労働安全衛生対策マニュアル

労働安全衛生対策マニュアル
平成25 年11月
一般社団法人 日本鉄リサイクル工業会
労働安全衛生対策マニュアル
目次
1 安全衛生対策実施の心得
·····················
1
2 納入業者への要請 ·························· 1
3 搬入検査の実施
···························
2
4 搬入時の荷降し作業の安全対策
·················
2
5 ガス切断・解体作業の安全対策
·················
3
6 スクラッププレス機作業の安全対策
··············
4
7 シャーリング作業の安全対策 ··················· 5
8 シュレッダー設備作業の安全対策 ················ 5
9 荷役運搬機械作業の安全対策 ··················· 6
10 鉄スクラップ積込み、輸送の安全対策
·············
7
11 設備保全時の安全対策 ······················· 7
12 安全衛生管理
····························
13 労働災害と事業者の責務
·····················
8
9
<参考資料>
1
危険物(密閉物)の種類 ······················ 12
2 密閉物の処理方法について
··················· 13
3 廃止タンク解体作業時の留意事項 ··············· 15
4 事故事例等について
······················· 16
労働安全衛生対策マニュアル
1 安全衛生対策実施の心得
(1)安全対策は、事故が発生した後に実施するのではなく、事前措置を第
一とすること。
(2)爆発災害の防止のために、危険物・密閉物の仕分、選別を徹底するこ
と。
・前提として、当該ヤード又は処理工場において、未処理危険物・
密閉物の荷受け及び無害化処理の可否(荷受処理可能範囲を含む)
を所内統一する必要がある。
(3)経営者及び管理者は、安全衛生の重要性を作業者に常に身をもって示
すこと。
2 納入業者への要請
納入業者に対し、次の事項について書面等で周知する。
(1)未処理危険物・密閉物の荷受可能品目、荷受不可品目を明示すること。
(2)未処理危険物・密閉物を納入する場合は、事前連絡と荷台上での他の
納入品との区別を徹底すること。
(3)未処理危険物・密閉物の混入の場合には、荷受け及び無害化処理の可
否を所内検討する。無害化が困難な場合は、全部又は当該品を返品す
ること。
(4)荷を運搬してくるトラックの運転手等に対し、ヘルメットや安全靴等
安全防具を着用させること。
なお、危険物・密閉物の取り扱いの基準は参考資料1(11 ページ)、参考
資料2(12、13 ページ)を参照のこと。
-1-
3 搬入検査の実施
(1) 搬入検査責任者は、事業場内に搬入された鉄スクラップの下記事項につい
て搬入検査及び検収を実施する。
・品質内容(事前連絡、契約内容との相違含む)
・検収
・危険物、密閉物の有無
・危険物、密閉物が処理済か、未処理か
(2)事業場のわかりやすいところに搬入検査責任者の氏名を掲示し、周知を
する。
なお、搬入検査責任者の不在などの場合を考慮して、代理できる者を
数人養成しておくことが望ましい。
4 搬入時の荷下ろし作業の安全対策
(1)鉄スクラップの荷下ろし作業はトラックを平坦な場所に停止させて行
う。必要に応じ輪止めをするなど逸走防止を図る。
(2)トラックの運転手、関係作業者、玉掛作業者を安全な場所へ退避させ
たことを確認した後に、荷下ろし作業を開始する。
(3)鉄スクラップは、直接プレス等の作業機械に投入しないで、一旦床面
に下ろし、危険物・密閉物の混入がないか、搬入検査責任者が検査す
る。このとき、未処理危険物・密閉物があれば、搬入業者に持ち帰ら
せるか、社内処理をするかの措置を取る。
参考資料1(11 ページ)、参考資料2(12、13 ページ)参照のこと
(4)特に自動車ガラは、次のことを確認する。
イ 車内、トランクに危険物・密閉物が入っていないか
ロ ガソリンタンク、タイヤ、バッテリー、エアバッグが外してある
か
