NEOMAP 東アジアにおける水田環境の景観特性と その生業利用 −ガン・カモ科鳥類の季節移動と狩猟活動に注目して− 安室 知(国立歴史民俗博物館) 水田環境と渡り鳥 z ユーラシアから日本列 島にやってくる渡り鳥 (冬鳥)の存在。 z ガン・カモ科鳥類にとっ て水田環境は越冬地 や中継地となる。 水田環境を利用した狩猟活動 z 日本における水田環境を利用した水鳥猟(ガン・カ モ科鳥類)の実態把握 z 韓国および中国における水鳥猟と水田環境の関係 →聞き書き調査による伝承資料の収集 →民具調査による民俗技術の収集 水田での水鳥猟 z かつて日本各地で行われていた →民俗技術として伝承 z 四つの方法(猟銃以外) →網を用いた猟(張り網と坂網)* 縄を用いた猟(流しモチなど) 釣り針を用いた猟(置き針など) ハゴを用いた猟(ハゴサシなど)* z 風雨など天候、月、地形、鳥の生態といった地域の 自然環境に関する総合的知識の上に成り立つ猟 →猟をめぐる民俗知識≒景観の形成 現存するカモの手網猟地 ? 牛浦沼 * 石川県加賀市 * 兵庫県小野市 鹿児島県祁答院町* * 宮崎県佐土原市 * 鹿児島県南種子町 鹿児島県 種子島(宝満池) 鹿児島県祁答院町(藺牟田池) 宮崎県佐土原市(巨田池) 兵庫県小野市(鴨池) 石川県加賀市(片野鴨池) * 洛東江下流(牛浦沼) 稲作地における生計維持システムの解明 z 水田稲作地における生計維持活動として の水鳥猟の意義 z 水田稲作地における複合生業の特性 z 東アジアとヨーロッパ大陸との比較 →「水田狩猟」の提唱 景観として水田環境 z 水田環境の景観特性と生業との関わり →水田に渡り鳥(水鳥)がいることの意味 z 日本における都市文化と農村文化の比較 →田園憧憬(類型的農村像)の形成 z 日本と韓国および中国の比較 →渡りのルートに注目して
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