平 成 2 1 年 度 事 業 報 告 書 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 目 次 頁 Ⅰ 概 要 1 Ⅱ 一般事業 2 1.一般事業委員会 2 2.開発振興委員会 3 3.規制基準委員会 4 4.研究資源委員会 8 5.研修委員会 11 6.情報委員会 18 7.企画委員会 20 Ⅲ 政策創薬総合研究事業 21 1.研究事業 21 2.推進事業 22 Ⅳ 研究資源供給事業 25 Ⅴ 出版事業 26 Ⅵ 創薬バイオマーカー探索研究(たんぱく分野)事業 26 Ⅶ 厚生労働大臣認定TLO事業 27 Ⅷ 動物実験実施施設の外部評価・認証事業 28 Ⅸ 厚生労働科学研究推進事業 28 Ⅹ ヒトゲノムテーラーメード研究推進事業 32 (創薬知的基盤整備促進事業) XI 技術契約支援事業 32 (1) 技術契約支援事業 国際健康危機管理ネットワーク強化研究推進事業 動物実験実施施設の外部評価・認証事業 厚生労働大臣認定TLO事業 創薬バイオマーカー探索研究事業 創薬プロテオームファクトリー事業 治験体制整備支援事業 出版事業 創薬知的基盤設備整備事業 創薬知的基盤施設整備事業 ヒトゲノム・遺伝子治療研究事業 先端的基盤的保健医療技術開発研究事業 エイズ医薬品等開発推進事業 創薬科学総合研究事業 ヒューマンサイエンス基礎研究事業 ヒトゲノムテーラーメード研究推進事業(創薬知的基盤整備促進事業) 厚生労働科学研究推進事業 研究資源供給事業 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究事業 推進事業 研究事業 政策創薬総合研究事業 新テーマに関する事業 企画に関する事業 情報に関する事業(含む政策創薬総合研究推進事業) 研修に関する事業(含む政策創薬総合研究推進事業) 研究資源に関する事業 規制基準委員会基準に関する事業 開発新興に関する事業(含む政策創薬総合研究推進事業) 一般事業 61 62 63 1 23 4 56 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 〔平成21年度事業特記事項〕 21 22 平成21年度賛助会員動向 1.平成21年4月1日現在 102社 会 2.入 1社 ・富士フィルムRIファーマ株式会社 3.退 会 9社 ・栄研化学株式会社 ・株式会社エスアールディ ・三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 ・株式会社島津製作所 ・住商ファーマインターナショナル株式会社 ・千代田化工建設株式会社 ・日水製薬株式会社 ・株式会社富士薬品 ・丸石製薬株式会社 4.名 義 変 更 △1社 ・協和発酵工業株式会社(賛助会員)とキリンファーマ株式会社(賛助会員)が 合併して協和発酵キリン株式会社となった。 ・株式会社三菱化学安全科学研究所が社名を変更して三菱化学メディエンス株式 会社となった。 ・サントリー株式会社が社名を変更してサントリーウェルネス株式会社となった。 ・アプライドバイオシステムズジャパン株式会社が社名を変更してライフテクノ ロジーズジャパン株式会社となった。 5.平成22年3月31日現在 93社 (2) Ⅰ. 概 要 平成21年度においては、これまでの事業ならびに、平成15年度より開始した「厚生労働大 臣認定TLO事業」および平成20年度より開始した「動物実験実施施設の外部評価・認証事業」 を着実に実施した。 「ヒューマンサイエンス研究資源バンク」においても順調に細胞・遺伝子・ヒト組織および日 本人由来B細胞株の保管および供給事業を行った。 また、政府が行っている公益法人の抜本的改革に向け適切な対応を取るべく活動している。 平成21年度の事業計画に基づき実施された各事業の活動状況の詳細は、Ⅱ以降に述べると おりであり、各事業とも活発に活動し、着実な実績を上げることができた。それらのうちいく つかを例示すれば、以下の通りである: (1) 「ゼロ成長時代における各国薬事規制の新たな潮流と企業の生き残り戦略を探る」 (国外 調査報告書)をとりまとめた。 (2)「ウイルス感染症の将来動向」 (将来動向調査報告書)をとりまとめた。 (3)「性差医療に関する医療ニーズの調査」(国内基盤技術調査報告書)をとりまとめた。 (4)「生物薬品の承認書製造方法欄記載についての実態アンケート」に関する説明会記録 (HSレポート No.68)をとりまとめた。 (5) 「多能性幹細胞―再生医療ならびに医薬品創製への活用と規制の動向―」 (HSレポート No.69)をとりまとめた。 (6) 「創薬研究のパラダイムシフト -マウスからヒトへ-」 (HSレポート No.70)をとり まとめた。 (7)「ポストゲノムの医薬品開発とオミックス医療の新展開」(HSレポート No.71)をと りまとめた。 (8)政策創薬総合研究事業を適正に開始し遂行するとともに、本事業のさらなる改善に向け た見直し作業を行った。 (9)「HS研究資源バンクセミナー」などの講習会、研修会、勉強会を多数実施した。 当財団はゲノムやプロテオーム科学あるいは再生医療の進展に見られるような生命科学の急速 な発展、あるいは研究・産業分野における活発な国際化に、倫理面を含めて適切に対応できるよ う、今後とも質の高い研究振興事業を産官学一体となって推進し、日本の医療、科学技術の発展・ 向上に寄与していくこととしている。 また、ホームページをさらに充実しわかりやすくし、1,600名を超える読者にメールマガ ジンを継続して配信するなど、さらなる情報の公開と共有化に努めている。 -1- Ⅱ.一般事業 1.一般事業委員会(6回開催) ・一般事業のうち「2.開発振興委員会」から「7.企画委員会」までの一般事業全般を主導・ 調整し、諸課題の検討、推進等を行うとともに、平成22年度一般事業関係事業計画を策定し た。 ・ヒューマンサイエンス研究資源バンクにおける、5つの事業(細胞バンク、遺伝子バンク、動 物胚バンク、ヒト組織バンク、データベース提供サービス)の全般に亘り種々の助言を行った。 ・平成20年度から立ち上げた動物実験実施施設の外部評価・認証事業の円滑な運営に関わる 種々の助言を行った。 ・財団活動のさらなる活性化を目指して、官民共同プロジェクトの活性化では、仕組みの見直し など見直し策を提言しつつ、その実現に向けた活動を継続し平成22年度募集については、研 究分野の見直しを実施した。 ・一般事業委員会の改革、および専門委員会間のコミュニケーション強化について財団としての ベクトル合わせ等の議論・検討のため「財団のあり方検討ワーキンググループ」が発足した。 ・財団基盤強化の一環として平成15年度から立ち上げた、国研研究等の成果の実用化を促すた めの「ヒューマンサイエンス技術移転センター(厚生労働大臣認定TLO)」の円滑な活動の継 続に関わる種々の助言を行った。 ・財団ホームページの運営については、ホームページ運営委員会を設置し、その事務局を情報委 員会に委嘱した。 ・メールマガジン「HS eMagazine」を配信し、財団活動等を積極的に広報した。 ・賀詞交換会を開催した(平成22年1月14日)。 ・賛助会員功労者7名(下記)を表彰した(平成22年1月14日)。 一般事業委員会、規制基準委員会、開発振興委員会 一般事業委員会、研修委員会 光島 健二(塩野義製薬株式会社) 権正 晃徳(味の素製薬株式会社) 開発振興委員会、研修委員会、情報委員会 矢尾 裕彦(ライフテクノロジーズジャパン株式会社) 開発振興委員会 近藤 惠(株式会社日立製作所) 規制基準委員会 棚橋 正彦(東レ株式会社) 研究資源委員会 杉田 雄二(アステラス製薬株式会社) 研究資源委員会 田中 雅弘(興和株式会社) ・運営委員会は一般事業委員会と同日に6回開催し、一般事業委員会活動の質的内容を強化、充 実し補完した。 ・会員数(平成22年3月31日現在)。 賛助会員93社、維持会員7社、個人会員36名 -2- 2.開発振興委員会(6回開催) (1)バイオテクノロジー等先端技術を応用した医薬品の研究、応用開発の振興に資 する諸条件の整備、具体化に関する調査検討および促進(一般事業) (2)官民共同プロジェクト研究支援事業(調査・予測研究事業)への協力を行う。 (一般事業) ・ 調査・報告書作成 ゲノム科学の成果をもとに、新展開されているポストゲノムの医薬品開発の創薬技術、ま た製品開発に直結するような薬物標的送達技術などゲノム科学に限定されない領域、研究開 発振興に関係する政策的研究事業について調査おこなった。ゲノム創薬、ファーマコプロテ オミクス、システムバイオロジーおよびエピジェネティクスなどのポストゲノム科学に関す る情報を更新するとともに、新規創薬技術の目標の一つと考えられる個の医療並びに創薬ビ ジネスに取り組むベンチャー企業の動向についても調査検討し、 「ポストゲノムの医薬品開発 とオミックス医療の新展開」報告書(HSレポ-ト No.71)を刊行し賛助会員等に配布し た。