(5)荷下ろし作業は、基本的には荷を作業機械でトラックの後方へ引くよ
うにして行う。
-2-
(6)リフティングマグネット、爪ユンボ、フォークリフトで荷下ろしがで
きない重量物は、クレーン又は移動式クレーンを用い玉掛けをして作
業する。玉掛作業は、必ず玉掛技能講習修了者が実行する。
(7)円筒または円柱状の荷の場合は、回転して荷台から転落する危険を避
けるため、クレーン等で地切りまで歯止めの措置をしておく。床上で
検査のために仮置きをしたときも同じく歯止めを行う。
(8)長尺物の鉄スクラップが荷台の鳥居の上に載せてある場合は、次のよ
うにすることが望ましい。
1)トラック後部のあおりを切ってもらい、長尺物の荷を後方に引
くようにして下ろすこと
2)単体での重量がある場合は、ワイヤー等で吊り上げて下ろすこ
と
5 ガス切断・解体作業の安全対策
(1)ガス切断を行う作業者はガス溶接技能講習会修了者のうちから選定す
る。
(2)作業者はガス切断作業を始める前に、次の点検を行う。
1)圧力ゲージ、ガスホース及び吹管の状態
2)作業者の保護具(保護眼鏡、保護手袋、保護帽、安全靴)及び
消火器の準備の状況
3)作業の対象物について、危険物・密閉物の有無
(3)職長は、未処理危険物・密閉物が発見された場合には、納入業者への
返品、専門の解体処理業者への処理依頼、自社処分等の処理をとる。
(4)職長は、危険物・密閉物の解体作業について、解体物の危険性の周知
徹底、作業方法について現場、現物で具体的に指示する。
(5)ガス切断作業は、作業終了後に充分な時間(30 分を目途)を確保し、
残り火の確認、用具の手入れ、整理整頓を行い、次回の作業に備える。
-3-
6 スクラッププレス機作業の安全対策
(1)スクラッププレス機(以下「プレス機」という。)の操作は、プレス
機の作業箇所全体が見渡せる場所で行う。死角がある場合は、ミラー
でできる限り死角をなくすように工夫する。
(2)クレーン等で、鉄スクラップをプレス機へ投入する作業時は、クレー
ン等が当該作業のために移動する範囲及びプレス機の投入口付近を
立入禁止区域として、ロープ、柵で区分し、その旨を看板で標示する。
(3)プレス機のふた(上ふた)を開閉操作するときは、ピットの部分に人
がいないことを確認するとともに、警報とパトライト等で作業者に注
意を促す。
(4)プレス機のピット部に可燃性の気体が滞留することにより発生する爆
発災害を防止するために、次の点に留意する。
1)シンナー、プロパン等可燃性でかつ揮発性の液体が入っていると
思われる容器については、かならず残留物を確認し、あれば抜き
取ること
2)ピット部には、爆発の点火源となることを防ぐためモーター類や
スイッチ類をできる限り設けないようにすること
3)ピット部に、モーター類やスイッチ類を設けた場合は防爆構造の
仕様とすること
4)爆発による被害を低減するために、可燃性の気体が滞留しやすい
地下ピットには爆発孔及び換気装置の設置又は開放部分をできる
限り設けること
5)換気装置は、可燃性の気体が滞留する可能性があるところでは、
防爆構造とすること
6)ガス検知機を設置し、常時モニターを行い、ある一定濃度以上に
なると、換気装置が稼働を開始し、又は退避の警報が発生するよ
うに設定すること
7)スプレー缶等可燃ガスの発生源となる鉄スクラップを常に処理し
ている場合は、上記ホ、ヘの要件を満たすこと
(5)プレス機を無線操作する場合は、次の点に留意する。
1)操作者は必ずプレス機のピットに人がいないことを、プレス機の
投入口全体が見渡せる位置で十分確認してから、プレス機を起動
-4-
すること
2)警報、スピーカー等を備え、かつ地上の作業者と無線装置で連絡
できるようにすること
3)操作機はノイズなどに対し不意に起動しない構造のものを使用す
ること
(6)墜落の恐れのある深さ2メートル以上のピットがある箇所には、墜落
防止の手すり、防網等を設置し、「開口部注意」の表示をする。
7 シャーリング作業の安全対策
(1)シャーリングの切り出し口には、鉄スクラップの飛散による危険を防
止するためチェーン、ゴム製のカーテン等を設ける。
(2)シャーリング作業をするときは、次の区域を立入禁止し、その旨を看
板で標示する。ただし、丈夫な壁等で防護した場合はその限りではな
い。
