第558号

発行日: 平成27年 8月 4日
発行者:
金融商品取引業者 北陸財務局長(金商)第 3 号
日本証券業協会加入
制作責任者: 営業業務部 調査課
Dynamic Psychological Ratio 9
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第558号
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上図は騰落銘柄数をベースとした独自のもので、黒の幅が拡大→買い場、白の幅が拡大→売り場
下図は RCI(9 日ベース)で、 -80% ラインを上につき抜け→買い場
80%ラインを下につき抜け→売り場
大 所 高 所
今回の中国株大波乱を見ていると、どうしても 1990 年初頭から 20 年以上も続い
た日本株の大暴落を思い出してしまう。あの大暴落は、確かに日本がバブルに酔い、
我を忘れてしまったから起こったものではあったのだが、あれほどまで大きくしかも
長引いたのは、欧米ヘッジファンドが先物を使って売り浴びせてきたのが原因でも
あったからだ。今回の中国株暴落の後ろでもおそらく、欧米ヘッジファンドが糸を引
いているに違いないと思われる…そこに 1990 年初頭からの日本株暴落との相似性を
強く感じるのだ。
欧米の金融資本というのは、我々の考えている以上にしたたかだ。伸び盛りの国
が伸びている時には、ニコニコ笑って擦り寄ってくるが、その伸びが実力以上のもの
になり慢心が始まると、こっそりと売り仕掛けを始める。そして、ここぞという時に
力を合わせて徹底的に売り浴びせて利益を吸い上げ、何十年も足腰の立たないように
徹底的に叩きのめすのだ。
今度もそうだとすれば、中国株は今後、暴落後の下値から半値ほど戻しても、再
度急落して 1 年ほどの間に高値の半値以下になり、その後も大きく下げ続ける、とい
うことになる。しかし、そうなっても、欧米側に属する日本株はさほど影響されない
だろうことには留意したい。
(BIS)
た だ 一 筋
7月はギリシャ問題や中国株安問題で投資家の心理は大きく揺れ、世界の金融市
場も振り回された。そんな中、日経平均株価も大きく揺れたが、月間で 349 円高(6
月末比)は実に底堅い動きだったといえよう。
とはいえ、一旦大揺れした投資家心理が落ち着きを取り戻すには時間が必要だ。
特に中国株安の影響とみられる直近の商品市況の軟調さ(6月高値からの下落率では
原油の約 25%、銅の 15%、金の 10%)は世界景気に悪影響を及ぼし、気がかりだ。
また、今後半年以内の利上げが濃厚な米国や4-6月期GDP(17 日発表)がマイ
ナス成長を見込む日本、等々の状況と考えると8月の日経平均株価は上値の重い、波
乱含みの展開を想定せざるをえない。
ただ、これまでもそうであったように、過剰流動性を背景に押し目は買いの好機
なのだ、前向きスタンスで臨みたいものだ。
さて当面の物色対象だが、ファナックや東京エレクトロンといった輸出関連株や
主力株を避け、4-6月期の四半期決算を見極めつつ小型株を狙い、好調なインバウ
ンド需要による小売・消費関連株中心の内需関連株に的を絞りたい。
個別銘柄では、地元株から日医工 (4541)、アルビス (7475)、ダイト (4577) は魅
力たっぷりだ。
(三感王)
当 た り 屋 見 参
先週の日経平均株価は前半、中国株式市場の下落の影響を受け軟調となったもの
の、その後は国内主要企業の 4-6 月期決算に支えられ底堅い推移となった。特に 30
日は前日米国で発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)声明文を受け、年内の
米利上げ実施の可能性が改めて意識されたことから円安ドル高傾向になったことが好
感された。外部要因のマイナスと国内の好決算と綱引きで日本株はしばらく横ばいで
推移しそうだ。
世界的な投資先を昨年末比騰落率で見てもパフォーマンスの良いのは日本株、ド
イツDAX指数、ドル円など、反対にパフォーマンスが悪いのは商品市況(金・WT
I原油・銅価格)、為替相場では豪ドル円、ブラジルレアル円となっている。このこ
とから中国関連と見られやすい投資先に対しては今後も注意が必要となる。
ならば尚更この世界的な金余り相場でお金はどこに向かうのか考えるべきである。
