Financial Services Technology Integration Case Study Financial Services / Technology Integration ダイヤモンドリース株式会社 業績向上に直結する 新総合リースシステムを構築 基幹系システムはリース会社の『生命線』。 旧システムを刷新しゼロからの再構築を決めたダイヤモンドリースは、 リース業界で豊富な実績を持つアビーム コンサルティングをそのパートナーに選び、 契約管理から請求・支払管理、営業支援、会計に至る基幹業務と、 ダイヤモンドオートリースの車両管理までを継ぎ目なく繋ぐ新システムを開発。 リース業界に特化した ERP パッケージと称されるシステムの構築を実現した。 そして同年 9 月、大手リース会社 8 経営戦略を 実現するシステム 社の基幹システム構築の実績をかわれ たアビーム コンサルティング(当時 はデロイト トーマツ コンサルティン ダイヤモンドリース株式会社(以下 DL)が、稼動 12 年を経て老朽化した 勘定系主体システムの刷新を決めたの は 1998 年 2 月のことである。 グ)がパートナーとして加わり、プロ ジェクトが始動した。 新総合リースシステムは、契約管理 や支払管理機能を備えた「営業取引管 ビジネスにおける IT の重要性を痛 理システム」 、営業支援やデータ・ウェ 感していた同社尾上洋二社長(現会長) アハウス等の機能を装備した「情報系 は、 「現行システムの改訂では暫定対 システム」 、 「財務取引・会計システム」 、 応にすぎない。勘定系だけでなく、当 経営予測や営業統計データを参照・分 社の経営戦略を支える情報系も含めた 析するための「経営管理システム」の 新しい基幹システムの構築が必須」と 4 つを柱とするもの。 「基幹系システ 判断。かねてから、新基幹システムの ムの優劣はリース会社の命運を決める 大規模な青写真を描いていた保田徳太 と言っても過言ではない」と明言する 郎情報システム部長を中心とする新基 保田部長は、DL の業績向上に向けて 幹システム開発プロジェクトを立ち上 大きな力となるシステムの構築を目指 げた。 した。 ここに、経営層と、保田氏が指揮す ダイヤモンドリース株式会社 情報システム部 部長 保田 徳太郎 氏 る実行部隊の取りまとめ役として参画 アビーム コンサルティング 金融 情報通信事業 本部長 したのが、三菱銀行の第 3 次オンライ 菅 幾雄 ンプロジェクトを経験していた大内修 企画部長(現三菱電機クレジット㈱副 社長) 。各部門から優秀な人材を集め、 専任でプロジェクトのメンバーとする など、強力な体制をとった。 Financial Services / Technology Integration をアビームの持つ To be model と照ら 徹底した現状分析を行い、 グランドデザインを描く 本プロジェクトはまさに、時間と し合わせ、 実現妥当性を評価しながら、 の闘い。ロスなく進めるためには、ス リース会社にとって理想的なシステム タッフのチームワーク力が欠かせな の青写真を描く。 かった。DL は主要部門の優秀な人材 リース会社の業務は顧客との契約 ここをきちんとやったから、いわゆ を、エンドユーザーとシステム開発者 期間や支払方法等が多様で、複雑な る手戻りのロスもなく、納期・コスト・ の間に立って調整役となる UIG(User データ管理や会計処理を要することも 品質という 3 つの難所をクリアするこ Interface Group)に任命し、 彼らがユー あり、リース業界に特化した ERP パッ とができたと自負しています」――グ ザーの代表者として、機能を確定させ ケージはなかった。DL は会計システ ランドデザインはシステムの土台とな る体制を整えた。機能確定は、各人各 ムのみ「PeopleSoft」を採用し、それ るもの。ここでコンセプトに曖昧さを 様の要望が錯綜して一筋縄ではいかな 以外を全て自前で開発することに決め 残したり、問題を先送りにして“見切 いものだが、UIG スタッフの旗振りで た。かなりな金額の投資となるが、保 り発車”をすれば、どうしても開発に 対話はスムーズに運び、優先順位にし 田部長はこの状況を逆に活かして「将 遅れと迷いが生じるのである。 