1)クレーン等で鉄スクラップをシャーリング機へ投入する作業時
は、クレーン等が当該作業のために移動する区域
2)シャーリング機の稼働中は、鉄スクラップの飛散による危険を
避けるため、切断物が排出される切り出し口周り
(3)墜落・転落の恐れがあるシャーリング機設備の上部、ピット部には、
手すりを設ける。
8 シュレッダー設備作業の安全対策
(1)プレシュレッダーまたはシュレッダーで破砕された鉄スクラップの中
から出た可燃性の気体が滞留し、爆発する危険がある建家又は地下ピ
ットには、換気装置を設け、これを稼働させることにより適切な換気
をする。なお、下記装置について検討を要す。
1)換気装置の防爆構造
2)ガス検知機及び連動した換気装置又は警報装置
3)爆発孔又は開放部分
-5-
(2)シュレッダー設備の一部であるベルトコンベヤーに巻き込まれる危険
を防止するため、回転部にカバーをし、ロープ式の非常停止装置を設
ける等の措置をする。
(3)ベルトコンベヤーが詰まり鉄スクラップの破片等を取り除くとき、必
ずベルトコンベヤーの起動スイッチを切る。このとき、他の作業者が
起動スイッチを入れてしまうことを防止するために、起動スイッチの
メカロック(「操作禁止」のスイッチ札を掛けるか起動スイッチを施
錠)をし、作業を行う。
(4)シュレッダー設備に設けられた通路で墜落の危険があるところには、
手すりを設ける。
(5)シュレッダーダストは、大量に堆積すると自然発火により火災が発生
する恐れがあることから、できる限り頻繁に事業場から運搬し、適正
に処分をする。やむなくシュレッダーダストを大量に堆積せざるを得
ない場合は、十分水をかけ、湿潤な状態に保つ等自然発火の防止を図
る。
(6)シュレッダー設備を稼働する場合には、規模に応じた適切な数の消火
器と散水設備を備えておく等火災が発生した場合に十分に対応でき
るように準備しておく。
9 荷役運搬機械作業の安全対策
(1)爪ユンボ、フォークリフト等車両系荷役運搬機械(以下「荷役運搬機
械」という。)で作業を行うときは、あらかじめ作業場の広さ、地形、
荷役運搬機械の種類・能力、荷の種類・形状に適応する作業計画を定
め、かつ当該作業の指揮者を定め、これに従い作業をする。
(2)運転中の荷役運搬機械等又はその荷に接触することにより作業者に危
険が生ずる恐れがある箇所を立入禁止区域として、作業者を立ち入ら
せないようにロープ、柵で区分し、その旨を看板で標示する。ただし、
一定の合図を定め、荷役運搬機械を誘導する誘導者を配置した場合は、
立入禁止の措置をとる必要はない。
-6-
10
鉄スクラップ積込み、輸送の安全対策
(1)積込み作業は、トラックを平坦な場所に停止させ、必要に応じて輪止
めをするなど逸走防止を図る。
(2)トラック運転手、関係作業者が作業領域にいないことを確認して、積
込み作業を行う。
(3)トラック運転手は走行中に荷崩れ、飛散等の心配がないことを確認し
てから、目的地に出発する。
(4)公道走行中においては、シートベルトを着用し、規則で定められた履
物を着用する。
(5)納入先構内においては、各事業場で定められた規則に従う。
(6)走行中は制限速度を守り、携帯電話は使用しない。
(7)前夜の深酒、睡眠不足に注意する。
(8)いついかなる場合でも、飲酒運転をしてはならない。(犯罪行為)
(9)運転に支障をきたすおそれのある疾病のある者や薬品を服用している
者は会社に申告させる。
(10)過積載をしてはならない。
11
設備保全時の安全対策
(1)当日の修理計画を関係者に周知する。
(2)設備の動力源を完全停止する。
(3)『修理中』『修理中立入禁止』等の掲示をする。
(4)1 人作業は厳禁とする。
-7-
(5)高所作業(2m以上)は作業車の使用、安全帯の使用、作業範囲の立
入禁止措置(カラーコーン、立ち入れ禁止表示)等万全な安全対策を
図る。
12
安全衛生管理
(1)『年度安全衛生計画』
年初に、作業者が目標を持って安全衛生に取り組むことができるよう
に事業場の実態と問題点を踏まえた安全衛生管理計画を作成して、こ
の計画に基づき、年間の安全衛生活動を実施する。
(2)『新入社員教育』
作業者を雇い入れた場合、作業者に対し事業の実態を踏まえて次の事
項について安全衛生教育を実施する。なお、継続して雇用している作
