2016 年 6 月 1 日 物流に関する官民協議会 議事メモ 冒頭、経済担当調整大臣府により官民協議会の議題を確認し開会。日本大使館・長谷川書記官より PPC 開催にあたりインドネシア側の感謝を述べ、討議に入った。 1. 輸入分野における総則に関する商業大臣令 2015 年第 48 号 1) 「関税領域に搬入する前」の定義 (商業省) 関税領域の定義は税関の権限であるが、これまで税関とは本件について協議しており、見 解は一致している。BC1.1(マニフェスト)が税関に提出された時点までに必要な輸入許 可は取っておかなければならない。 (関税総局) 輸入者がなすべき輸入許可取得は BC1.1 が提出されるまで。商業省と同一見解。 税関が商業大臣令を Enforcement するのは PIB が提出された時点。 2) 関税領域内に商品が入る前までにサーベイヤー報告書(L/S)取得が間に合わない場合法令違 反となるか (商業省) L/S は輸入に必要な補助書類ではあるが輸入許可ではない。L/S は必要な輸入許可を取得 した後に発給されるもの。 L/S はオンラインで申請可能かつ短時間で発給されると聞いているので、この発給が遅い ために障害となるとは言えないと考えている。 商業省としては L/S がないと完全な書類とは言えないという立場。検査をせずに商品を荷 出しした後で、検査をして L/S が欲しいという要望もあるが、これは却下している。商品 が港に入るよりも遅れて L/S が発給されることがあり得るか確認してからでないと公式に は回答できない。 (経済調整府) L/S は輸入許可ではなく輸入に必要な補助書類で、それがあれば輸入申告の手続きに入る という点を確認した。今は数時間で L/S は発給されるので、法令に従っていただきたい。 3) 「その他の輸入許可のメカニズム」の定義 (商業省) 商業省以外の省で発行している書類のこと。例えば SNI 証明書、輸入許可取得に必要な推 薦状、他省庁が発行する許可など。 BC1.1 提出時までに取得していない場合には法令違反になる。物理的にこれらの書類が輸 入時に間に合わない事態は想定していない。もしそのようなことがあるならば JJC から も報告してほしい。 4) 当局側の手続き遅れを理由に輸入許可提出が遅れた場合、罰則が適用されないよう法的保護を 与えてほしい (商業省) SLA で必要な行政手続日数を定めているが、署名権限者の不在により書類発給が遅れるこ ともあり得る。 輸入者には申請書類の提出には時間的余裕をもって行うよう要請するが、行政側でも現在 電子署名の導入を検討中で、SLA に定められた日数で処理できるように努める。 2. 運輸手続きサービスの実施と事業に関する運輸大臣令 2016 年第 74 号 (JJC 石田氏) PMA ステータスの JPT 企業には、内資企業より厳しい払込資本金要件が設定されている。払 込資本金の最低額は内資企業と同じにするか、内資企業に与えられているのと同じ免除規定を 設けてもらえないか。 PMA ステータスの JPT 企業には活動地制限も課されている。事業継続に関わる重大な問題で あり、既存企業にはこれまで通りの営業範囲の継続を認めてもらえないか。 以前の運輸省との対話において、内資企業をサブコントラクターとして起用すれば PMA の活 動可能地域外でも活動してよいとの判断が示された。この内容を大臣令もしくは総局長令など 規定に記載してもらえないか。 (運輸省) 責任ある回答ができる立場の人間が不在なので、ここでの回答は控えたい。省内で調整の後、 書面での回答をすることにしたい。 (経済調整府・ハッサン氏) 本案件は運輸省でフォローアップし、至急法の確実性を保障することを期待し、次回 PPC の 中で迅速に決めていきたい。 現在の政権は、上位法令との不一致を排除し、法的確実性を高めることを政策に掲げている。 3. TG. Priok 港における港湾保管料の値上げ (JJC 福島氏) 貨物の港湾滞留時間の短縮のため、TG. Priok 港に置いて港湾保管料が大幅に引き上げられた。 他国の主要港湾と比較すると、フリータイムが著しく短く、港湾保管料も顕著に高い。 物流コストの高さを改善する政府方針と逆行するものと考える。 一般的なリードタイム日数までは港湾保管料の負担を従来と同水準とし、一般的なリードタイ ム日数を越えた分については負担率を上げるような料金体系を提案したい。 今回の保管料の引き上げは物流コストの上昇を誘発する。政府の方針と一致するように関係機 関に料金体系の見直しを働きかけてほしい。 (TG. Priok 税関) ペリンドが回答すべき立場ではあるが不在のためコメントする。保管料の決定にあたっては運 輸大臣令で権限とプロセスが規定されている。運輸大臣令 PM117 号にて、ロングステイの定 義が変わり 7 日間から 3 日間に短縮された。これに基づき港湾管理者・ペリンドが港湾保管料 の改訂を行った。改訂にあたっては各ステークホルダーと相談しながら決めたという認識。 関税総局側でも運輸大臣令を受けて実施細則の変更を提案している。現在は累進的な料金体系 となっているが一定の条件をもとに累進規定を免除する内容。具体的には①PIB を出した場合、 ②インテリジェントノート(Nota Inteligen)が出ている場合、③貨物が検疫検査にかかって いる場合、さらに日数のカウントの仕方についてもカレンダー通りではなく営業日ベースで数 えるように提案している。 一番の関心事は滞留時間の短縮化。現在滞留時間は全チャネル含めて 4.62 日となっている。 個別にはレッドレーンが 10 日(4.8%)、グリーンと優先レーンは全体で 79%を占めている。 残りはイエローレーン。 その他の対策として、税関検査の迅速化を図る施策を検討中(財務大臣令 255 号など)。税関 検査について翌日 12 時までに準備しない場合は当事者なしで検査ができるというもの。 検疫にかかる輸入を行う場合には、通関検査以前に手続きを行っているので協力ありたい。今 後は滞留時間の中に検疫手続きの時間が含まれることになる。 (関税総局) 輸入関係の実務規程も改善の取り組みを行っている。アドバンスマニフェストを進める。商業 省で要件としている全ての輸入許可が本船到着の 24 時間前までに提出されれば、到着前に処 理していくというもの。 4. その他コメント (経済調整府・ロジスティクス NSW チーム) 商業省・関税総局にまたがる手続きについては、ビジネスプロセスを図式化してどこが問題な のかを明らかにしつつ説明した方が良いと思う。 運輸関係は規制緩和の方向である。上位法令との不整合については法のヒエラルキーを規定し た法規に関する 2011 年第 12 号(?)法令に定められており、上位法令との調和、パブリック コメントを受けてレギュレーションを施行することになっている。 SLA について、必要な輸入許可は 5 営業日で発行するということであったが、近隣の積み替え 地からの船が到着するまでに輸入許可の発給が間に合わないのではないか、今のメカニズムは 調整が必要かもしれない。 (以上)
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