**2011年4月改訂 *2010年7月改訂 貯法:室温保存 使用期限:外箱等に記載 犬・猫用ニューキノロン外耳炎・皮膚感染症治療剤 注意−獣医師等の処方せん・指示により 使用すること. 住友 ミコナゾール硝酸塩を配合している.そのため,グラム陽性菌,グラム陰性菌および真菌 ■組成 は1g中オルビフロキサシン10mg, ミコナゾール硝酸塩10mg, トリアムシノロンアセトニドを1mg含有する. ■効能・効果 有効菌種 犬:スタフィロコッカス属菌,ストレプトコッカス属菌,シュードモナス属菌,大腸菌, マラセチア・パチデルマチス,皮膚糸状菌 猫:スタフィロコッカス属菌, シュードモナス属菌,大腸菌, マラセチア・パチデルマ チス,皮膚糸状菌 適応症 犬・猫:細菌性および真菌性外耳炎,細菌性および真菌性皮膚感染症 ■用法・用量 1日1回,患部に適量を塗布する. ■使用上の注意 【一般的注意】 (1)本剤は要指示医薬品であるので獣医師等の処方せん・指示により使用する こと. (2)本剤は第一次選択薬が無効の症例のみに限り使用すること. (3)本剤は効能・効果において定められた適応症の治療のみに使用すること. (4)本剤は定められた用法・用量を厳守すること. (5)連続8日以上の塗布は行わないこと. (6)本剤の使用に当たっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を 確認し,適応症の治療上必要な最小限の期間の投与に止めること. (7)本剤は重症例においては有効性が低いため使用を避けること. (8)本剤は塗布後患畜が患部を舐めないような処置を講ずること. 【使用者に対する注意】 (1)誤って薬剤を飲み込んだ場合は, 直ちに医師の診察を受けること. (2)本剤の有効成分トリアムシノロンアセトニドには,実験動物で催奇形性を有す るとの文献報告があるので,妊娠又は妊娠をしている可能性のある使用者 は注意し,慎重に使用すること. (3)本剤は副腎皮質ホルモン系薬剤に対する過敏症の既往歴がある人は,直 接素手で取り扱わないこと. (4)使用した後あるいは,直接皮膚に付着した場合は,直ちに石けん等で洗浄 すること. 【犬及び猫に対する注意】 1. 制限事項 (1)本剤の有効成分トリアムシノロンアセトニドには,実験動物で催奇形性を有す るとの文献報告があるので,妊娠又は妊娠をしている可能性のある動物で の使用は注意すること. 2. 副作用 (1)副作用が認められた場合には, 速やかに獣医師の診察を受けること. 3. 適用上の注意 (1)本剤は外用以外に使用しないこと. 【取扱い上の注意】 (1)使用済みの容器は, 地方公共団体条例等に従い処分すること. 【保管上の注意】 (1)小児の手の届かないところに保管すること. (2)直射日光や高温を避け,涼しいところに密栓して保管すること. (3)誤用を避け,薬の品質を保つために,他の容器に入れかえないこと. ■薬効・薬理 1. 抗菌作用 (1)オルビフロキサシンの抗菌スペクトルは広く, グラム陰性菌はもとよりグラム陽 性菌, マイコプラズマ等の広範囲の菌種に対して強い抗菌力を示す. (2)アンピシリン,オキシテトラサイクリン,カナマイシンなどの抗生物質耐性菌に も抗菌力を示す. (3) ミコナゾール硝酸塩は強い抗真菌作用を示す. また,抗真菌作用はナイス タチンよりも優れ, ナイスタチン低感受性株にも良好な抗真菌作用を示す. 2. 抗炎症作用 トリアムシノロンはグルココルチコイ ドに属し,優れた糖質代謝作用を有し,抗炎症・ 抗アレルギー作用を発揮する一方,鉱質代謝作用が比較的弱いことが認めら れている.コルチコイド活性に関する動物実験(ラット)から抗炎症作用,胸腺 退縮作用,肝グリコーゲン貯留作用が明らかにされている. トリアムシノロンアセ トニドは, トリアムシノロンにくらべ,上記のコルチコイ ド活性が強く,副腎摘出ラッ トの延命効果,作用の持続時間,皮膚透過性においても優れている. 3. 耐性 (1)オルビフロキサシンに対する自然耐性菌発現頻度は低い. (2)オルビフロキサシンはRプラスミドの伝達を阻害し,耐性はRプラスミドにより伝 達されないと考えられている. 4. 作用機序 (1)オルビフロキサシンの作用機序は,細菌特有のDNAジャイレースを阻害する ことによりDNAの複製を妨げ,殺菌的に作用する. (2) ミコナゾール硝酸塩の作用機序は,低濃度では主として膜系(細胞膜並び に細胞壁) に作用して, 細胞の膜透過性を変化させることにより抗真菌作用 を示す. また,高濃度では細胞の壊死的変化をもたらし,殺菌的に作用する. (3) トリアムシノロンアセトニドの作用機序は,細胞膜のホスホリパーゼA2を抑制し, 炎症伝達物質の合成を阻害する. また, ライソソーム膜を安定化し,加水分 解酵素の遊出を阻止し炎症の進行を阻害する.