業員にも、特定の事項に重点を置いた安全衛生教育を、定期的に実施
することが望ましい。
1)作業に使用される機械、材料等の危険性又は有害性及びこれら
の取り扱い方法
2)安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取り
扱い方法
3)担当する作業の作業手順
4)始業点検に関すること
5)業務に関して発生する恐れがある疾病の原因及び予防方法
6)担当する職場の整理整頓及び清潔の保持に関すること
7)事故時における応急措置及び退避・連絡体制に関すること
8)危険物・密閉物の取扱に関すること
9)職場ルールの遵守について
(3)『職長の役割』
職長は、担当する作業について次のものを作成し、これに基づき作業
者を指揮して作業を進める。
1)安全のポイントを盛り込んだ作業手順
2)作業機械の始業点検項目とその判断基準
3)職場ルール遵守の指導
4)作業者を無事に家族のもとに送り届ける
-8-
(4)『始業ミーティング』
1)毎日作業開始時に、各職場ごとに職長を中心としたミーティン
グを実施し、作業者の健康のチェックとともに業務連絡及び作
業の安全に関する指示をする。
2)災害速報、リメンバー災害の伝達と類似災害防止についての呼
びかけ
3)安全宣言の唱和
(5)『危険物・密閉物の図解表示』
各職場に、図入りの危険物・密閉物のリストを掲示,又はサンプルを
展示して適宜作業中に容易に利用できるようにする。
(6)『安全衛生担当者の選任』
事業場ごとに、安全管理者、衛生管理者又は安全衛生推進者等安全衛生
担当者を選任し、職場巡視、安全活動の推進、災害調査等安全衛生管理
の職務を実施させる。
13
労働災害と事業者の責務
(1)労働災害と事業者責任
1)災害補償責任
労働災害が発生した場合、労働基準法(75 条~88 条)に基づ
き労働災害補償責任が発生する。事業者に過失がなくても、こ
の責任は免れない。ただし、労災保険給付を受ければ、これに
関する事業者責任を果たしたと見なされる。
2)損害賠償責任
民法に根拠を有し、労働災害が発生し事業者に過失等がある場
合は、損害賠償の責任が発生する。安全配慮義務は、労働契約
法第5条や判例を根拠としている。
3)刑事責任
損害賠償とは別に、労働安全衛生法、刑法に違反がある場合は
それぞれの法に基づき刑事罰を受ける。
-9-
(2)労働安全衛生法等における刑事責任の発生根拠
1)労働安全衛生法
①第 119 条 事業者の講ずべき措置規定違反
②第 120 条 事業者の安全衛生管理体制規定違反等
③第 122 条 両罰規定-管理監督者等が違反すると、法人も処
罰される
2)刑法
第 211 条 業務上過失致死傷
(3)労働災害における民事責任の発生根拠
1)安全配慮義務違反
根拠:判例、民法第 415 条(債務不履行責任)
2)安全衛生管理上の注意義務違反
根拠:民法第 709 条(不法行為責任)
3)事業執行中の従業員の注意義務違反
根拠:民法第 715 条(使用者責任)
4)工作物の瑕疵
根拠:民法第 717 条(工作物瑕疵責任)
(4)安全配慮義務とは
1)使用者の労働者に対する労働契約上の義務であり判例法として
確立した。労働契約を結んだ時点で、事業者(使用者)は安全
配慮義務がある。
2)安全配慮義務とは「使用者の設置にかかる場所、施設もしくは
器具等の設置管理または使用者の指示のもとに遂行する業務
の管理にあたって、労働者の生命及び健康等を危険から保護す
るよう配慮すべき義務をいう。」
(5)安全配慮義務の内容
1)万全の安全に対する措置義務
①職場における災害危険予知義務
事前審査、アセスメント、安全教育、安全点検等
予見可能性がある危険の排除
②予知された危険の結果回避義務
- 10 -
危険の放置-例え経済的な理由であっても責任あり
労働者自身の不安全行動、作業手順違反も管理責任あり
2)安全配慮をしたか否かは、現場の管理監督者にかかってくる。
①知りながらの放置は、容認となり、責任を問われる
②作業の状況に応じた具体的な安全作業方法をとるように指
導監督する
3)過失責任の原理-「安全管理上の義務違反なければ責任なし」
- 11 -
参考資料1
危険物(密閉物)の種類
*未処理危険物(密閉物)の納入・受入可否については、納入業者と受入業
者双方の合意及び確認を必須とする。
