コンテンポラリー・ハーモニー

コンテンポラリー・ハーモニー
Ⅱ シラバス
コース別
専門科目
1
教職科目
2
全コース共通
選択科目
3
授業形態
配当年次
期 間
対象コース
科目分類
単 位
科目コード
講 義
4
通 年
SC・GM
専門選択
4
1219
1
教養科目
専攻科科目
5
主題・到達目標
授業計画
コンテンポラリーな音楽表現において必要な音楽
技法について学ぶ。
1 .ハーモニーという概念の拡大と逸脱を含む「響
きの可能性の探求」、 2 .教会旋法から調性確立、無
調を経て、その融合など「旋律の可能性の追求」、
3 .民族音楽、舞踊からもヒントをえたポリリズムな
どの「リズム・ストラクチャーの応用」、 4 .それら
すべてに関係する楽器法、奏法と音色の関係、音響
合成など「新たな音色の探求」、の 4 つの観点から
実際の映画音楽とそれらに影響を与えている近現代
の音楽を分析し、現在求められている高度な音楽制
作に必要な多様な音楽語法を身につけることを目標
とする。
2
[前期]
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授業概要
8
映画音楽、舞台音楽他、コンテンポラリーな音楽
制作に応用できる現代音楽的技法の解説。ジョン・
ウィリアムズなど現代の映画音楽にも影響を与えた
フランス近現代から現代音楽にいたるまでの楽曲を
具体的に分析。その影響による映画音楽や先端的な
ポップス、エレクトロニカの楽曲と対比させつつ解
説、分析、実習を行う。
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授業時間外の学習(予習・復習について)
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各回ごとに前後のつながりがあるので、前回のプ
リントを一読して復習をしてくることが望ましい。
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宮木 朝子
担当教員
[後期]
1
2
成績評価の方法及び基準
平常点(課題提出、授業内の小テスト及びレポー
ト)(評価の70%)
授業への参加姿勢(評価の30%)
5
3
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授業で使用するテキスト・参考文献
5
テキスト:授業内でレジュメ・プリントを配布
参考文献:
『20世紀の和声法』ヴィンセント・パーシケッティ
(音楽之友社)
『音楽分析ーギリシャ旋法から現代音楽まで』
ジャック・シャイエ(音楽之友社)
『大作曲家の和声』
ディーター・デ・ラ・モッテ(シンフォニア)
『バルトークの作曲技法』
エルネ・レンドヴァイ(全音楽譜出版社)
『ブーレーズ音楽論ー徒弟の覚書』
ピエール・ブーレーズ(晶文社)
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前提科目
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特になし
履修の条件・クラス分けの方法(履修者への要望等)
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鑑賞と解説、具体的な分析が中心となります。耳慣
れない音楽も含まれますが、知識や技術よりも熱意と
好奇心を歓迎しますので積極的に受講してください。
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ガイダンス
ジョン・ウィリアムズの映画音楽書法とその源流− 1 『スター・
ウォーズ』における “ライトモチーフ” 的書法
1 )機能和声の拡大、詩への和声づけと転調の天才、シューマンの歌曲
2 )機能和声からの逸脱による謎の響きトリスタン和音、ライトモチー
フによる魅惑の無限旋律、ワーグナーの楽劇
後期ロマン派 シューマン、ワーグナーの和声法ー実習
『ジョーズ』に影響を与えた、ストラビンスキーのバレエ音
楽『春の祭典』- 1
ー” 複調”(二つ以上の異なる調が同時的にあらわれること)の効果
『ジョーズ』に影響を与えたリズムストラクチャー、ストラ
ビンスキーのバレエ音楽- 2
ー変拍子・リズムポリフォニーについて/課題の実施
− 3 『未知との遭遇』『宇宙戦争』におけるトーン・クラスターなどの書法
1 )フランス近現代 ドビュッシー、ラヴェル、メシアンの響きの冒険
フランス近現代 響きの可能性の追求、旋法の復興と調性の拡大- 1
ドビュッシーの革新的な響きの手法
フランス近現代 響きの可能性の追求、旋法の復興と調性の拡大- 2
調性積み重ねによる複和音 / 累加和音(五度、四度の積み重ね)
フランス近現代 響きの可能性の追求、旋法の復興と調性の拡大- 3
ドビュッシー、ラヴェル、フォーレの作品より
フランス近現代 響きの可能性の追求、旋法の復興と調性の拡大- 4
メロディーの可能性を開く- 1 )ドビュッシー楽曲分析
フランス近現代 響きの可能性の追求、旋法の復興と調性の拡大- 5
メロディーの可能性を開く- 2 )ラヴェル『夜のガスパール』他分析
まとめと実習
ヨーロッパ映画におけるミュージック・コンクレート、環
境音、民俗楽器などの融合による例
課題(小テスト)
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ガイダンス(前期の復習と後期の解説)
響きの可能性の追求- 6 調性概念の発展 アルバン・ベルク、アレクサンドル・スクリャービンなど
響きの可能性の追求- 7 現代音楽の音響的使用例
『未知との遭遇』『宇宙戦争』におけるトーン・クラスター、マ
イクロポリフォニーなどの書法と現代音楽
-リゲティ 『アトモスフェール』ペンデレツキ『広島の犠牲者への哀歌』
クラスターの使用- 2 60年代前衛以後、 モードによるクラ
スター 、” 聖なるミニマリズム” 他
バルトーク、アルヴォ・ペルトなど
ミニマル・ミュージック スティーブ・ライヒの場合− 1
アコースティック楽器を用いたカノン風のプロセスによる
作品『eight lines』の分析
ミニマル・ミュージック スティーブ・ライヒの場合− 2
カウンター・ポイントシリーズ、『city life』分析 モードと構造の分析
マイケル・ナイマンの映画音楽語法- 1 ケルト民謡からの
影響の分析/映画『ピアノ・レッスン』音楽分析
マイケル・ナイマンの映画音楽語法- 2 ヘンリー・パーセ
ルの語法との関係
映画『コックと泥棒、妻とその愛人』音楽分析
ビョークの音楽- 1
-旋法(モード)の使用、古典形式からの応用
アルバム『ポスト』『ホモジェニック』『ヴェスパタイン』より楽曲分析
ビョークの音楽- 2
-ストリングス、オーケストラ、音響的手法、デジタルノイ
ズビートによる、民謡風のメロディー、モード 映画
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』音楽分析
レディオヘッド『Hail to the thief』メロディーとコード
の分析 メシアンの和声語法との関連など
坂本龍一の書法 映画音楽を中心に- 1
映画『戦場のメリークリスマス』音楽分析 ジャワの五音
音階とフランス近現代書法など
坂本龍一の書法 映画音楽を中心に- 2
映画『ラスト・エンペラー』音楽分析 東洋の音楽語法とフラ
ンス近現代和声、ドビュッシーやラヴェルからの影響
日本のチルアウト、Calmのアルバムにおけるコード/メロ
ディー/アレンジの分析
『スカイクロラ』『もののけ姫』など邦画の楽曲分析 他
まとめと発表