ミルカー点検事例 NO,41 ストランゴ ハイライン NO,39,40の改良事例 検査01年10月00日 システム名 ストランゴ 2インチ 型式 6ユニット パイプライン 設置年月 H3年00月 バキュームポンプ2台に増設 責任者 榎谷 静止時検査の結果概要 ①パルセーター拍動数 1分間のライナーゴムが動く回数です。55から60回くらいが適当だと言われています。す べてのパルセーターの回数がパルセーターへの真空供給量が増えたために変動しています。すべ てのパルセーターを60回に統一してください。 ②搾乳マッサージ比 現在 60:40 です。NO,13の前後の比率の差が大きく出ています。修理が必要です。 ③ユニット落下テスト ユニットより大量の空気が入った場合に、機械がどれくらい耐えられるかを見る検査です。ユ ニット落下テストにおいて問題はありません。前回は2ユニット落下時で大きく真空圧は低下し ましたが、ポンプを増設した今回は4ユニット目で大きく低下します。 ④エフェクティブリザーブ の測定 46.3KPA で 100.0CFM(2830L) 1 インチ=2.54CM 1KPA=0.75CM 10CFM=283L/MIN どれくらい空気が入ったらレシーバージャーの空気が2KPA低下するかを見るテストで、ミ ルキングシステムにどれくらいの余裕があるかを見るテストです。この数字が少ないと、僅かな ことでレシーバージャーの真空圧が低下するようになります。前回のほぼ倍の値です。 ⑤テイクアウトマニュアルリザーブの測定 46.3KPA で 101.5CFM(2872L) 1 インチ=2.54CM 1KPA=0.75CM 10CFM=283L/MIN ポンプの大きさと配管の太さで、どれくらいの空気を吸えるかを見るテストです。この量が物 理的限界です。これとレギュレターがあるときを比較することにより、レギュレターの機能を調 べます。前回のほぼ倍の値です。 ⑥テイクアウトマニュアルリザーブ測定時のレギュレターバキューム レギュレターの設置場所が正しいかを見るテストです。 この検査では 1.0KPA 低下で問題です。これはサニタリートラップの配管上部にある真空を遮断す るフラッパーが空気の流れを制約している為に起こりました。以前はポンプ1台であったために 空気の流れが少なかったのが、今度は2台となって流れが大きくなったために制約することにな りました。 ⑦離脱装置への真空供給 今回は離脱装置感知部への真空の供給を調べてみました。現在のパルセーターラインから真空 を供給した場合よりも、ミルクラインから供給した場合(つなぎ部分の配管が異なり太くなる) の変動幅が小さくなっています。更につなぎのホースをミルクチューブに変更すると更に小さく なります。以上よりユニットを固定して搾る部分の配管を手直しすることにより、真空圧は安定 するものと思われます。 まとめ 今回の検査はポンプ増設後の検査でした。増設に伴う大きな問題はありませんでしたが、パルセ ーターの回数が変化しています。修理をしましょう。 また、離脱装置への真空も、ユニットを固定できる部分では変更することにより改善できるこ とがわかりました。サージのミルクラインケインをミルクラインに使い、今ミルクラインで使っ ているインレットケインをパルセーターラインに接続するように改良をします。チューブはミル クチューブ16mmを使用します。 緊急を要する提言 1 すべてのパルセーターの回数を60回に統一してください。 2 NO,13の比率の差が大きく出ています。 (65:35)修理が必要です。 3 NO,2ポンプは少しマフラーの排気に制約がありそうです。曲がりを無くして下さい。 逆転防止のフラッパーを取り付ける。 電器の配線を手直し、それぞれが単独で動けるようにON,OFFスイッチを取り付ける。 4 固定搾乳部分の離脱装置への真空供給を高める。 (改良の仕方は上記参考) 5 バランスタンクの排水配管を壁際に移動固定する。 6 バランスタンクをしっかりと固定する。 7 レギュレター部分の天井を直す。 8 NO,1ポンプの下のバランスタンクの蓋を交換する。 コメント 念願であった真空配管容積に対してバキュームポンプが小さい問題を解決するために、ポンプ をもう1台増設した直後の点検である。増設後の大きな問題点はないが、真空式パルセーターの 拍動数が全て変動しているので、調整が必要であった。真空式パルセーターは、真空圧の変化な どにより、拍動数が変動するので注意を要します。天候などで回数が変わるようであれば、真空 の供給が弱い事を意味します。
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