項目
種
①
高
圧
危
険
物
容
器
類
地
下
タ
ン
ク
類
各
種
危
険
物
容
器
類
自
動
車
関
係
処理概要
プロパンガスボンベ(家庭用、携帯
ガス溶断にて「2つ割」
用、工業用等)
②
酸素、アセチレン等高圧ボンベ類
③
薬物系ボンベ(色が赤・黄・青等)
④
各種油圧タンク
①
ガソリン、軽油、灯油等の地下タン
① 『参考資料3 廃止タンク解体作業
ク
①
時の留意事項』参照
スプレー缶、シンナー缶、塗料缶、 ①
手作業にて、開封及び内容物の除去
密閉されたドラム缶
①
後、プレス加工
ガソリンタンク
①
コック開封後内容物の除去後、プレ
ス加工
②
LPGガスタンク
②
コック開封後水張り後、ガス溶断2
分割 又は、専門業者へ委託
①
そ
の
他
危
険
物
別
消火器
①
コック開封後内容物の除去後、プレ
ス加工
②
石油ストーブ用タンク
②
コック開封後内容物の除去後、プレ
ス加工
③
複写機のトナー
③
複写機メーカーのトナーリサイク
ル・ルートで処理すること
(注)放射線被爆物:放射性物質混入スクラップ対応マニュアル参照
- 12 -
参考資料2
密閉物の処理方法について
○ 従来は、穴開け処理が一般的であったが、今後、密閉物は完全「2つ割」
をもって切断処理されたものとする。
○ 「2つ割」に切断処理する「一例」を示すと、次図のとおりである。
(注)図の「線」のところで切断する。
○ 未処理密閉物の納入・受入可否については、納入業者と受入業者双方の合
意及び確認を必須とする。
オイル
ショック
オイル
ショック
オイルクリーナー
ショック
ショック
アブソーバー
エアー
タンク
グリス
ポンプ
ガスボンベ ガスボンベ オイルジャッキー
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密閉
シャーパイプ
プロペラ
シャフト
オイル
パイプ
ディファレン
シャル
オイルクリーナー
ボンベ
ボンベ
ローラー
ローラー
エアータンク
フィルター
オイルジャッキー
密閉パイプ
ボンベ
タンク
電気溶接技能テス
ト用タンク
鋼球
ブイ
冷蔵庫用アンモニアパイプ
ボンベ
オイル
タンク
密閉器
シリンダー
ブレーキ
フライホイール
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ブレーキ
消火器
ドアー調節器
風車
グリス・
油入りギヤーボックス
スプレー
ドア調節器
参考資料3
廃止タンク解体作業時の留意事項
平成3年7月 11 日付け消防危第 78 号消防庁危険物規制課長内翰「地下貯蔵
タンクの用途廃止に係る安全管理指導について」より抜粋
注:廃止タンクとは、ガソリン、灯油等を貯蔵していたタンクで使用を廃止し
たもの
○ 廃止タンクの危険性について
①
用途を廃止した地下貯蔵タンクは、中の危険物を抜き取ったつもりで
いても、内部のサビ等の隙間に危険物が残留し、時間が経過するとタ
ンク内部に危険物の蒸気が充満する場合がある。
②
タンク内部に危険物の蒸気がほとんどない場合でも、溶断機を使用し
て加熱すると蒸気が発生する可能性がある。
○ 廃止タンク解体作業時の留意事項
①
廃止タンクの解体は、解体工場等の安全な場所で行うこと。
②
解体作業に従事する作業者に対して、貯蔵されていた危険物の性状、
作業手順及び安全の確保について周知徹底すること。
③
消火器を準備しておくこと。
④
解体作業者は、廃止タンクの鏡板の前で作業をしないこと。
⑤
マンホールのない廃止タンクの解体作業は、まず、タンクに十分な開
放口を設けることから開始することとし、溶断機等の火気を使用する
場合は、次のいずれかによる安全に配慮した方法で行うこと。
イ 廃止タンク内に水を充填し、可燃性蒸気及び空気を大気中に放出
し、廃止タンク内の気相部をなくしてから開放口を設ける方法
ロ 廃止タンク内に窒素ガス等の不燃性気体を流し続け、廃止タンク
内の可能性蒸気及び空気を不燃性気体で置換してから開放口を設
ける方法
ハ イ又はロと同等以上の安全性を有する方法
⑥
マンホールのある廃止タンクは、マンホールを開放して解体すること。
- 15 -
参考資料4
事故事例等について
(1)平成 20 年度~平成 24 年度上期の事故原因等
【事故種類別】