蛋白合成阻害作用により, 毛細血管や線維芽細胞の増生やコラーゲン沈着を抑制する. ■安全性 犬・猫の背部皮膚の剃毛箇所を用いて,本剤の7日間連続塗布時における 安全性試験を実施した結果, 投与部位における皮膚局所の反応, 一般臨床 観察,飼料摂取量,増体量,体温,血液学的検査および血液生化学的検査 の全試験項目において特に問題となる所見は認められなかった. ■性状 1. 製剤 ビクタスS MTクリームは,微黄白色のクリーム剤で, わずかに特異臭を有する. 2. 有効成分 一般名:オルビフロキサシン Orbifloxacin - 3,5 - dimethyl - 1 化学名:1 - cyclopropyl - 5,6,8 - trifluoro - 1,4 - dihydro - 7(cis - 4 - oxoquinoline - 3 - carboxylic acid piperazinyl) 分子式:C 19 H 20 F 3 N 3 O 3 分子量:395.38 性 状:白色〜微黄色の結晶性の粉末 で,においはない.酢酸 (100) に やや溶けやすく, 水又はメタノール に極めて溶けにくく, エタノール (95) にほとんど溶けない.希酢酸又は 希水酸化ナトリウム試液に溶ける. 融 点:約263 ℃ (分解) ■体内薬物動態 1. 皮膚内移行 犬・猫において皮膚1cm2当たり本剤0.02gを7日間連続で塗布したところ, 犬ではオルビフロキサシン, ミコナゾール硝酸塩, トリアムシノロンアセトニドの 3薬剤ともに5日目をピークとして薬剤濃度は飽和状態となり,猫ではオルビフ ロキサシンとトリアムシノロンアセトニドが3日間投与まで皮膚内濃度は上昇し, それ以降,同等の濃度で推移した. ミコナゾール硝酸塩は,投与期間中ほぼ 同等の薬剤濃度を示した. 2. 消失 本剤の皮膚内からの消失は,皮膚内移行確認試験と同様量を単回塗布 したところ, 3薬剤ともに犬では塗布後10日目まで,猫では5日目まで急速に減 少し, いずれもそれ以降は緩やかに減少する傾向にあった.皮膚内に移行し た薬剤は,犬猫ともに代謝や分解によらず皮膚の新陳代謝等で減少するもの と考えられた. 一般名:ミコナゾール硝酸塩 Miconazole Nitrate -(2RS)-2(2, - 2(2, 化学名:1[ 4 - Dichlorobenzyloxy) 4 - dichlorophenyl) ethyl] 1H-imidazole mononitrate Cl 分子式:C 18 H 15 Cl 4 N 3 O 4 分子量:479.14 性 状:白色の結晶性の粉末. N,N-ジメチルホルムアミドに Cl O H Cl 溶けやすく, メタノールにやや 溶けにくく,エタノール (95) , アセトン又は酢酸 (100) に溶け ・HNO3 N にくく,水又はジエチルエー Cl テルに極めて溶けにくい. 融 点:約180 ℃ (分解) 及び鏡像異性体 N ■毒性 1. 製剤の急性毒性 2. 亜急性毒性 ラットにオルビフロキサシンを4週間連続強制経口投与した試験での無毒性量 は50mg/kg/日であった.ラットにミコナゾール硝酸塩を30日間経皮投与した 試験での無毒性量は50mg/頭/日であった. 3. 慢性毒性 ラットにオルビフロキサシンを13週間連続強制経口投与した試験での無毒性 量は50mg/kg/日であった.ラットにミコナゾール硝酸塩を26週間連続強制 経口投与した試験での無毒性量は 3mg/kg/日であった. 4. 催奇形性 オルビフロキサシンのラットへの経口投与による催奇形性は認められなかった. ミコナゾール硝酸塩のラットへの経口投与および膣内投与においても催奇形性 は認められなかった. 一般名:トリアムシノロンアセトニド Triamcinolone Acetonide - -methylethylidenedioxy) 化学名:9 - Fluoro - 11 ,21 - dihydroxy - 16 ,17(1 pregna - 1,4 - diene - 3,20 - dione OH 分子式:C 24 H 31 FO 6 O CH3 分子量:434.50 性 状:白色の結晶性粉末でにおいはない. O H H 3C CH3 HO エタノール (99.5) ,アセトン又は O 1, 4 -ジオキサンにやや溶けにくく, H 3C H メタノール又はエタノール (95) に H 溶けにくく,水又はジエチルエー H F テルにほとんど溶けない. O 融 点:約290 ℃ (分解) ■包装** ビクタスS MTクリーム 5g(チューブ) 20g(チューブ) ×5 20g(チューブ) ×5 6g(ボトル) * 製造販売元 A1C05 大阪市福島区海老江 1-5-51 34
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