たがって、満足度の高い機能確定がな 来的な共同利用を前提にした開発」に 日経コンピュータ 2003 年 11 月 17 着手。これから作るシステムを、完成 日号の記事によると、保田部長が語っ また DL では、経営層にプロジェク 後に子会社・グループ会社に展開すれ た3つの難所をすべてクリアするシス トの進捗状況を説明したり、さまざま ば「投資効率を高めることができる」 テム開発プロジェクトは4社に1社だ なテーマへの対応方針を諮ったりする と斬新な方策に打って出た。 という。グランドデザインはプロジェ 場として、新システム委員会を2ヵ月 クトの成否を決める重要な要素の一つ に1度開催し、トップとのラインを密 といえる。 にした。尾上社長も、常に進捗を気に 佳境時には DL から 20 余名、アビー ムおよび協力パートナーからなる 250 名ものメンバーが参加したこの一大プ ロジェクトは、カットオーバーまで 2 年半という厳しいスケジュールだった された。 かけるなど直々に参画。 時間の壁を乗り越えた チームワーク が、1999 年 2 月に基本設計、同年 10 大内部長は、 「現場が一番よくわかっ ている」とプロジェクトチームへの 権限委譲を図りながら、重要な案件に 月に詳細設計、2000 年 10 月に総合・ 運用テストを開始するという当初の予 定通り、滞りなく進んだ。 ユーザーカルテ その最大の理由は、 「最初のグラン ドデザインをしっかり描いたことにあ る」と保田部長は振り返る。 「現状分 会社概要 析の段階で、全社員にヒヤリングをし て要望を聞くことはもちろん、現場に 出向いてストップウォッチ片手に時間 を計るなど、各部門の現状と課題を徹 プロジェクト 概要 底的に調査・分析しました。その結果 商 本 設 事 業 内 号 社 立 容 資 社 金 数 本 員 目 的 期 間 開 発 規 模 ダイヤモンドリース株式会社 東京都千代田区丸の内三丁目3番1号 新東京ビル 1971年4月12日 各種動産のリース、各種動産の割賦販売、金融業務、 不動産業務、投資商品販売、国際業務 16,440,295,000円 約740人(2004年1月1日 現在) 基幹系システム構築 2年半 3,000人月 主なスケジュール 1998 1999 2000 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 2001 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 現状分析開始 基本設計開始 詳細設計開始 総合テスト開始 DL・DAL 稼動 のダイヤモンドレンタルシステムや UIG 以下全社員、そしてアビームが一 2003 年 4 月に合弁事業を開始した三 体となってチームワーク力を発揮し、 菱電機クレジットとのシステム統合を 一つのベクトルに向かった。当初より 果たしている。さらに、 DL は地銀リー 協力体制作りに心を配った保田部長の スで組織する親睦団体であるダイヤモ 配慮が、時間の壁を乗り越える力を生 ンド会約 20 社に対して、リースシス んだ。 テム受託業務を広げていきたい考え。 すでに、新潟の第四リースが 2003 年 プロジェクトは 次のステージへ 新基幹システム 開発コンセプト 強力な営業支援 システム 10 月にリース ASP の利用を開始した。 現在も子会社・グループ会社に対す る導入プロジェクトが複数進行中であ DL のプロジェクトは新基幹システ る。 ムのカットオーバー後も、延べ 1000 プロジェクトが並行して走る中、保 人月のエネルギーを注いで、対顧客系 田部長は「インフラなど環境面での強 ウェブシステムやコールセンターシス 化も行っていますが、どのプロジェク テムの構築等、機能拡張を行っている。 トでも大きなトラブルは皆無。これは また同時に、M & A 戦略の下、多 プロジェクトに関わる全員が、DL の くの子会社・グループ会社を擁する システムとして良いものを作ろうとい DL では、ASP 方式によるシステム提 う情熱を持って取り組んだ賜物でしょ 供を通して、 “横展開”に着手。2002 う。