種別
個別比率
荷下ろし・積込み作業中の事故
30
切断・加工作業中の事故
30
人身事故
(労災事故含む) 機械清掃・メンテ中の事故
18
その他(転倒など)
22
荷下ろし・積込み作業中の事故
67
ヤード内作業時の事故
20
運搬作業時の事故
9
その他
4
物損事故
出所:(社)日本鉄リサイクル工業会調べ
- 16 -
%
(2)最近の事故事例(平成 20 年度~平成 24 年度上期)
◆人身事故(労災事故含む)
①荷降し作業
トラック荷台上にあるモーター(約5㎏)を手作業にて荷降し中、誤って自
分の足(安全靴先端部)に落し、指を骨折。
②荷降し作業
午前中にギロチン刃換えで多量の汗をかき、午後になり取引先トラックの荷
降し作業中に突然倒れ、病院に搬送、熱中症と診断される。
③荷降し作業
不定形板(未結束)をクローラクレーンにてワイヤー荷役作業中、吊り荷が
着床した際に端板の一部がずれ、端板に添えていた左薬指を骨折。
④積込作業
取引先でトラックに天井クレーンでスクラップを積込み中、トラック荷台上
でスクラップに足を取られ滑り、左足を骨折。
⑤切断・加工処理作業
天井クレーンでH形鋼をギロチンに投入するため、マグネットでH形鋼を移
動しようと巻き上げをしながら、横行操作をした際、H形鋼が回転してしま
い、操作室の窓ガラスを破って、足元に接触し、足指3本を骨折。
⑥切断・加工処理作業
酸素溶断作業中、溶断した破片(ボルト屑)が飛び散り、安全靴内に入り込
み、足首を火傷、裂傷。
⑦ヤード作業
午前の休憩時間に天井クレーンを指定位置に戻そうとしていたところ、工場
改築の下見に来ていた外部鉄骨業者の従業員が黙ってクレーンのレールの上
によじ登っており、建屋の柱とクレーンに挟まれた。
⑧ヤード作業
作業終了後、クレーン昇降階段を右手のみで手すりを持って下降中、足を滑
らせ、下から4~5段目より地面に転落し、左腕を骨折。
- 17 -
◆物損事故
①荷降し作業
天井クレーンでの荷降し作業中、H形鋼(50 ㎝×3.5m)3本をグラブで挟
んで床から 30 ㎝程度の高さで横方向に移動したところ、グラブから外れ
て落下し、トラック後部扉に当たり破損。
②荷降し作業
マグネット付きパワーショベルにより構造物を荷降し中、リフマグでの構造
物への吸着が不十分であったため、旋回した時に構造物が落下し、トラック
後部の柱に当たって変形。
③積込作業
取引先倉庫内で、ヒアブにて鉄スクラップを積込み集荷後、同倉庫内から屋
外に出る際、荷台の鉄スクラップ上に置いたブーム先端上部の位置が高かっ
たため、出入口シャッターに引っ掛かって破損。
④切断・加工処理作業
自動運転中のギロチンが送り不能となったため、近くで荷降し作業中のユン
ボで詰まった材料(タンク解体物)を摘み出そうと荷重したところ、車体が
浮き上がり、バランスを崩し横転。
⑤ヤード作業
自社フォークリフトがバックしている時、後方確認不足からスクラップ持込
み車両(10t車)と衝突。
⑥ヤード作業
ヤード内にて、ユンボで回収物を移動中、掴んだ回収物が滑って、落下し、
駐車場の車の後部天井を破損。
⑦運搬作業
一般道を廃車ガラ(ソフトプレス後)を積んで走行中、荷の一部が落下し、
後続車バンパーに接触。
- 18 -
業務対策委員会委員
委員長
大 谷
山 本
橋 本
日下野
中 島
青 木
桂
金 田
岩 本
木 村
桑 原
木 谷
三 木
星 山
大 倉
弘
幸
光
慶
日
勳
一
康
謙
孝
一
正
正
明
裕
男
弘
将
雄
隆
武
郎
年
介
彦
憲
寿
関 東 支 部
北海道支部
東 北 支 部
関 東 支 部
関 東 支 部
関 東 支 部
関 東 支 部
関 東 支 部
関 東 支 部
関 東 支 部
中 部 支 部
関 西 支 部
中国四国支部
九 州 支 部
商
社
労働安全衛生対策マニュアル
平成11年 7月 発行
平成20年 3月 改訂
平成25年11月 改訂
一般社団法人 日本鉄リサイクル工業会
〒103-0025
東京都中央区日本橋茅場町3-2-10(鉄鋼会館5階)
TEL 03-5695-1541/FAX 03-5695-1548
E-Mail [email protected]
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