7 月末での東証業種別の昨年末比騰落率を見た場合、上昇率 1 位は小売、2 位食品、3
位医薬品、4 位電力・ガスだ。世界のマネーは明らかに日本の内需株に投資してきて
いる。この強さはまだまだ続くのではないか。
個別ではセブン&アイと資本提携しているアインファーマシーズ (9627) に注目し
ている。
(ヴィクト利ア)
老 練 の 視 座
今年もすでに 8 月に入り、毎日暑い日が続いております。北陸新幹線が開業し、
初めての夏休み。家族旅行で利用を計画される方も多いと思います。体調には十分気
をつけて下さい。
株式市場も例年、市場参加者が減り夏枯れ相場となり、売買は閑散とすることが
多いようです。そんな中、上場企業は 2015 年 4 - 6 月の決算発表を行っております。
中国経済の減速懸念から、先週は通期見通しを下方修正したファナックや東京エレク
トロンが大きく売られましたが、一方では好業績を発表した富士フイルム、スミダコー
ポレーション、日本調剤などが上昇。全体的には、企業業績は改善しているとの見方
が多いようです。好調な理由は主に 3 つ。北米需要の拡大、円安、訪日客によるイン
バウンド消費の増大です。業種別には、小売、銀行、証券、不動産、建設、陸運など
の内需関連株が好調です。今週はトヨタ、明治HD、三井物産、NTTなどの決算発
表が予定されており注目したいと思います。
週末に 7 月の米雇用統計の発表を控えており、様子見気分の強い展開を予想しま
すが、東日本旅客鉄道 ( JR東、9020)、西日本旅客鉄道 ( JR西、9021)、東京急行
電鉄 (9005) や三井化学 (4183)、ダイセル (4202) に注目しております。
(韋駄天)
き ら き ら 星
7 月はギリシャ問題、中国株の暴落と海外要因に振り回された感がありましたが、
日経平均は好調な企業業績に支えられ 2 万円をキープする展開になりました。第 1 四
半期の決算をみると内需関連銘柄に好調な銘柄が目立ち、また外需関連でも稼ぐ地域
によって収益の明暗が分かれました。当たり前のことですが株価が出遅れているもの
は業績的に不透明な銘柄が多く、しこり感がある銘柄が多いように感じます。
地合いが良いのか悪いのかはっきりしない相場ではありますが、お客様のパフォー
マンスを見ていますと大きく儲かっているお客様の傾向としては高値を更新している
銘柄に素直に乗っている方が多いようです。金余り相場なので新高値を付ける銘柄は
需給バランスが良い=更に上がりやすいという好循環が続くと予想します。第 1 四半
期決算発表後に新高値を付けてきた 3 銘柄に要注目です。
ジャフコ (8595)…ベンチャーキャピタル最大手、IPO増加中で好決算
GCAサヴィアン (2174)…日米でM & A案件が堅調、高ROE
ダイト (4577)…後発医薬向け原料販売が好調、時価総額 400 億円、成長性期待
(WR452)
デ ジ タ ル の 俯 瞰
ロイヤル H D が 7 月 29 日、第 2 四半期業績の上方修正を発表した。外食、ホテル、
機内食と、三拍子揃ったインバウンド銘柄で、この銘柄の上方修正が流れた瞬間に、
最近の電鉄株と空運株の堅調さが透かし絵のように重なった。
湿りきった外部環境を吹き飛ばすには、材料が 1 つでは足りないのだ。実際、堅
調さを保ち続けている電鉄株と空運株には、それぞれ、少なくとも 3 つ以上のポジティ
ブ材料が内包されている(原油安、ホテル、百貨店、免税店)。海運株を見れば分か
るように、「原油安メリット」の 1 つだけでは、どうしても株価は上がりきらない。
2 つ銘柄をあげる。まずはツカダ・グローバルホールディング (2418)。旧社名が
ベストブライダルだということでも分かるように、もともとはウェディング事業から
始まった企業だが、後にホテル事業にも参入、既に 3 つのホテルを所有し、レストラ
ン、ホテル、リラクゼーションと 3 つのインバウンド材料を持つ。11 月には名古屋(さ
さしま)でホテルが開業予定、来春にはさいたま市に複合温浴施設を開業予定だ。
また、やや過熱気味だが明治海運 (9115) は、銘柄探しの大きなヒントを与えてく
れる企業としても注目したい。海運株としての原油安メリットに加え、ホテル(AN
Aクラウンプラザホテル稚内など)、レストランを併せ持つ。原油安メリットがあり
