おおぐす第8号

おおぐす
「
ふ
る
さ
と
平成28年度
」
「
佐世保市立中里小学校
学校だより
第8号
校長
伸吾
笑
松瀨
顔
」
「
挑
H28.6.1
戦
」
6月1日。「命」について深く考える日です。
本日は、「いのちを見つめる日」でした。佐世保市民が、決して忘れてはならない日です。校長
が「いのちの講話」を行いましたので、全文を掲載します。話し言葉ですので、細かい部分は、原
稿と多少違うことをご了承ください。
今日、6月1日は、今から12年前に、佐世保市のある小学校の中で、大切な子供の命が失わ
れた日です。そこで今日は命についてお話をします。
ここに一通の手紙があります。あるお母さんが自分の3年生の子供にあてて書いた手紙です。
ひかる、おたん生日おめでとう。
あなたがおなかにいるとき、ときどき動くあなたを感じながら、あなたがぶじに生まれるよう、お母さん
は、毎日、おなかをさすっていました。
「元気に生まれてね。」って何ども声をかけました。
あなたが生まれたとき、うれしくて、なみだがでました。
顔をまっ赤にして力いっぱいなくあなた、いっしょうけんめいおっぱいをすうあなたは、まぶしくて、か
がやいて見えました。
だから、「ひかる」と名前をつけました。
あれから九年たちました。
自転車に乗れるように何回も練習しているとき、お母さんもどんなにおうえんしたことか。ころんでも立
ち上がるすがたにせい長を感じました。
あなたが友だちにいじわるしたと聞いたとき、お母さんはどんなにかなしかったか。そして、どんなにく
やしかったか。
でも、すなおにあやまるあなたを見て、少し安心しました。
病気やけがをするたびに心配し、ときにはこまらせられることもあるけれど、そんなこともお父さんとお
母さんのよろこびなのです。
あなたは、お父さんとお母さんの大切な子どもなのです。
ひかる、これからも、キラキラとかがやいて生きてほしいな。
赤ちゃんは、お母さんのおなかの中でしっかり守られながら育っていきます。周りの家族も、
おなかの中の赤ちゃんに話しかけたりして、生まれてくるのを楽しみに待っています。ここにい
る人全部が、お母さんのおなかの中で大事に守られて育ち、それから赤ちゃんとして生まれてき
ました。校長先生も、校長先生のお母さんのおなかの中で大切に守られていました。[裏へ⇒]
さて、校長先生には、二人の子供がいます。
今から20年以上前に、子供が生まれたときは、さっきの手紙のお母さんと同じように、私
も、私の奥さんも、おじいちゃんやおばあちゃんもそれはそれは喜びました。そして大事に育て
ました。
名前をつけるときには、一所懸命考えました。この子が幸せになるようにと、奥さんと何度も
何度も話し合って名前を決めました。考えて、迷って、悩んで、決めましたが、幸せな時間でし
た。
上の子供は、学と言う名前です。24歳です。下の子供は、美紅という名前です。22歳にな
りました。子供が元気に育ったことは、校長先生の人生で一番うれしいことです。
皆さんも一人一人、名前を持っています。それぞれのご家族が、皆さんが生まれたことを喜ん
で、一所懸命考えてつけてくださった名前です。皆さんの名前を、どうやってつけたのか、今
日、ぜひおうちの方に聞いてみてください。皆さんの名前は、子供を大切に思ってつけてくれた
こと、家族の思いが詰まっていること、そして、自分の代わりはいないと言うこと、一人一人が
大切な大切な命を持っていることがわかると思います。
生まれることについてお話をしました。次に、死ぬことについてお話をします。
校長先生の下の子供が1歳か2歳くらいの時に仲良くなった同い年の子がいました。娘に初め
てできたお友達でした。その子は今、この世にいません。
その日、その子は、おばあちゃんにおんぶされて近くのスーパーに買い物に行っていました。
途中、私の奥さんは、その子をおんぶしたおばあちゃんに会って、何分間かお話をしたそうで
す。
その後、少し離れたスーパーの前の道で、脇見運転の自動車にはねられ、おばあちゃんは助か
りましたが、その子は亡くなってしまいました。
その子のお母さんは、救急車で運ばれる途中、あんなに時間を長く感じたことはなかった、と
後から話しておられました。また、お葬式のときの、お父さん、お母さんの姿、あんなに悲しん
でいる人をそれまで見たことがありませんでした。人が亡くなるということ、特に、子供が亡く
なるということは周りの人を、これ以上ないくらい悲しい気持ちにさせることなのです。
校長先生の奥さんは、あと、1秒長く話していたら、その分、車は通り過ぎていて、この事故
は起こらなかったのではないか、死なずにすんだのではないかと、悔やんでも悔やみきれないと
言っていました。
たった1秒の時間の違いで、命を失うことがある。生まれてからこれまで、私たちが生きてい
ることは、とても幸運なことだと思わずに居られません。もちろん、きついことも、つらいこと
もあるけれど、生きたくても、生きられなかっ
た人たちが居るということを知って、今、君た
ちが、精一杯生き抜くことを、周りのみんなが
願っています。
自分が一所懸命生きることはもちろん、周り
の友達の命も大切にすること。動物や植物の命
も大切にすること。最近、アサガオやミニトマ
トにお水をやっているみなさんがいます。これ
も、アサガオやミニトマトの命を大事にするこ
とです。そのほかにも、実際にどうすることが
命を大切にすることかは、担任の先生と一緒に
考えてください。
どうぞ皆さん、命を大切にしてください。
【訂正】「おおぐす7号 行事予定」で5年生の「音楽鑑賞体験教室」を「6月30日(木)」としておりましたが、「6月
28日(火)」の間違いでした。お詫びして訂正いたします。