(平成22年4月) ・ 委員会内勉強会 1)調査ワーキンググループ ・国内基盤技術調査 報告書の概要 医療ニーズワーキンググループ 「睡眠障害に関する医療ニーズ」 アステラス製薬株式会社 ・一般事業調査 研究本部研究推進部 課長 玉起 美恵子 ポストゲノム医薬品開発ワーキンググループ 「ポストゲノムの医薬品開発とシステムバイオロジーの新展開」 エーザイ株式会社 エーザイ・プロダクトクリエーション・システムズ PCサイトサービス部 課長 川上 善之 (平成21年4月27日) 2)次世代 高速度シークェンサー技術見学 ・「オミックス研究における次世代シーケンサの活用」 アプライドバイオシステムズジャパン株式会社 分子生物・細胞生物事業グループテクニカルサポート SOLiD グループ 高橋 理 (平成21年6月25日) 3) 企業研究所訪問(1) エーザイ株式会社 筑波研究所 (平成21年8月5日) -3- 4)「iPS 細胞関連技術の特許ライセンス-オールジャパンの Hub 機能を担って-」 iPS アカデミアジャパン株式会社 知的財産・法務部長 白橋 光臣 (平成21年10月16日) 5) オミックス解析と個の医療 ・「薬物トランスポーターのファーマコゲノミクス世界最速 SNP 検出法の開発と 臨床研究への応用」 独立行政法人理化学研究所オミックス基盤研究領域 客員主幹研究員 石川 智久 新薬審査第三部審査役 宇山 佳明 ・「ファーマコゲノミクス(PGx)にかかる規制等の状況と今後 」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 (平成21年12月14日) 6)企業研究所訪問(2) 横河電機株式会社 金沢事業所 計測事業部 バイオ・アナリティカルセンター (平成22年2月19日) (政策創薬総合研究推進事業) 調査・予測研究事業 ・ 国内基盤技術調査「性差医療に関する医療ニ-ズ調査」 わが国の基盤技術に関する実態調査事業を継続して実施しており、1994年度、2000 年度、2005年度に医療ニーズに関する調査では21世紀初頭における医療ニーズを展望 してきた。 21世紀の医療として個別化医療が挙げられており、その第一歩として性別や年齢による医 療の個別化が期待される。加えて、政府による男女共同参画社会の推進もあり、性差医療の 重要性が認識されつつあり、基礎データの集積も求められている。男女間で臨床的に差があ る病気や病態、並びに薬剤の反応性等について、その診断、治療、予防の現状、並びに医療 現場の課題などを明らかにすることを目的とし平成21年度は「性差医療」について調査を 実施し、報告書を刊行した。(平成22年3月) 3.規制基準委員会(6回開催) (1)バイオテクノロジー等先端技術を応用した医薬品等に関する諸規制および諸基準 について、その内容の検討、関連情報の収集、産業界の意見の集約等(一般事業) (2)厚生科学研究費により編成される各種研究班への協力を行う。 (一般事業) ・バイオテクノロジー等先端技術の応用における諸規制の考え方についての検討、及び関連の情 報の収集については、規制動向調査WGにおいて、新たにメンバーを公募し、多能性幹細胞の -4- ・バイオ医薬品検討WGを設置し、国衛研で検討している抗体医薬品ガイドライン(案)の作成に協 力した。 ・CTD(Q)WGにおいては、H20年度に実施した「生物薬品の承認書製造方法欄記載につ いての実態アンケート」に関する説明会を実施した(平成21年4月16日)。 ・委員会内勉強会 1) 「ワクチン(感染症、がん、アルツハイマー病など)の開発の現状と規制動向-予防医療と 疾病治療の新たな展開へ向けてー」 平成20年度規制動向調査WG代表 (平成21年4月17日) 2)「医薬品レギュレーションの新たな課題-来し方と今後のブレークスルーを考える-」 千葉大学大学院薬学研究院 特任教授 黒川 達夫 (平成21年6月15日) 3)「遺伝子組換え医薬品に関する最新の動向-カルタヘナ法からの視点から-」 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 理事・審査センター長 同 豊島 生物系審査第一部審査専門官 聰 前田 大輔 (平成21年8月7日) 4)「再生医療、iPS 細胞を巡る研究動向と規制動向-iPS 細胞標準化の課題と展望-」 京都大学 物質-細胞統合システム拠点 iPS 細胞研究センター 副センター長 中畑 龍俊 (平成21年10月6日) 5)「株式会社ツーセルの再生医療事業について」 株式会社ツーセル 取締役社長 辻 紘一郎 「微小重力での ES 細胞培養とその発展性」 広島大学大学院保健学研究科 生態環境適応科学研究室 心身機能生活科学講座 教授 6)「平成21年度HS財団国外調査 弓削 類 調査団報告」 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 第一三共株式会社 (平成21年12月11日) 研究開発本部 情報委員会 国外調査WGリーダー 開発薬事部 メディカルライティンググループ長 佐藤 督 (平成22年2月5日) ・規制動向調査WG勉強会 1)「iPS 細胞に関する研究動向と課題」 文部科学省科学技術政策研究所 科学技術動向研究センター 客員研究員 帝人株式会社新事業開発グループ 研究企画推進部 先端バイオ企画担当部長 鷲見 芳彦 (平成21年6月2日) 2)「iPS 細胞の創薬研究への応用」 武田薬品工業株式会社医薬研究本部 開拓研究所 主席研究員 中西 淳 (平成21年6月23日) -5- 3)「ヒト生物資源の研究利用の国内と海外の現状」 独立行政法人医薬基盤研究所 生物資源研究部 部長 増井 徹 (平成21年8月27日) 4)「間葉系幹細胞(MSC)分離デバイス」 株式会社カネカ 医療機器事業部 事業開発グループ 同 櫻井 裕士 関 嘉男 (平成21年9月29日) 5)「多能性幹細胞の創薬研究への応用」 アステラス製薬株式会社 研究本部 分子医学研究所 ゲノム創薬研究室 主席研究員 中島 秀典 (平成21年12月17日) 6)「ヒト幹細胞ガイドライン」 近畿大学薬学総合研究所 所長 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 顧問 早川 堯夫 (平成22年1月21日) ・規制動向調査WGインタビュー先 1)(再生医療の現状と展望について) 北里大学医療衛生学部人工皮膚研究開発センター長・教授 黒柳 能光 (平成21年7月17日) 2)(組織工学治療について) 名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・外科学講座 教授 上田 実 (平成21年7月23日) 3)(Advanced Cell Culture Systems-Toword Clinical Applications について) ライフテクノロジーズジャパン株式会社 チーフ・サイエンス・オフィサー 戸須眞理子 (平成21年8月3日) 4)(厚生労働省の再生医療への取組みについて) 厚生労働省医政局研究開発振興課 ヒト幹細胞臨床研究対策専門官 田邊 裕貴 (平成21年8月4日) 5)(iPS 細胞を用いた神経再生戦略について) 慶應義塾大学大学院医学研究科 教授 岡野 栄之 (平成21年8月31日) 6)(Stem Cells for Drug Screening and Toxicity Testing について) 株式会社リプロセル 取締役 CTO 浅井 康行 (平成21年9月1日) 7)(ヒト iPS 細胞を用いた新規 in vitro 毒性評価系の構築について) 独立行政法人医薬基盤研究所 遺伝子導入制御プロジェクトリーダー 水口 裕之 (平成21年9月11日) 8)(幹細胞の品質管理の現状と課題および国際動向について) 独立行政法人医薬基盤研究所 -6- 生物資源研究部 古江-楠田美保 (平成21年9月11日) 9)(幹細胞制御による臓器再生治療戦略について) 東京大学医科研幹細胞治療部門 教授 中内 啓光 (平成21年9月24日) 10)(ヒト幹細胞標準化の実現に向けてについて) 独立行政法人産業技術総合研究所 兼 東京大学大学院 器官発生工学研究ラボ 総合分化研究科 特任教授 ラボ長 浅島 誠 (平成21年9月25日) 11)(エピジェネティクスと分化誘導について) 国立成育医療センター 部長 梅澤 明弘 (平成21年9月25日) 12)(再生医療を中核とする先端医療教育研究拠点について) 東京女子医科大学大学院医学研究科先端生命医科学系専攻 教授 岡野 光夫 (平成21年10月5日) 13)(再生医療産業の課題と展望について) 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング 代表取締役社長 小澤 洋介 (平成21年10月13日) 14)(再生医療の現状と展望について) 大阪大学大学院医学系研究科 外科学講座 心臓血管外科 教授 澤 芳樹 (平成21年10月14日) 15)(再生医療ベンチャー 細胞培養技術を用いて難病疾患治療に挑むについて) アルブラスト株式会社 代表取締役社長 北川 全 (平成21年11月4日) 16)(再生医療開発における海外規制動向について) オリンパス株式会社 研究開発センター医療新事業 PJ 生体材料担当部長 袴塚 康治 (平成21年11月6日) 17)(iPS 細胞作製技術 創薬・再生医療への応用について) ディナベック株式会社 同 代表取締役社長 取締役 長谷川 護 事業開発本部事業推進管理部長 兼知財ライフサイエンス室長 井上 誠 (平成21年11月10日) 18)(細胞・組織加工製品の確認申請について) 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 