別紙1 - 暮らしのガイド

別紙1
■ジオパークとは(日本ジオパークネットワークHPより引用)
大地(ジオ)の上に広がる、動植物や生態系(エコ)の中で、私たち人(ヒト)は生活
し、文化や産業などを築き、歴史を育んでいます。ジオパークでは、これらの「ジオ」
「エ
コ」「ヒト」の 3 つの要素のつながりを楽しく知ることができます。
例えば、山や川をよく見て、その成り立ちと仕組みに気づくと、今まで何とも思わなか
った景色が変わって見えてきます。またその景色が、何千万年、何億年という途方もない
年月をかけてつくられてきたことを知れば、私たち人の暮らしは地球活動なしには存在
しえないことも分かります。
ジオパークでは、まずそのジオパークの見どころとなる場所を「ジオサイト」に指定し
て、多くの人が将来にわたって地域の魅力を知り、利用できるよう保護を行います。
その上で、これらのジオサイトを教育やジオツアーなどの観光活動に活かし、地域を元
気にする活動や、そこに住む人たちに地域の素晴らしさを知ってもらう活動を行います。
■国引きジオパーク構想とは
中国山地や日本海、そして国内最大の汽水湖である宍道湖・中海の形成といった地球
史の中で作られた島根半島。そうした変化に富む地質学的基盤は古代より多様な動植物
や鉱産物資源を利用した産業を誕生させ、歴史文化の形成へと導きました。その中で国
引き神話が生まれ、今に受け継がれています。ジオと神話、人々の暮らしが一体となった
姿を見られるのは国引きジオパーク構想の最大の特徴です。
このように、地層・岩石・火山にみられる地質学的に貴重な場所を基盤として、そこに
息づいてきた人々の歴史・文化を有機的に結び付けたジオパークを目指す構想です。
この国引きジオパーク構想に取り組むこと
国引きジオパーク
で、見慣れた地域の自然を保護・活用する意識
構 想の エリア ( 松
を高め、郷土への誇りを醸成することや、交流
江市・出雲市)
人口の拡大、ジオパークに関連する商品の開発
などにより、地域経済の発展を図っていきます。
■国引き大地の成り立ち
①大陸分裂の時代(図1)
島根半島はユーラシア大陸の東端に位置し
ていました。大陸の地質は鉄を多く含んだ花
崗岩類で、のちにたたら製鉄に利用されるこ
とになります。その後、日本列島が大陸から
切り離されていく中で火山や湖、河川が発達
しました。
②日本列島の時代(図2)
日本海が拡大していく中で島根半島は海水
が侵入して深海へ沈みます。このとき、海底
火山の活動が大変盛んとなります。しだいに
海が浅くなってきて、中国山地が上昇してい
きます。
③汽水湖・平野の時代(図3)
中国山地から運ばれた土砂が堆積し、出雲
平野や松江平野が発達しました。このため、
島根半島と陸続きになるとともに、宍道湖・
中海が形成されました。
■国引き神話(出雲風土記
図1
図2
出典:
「野田、後藤(2004)日本列島の
古地理復元と恐竜博物館における
展示」
※出雲観光ガイドから引用)
図3
出典:中村(2008)島根県立三瓶自
然館研究報告
別紙1
昔々、出雲の創造神、八束水臣津野命は出雲の国を見渡して「この国は、細長い布のように
小さい国だ。どこかの国を縫いつけて大きくしよう」とお思いになりました。
そこで、どこかに余分な土地はないかと海の向こうを眺めると、朝鮮半島の新羅(しらぎ)とい
う国に余った土地がありました。ミコトは、幅の広い大きな鋤(すき)を使い、大きな魚を突き刺
すように、ぐさりと土地に打ち込み、その魚の身を裂いて切り分けるように土地を掘り起こし、切
り離しました。
そして三つ編みにした丈夫な綱をかけて、「国来、国来(くにこ、くにこ)」と言いながら力一杯
引っ張ると、その土地は川船がそろりそろりと動くようにゆっくりと動いてきて出雲の国にくっつ
きました。
こうして合わさった国は、杵築(きづき)のみさき【出雲市小津町から日御碕まで】になりまし
た。
その時、引っ張った綱をかけた杭が佐比売山【さひめやま、現在の三瓶山(さんべさん)】で、
その綱は薗の長浜になりました。
その後も、ミコトは北の方の国から同じように狭田(さだ)の国【小津から東の鹿島町佐陀ま
で】と、闇見(くらみ)の国【松江市島根町のあたり】を引っ張ってきてつなぎ、最後に北陸地方
の高志(こし)の国から引っ張ってきた国が三穂の埼【松江市美保関町のあたり】になりました。
この時、ミコトが引っ張った綱をかけた杭は伯耆の国の火の神岳【ひのかみたけ、現在の大
山(だいせん)】で、持って引っ張った綱は夜見の島(弓ヶ浜)になりました。
そしてミコトは「国を引くのが終わった」とおっしゃって、杖をおつきになって「おえ。」と言われ
たので、その地を意宇というようになりました。
■その他参考
・くにびきジオパークプロジェクトセンター
http://kunibiki.noomise.com/
(島根大学が推進してきたくにびきジオパークプロジェクトのこれまでの取組みや、暫定
のジオサイトを閲覧できます)
・日本ジオパークネットワーク
http://www.geopark.jp/
(ジオパークの概要や、日本各地のジオパークが閲覧できます)