第4学年C組 算数科学習指導案 授 業 者 研究協力者 1 2 単元名 稲岡 佐藤 寛 学,杜 威,山名 裕子 折れ線グラフについて考えよう 子どもと単元 (1) 子どもについて 子どもたちはこれまでに,1学年の簡単な絵グラフに始まり,2学年で簡単な事柄を整理 して表や○を用いたグラフに表したり,その数値をよんだりする経験をしてきている。また, 3学年では,棒グラフのかき方,よみ方を学び,最大値や最小値をとらえたり,項目間の大 小をよみ取ったりするなどし,統計グラフについての基礎的基本的な事柄を学んできた。日 常生活の中では,天気に関する情報で一日の気温の変化を表した折れ線グラフなどに何気な く接している。 (2) 単元について 折れ線グラフは,一見,棒グラフの先端を結んでできたように見えるが,棒グラフと折れ 線グラフでは,その使用目的や形態などについて違いがある。それぞれのグラフの特徴を明 確にとらえた上で,その目的に応じたグラフを選択できる力を育成したい。 グラフの使用の目的として,棒グラフは個々の数量の大小を表したり,最大値や最小値を とらえたり,項目間の関係,さらに,集団のもつ全体的な特徴を,数量の違いとしてとらえ るときに用いる。一方,折れ線グラフは,ある事柄の時系列における変化の様子を表すもの である。折れ線グラフの傾きの緩急を比べることによって,変化の様子をよみ取ることがで きる。また,折れ線グラフの1目盛りの幅や1目盛りの数値を変えることによって,事象の 変化の様子についてよみ手は異なる印象を受ける場合がある。本単元では,折れ線グラフに ついて数量の全体的な変化の仕方の特徴をよみ取るとともに,折れ線グラフを記した人の意 図を考察することの大切さについても学んでいく。 (3) 指導について 気温の変化について表した棒グラフと折れ線グラフとを比較して考える場を設け,棒グラ フが様々なものの数量の大きさを比較しやすいことに対し,折れ線グラフは変化の様子を見 ることに適していることについて子どもの気付きからまとめていく。さらに,気温の変化に ついて表した折れ線グラフの傾きから変化の様子をよみ取れることや,傾きが大きいほど縦 方向の目盛りの数が増えることについて考察する場を設ける。 また,ハムスターが体調を崩し,その体重の変化が気になる場合を折れ線グラフに表す活 動では,1目盛りの幅を変えたり,必要な目盛りの範囲に着目したりする見方・考え方に話 合いを焦点化し,場面や目的に応じた折れ線グラフの表し方について学び合えるようにする。 単元の終末には,人口の移り変わりについて表された折れ線グラフと水の使用量の移り変 わりを表した棒グラフを重ねて提示し,グラフを関連付けて考察する場を設けることで,事 象に対する見方や考え方を広げるためにはグラフ同士を関連付けて考えることも有効な手段 であることについて感じられるようにしていく。このような学びを通して,統計的な事象を 考察したり,処理したりする力を育てていきたい。 3 単元の目標〈記号は本校の資質・能力表による〉 (1) 伴って変わる2つの数量の変化の様子を折れ線グラフに表したり,その特徴や傾向をよ み取ったりしようとする。 〈ア-1・2・3〉 (2) 資料に応じた折れ線グラフの表し方について考えたり,折れ線グラフに表したことから 変化の特徴や傾向について考えたりすることができる。 〈ア-1・2・3,イ-6,ウ-D-35・42〉 (3) 変化の様子を折れ線グラフを用いて表したり,折れ線グラフをよみ取ったりすることが できる。 〈ア3,イ-6,,ウ-D42〉 (4) 折れ線グラフのよみ方,表し方について理解している。 〈ア-3,イ-6,,ウD-35〉 4 単元の構想(総時数8時間) 時間 学習活動 教師の主な支援 1 ・ 気温調べを通して, 時間に伴った変化を表 すグラフとして折れ線 グラフを知り,気付い たことを話し合う。 