優 テニスボール切り込み器具 熊本市立大江小学校 1 教頭 荒木 英文 研究の動機 静かな環境づくりのために、机や椅子の脚にテニスボールを差し込むという取り組みがなされ ています。しかしながら、その作業については、刃物(小刀やカッター及びドリル等)を使った 力を要する仕事であり、けがをしないように注意しなければなりません。そこで、レバーの上下 移動でボールに容易に切り込みを入れられるような工具を開発しようと取り組むことにしました。 2 研究の方法 ⑴ ボールを切り込む際、プラス状の切り込みを入れられるように2枚刃(十文字)の刃を開発 することにしました。 ⑵ 作業の安全性を考え、刃に触れることがなくボールを送り込むことができる工夫改善をする ことにしました。 3 研究の過程 ⑴ 2枚刃について 2枚刃の場合、ボールを押し込むときの面が広くなり、ボールが凹状となる。そのため切り 込みが困難となりました。そこで、1枚刃で切り込むことにしました。2回目の切り込みは、 1㎝ほど離れたポイントに焦点を決めて、切り込んでプラス状にしました。 ⑵ ボール送りについて そこで、ボールを何個か並べてスライドしながら切り込むようにしました。こうすることに より、刃に触れることなく、安全に作業が進められます。 ⑶ 刃の形状とボール送りについて 作業の中で、最初の切り込みが困難であることがわかり、後の切り込みは市販の剪定ばさみ や万能ばさみで容易に切ることにしました。また、テニスボールの中に液体を抜き取らないと 机や椅子の脚が錆びることが分かりました。そこで、切り込んだ後、液体を抜き取り、錆止め スプレーで刃を保護するようにしました。 4 研究の成果 ⑴ 机や椅子ボールを差し込んだことで、子どもたちも、落ち着いた環境で学習できると大変喜 んでいます。 ⑵ この一年間の試行錯誤を通して、ばねの強さ、レバーの手ざわり感、上下移動のしなやかさ、 事故を起こさない安全性、デザイン性など、基礎・基本的な知識・理解を生きて働かせること のできた機会となり得ました。さらに、耐久性や安全性を追究したいと思います。 レバーの上下移動による トラブルは、円形にするこ とでスムーズとなり、解決 しました。
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