今後もアビームとの co-work の下、 年 8 月の旧菱信リース(1999 年 10 月 互いの社員が刺激し合い、スキルを切 に合併)を皮切りに、カシオリース 磋琢磨する環境の中で、両社のヒュー (2000年8月に子会社化) 、 ひろぎんリー マンリレーションを高めながら進んで ス(2002 年 3 月に子会社化) 、子会社 柔軟性・拡張性 のあるシステム 経営管理業務、管理会計業務 への細やかな対応 対取引先との ネットワーク ローコスト オペレーション いきたい」と語った。 システム構成 (情報系)システム ��� 営業支援(���) (��������������������) �� 取引先管理 取引進捗管理 営業情報 活用支援(���) (����������������) 契約管理 請求・回収 管理 協調取引管理 その他の 案件管理 財務取引管理 資産管理 支払管理 車両管理 マーケティング 経営管理システム (自社開発) 財務取引・会計システム (����������) 営業取引管理システム (自社開発) (市販ソフト) 営業会計 リース会計 一般会計 管理会計 連結会計 営業統計 ��� 経営予測 債権流動化 Financial Services / Technology Integration ついては自ら調整を行った。経営層と 2001. 10 新ベンダーリースシステム 2002. 08 旧菱信リース㈱データの新システムへの移行 旧菱信リース (株)データの新システムへの移行 誠心誠意の対応と 高いスキルを評価 10 カシオリース㈱システムの新システムへの統合 カシオリース (株)システムの新システムへの統合 10 新���システム プロジェクト開始前、保田部長 末 ダイヤモンドコンピューターサービス㈱千葉センターへのハウジング は、すでに大手リース会社 8 社の 2003. 05 新コールセンターシステム 06 ひろぎんリース㈱システムの新システムへの統合 ひろぎんリース (株)システムの新システムへの統合 10 第四リース㈱のリース���利用開始 第四リース (株)のリース���利用開始 11 ダイヤモンドレンタルシステム㈱新システム 2004. 01 三菱電機クレジット㈱のリース���利用開始 三菱電機クレジット (株)のリース���利用開始 基幹系システムを手がけていた アビームの実績に着目。6 社の見 学を通して情報収集した結果、誠 心誠意の仕事ぶりと高いスキル をもったアビームの力量を高く 評価した。 「評判を聞いてアビー ムの菅さんを指名しました。その 選択に間違いはなかったと満足 しています。アビームのメンバー は非常に実直で、すべての要求に 期日までに、しかも高レベルで応 えてくれました。また、仕事に対 する姿勢やスキル、コミュニケー ション面において、DL 社員は良 い刺激を受けました。今後も戦略 的なプロジェクトを多く予定し ていますので、アビームの力は欠 かせません」とパートナーシップ を強調する。 SAP Award of Excellence を 最多受賞 SAP 社による顧客満足度調査をもとに、お客様企業の満足度が非常に高いと評価された企業に授与される SAP Award of Excellence。 アビーム コンサルティングは、 「サービスパートナー部門」を、アワード創設以来 7 年連続受賞(日本国内最多受賞)。また、プロジェクトの規模、 難易度、成果などを総合的に評価する「プロジェクトオブザイヤー部門」でも、ブリヂストンスポーツ(2001 年最優秀賞)、ティアック(2002 年最優秀賞)、日産化学工業(2003 年優秀賞)に続き、2004 年には、大塚製薬、JR 西日本の2プロジェクトで優秀賞を受賞いたしました。 Case Study Financial Services Technology Integration マーケティング部 広報グループ Tel : 03-3501-8355 www.abeam.com/jp 2004 年 5 月初版発行 本資料の無断転載・複写を禁じます Financial Services / Technology Integration 新基幹システム構築以降に実施した��のプロジェクト
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