星 周一郎)