生物系審査第二部 部長 鹿野 真弓 (平成21年11月13日) 19)(ヒト幹細胞臨床研究について) 国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部 部長 山口 照英 (平成21年11月18日) 20)(iPS 細胞の知的財産戦略について) -7- 知的財産戦略ネットワーク株式会社 代表取締役社長 秋元 浩 (平成21年11月19日) 21)(再生医療における制度的枠組みに関する検討会について) 国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部 部長 鈴木 和博 (平成21年11月27日) 22)(細胞・組織加工製品の規制動向について) 国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子細胞医薬部 第二室 室長 佐藤 陽治 (平成21年11月27日) 23)(多能性幹細胞(ES/iPS 細胞)の再生医学および医薬品開発への利用と今後の展望) 京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)拠点長 再生医科学研究所 教授 中辻 憲夫 (平成21年12月3日) 24)(iPS 研究の今について) 独立行政法人理化学研究所 兼 発生・再生科学総合研究所センター 財団法人先端医療振興財団 先端医療センター研究所長 副センター長 西川 伸一 (平成21年12月24日) 25) (再生医療の実現化に向けての制度論的な現状と課題、今後の展望-iPS 細胞による再生医 療実現のために-) 財団法人先端医療振興財団 先端医療センター研究所 膵島肝臓再生研究グループリーダー 松山 晃文 (平成21年12月24日) 26)(iPS 細胞関連技術の特許ライセンスについて) iPS アカデミアジャパン株式会社 知的財産・法務部長 白橋 光臣 (平成22年2月12日) 27)(iPS 細胞研究の課題と今後について) 京都大学物質-細胞統合システム拠点 再生医科学研究所 iPS 細胞研究センター 再生誘導研究分野 教授 センター長 山中 伸弥 (平成22年2月12日) 以上 4.研究資源委員会(6回開催) (1)次世代創薬技術と研究資源に関する調査・情報収集(一般事業) (2)研究資源供給事業への協力を行う。 ・平成21年度研究資源調査報告書(HSレポート№70) 「創薬研究のパラダイムシフト―マウスからヒトへ-」の研究資源に関する調査報告書 医薬品業界の他業界とは異なる特徴の一つは、医家向けの新薬を事業の軸に据える研究開発型 の大手製薬企業の業績は、ブロックバスターと呼ばれる少数の大型製品に大きく依存し、その製 品の裏付けとなる特許が切れると安価なジェネリック医薬品の登場により業績に大きな打撃を受 -8- けることで、この特許切れの問題は、世界的な製薬企業の再編や合併にも影響を与えている。従 来から2010年前後に連続して到来するブロックバスターの特許切れ(いわゆる2010年問 題)への対応が叫ばれてきましたが、各社の懸命な努力にもかかわらず、後継になり得る大型新 薬の開発については、全体として大きな成果が得られないまま2010年が到来している。新薬 の承認数としては、2009年は欧米で前年を上回ったようですが、近年の医薬品開発の苦戦に ついては、製薬企業側からは、臨床試験の厳格化、新規医薬品開発のターゲットの枯渇等がその 原因として挙げられる。一方で、過去の成功例にとらわれて低分子医薬品に集中して開発を進め てきたことが原因との見方もある。 過去に人類を悩ませてきた細菌やウイルス等による感染症等については、少なくとも先進国で は既存の医薬品によりある程度制圧されている。その次に、文明の進歩により、先進国を皮切り に栄養過多、偏食や運動不足に起因するいわゆる生活習慣病が大きな市場になり、それらの治療 薬が開発され、ブロックバスターとして大きく成長した。この領域は、既存薬でかなりのレベル の満足を得ているため、新薬を市場に投入するためには、安全性を含めて既存薬とは大きく異な る特長が要求されている。 一方、未充足の分野として、日本を先頭に加速度的に進む高齢化等を背景に、癌や中枢系疾患 の分野が注目されている。また、誘導多能性幹細胞(iPS 細胞)の作製方法の発明により、ES 細 胞を含む多能性幹細胞を用いる再生医療分野の研究開発が活性化し、周辺分野を巻き込みながら 急速に裾野を広げつつある。iPS 細胞の登場は、再生医療をより活性化すると共に、ヒトの細胞 や組織を対象とした薬効薬理研究のみならず、生命の根幹に関わる発生・分化機構の研究を身近 にし、その意義は大変大きいと思われる。 いずれにせよ、感染症や生活習慣病の画期的新薬開発はもちろん、癌や中枢系疾患分野の新薬 開発や再生医療とそれに必要な細胞・組織等の開発には、これまで以上に精緻な研究開発が要求 されます。特に医薬品開発に要する費用が年々増大する中で、研究開発のできるだけ早い段階で ヒトでの治療効果を予測することは、ますます重要になっている。そのために、従来の細胞や疾 患モデル動物を用いた実験手法に加え、これらに工夫を加えたよりヒトに近い評価系の構築が試 みられている。また、ヒト iPS 細胞やこれから分化誘導される細胞の創薬研究への応用も期待さ れる。これらを通して、ヒト自体への理解を一層深めていくことが要求されていると思われる。 これらの背景を踏まえ、平成21年度は、 「医薬品の研究開発のパラダイムシフト-マウスから ヒトへ-」と題して調査研究を実施した。 第Ⅰ章では医薬品産業を取り巻く環境の変化と企業戦略やヒトを含む生物の生命機構を理解す るための革新的な研究手法の事例について、第Ⅱ章では日本発の世界的研究成果である iPS 細胞 や ES 細胞を用いたヒトへの応用を視野に入れた研究開発の最新情報と実用化について、第Ⅲ章 では実験動物の体内にヒト環境を構築する試みの一つとして免疫ヒト化マウスの研究成果につい て、第Ⅳ章では、昨年度に引き続きトランスレーショナルリサーチの事例として、オール北海道 先進医学・医療拠点形成プロジェクトの成果について記載した。 本調査が HSRRB のみならず、生物資源を用いて創薬活動をしている研究者や関連分野に携わ る方々にも大いに参考となることを期待してHSレポート No.70としてとりまとめ、賛助会員 -9- 等に配布した(平成22年3月)。 ・委員会内勉強会 1)「iPS 細胞の産業応用に向けた要素技術」 アステラス製薬株式会社 研究本部研究推進部 課長 前田 典昭 (平成21年6月19日) 2)「最近の幹細胞関連の情報について」 協和発酵キリン株式会社 渉外部 担当部長 渡邉 昭彦 (平成21年8月21日) 3)札幌医科大学附属産学・地域連携センター訪問 ①「北海道先進医学・医療拠点形成プロジェクトの組織体制」 北海道公立大学法人札幌医科大学 学長 今井 浩三 ②「脳梗塞後の骨髄間葉系幹細胞による再生医療治療効果向上のための技術開発」 札幌医科大学 神経再生医学講座 特任教授 本望 修 ③「ヒトがんワクチン実用化の臨床研究」 札幌医科大学 医学部医学科 病理学第一講座 准教授 鳥越 俊彦 小海 康夫 ④「血漿プロテオミクスによるGVHD診断標的の同定と臨床応用」 札幌医科大学 医学部教育研究機器センター分子機能解析部門 教授 ⑤「エピジェネティクスを標的としたがん診断及び治療 法に関する臨床研究」 札幌医科大学 医学部医学科 基礎医学部門生化学講座 教授 豊田 実 (平成21年10月23日) 4)「生命科学・システムバイオロジー」 株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 所長 北野 宏明 (平成21年12月18日) 5)「ゲノムの基礎研究、バイオ創薬技術、疾患構造や病態病理の研究を共同研究」 中外製薬株式会社 取締役専務執行役員 山崎 達美 (平成21年12月18日) 6)「平成21年度ヒト資源バンク活性化 WG 報告-ヒト由来研究資源の供給この一年の動き-」 国立成育医療センター外科研究部 部長 絵野沢 伸 (平成22年2月19日) 7)「平成21年度国外調査報告-ゼロ成長時代における各国薬事規制の新たなる潮流と企業の 生き残り戦略-」 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 国際部長 佐々木 徹 (平成22年2月19日) ・ヒト組織バンク活性化ワーキング活動 ヒューマンサイエンス研究資源バンク(HSRRB)でのヒト組織バンク事業を活性化する目的で 資源供給審査委員会:絵野沢委員(国立成育医療センター)をチームリーダーとしたワーキン グチームに当研究資源委員会委員が加わり、ワーキングの開催や第16回エイチ・エー・ビー - 10 - 研究機構(HAB)学術年会、第9回ヒューマンサイエンス研究資源バンクセミナーの参加、そ して神奈川がん臨床研究・情報機構との情報交換により情報収集を実施した。これらを「ヒト 由来研究資源の供給-この一年の動き」としてまとめ、平成21年度の第14回資源供給審査 委員会(平成22年3月17日)に報告・提出した。 5.研修委員会(6回開催) (1)バイオインターフェース、勉強会等の開催(一般事業) (2)政策創薬総合研究推進事業(新技術移転促進事業)への協力を行い、セミナー、 ワークショップ、基礎研究講習会、HS研究資源バンクセミナー等を開催する。 (一般事業財団機能強化プロジェクトWG活動) ・バイオインターフェース開催 「バイオインターフェース」は、バイオベンチャー企業および各種 TLO と会員との創薬の ためのプロフェッショナルな交流の場を提供するもので、技術移転が迅速かつ的確に推進さ れることを目的としている。年3回開催し、賛助および維持会員企業の研究者、研究開発企 画担当者、経営責任者等と各種 TLO、バイオベンチャー企業等の間で、活発な技術情報等の 議論・交換があった。 1)第29回バイオインターフェース(平成21年5月20日) (全理連ビル9階 A 会議室) 「BEVS 技術による遺伝子組換型新型インフルエンザワクチンの製造と開発」 株式会社UMNファーマ 代表取締役社長 金指 秀一 「細胞外マトリックスとその受容体から見た創薬ターゲット」 北海道大学遺伝子病制御研究所 研究所長・教授 上出 利光 「逆ミセルナノ粒子凝集体を用いたバイオ医薬DDS技術の開発」 東レ株式会社先端融合研究所 主席研究員 井田 伸夫 「がん治療における DDS」 国立がんセンター東病院 臨床開発センターがん治療開発部 部長 松村 保広 参加者:59名 2)第30回バイオインターフェース(平成21年8月25日) (全理連ビル9階 A 会議室) 「テーラーメイド型がんペプチドワクチン(ITK-1)の研究開発」 株式会社グリーンペプタイド 事業開発部長 吉田 啓造 「新規グルタミン酸トランスポーター調節物質の開発」 国立医薬品食品衛生研究所薬理部 第一室長 佐藤 薫 「セリクシスを用いた抗体作成―免疫法と抗体スクリーニング法について―」 株式会社バイオマトリックス研究所 - 11 - プロテオーム事業部 部長 梶田 忠宏 「ヒト血液リンパ球をソースとする高活性抗体作成技術について」 株式会社イーベック 代表取締役 北海道大学遺伝子病制御研究所 教授 高田 賢蔵 参加者:53名 3)第31回バイオインターフェース(平成21年11月16日) (全理連ビル9階 A 会議室) 「個の医療、バイオマーカーにできること」 代表取締役社長 CEO 内田 株式会社バイオマーカーサイエンス 景博 「アレルギー性皮膚疾患素因判定マーカー及びそれらの使用法」 国立成育医療センター研究所 免疫アレルギー研究部 アレルギー研究室長 松本 健治 代表取締役 CED 窪田 規一 「新しい創薬システムを目指す(RAPID システムの可能性) 」 ペプチドリーム株式会社 「生体の分子認識に基づく、ライブラリーデザイン・合成と創薬・検査・診断への応用」 株式会社ハイペップ研究所 代表取締役・最高科学責任者 軒原 清史 川上 浩司 参加者:50名 (一般事業) ・委員会内勉強会 研修委員会の開催に合わせて委員会内勉強会を6回開催した。 1)「国際同時不況勃発後の医薬品開発戦略における日米の政策、規制動向」 京都大学大学院医学研究科 薬剤疫学 教授 (平成21年4月14日) 2)①「メディカルバレープロジェクトの概要と成果」 三重県健康福祉部薬務食品メディカルバレー推進グループ 副参事兼副室長 (平成21年6月12日 高村 康 三重県吉田山会館にて) ②「原索動物の受精機構:ユビキノン―プロテアソーム系とアロ認識機構」 名古屋大学大学院理学研究科臨海実験所・生命理学専攻発生生化学グループ 所長・教授 澤田 均 「出血ヘビ毒素の血管作用:細胞表面プロテアーゼADAMファミリーの謎」 講師 (平成21年6月12日 荒木 聡彦 名大理学部附属臨海実験所にて) 3)「ペプチドが今またおもしろい/創薬・DDS素材としてのペプチド」 東京薬科大学薬学部創薬学科 製剤設計学教室 教授 岡田 弘晃 (平成21年8月4日) 4)「世界最先端の染色体工学技術を用いた医療及び医薬品開発への応用」 鳥取大学大学院医学系研究科生体機能医工講座 - 12 - 遺伝子機能工学部門 教授 鳥取大学染色体工学センター センター長 (平成21年10月23日 押村 光雄 鳥取大学にて) 5)「研究職から金融業界へ。しかしずっとバイオの庭の中で思うこと」 株式会社ジャフコ ライフサイエンス投資運用部 シニアマネージャー 原田 謙治 (平成21年12月8日) 6)「ワクチンに関する制度の概要と最近の動向」 社団法人細菌製剤協会 常務理事 伏見 環 (平成22年2月2日) (政策創薬総合研究推進事業) 新技術移転促進事業 平成21年度政策創薬総合研究事業推進事業の新技術移転促進事業として、セミナー2回、ワ ークショップ1回、基礎研究講習会1回、HS研究資源バンクセミナー1回の計5回実施した。 ・ヒューマンサイエンス総合研究セミナー 主として厚生労働省が政策的に力を入れている疾病あるいは財団法人ヒューマンサイエン ス振興財団の調査で医療ニーズの高い疾患などについて、創薬の観点で企画・実施するセミ ナーを2回実施した。 1)テーマ:「失明に至る眼の疾患に挑む―その発症機序と創薬の可能性を中心に―」 開催日及び場所:平成21年9月30日 砂防会館別館1階 演題及び講師: [糖尿病網膜症] 「糖尿病網膜症の臨床」 名古屋市立大学大学院医学研究科 感覚器・形成医学(視覚科学)教授 小椋 祐一郎 「糖尿病網膜症の発症機序と創薬ターゲット」 北海道大学大学院医学研究科眼科学分野 教授 石田 晋 [加齢黄斑変性] 「加齢黄斑変性の臨床(病態と治療)」 名古屋市立大学大学院医学研究科 感覚器・形成医学(視覚科学)准教授 安川 力 「加齢黄斑変性の霊長類モデル、遺伝子解析からの創薬ターゲット」 国立病院機構東京医療センター臨床研究センター(感覚器センター) 分子細胞生物学研究部 部長 岩田 岳 [緑内障] 「緑内障の病態と治療」 熊本大学大学院医学薬学研究部 感覚・運動医学 「緑内障の発症機序と創薬ターゲット」 - 13 - 視機能病態学 教授 谷原 秀信 岐阜薬科大学 薬効解析学研究室 教授 原 英彰 [創薬上の問題点] 「網膜疾患に対する創薬上の問題点(DDS、臨床評価法など)と展望」 参天製薬株式会社 研究開発本部研究開発企画室 マネージャー 松野 聖 [将来展望] 「網膜の再生」 独立行政法人理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 網膜再生医療チーム チームリーダー 高橋 政代 「網膜色素変性に対する遺伝子治療」 九州大学病院 眼科 助教 池田 康博 近畿大医学部ゲノム生物学教室 教授 西尾 和人 東京大学大学院医学系研究科ゲノム医学講座 教授 間野 博行 教授 佐谷 秀行 シニアリサーチャー 桜田 一洋 参加者:148名 2)テーマ:「次世代の抗がん剤創薬に向けて」 開催日及び場所:平成21年11月10日 灘尾ホール 演題及び講師: 「オーバービュー::抗がん剤の変遷とトレンド」 「肺癌原因遺伝子の発見」 「がん浸潤転移を標的とした治療の開発戦略」 慶應義塾大学医学部附属先端医科学研究所 遺伝子制御部門 「組織幹細胞のエピジェネティックス障害と癌化」 ソニーコンピュータサイエンス株式会社 「栄養飢餓環境でのバイオロジーと癌」 国立がんセンター東病院臨床開発センター がん組織生理機能解析プロジェクト 室長 土原 一哉 教授 佐藤 昇志 准教授 影山 慎一 江角 浩安 【がん治療ワクチン】 「オーバービュー:がんワクチン開発の現状と課題」 札幌医科大学医学部病理学第一講座 「がんワクチンの医薬品化への行程と課題―臨床的観点から―」 三重大学大学院医学系研究科 遺伝子・免疫細胞治療学 【トランスレーショナルリサーチ】 「抗がん剤創薬におけるトランスレーショナルリサーチの役割」 国立がんセンター東病院 参加者:204名 - 14 - 院長 ・ヒューマンサイエンス総合研究ワークショップ 創薬等で特に重要と考えられる技術・戦略などをテーマとして選定して、集中的に参加 者を巻き込んだ議論ができることを念頭において企画・実施した。 テーマ:「新技術から見たタンパク質性医薬品の現状と問題」 開催日及び場所:平成22年1月19、20日 国際研究交流会館3階国際会議場 演題及び講師: 1月19日(火) 【はじめに】 (総合司会:村上 浩二) 「オーバービュー:タンパク質性医薬品の変遷とトレンド」 近畿大学薬学総合研究所 所長・教授 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 顧問 早川 堯夫 宗和 秀明 土方 重樹 【成功例】 「新規糖尿病治療薬:GLP-1受容体アゴニスト(エキセナチド) 」 日本イーライリリー株式会社研究開発本部 メディカルアドバイザー 「細胞成長因子の産業化」 科研製薬株式会社海外開発推進部 担当課長 【DDS】 「機能性ペプチド・タンパク質によるDDSと創薬」 東京薬科大学薬学部医療薬物薬学科 製剤設計学教室 教授 岡田 弘晃 東京医科歯科大学生体材料工学研究所 教授 秋吉 一成 「ナノゲルによるタンパク質デリバリー」 「機能性ペプチドをキャリアとするバイオ薬物の経粘膜デリバリー」 星薬科大学薬剤学教室 准教授 森下 真莉子 【意見交換会】 1月20日(水) 【海外状況】 「海外におけるタンパク質性医薬品開発の現状と動向」 株式会社BCGジャパン 代表取締役社長 田中 徹三 塚本 洋子 【生産系】 「タンパク質性医薬品製造に使われる生産系とは?」 