2 ・ 折れ線グラフの傾き と変化の大きさについ て調べる。 3 ・ 東京とサンパウロの 気温の変化を同じグラ フ用紙に折れ線グラフ で表し,関連や特徴を 調べる。 4 ・ 1日の気温の変化を 表すことを通して,折 れ線グラフのかき方を 知り,気付いたことを 話し合う。 ・ 既習の棒グラフのかき方と比 較しながら折れ線グラフをかく 手順を考察する場を設け,折れ 線グラフのかき方を理解するこ とができるようにする。 5 本時 ・ ハムスターの体重の 変化の様子を表した折 れ線グラフをかき,ハ ムスターの体重の変化 を表すのに適した目盛 りの取り方を考える。 ・ 折れ線グラフの1目盛りの幅 や折れ線グラフの目盛りに必要 な範囲に着目させながら,折れ 線グラフの傾きの変化を見やす くするための工夫について考察 する場を設ける。 ・ 6 ・ 風邪の時の体温の変 化にあった折れ線グラ フはどれかを考える。 また,やかんで水を温 めたときの温度の変化 にあった折れ線グラフ はどれかを考える。 ・ 具体的な事象のどこに着目す れば場面に応じた折れ線グラフ に表すことができるのかについ て話合いを焦点化する。 ・ 7 ・ ヘチマのつるの成長 の様子を表した折れ線 グラフを見て,予想し たことが正しいといえ るかどうかを考える。 ・ ・ 8 ・ 水の使用量と人口の 移り変わりのグラフの 関連を考える。 もとの折れ線グラフの傾きが 一定であることから,この先も その調子で伸びると予想される ことを子どもたちの気付きから まとめ,分からない部分につい ても折れ線グラフを活用して予 想できるよさを感じている子ど ものふり返りを取り上げる。 ・ 2種のグラフを関連させて考 えることができるように,具体 的な数値に着目して確認する場 を設けたり,概算で確かめる場 を設けたりする。 ・ 棒グラフが様々なものの数量 の大きさを比較しやすいことに 対し,折れ線グラフは変化の様 子を見ることに適していること について子どもの気付きからま とめる。 ・ 折れ線グラフの傾きから変化 の様子をよみ取れることや,傾 きが大きいほど縦方向の目盛り の数が増えることについて考察 する場を設ける。 ・ 2つの変化の様子を同時に表 した折れ線グラフを準備し,2 つの折れ線グラフの相違点や類 似点について問う。 評価〈本校の資質・能力との関連〉 ・ 時間に伴った変化を表 すグラフとして折れ線グ ラフについて理解してい る。 〈ア1・,イ-6,ウ-D-35〉 ・ 折れ線グラフに表した 数量の変化について,特 徴や傾向などを考えてい る。 〈ア1・2・3,イ6,ウD35〉 ・ 同じグラフ用紙に折れ 線グラフで表した2つの 数量の変化について,関 連や特徴,傾向などを考 えている。 〈ア1・3,イ6,ウD35・42〉 ・ 折れ線グラフをかく手 順を考察する活動を通し て,折れ線グラフのかき 方を理解している。 〈ア1・2・3,イ6,ウD35・42〉 折れ線グラフの傾きの 変化を見やすくするため の工夫について考えてい る。 〈ア1・2・3,イ6,ウD35・42〉 折れ線グラフの変化の 特徴と,具体的な事象に ついて結び付けて考えて いる。 〈ア1・3,イ-6,ウ-D-35・42〉 折れ線グラフで表した 数量の変化について,統 計的な特徴や傾向につい て考え,実際には測定し ていない値を折れ線グラ フから推測している。 〈ア1・3,イ-6,ウ-D-35・42〉 ・ 棒グラフと折れ線グラ フを関連させて考えてい る。 〈ア1・3,イ-6,ウ-D-35・42〉
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