ながら低迷が続く海運株の中にあって、インバウンド材料が刺激を与えている絶好例
だ。
(パプリカ)
アナリストによる北陸企業便り
(近藤浩之)
<大和>
2016 年 2 月期第 1 四半期における百貨店事業の売上高は、前年同期比▲ 4.8%。
消費増税前の駆け込み需要の反動で高額品の販売が落ち込んだ。北陸新幹線開業は百
貨店事業では大きな効果はなかったが、ホテル業の収益を押し上げた。業務効率化も
寄与し、連結での第 1 四半期業績は減収ながら増益を確保した。
今後もレストラン街やホテル業の好調持続、業務効率化効果が期待でき、通期利
益見通しは上振れる可能性が高い。ただ、①足元で北陸の雇用者所得が前年を下回っ
ていること、② 7 月のイオンモールとなみ、三井アウトレットパーク北陸小矢部の開
店―で、客足に悪影響が出ないか注視しておきたい。
地元客に来店頻度を高めてもらうことに重きを置く。近年は売場改装を相次いで
実施、今期も香林坊店で「ルイ・ヴィトン」をリニューアルし、
「ロレックス」ショッ
プを導入、富山店では婦人服フロアを大規模改装した。接客サービスの向上、名産品
を発信するオンラインショッピングの強化なども実施する。
過去の業務効率化により、売上高営業利益率は同業の中堅企業と同程度の水準ま
で回復した。直近ではビル管理を外部に一括委託し、高岡店の経理、総務などの後方
業務を富山店に移管した。今後も効率化を推進する方針で、増益基調が持続すると予
想する。もっとも投資指標では現在の株価は妥当な水準と考える。
罫 線 中 僧
2914 JT
月足
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
週足
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
出所:ブルームバーグ
7 月前半の大幅下落のあと、個々の銘柄の罫線は 25 日移
動平均線はもとより、75 日線までもを下回ったものが多々
見受けられるようになってしまった。特に中国景気の減速の
影響を受けやすい電気・電子部品・機械の製造業に多く、ス
マホ関連需要の減速がストレートに株価に反映されている印
象だ。75 日線を下回った状況にある銘柄は 75 日線までのリ
バウンド狙いの短期売買に徹するのが賢明だろう。
しばらくは中国経済の影響を受けにくい企業に注目した
い、との思いのもとJTを取り上げる。海外たばこ事業を統
括する子会社から 1237 億円もの配当金を受け取るなど海外
たばこ事業が安定しており、かつ、食品・飲料・医薬品の積
極的な事業再編により収益性が改善している。目先は材料株
が乱舞する展開が予想されるが、ここは腰を据えた投資に徹
したい。 (しんのすけ)
*情報シャトル特急便は、投資家の参考となる情報提供を目的としておりますが、
投資にあたってはご自身の判断でなされるようお願いします。
株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.1799%(税込)(1.1799% に相当
する金額が 2,565 円未満の場合は 2,565 円(税込))の委託手数料をご負担いただ
きます。株式は、株価の変動により損失が生じるおそれがあります。
非上場債券を当社が相手方となりお買い付けいただく場合は、購入対価のみお
支払いいただきます。債券は、金利水準の変動などにより価格が上下し、損失を生
じるおそれがあります。
投資信託にご投資いただくお客さまには、銘柄ごとに設定された販売手数料お
よび信託報酬等の諸経費等をご負担いただきます。投資信託は、主に国内外の株式
や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていないため、
当該資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資 1 単位当りの価
値が変動します。したがって、お客さまのご投資された金額を下回ることもありま
す。
外国株式・外国債券等は、為替相場の変動などにより損失が生じるおそれがあ
ります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、その商品等の上場有価証券
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