旭硝子株式会社 ASPEX 事業推進部マーケティンググループ リーダー 「酵母を用いた抗体生産系の開発」 第一三共株式会社製薬技術本部プロセス技術研究所 バイオ工学第一グループ 【製造】 - 15 - 主任研究員 野中 浩一 「抗体医薬アクテムラの生産確立」 中外製薬株式会社製薬研究部 生物技術担当部長 赤松 健一 試作事業部 部長 菅原 敬信 代表取締役 岡村 元義 川上 浩司 「酵母を用いた組換えアルブミンの生産」 財団法人化学及血清療法研究所菊池研究所 【品質】 「分子多様性をどうとらえるか」 株式会社ファーマトリエ 【おわりに】 「タンパク質性医薬品の将来の方向性と可能性」 京都大学大学院医学研究科 薬剤疫学分野 教授 参加者:153名 ・ヒューマンサイエンス基礎研究講習会 国公立等の研究機関の活動を民間に紹介するために企画・実施した。 テーマ:「国立長寿医療センター研究所における研究活動」 開催日及び場所:平成21年6月23日午後 国立長寿医療センター研究所2階会議室 演題及び講師: 「ご挨拶」 「研究所の全体概要」 国立長寿医療センター 総長 大島 伸一 所長 鈴木 隆雄 運動器疾患研究部 部長 池田 恭司 口腔疾患研究部 部長 松下 健二 国立長寿医療センター研究所 「Musculoskeletal 創薬のニーズとシーズ」 「血管病としての歯周病とその制御」 「歯髄幹細胞を用いた象牙質・歯髄再生による新しいう蝕・歯髄炎治療法の開発」 口腔疾患研究部口腔機能再生研究室 室長 中島 美砂子 「一般住民における老化の進行とその評価」 疫学研究部 部長 下方 浩史 伊藤 健吾 「認知症の診断と根本治療薬の開発に貢献する PET イメージング」 長寿脳科学研究部 部長 「脳内脂質代謝調節によるアルツハイマー病の予防・治療法開発」 アルツハイマー病研究部 部長 道川 誠 「血管性認知症の診断法および予防・治療法の開発」 血管性認知症研究部 「個別意見交換会」 参加者:39名 - 16 - 室長 脇田 英明 ・ヒューマンサイエンス研究資源バンクセミナー ヒューマンサイエンス研究資源バンクを広く紹介するために、その活動内容と関連した テーマを設定し、講演会を企画・実施した。 テーマ:「ヒト細胞・組織を創薬・医療分野にどのように利用するのか? ―研究資源バンクの活用―」 開催日及び場所:平成22年1月17日 千里ライフサイエンスセンター5階ライフホール 演題及び講師: 「分子細胞イメージングと疾患・創薬研究」 自治医科大学先端医療技術開発センター 株式会社大塚製薬工場 特別顧問 客員教授 小林 英司 「脂肪組織由来幹細胞の新展開」 「ヒト肝細胞 財団法人先端医療振興財団 先端医療センター研究所 膵島肝臓再生研究グループ グループリーダー 松山 晃文 創薬研究ツールから細胞医薬品へ」 国立成育医療センター研究所 東京医科大学 実験外科研究室長 客員教授 絵野沢 伸 「ヒト内臓脂肪、滑膜組織からの培養細胞の調製と品質管理」 ヒューマンサイエンス研究資源バンク 研究員 笠松 礼 「幹細胞( ES 細胞、iPS 細胞)の品質管理の現状と課題」 独立行政法人医薬基盤研究所 生物資源研究部細胞バンク 研究リーダー 古江―楠田 美保 「がん研究推進を目指したバイオバンク構築の実際とバンク試料を用いた研究の展望」 国立がんセンター研究所病理部 部長 金井 弥栄 「生物資源バンクの日本と海外の現状」 独立行政法人医薬基盤研究所 生物資源研究部 部長 増井 徹 「再生医療の産業化―自家培養皮膚「ジェイス」の製品開発―」 株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング 自家培養皮膚「ジェイス」プロダクトマネージャー 製品開発部 部長 井家 益和 生物薬品部 部長 山口 照英 「細胞組織加工医薬品等の安全性・品質等の確保」 国立医薬品食品衛生研究所 参加者:137名 - 17 - 6.情報委員会(6回開催) (1)会報等の発行(一般事業) (2)情報センターの充実(一般事業) (3)政策創薬総合研究事業(調査・予測研究事業)への協力を行う。 (一般事業) ・会報等の発行 会報「ヒューマンサイエンス」を4回発行した。 平成21年4月号は「泌尿器疾患」7月号は「精神疾患」10月号は「がん」 平成22年1月号は「レギュラトリーサイエンス」を特集テーマとして編集を進めた。 ・HISデータベース 平成21年度のHIS-F(文献)を追加更新した。HIS-P(患者調査)については 2008年度の患者調査結果を追加し、スタンドアローンシステムでの利用を可能とした (ホームページでの提供は未実施) 。 アクセス実績はほぼ例年並みであった。 ・ホームページ HP運営委員会を4回開催。 掲載コンテンツのタイムリーな更新に心掛け、アクセス件数は前年度実績を10%程度上 回る実績であった。 ・委員会内勉強会 1)「がん医療の将来動向 II」~先端技術の現状とがん医療への応用に向けて~ 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団情報委員会 アステラス製薬株式会社 研究本部研究推進部 将来動向調査 WG リーダー 前田 典昭 (平成21年4月16日) 2)「神戸医療産業都市構想と関西バイオメディカルクラスター」 財団法人 先端医療財団 統括コーディネーター 矢野 良治 (施設見学:15:00~16:00) 神戸臨床研究情報センター(TRI)、KIMEC ビル10階より地域全体の俯瞰、 独立行政法人理化学研究所分子イメージング研究センター、各施設30分程度の視察 (平成21年6月12日) 3)「コーチング 医療分野への応用」 株式会社コーチ21 取締役社長 桜井 一紀 (平成21年8月6日) 4)「慢性感染症と宿主応答-結核をモデルとして基礎から臨床へ」 国立感染症研究所免疫部 部長 小林 和夫 (平成21年10月8日) 5)「長崎大学ハノイ拠点における新興再興感染症の研究」 - 18 - 長崎大学熱帯医学研究所 教授 山城 哲 施設見学:研究室、熱帯医学ミュージアム等の見学 (平成21年12月11日) 6)「平成21年度国外調査報告」 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団国外調査 WG 長(第一三共株式会社) 佐藤 督 (平成22年2月4日) (政策創薬総合研究推進事業) 調査・予測研究事業 ・ 将来動向調査 調査テーマ: 「ウイルス感染症の将来動向」 発 平成22年3月30日 行 日: 調査概要 : 感染症対策が進展した現在でも、人類は多くのウイルスと共存をはからなければならず、 根絶出来ない多くのウイルスに対応するため、抗ウイルス薬の開発やワクチンの開発研究 に、たゆまぬ努力が必要である。また、ウイルス感染症の将来動向を予想し、その対策を 練っておくことが重要である。 このような状況から、本年はテーマとして「ウイルス感染症の将来動向」を選択し、 「呼 吸器ウイルス感染症」、「消化器及び腫瘍関連ウイルス感染症」、「神経及びその他ウイルス 感染症」の3分野に分けて調査を実施した。 各分野における患者動向、研究動向、予防、診断、治療、医療上の課題と行政・医療機 関・研究機関・企業の役割や将来展望などについて調査結果を報告書として取り纏めた。 本調査は、各疾患の専門医、専門分野の研究者等にアンケート調査をお願いし、解析結 果から調査テーマに関する将来動向を予測するものである。アンケート調査は、郵送発送、 郵送回収により実施し、配布総数327名に対し回答は217名、回収率は66.3%で あった。 ・国外調査 調査テーマ: 「ゼロ成長時代における 各国薬事規制の新たな潮流と企業の生き残り戦略を探る。 」 発 行 日: 平成22年3月25日 調査概要 : 医薬品のグローバル開発が進展しつつある現在、各国の薬事規制の潮流を理解すること は、今後の医薬品等の研究開発を展開するための必須要件と考えられる。また、近く大型 製品の特許切れが続出する医薬品産業では、各社が生き残りをかけた新たな研究開発戦略 を実践する。 このような状況から、本年度の国外調査では、各国の薬事規制の変化に焦点を当て、そ の新たな潮流が、医薬品等の研究開発に与える影響とそれらの将来展望を探ることを目的 - 19 - に、米国、欧州、アジアの薬事規制当局、製薬企業、主要研究機関等を訪問調査した。 本調査は、WG 委員を中心とする調査団を海外に派遣し、当該研究機関、規制当局の担当 官等に直接面談し、インタビュー形式による調査を実施するのである。 本年は、米国(J&J, GSK, PhRMA, NIH など)欧州(EMEA、BIS、Roche など)ア ジア(シンガポール、中国 SFDA、清華大学医学院)の薬事規制の動向、企業の生き残り 戦略、大学・研究機関の新たな取り組み等に関する情報を取り纏めた。 7.企画委員会(6回開催) (1)官民共プロの見直し案・フォロー (2)財団活動に関する情報調査 (3)財団新規事業のフォロー/サポートを行う。 (一般事業) ・官民共同プロジェクトの活性化では、仕組みの見直しなど見直し策を提言しつつ、その実現に 向けた活動を継続している。まず官民型研究課題の研究規模については、21年度募集時に改 定することができた。さらに、22年度については、研究分野の見直し策として、D 分野の一 部改訂とともに、E 分野「医療上未充足の疾患領域における医薬品創製を目指した研究」を追 加することとし、22年度研究事業の募集要項に反映させた。 ・一般事業委員会の改革、および専門委員会間のコミュニケ―ション強化について、一般事業委 員会運営委員会に検討を提案し、財団としてのベクトル合わせ等の議論・検討のため「財団のあ り方検討ワーキンググループ」が発足した。企画委員会はその事務局として運営を支援した。 ・委員会内勉強会 1)「NTT物性科学基礎研究所の紹介」 NTT物性科学基礎研究所 機能物質科学研究部 部長 鳥光 慶一 同 分子生体機能研究グループ 篠崎 陽一 同 薄膜材料研究グループリーダー 嘉数 誠 (平成21年6月19日) 2)「医薬基盤研究所におけるスーパー特区研究の話題」 独立行政法人医薬基盤研究所 同 理事長 山西 弘一 遺伝子導入制御プロジェクトリーダー 水口 裕之 (平成21年10月16日) 3)「日立製作所 中央研究所の研究について」 日立製作所 中央研究所 ライフサイエンス研究センター 部長 三和 祐一 (平成21年12月16日) - 20 - 4) 「ヒューマンサイエンス研究資源バンク(HSRRB)の活動」 ヒューマンサイエンス研究資源バンク 所長 吉田 東歩 同 室長 小阪 拓男 同 室長 佐藤 元信 同 室長 武下 政一 (平成22年2月19日) Ⅲ 政策創薬総合研究事業 本事業は、厚生労働省の補助並びに民間からの国立研究機関への研究委託を受けて行うもの で、画期的、独創的な医薬品等の創製のため産官学が一体となって政策創薬分野における先 端的・基盤的技術の開発研究等の事業及び推進事業を行うものである。 1.研究事業 (1)政策創薬総合研究 平成21年度は、新規課題として、重点研究5課題(応募8課題)、若手研究者奨励研究 4課題(応募8課題)の採択を決定し、各々実施した。また、平成20年度からの継続課題 として、重点研究32課題、若手研究者奨励研究3課題を採択し、実施した。 1)重点研究 下記のA~Dの4分野について、継続課題と新規課題を合わせて37課題を実施した。 企業77社、国立研究機関11機関、大学45校、団体・試験研究法人等9機関が参加し て共同研究を行った。 第A分野 稀少疾病治療薬の開発に関する研究 第B分野 医薬品開発のための評価科学に関する研究 第C分野 政策的に対応を要する疾患等の予防診断・治療法等の開発に関する研究 第D分野 医薬品等開発のための画期的創薬方法の開発、およびヒト組織の利用に関する 研究 2)若手研究者奨励研究 継続課題と新規課題を合わせて7課題を実施した。 (2)エイズ医薬品等開発研究 平成21年度は、新規課題として、重点研究1課題(応募2課題)、若手研究者奨励研 究4課題(応募6課題)の採択を決定し、各々実施した。また、平成20年度からの継続 課題として、重点研究1課題、若手研究者奨励研究6課題を採択し、実施した。 1)重点研究 下記のA~Cの3分野について実施し、参加組織の構成は企業2社、国立研究機関1機 関、大学2校が参加して共同研究を行った。 第A分野 抗エイズウイルス薬、エイズ付随症状に対する治療薬の開発に関する研究 第B分野 エイズ発症防止薬の開発に関する研究 - 21 - 第C分野 抗エイズ薬開発のための基盤技術の開発等に関する研究 2)若手研究者奨励研究 継続課題と新規課題を合わせて10課題を実施した。 2.推進事業 本事業は外国人研究者招へい事業、外国への日本人研究者派遣事業、流動研究員活用事業、 新技術移転促進事業、国際共同研究事業、調査・予測研究事業、国際研究グラント事業、外国 への研究委託事業及び研究成果等普及啓発事業を行い、「1.研究事業」の円滑な実施(支援) を図るものである。 (1)外国人研究者招へい事業 世界各国で政策創薬総合研究事業の分野において優れた研究を行っている外国人研究者 6名(応募7名)を選考し、米国より4名、オランダより1名、およびタイより各1名を招 へいした。 研究事業名 応募者 実施者 政策創薬総合研究 4名 3名 エイズ医薬品等開発研究 3名 3名 (2)外国への日本人研究者派遣事業 政策創薬総合研究を実施している研究者1名(応募2名)を選考したが、中止となった。 研究事業名 応募者 実施者 政策創薬総合研究 2名 0名 エイズ医薬品等開発研究 0名 0名 (3)流動研究員活用事業 将来我が国の政策創薬総合研究の中枢となる人材を育成するため、流動研究員34名(応 募42名)を選考・採用し、政策創薬総合研究を行っている研究機関に派遣した。 研究事業名 応募者 実施者 政策創薬総合研究 31名 24名 エイズ医薬品等開発研究 11名 10名 (4)新技術移転促進事業 (研修委員会報告13~17頁参照) (5)国際共同研究事業 政策創薬総合研究で外国の研究機関と共同で研究することが必要または効果的である課 題に関し、我が国の研究班と外国の研究機関とで共同研究を行うものである。 平成21年度からの新規課題として1課題(応募6課題)を採択し、実施した。また、平 成20年度からの継続課題3課題を採択し、実施した。 1)心不全における可溶性中間体(アミロイドオリゴマー)を標的とする新規治療法の開 発 (日本)国立成育医療センター 研究所等 (米国)シンシナティチルドレンズホスピタルメディカルセンター - 22 - 2)末梢神経脱髄と髄鞘化の分子機構の解析と治療応用 (日本)国立精神・神経センター 神経研究所 (米国)ワシントン大学 3)骨髄ニッチの形成を介した血液難病の制御と再生医療への応用 (日本)国立感染症研究所 (米国)オレゴンヘルスサイエンス大学 4)新しい結核治療ワクチンの開発研究(ヒトの結核感染に最も類似のカニクイザル・モ デルを用いた) (日本)独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター等 (米国)レオナルド・ウッド研究所 (6)調査・予測研究事業 国内基盤技術調査(開発振興委員会報告4頁参照) 将来動向調査(情報委員会報告19頁参照) 国外調査(情報委員会報告19頁参照) (7)国際研究グラント事業 抗エイズウイルス薬、エイズワクチン等の開発を一層促進するために、我が国の研究班 と外国の研究機関とで共同研究を行うものである。 平成21年度からの新規課題として1課題(応募3課題)を採択し、実施した。また、平 成20年度からの継続課題5課題を採択し、実施した。 1)HIVプロテアーゼの2量体形成の動態の解析とHIVプロテアーゼ2量体化阻害剤 の研究・開発 (日本)熊本大学 (米国)パーデュー大学 2)網羅的ゲノム情報解析による新規抗HIV因子の探索 (日本)大阪大学微生物病研究所等 (フランス)パリ第六大学 (イタリア)ミラノ大学 3)エイズ関連カポジ肉腫に対する新規予防、治療法と発症予知に関する研究 (日本)国立感染症研究所等 (米国)ニューヨーク大学等 4)エイズ治療ワクチンの開発 (日本)熊本大学等 (英国)オックスフォード大学 5)新型チップ等を用いた第22染色体新規SNPs多型の網羅的解析によるHIV感染 防御ワクチン及び抗HIV治療薬の効果判定改善と新しい免疫治療法の開発 (日本)近畿大学等 (イタリア)ミラノ大学 (フランス)モンペリエ分子遺伝学研究所 - 23 - (タイ)タイ国立衛生研究所 6)増殖型ベクターrBCGとワクチニアm8Δによる抗SIV免疫誘導と発症防止 (日本)北海道大学遺伝子病制御研究所等 (米国)ハーバード大学 (8)外国への研究委託事業 エイズ医薬品等開発研究で、国内での研究が困難なもの、又は効率的でないものについ て、外国の研究機関に研究を委託してこの研究事業の効率化を図るものである。2課題(応 募2課題)を選考し、実施した。 1)タイにおける HIV 感染症の治療効果に関する宿主因子の解析 (日本)大阪大学微生物病研究所 (タイ)バムラスナラデュラ研究所 2)感染防御に関与する自然免疫と細胞性免疫との相互作用の解析 (日本)国立感染症研究所 (米国)チューレン大学健康科学センター (9)研究成果等普及啓発事業 政策創薬総合研究に係る研究成果を広く積極的に公開し、普及啓発することにより政策 創薬総合研究を含めた科学技術に対する一層の推進を図ることを目的として、研究者や一 般国民を対象として研究成果発表会を実施した。 <研究成果発表会> ①テーマ:「バイオ医薬品・遺伝子治療薬の品質・安全性評価と国際動向」 研究代表者:国立医薬品食品衛生研究所 山口 照英 開催日及び場所:6月12日 横浜国際会議場 参加者:90名 ②テーマ:「安全な海外旅行のために -感染症の予防と治療-」 研究代表者:結核予防会 新山手病院 木村 幹男 開催日及び場所:1月23日 愛知県 産業労働センター 参加者:56名 ③テーマ:「大規模副作用症例報告データベースの解析とファーマコビジランス計画」 研究代表者:国立医薬品食品衛生研究所 森川 馨 開催日及び場所:1月29日 日本薬学会 長井記念ホール 参加者:258名 ④テーマ:「先端技術を応用した医薬品原薬・製剤の品質確保と評価に関する研究」 研究代表者:国立医薬品食品衛生研究所 開催日及び場所:2月2日 - 24 - 川西 徹 こまばエミナース 参加者:206名 ⑤テーマ:「ヒト社会、および地球環境におけるストレスと疾患、その予防について」 研究代表者:国立精神・神経センター 神経研究所 桃井 隆 開催日及び場所:3月2日 東京国際フォーラム、キリスト品川教会 参加者:180名 Ⅳ 研究資源供給事業 細胞、遺伝子、日本人由来 B 細胞株およびその DNA、ヒト組織の供給事業を継続実施して いる。動物胚・精子については保存を継続している。