生命を尊重する心をはぐくむ道徳教育はどうあればよいか

学校名
いわき市立平第一中学校
住
いわき市平字揚土1
所
TEL
0246−23−1744
<タイトル>
校長
ホームページアドレス
な
永
嶋
啓
一
し
生命を尊重する心をはぐくむ道徳教育はどうあればよいか
−道徳の時間と全教育活動とのつながりを大切にした実践を通して−
<取組みの概要>
平成17・18年度文部科学省指定「児童生徒の心に響く道徳教育推進事業」を、本校学区
内の2つの小学校と共に受けました。そこで、タイトルにある研究主題を設定し、授業研究部
・カリキュラム研究部・調査研究部を組織して、実践研究を進めました。
<内
容>
1 各研究部の取組みは、次の通りです。
(1)授業研究部
道徳の時間の計画において、各学年に年間5時間程度の
「生命を尊重する心をはぐくむ」ための授業を設定し、資
料・発問・授業過程などを中心課題とした授業づくりの実
践研究を進めました。
(2)カリキュラム研究部
道徳の時間と各教科等との関連の中で、「生命を尊重す
公開研究での授業の様子
る心をはぐくむ道徳教育」の授業計画を整備し、それを実
践しました。第1年次は、各教科等での指導内容から、生
命尊重に関連する単元や題材を洗い出しました。第2年次
は、その単元や題材をさらに精選し、生命尊重と関連させ
た各教科等の授業を計画的に実施しました。それらの授業
を、年間5時間程度行う「生命を尊重する心をはぐくむ」
ための道徳の授業に関連させました。
また、第2年次は、保護者や地域の人たちをはじめ、関
係者や関係機関等との効果的な連携・協力を図り、本校の
道徳教育に関する取り組みに様々な形で参画してもらいま
した。
ケアマネージャーを招いての講演会
(3)調査研究部
第1年次は、全校生徒や保護者を対象にした道徳に関するアンケート調査をしました。
第2年次も、生徒や保護者の意識の変容をとらえるために、同様のアンケート調査をし
ました。また、本校の「生命を尊重する心をはぐくむ道徳教育」に関する取り組みを、保
護者や地域の人たちに公開し、評価してもらいました。さらに、「生命の尊重」をはじめ
とする道徳性を育成するための環境づくりを進めました。
2 研究の成果
(1)道徳の授業研究を継続することによって、「道徳の時間が好きである」と回答した生
徒の割合が、7割を越えました。また、「道徳の時間はためになる」と回答した生徒も、
約8割にのぼりました。さらに、
「命を大切にする」とは、
「人と助け合って生きること」
「自分のできることを一生懸命にやること」と考えている生徒が半数以上おり、「学級活
動や学級生活では、思いやりや協力を心がけている」と回答した生徒が、7割にのぼり
ました。「人の役に立つ人間になりたい」と回答した生徒は、9割を越えました。
(2)思いや考えを共有化できる学級掲示づくり等、道徳性の育成につながる校舎内外の環
境づくりを進めた結果、自主的に環境整備や清掃活動をする生徒が増えました。
(3)各教科等の学習内容から、「生命の尊重」に関連する単
元や題材を洗い出し、各教科等の授業の中で、生命尊重と
いう道徳的価値について考える機会をつくりました。それ
によって、年間を見通した生命尊重の道徳教育、各教科等
とのつながりを大切にした道徳の時間を展開することがで
きました。また、関係者や関係機関との連携を図って講演
会等を開くことにより、様々な教育活動の場面で、生命尊
重にかかわる道徳性を養うことができました。
<研究公開の感想>
○
生徒会活動による緑化環境の整備
資料の提示方法、ネームカードによる自分の考えの表現など、一人一人の生徒が参加し、
考えを深める工夫がたくさんあり、勉強になりました。頂いた資料を活用して、自分の学級
でもチャレンジしてみたいと思います。
○ 生命尊重の価値目標に迫るべく、授業の中で様々な手だてを講じていること、資料を十分
に吟味していることなど、大変参考になりました。中学校での道徳は大変大切でありながら、
その進め方は非常に難しい実態があります。生徒と先生方との人間関係の醸成がすべての活
動を左右します。本授業は、その点でも非常にすばらしかったと思います。
○ 学級の掲示物など、教育環境がすばらしかったです。環境が人を育てるのだと改めて思い
ました。