平成21年度末に保管している研究資源 数を以下に示す。 (1)保有研究資源数(平成22年3月末現在) 資源の種類 資源数 平成21年度・新規受入れ数 1,015 株 細胞 35 株 15,482 クロ-ン 遺伝子 日本人 B 細胞株 615 クローン 2,144 株 なし 213 試料 ヒト組織 動物胚・精子 48 試料 28 試料 なし 新規の研究資源として、細胞バンクではヒト白血病・リンパ腫由来細胞株、内分泌攪乱物質 レポーターアッセイ用ハムスター細胞株、マウス抗体産生ハイブリドーマなど、遺伝子バン クでは疾患関連遺伝子 cDNA クローンをそれぞれ独立行政法人医薬基盤研究所・JCRB 細胞バ ンク、遺伝子バンクより受入れた。ヒト組織バンクでは、凍結組織(肝、甲状腺)の他、新 鮮組織(非凍結)を協力医療機関より受入れた。 (2)研究資源分譲サンプル数(平成21年4月~平成22年3月) 平成 21 年 前年度 度 実績 大学・国公 HS 財団 非会員 立・独法 会員 (一般) 細胞 1,679 383 374 802 3,238 3,396 遺伝子 20 3 2 1 26 38 1,929 0 449 0 2,378 1,814 ヒト組織 29 67 0 0 96 64 動物胚・精子 2 0 0 0 2 0 日本人B細 胞株/DNA - 25 - 海 外 合計 平成21年度は、前年度および前々年度に比べて、細胞の海外分譲数およびヒト組織の譲渡 試料数が増加し、細胞の国内分譲数が減少した。細胞分譲先内訳は、大学・国公立・独法化 研究機関が52%、国内民間研究機関(会員、非会員)が23%、海外研究機関が25%であ った。日本人由来 B 細胞株(大部分は DNA で分譲)の分譲試料数は、平成20年度に比べ 31%増の2,378試料となった。ヒト組織バンクでは、滑膜組織、皮膚組織、内臓脂肪組 織、大腸癌・胃癌の癌部位/非癌部位ペアー組織について新鮮組織(非凍結)での受入れ・ 譲渡することに注力している。平成21年度は内臓脂肪前駆細胞および滑膜細胞をバンクで 調製し、凍結細胞として譲渡する事業を開始した。動物胚バンクに関しては、独立行政法人 医薬基盤研究所・生物資源研究部が平成18年度よりマウス個体の分譲を開始したのに伴い、 HSRRB では胚と精子の保存のみを継続し、収集・増幅は実施しなかった。 (3)その他 ・広報活動用の小冊子「HSRRB 保有資源カレントステータス」を改訂し、 「HSRRB 保有細胞を 使用した文献ピックアップ(2009年発行論文)」を作成した。 ・第9回 HS 研究資源バンクセミナー「ヒト細胞・組織を創薬研究にどのように利用するか?- 研究資源バンクの活用-」を研修委員会と共同で開催した。 ・学会誌にヒト組織バンクの活動について掲載した。 「ヒト組織の供給と研究利用」日本移植学会誌 44(2):160-166 (2009) 「ヒト組織バンクから供給される手術摘出組織の研究利用」日本薬理学会誌 34: 315-319 (2009) ・第8回医薬品原料・中間体展、バイオジャパン2009、日本組織培養学会、日本分子生物学会、 HS 総合研究ワークショップなどにおいて研究資源バンクの広報活動を行った。 ・関東地区の医療機関と新鮮組織の提供に関する契約を締結した。 ・各バンクが保有する研究資源の状況を適宜 Web 掲載し、利用者への迅速な情報提供に努めた。 V 出版事業 平成19年5月16日に発刊した書籍「我が国の保健医療の将来-20年後のヒューマンラ イフを展望する-」の普及に努めた。平成21年度の販売実績は9冊であった。 Ⅵ 創薬バイオマーカー探索研究(たんぱく分野)事業 平成20年度から開始した創薬バイオマーカー探索研究事業は独立行政法人医薬基盤研究所 の「基盤技術共同研究」と厚生労働省が公募した「疾患関連バイオマーカー探索研究」により 構成されている。 平成21度の「基盤技術共同研究」の参加費、また「疾患関連バイオマーカー探索研究」に おける研究費を企業から受け入れ、独立行政法人医薬基盤研究所、 「疾患関連バイオマーカー探 索研究」の研究代表者へ配分した。 - 26 - Ⅶ 厚生労働大臣認定 TLO 事業 本事業は、平成15年5月に技術移転事業者の認定を受け、ヒューマンサイエンス技術移転 センター(HSTTC)において活動を開始した。厚生労働省所管の国立試験研究機関等の研究から 生み出された成果を有効に活用し、社会に還元させることを目的としている。 本年度は、特定試験研究機関または試験研究独立行政法人(国研)の14機関において研究成果 である発明案件の掘り起こしに注力し特許出願を進め、加えて、実施許諾先を幅広く探索する ための施策の拡充に努めた。 1)年度内に98件の発明案件が各機関から寄せられ、その内65件(累計421件)を新規国 内出願、9件(累計84件)の PCT 出願、他に16件(累計45件)の海外直接出願及び PCT 後の指定国出願を行った。 2)平成21 年度機関別特許等国内新規出願件数 国立医薬品食品衛生研究所 2件 国立保健医療科学院 1件 国立感染症研究所 1件 国立障害者リハビリテーションセンター 2件 (他機関との共同出願1件譲受) 国立がんセンター 11件 (他機関との共同出願2件、1件譲受) 国立循環器病センター 11件 (他機関との共同出願1件) 国立精神・神経センター 2件 国立国際医療センター 5件 (他機関との共同出願2件、国内優先1 件を含む) 国立成育医療センター 3件 国立長寿医療センター 14件 (共同出願1件、実用新案1件を含む) 独立行政法人国立健康・栄養研究所 0件 独立行政法人国立病院機構 6件 独立行政法人医薬基盤研究所 7件 独立行政法人労働安全衛生総合研究所 0件 計 65件 (種苗登録2件、共同出願1件) ・年度内に2件の国内特許権、海外での権利3件(米1、EP1、露1)を取得済み。 ・実用新案登録は2件、意匠登録は1件。 ・国研へ特許を受ける権利の返還は4件(特許1件、実用新案1件、特許海外分2件)。 3)国立試験研究機関等の研究成果をいち早く新規事業並びに新製品の開発に活用してもらう ため、HSTTC では登録会員制度を設けて運営している。平成21年度の登録会員企業数は、 前年度に比べ3社多い45社となった。 4)特許権等についての民間事業者への実施許諾等の状況については21年度:10案件、累 計で30案件、3月末現在における実施許諾契約交渉中の案件は4件 5)幅広い視野と経験、知識、人脈をもった人材から発明の実用化の推進、企業への斡旋等の サポートを受ける目的で、フェロー職従事者規程を制定し、22年3月末日現在14名の 有識者と業務委託契約を交わしている。フェロー職従事者の斡旋による企業側の評価検討 - 27 - も随時行われている。 6)また、特許公開公報が出された発明案件については、大阪商工会議所が運営する「創薬特許 マーケット」データベースへの登録など、他機関が運営するネットワークを通じより広く情 報の提供に努めている。 7)財団法人ヒューマンサイエンス振興財団主催の、創薬のための知的相互交流「バイオインタ ーフェイス」に、特許出願した国立試験研究機関等の先生方に参加を要請し、プレゼンター として発明の紹介を依頼した。 第29回 平成21年5月20日 国立がんセンター東病院臨床開発センター がん治療開発部長 第30回 平成21年8月25日 保宏 国立医薬品食品衛生研究所 薬理部第一室長 第31回 松村 平成21年11月16日 佐藤 薫 国立成育医療センター研究所 免疫アレルギー 松本 健治 8)海外企業へのライセンス等の可能性を探るため、下記の活動を実施した。 制癌剤、疾病診断マーカーを中心に、 海外企業へ打診 (Abbott 社、Debiopharm 社、EUDAX 社、Transgene 社、等)、および海外企業の日本法人への打診 (サノフィ・アベンティス、 バイエル、メルク、シェーリング・プラウ、等)。 Ⅷ.動物実験実施施設の外部評価・認証事業 平成20年4月に財団内の機関として「動物実験実施施設認証センター」を設置し、運営委 員会及び評価委員会の設置と共に体制整備を進めた。運営委員会においては制度の運営に関す ること、評価委員会においては制度の実施における専門的・技術的側面からの必要事項に関す ることについて鋭意検討を行い、各種規程、申請様式、評価基準、認証評価員等を決定し、 平成20年7月28日より、認証申請受付を開始した。 平成20年度は、認証申請は国立研究機関2箇所、製薬企業1箇所、研究機関2箇所の計5 施設から提出され、実地調査・評価の後、4施設に認定証を発行した。 平成21年度の評価実績については、認証申請は製薬企業4箇所から提出され、実地調査・ 評価後、前年度評価中であった 1 施設を含め、5施設に認定証を発行した。また、本年度から 円滑な認証を目して相談制度を開始した。 Ⅸ 厚生労働科学研究推進事業 本事業は、厚生労働省から委託を受けて、厚生労働科学研究事業(ヒトゲノムテーラーメー ド研究、再生医療実用化研究、新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究及び難治性疾患克 服研究の4分野)の円滑な実施を図るために、外国人研究者招へい事業、外国への日本人研究 者派遣事業、若手研究者育成活用事業、外国への研究委託事業、研究支援者活用事業(ヒトゲ ノムテーラーメードと再生医療実用化のみ)及び研究成果等普及啓発事業を行った。 - 28 - 1.外国人研究者招へい事業 厚生労働科学研究の2分野(他の2分野は募集せず)において優れた研究を行っている外国 人研究者11名【アメリカ4名、イギリス1名、フランス1名、インド1名、スウェーデン 1名、ニュージーランド 1 名、トルコ 1 名、ナイジェリア 1 名】 (応募者19名)を選考・招 へいし海外との研究協力を推進した。 研究事業名 応募者 実施者 ヒトゲノムテーラーメード研究 ― ― 再生医療実用化研究 ― ― 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究 難治性疾患克服研究 計 16名 10名 3 1 19名 11名 2.外国への日本人研究者派遣事業 厚生労働科学研究の2分野(他の2分野は募集せず)の研究を行っている研究者2名(応 募者6名)を選考し、外国の大学、研究機関等【アメリカ2名】に派遣し、研究に従事させ た。 研究事業名 応募者 実施者 ヒトゲノムテーラーメード研究 ― ― 再生医療実用化研究 ― ― 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究 2名 1名 難治性疾患克服研究 4 1 6名 2名 計 3.若手研究者育成活用事業 厚生労働科学研究4分野の当該研究の推進を図り、将来わが国の中枢となる人材を育成す るため、若手研究者(リサーチ・レジデント)37名(応募者70名)を選考・採用し、研 究代表者または研究分担者の所属する研究機関に派遣し、採択研究課題の研究に従事させた。 研究事業名 応募者 ヒトゲノムテーラーメード研究 11名 再生医療実用化研究 実施者 8名 8 4 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究 35 19 難治性疾患克服研究 16 6 計 70名 37名 4.外国への研究委託事業 厚生労働科学研究の2分野(他の2分野は募集せず)について、外国の研究機関等で実施 - 29 - した方が効率的な研究及びわが国では供給困難な研究材料等の開発・供給等を外国の研究機 関等に研究委託するもので、応募があった20課題のうち8課題を選考し、委託を実施した。 (1)新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究 8課題(応募 17課題) 1)多剤耐性結核と HIV 結核発症リスク因子としての血漿中 vitaminD ならびに患者単球由 来マクロファージにおける vitaminD 関連遺伝子発現の研究 (委託申込者)国立国際医療センター研究所呼吸器疾患研究部 (委託機関) 室長 桜田 紳策 公衆衛生省医科学局国立衛生研究所〔Thailand〕 2)赤痢アメーバリファレンス株の確保と遺伝多型性解析 (委託申込者)国立感染症研究所 (委託機関) 部長 野崎 智義 国立コレラ下痢症研究所〔India〕 3)西アフリカ地域におけるマラリア媒介蚊の病原体保有状況の調査研究 (委託申込者)帯広畜産大学原虫病研究センター (委託機関) 教授 嘉糠 洋陸 国立マラリア研究・研修センター〔Burkina Faso〕 4)メキシコにおけるハンタウイルス感染症の診断法と疫学に関する研究 (委託申込者)北海道大学大学院獣医学研究科 (委託機関) 准教授 苅和 宏明 メキシコ国立公衆衛生研究所〔Mexico〕 5)ヒトエンテロウィルス 71 急性脳炎におけるウィルス特異的受容体局在の病理学的解析 (委託申込者)国立感染症研究所 (委託機関) 室長 清水 博之 マラヤ大学医学部病理学部門〔Malaysia〕 6)タバコモザイクウイルスベクターによるE型肝炎ウイルス中空粒子の発現 (委託申込者)国立感染症研究所 (委託機関) 室長 武田 直和 アリゾナ大学アリゾナバイオデザイン研究所〔USA〕 7)フィリピンにおける日本脳炎ウィルス分離のための媒介蚊調査 (委託申込者)国立感染症研究所昆虫医科学部第二室 (委託機関) フィリピン大学マニラ校 室長 沢辺 京子 公衆衛生学部〔Philippines〕 8)ハンセン病患者由来試料の採取と薬剤耐性研究 (委託申込者)国立感染症研究所ハンセン病研究センター (委託機関) 室長 甲斐 雅規 タイホー国立ハンセン病皮膚科病院〔Vietnam〕 (2)難治性疾患克服研究推進事業 0課題(応募3課題) 5.研究支援者活用事業 ヒトゲノムテーラーメード研究、再生医療実用化研究事業の当該研究の推進を図るため、 ヒトゲノム解析研究関連分野で必要な技術を有する研究支援者11名(応募者13名)を選 考・採用し、研究代表者または研究分担者の所属する研究機関に技術的補助者として派遣し、 採択研究課題の研究に従事させた。 6.研究成果等普及啓発事業 厚生労働科学研究の1分野(他の3分野は実施せず)に係わる研究成果等について、一般 - 30 - 国民や研究者を対象とした発表会の開催あるいは研究への取り組みを明確にしたパンフレッ ト等の作成を行った。 (1)難治性疾患克服研究推進事業 1)難治性疾患克服研究事業に関する説明会 難治性疾患克服研究の一層の推進に資することを目的として、平成21年度採択275 研究班の研究代表者および経理事務担当者を対象に、難治性疾患研究事業を適切に実施・ 推進するための説明会を開催した。 開催日及び場所:平成21年9月25日(金)東京(砂防会館別館 1 階 大会議室) 演題及び演者: 「先進医療について」 厚生労働省保険局医療課 主査 丸山 慧 「研究費の適正執行について」 厚生労働省健康局疾病対策課 課長補佐 中田 勝己 厚生労働省健康局疾病対策課 課長補佐 中田 勝己 「今後の難病対策について」 「難治性疾患の医療費構造について」 北里大学医学部神経内科学 講師 荻野 美恵子 「平成21年度難治性疾患克服研究事業の研究方針について」 厚生労働省健康局疾病対策課 課長補佐 中田 勝己 生物資源研究部部長 増井 徹 遺伝子バンク主任研究員 亀岡 洋祐 ①中間事後評価の方針 ②特に研究奨励分野に関する情報公開について 「生体試料収集・提供に関する研究について」 独立行政法人医薬基盤研究所 同 参加者:308名 2)難治性疾患克服研究成果発表会(研究者向け) 難治性疾患克服研究の一層の推進に資することを目的に、平成21年度に採択された 研究奨励分野全159課題について、研究者を対象とした研究成果発表会を6会場に分 けて開催した。 開催日及び場所:平成22年3月12日(金)東京(学術総合センター) 演題・演者: 159研究課題【発表者153名(うち136名が研究代表者)】 参加者:192名 - 31 - Ⅹ ヒトゲノムテーラーメード研究推進事業(創薬知的基盤整備促進事業) 創薬のための基盤研究および開発研究の推進を図ることを目的として、汎用性が高く高水準 の品質を有する細胞、遺伝子、ヒト組織、動物胚等の研究資源の確保と、創薬等知的基盤の整 備促進のため以下の事業を行った。 (1)細胞、遺伝子 主としてヒトに由来する多数の細胞、遺伝子を培養・増幅し、微生物汚染、変異の有無、 由来種の確認等の試験研究を行い、品質の保証された細胞、遺伝子の整備、補充を行った。 平成21年度末における細胞、遺伝子、日本人由来 B 細胞株数はそれぞれ1,015株、 15,482クローン、2,144株であり、細胞35株(ヒト白血病・リンパ腫由来細 胞株、内分泌攪乱物質レポーターアッセイ用ハムスター細胞株、マウス抗体産生ハイブリ ドーマなど) 、遺伝子615クローン(疾患関連遺伝子 cDNA クローン)を新規に分譲可能 資源とした。 (2)ヒト組織 研究用ヒト組織の確保を円滑に進めるため、ヒト組織提供医療機関との調整、倫理審査 委員会の開催等、ヒト組織バンク運営に当たっての体制整備の他、関連情報の収集、技術・ 倫理面についての調査研究を継続した。平成21年度末に凍結保管しているヒト組織数は 213試料である。平成21年度には凍結組織(肝、甲状腺)の他、新鮮組織(大腸組織・ 胃組織の癌/非癌部位のペアー組織、滑膜組織・内臓脂肪組織・皮膚組織の非癌部位)を 協力医療機関より受入れ、直ちに譲渡した。一方、新鮮内臓脂肪組織および滑膜組織から 培養細胞を当バンクで調製し、品質試験した後、譲渡する事業を開始した。 (3)動物胚 医薬基盤研究所・生物資源研究部が平成18年度よりマウスの分譲を開始したのに伴い、 当バンクでの収集・増幅は中止した。保存継続中の資源数は、マウス16系統22試料、ラ ット3系統6試料の計19系統28試料である。2試料を国内研究機関に分譲した。 (4)データベース 各種研究資源についてデータベースの内容を更新し、最新情報を財団のウェブサイト上 に公開してデータベース検索環境の維持管理に努めた。 XI.技術契約支援事業 TLOにおいては、事業を側面から支援するため、国研等から要請を受け、認定TLO事 業の枠外で、契約締結に関する支援を実施してきた。20年度においては、財団の事業強化 の観点から、新たな事業として実施が可能かについて検討を行い、契約締結業務が適切かつ 速やかに行われることは、国研等だけでなく、関係者である企業においてもメリットが大き いとの結論を得た。21年度は、外部専門家の選定、契約締結業務の範囲および料金の検討 等を行い、22年度の業務開始に向けた準備作業を実施した。 - 32 -
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