第10号 - 福岡県立東筑高等学校

東筑柔道部卒業生会報
第10号(1)
福岡県立東筑高等学校
柔道部卒業生会報:第10号
平成23年6月10日発行
題字:嘉納治五郎(道場額)
発行:東筑高等学校柔道部OB会事務局
編集責任者:増本光彦
伝統の悦び
矢野 定延 (55期)
私は昭和32年の卒業生です。54年前のことになりますが、昨年取り
壊され、今建て替えをしている校舎が出来上った年の卒業です。卒業
式の日に初めて真新しい校舎へ足を踏み入れ、一通り見て廻った事
を記憶しています。つくづく年月の経つ早さを感じております。
当時の柔道部の事を思い起してみますと、真新しい柔道場と青い畳。
「ゴエモン」こと石川先生、「ウス」こと松崎先生など偉大な指導者。
厳しい先輩方や同級生と寒稽古や合宿での練習。又近くの鷹見神社
の階段でのうさぎ跳び等々、50年も前の事が懐かしく思い出されます。学校の
授業の事や勉強のことなどは思い出せませんが、柔道部の事は不思議に忘れてはい
ません。同級生には、後に東筑柔道部の教師になった稲田敏彦君など、多くの親友に
恵まれていました。私自身は遊びまわり練習熱心でなかったので、試合では負けてば
かりの生徒でしたが、70歳を越した今でも楽しい思い出となっています。
機会があり道場を訪れた折、いまだに自分の名札が有段者の所に掛けてあるのを見
つけ、感慨深く感謝の気持ちでいっぱいになると共に、多くの先輩方が築かれた東筑の
伝統を継ぐ一員になれた事に喜びを感じ、また伝統の重みを感じました。
現役の皆さん達は練習熱心で、かつ成績優秀で大学進学の実績も優れていると聞い
ています。まさに文武両道の姿がここにあると思っております。
東筑柔道部の皆様には、伝統を継いでいるという自覚をもってより一層の精進を期待
します。柔道部の今後ますますの発展を祈念いたします。(遠賀町東筑会会長)
東筑高校管理棟建替工事
左:管理棟完成予想図
(平成23年7月完成予定)
右:建設中の管理棟
平成23年度 柔道部卒業生の会
7月16日(土)
【稽古観覧・指導】 15:00~ 東筑高校柔道場(浩然堂)
【出欠連絡先】
【総会・懇親会】
17:00~ 「つくし亭」(JR折尾駅前・堀川沿い) ハガキ(7/11以降は電話)にて
懇親会費 ¥7,000 (年会費 ¥3,000 も当日納入可)
柔道部OB会事務局(岡田)
【振込先】 郵便振替 01720-3-18265 東筑高校柔道部OB会
☎ 090-1349-0932
東筑柔道部卒業生会報
第10号(2)
稽古潜入
~東筑・北筑合同稽古~
平成23年4月29・30日両日、北筑高校にて東筑・北筑柔道部合同稽古
が開催されました。北筑高校は昭和53年に八幡西区西部(則松地区)
に開校。「向学、自律、飛翔」を校訓とし、進学校として30数年の歴史を
持ちます。東筑高校に最も近い県立普通科・英語科高校であり、東筑
卒業生が教職員として赴任したり、各部活動の交流等も盛んに行われ
るなど、本校との関わりの深い学校のひとつです。(報告:増本)
9:30に稽古開始。東筑生徒14名、北筑生徒18名に加え、教師3名、OB・
父兄等4名が参加・見学。東筑の2倍はあろうかという広々とした道場なの
に広さを感じさせない。準備運動を入念に行い、寝技、打ち込み、移動打
ち込み、投げ込み、乱取り稽古と続く。インターハイ予選が近い上、普段と
違って様々な体格・スタイルの選手と練習できるとあって、両校選手が積
極的に交り、熱の入った稽古を繰り広げる。見ている方も思わず力が入っ
てしまう。最後に軽い補強運動を行い、約2時間強の稽古が終了した。
両校とも勉学との両立のため、日頃から短時間で集中して練習を行って
いる。生徒たちも練習中は
一心不乱に柔道に打ち込む
が、休憩時や練習後は違う
表情を見せる。この切り替え
が両校の特徴であり各方面
での活躍の源なのであろう。
北筑高校では柴田先生(73期)、中本先生(104期)が柔道部顧問・副顧問として生徒の指導に
あたっています。他、多数の柔道部卒業生が福岡県下の中学校・高等学校で教鞭をとっています。
近年、若手の卒業生が教職を目指し、北九州近郊の学校に勤務するというケースが増えています。
教員採用試験が非常に狭き門となっている昨今ですが、現役で大学進学・今春卒業し、教諭として
社会人の第一歩を踏み出した橋本先生(105期)に近況を報告してもらいます。
魅力的な存在
橋本 朋人(105期)
大学を卒業し、中学校教員として働き始めて早2ヶ月がたちました。毎日
仕事に追われていますが、充実感にあふれた生活を過ごしており、日を追う
ごとに「自分の選んだ道は間違ってなかった」と強く感じています。思えば私が
教員を志したのは高校生のときでした。授業や課題に悩む私に、分かりやすく
教え導いてくれる先生方は私の憧れの存在でありました。気がつけば自然と
この道を選び歩んでいました。
大学の講義で「理想の教員像」について学友と討論したことがあります。苦悩する学友もい
ましたが、東筑で出逢った先生方の印象が強く心に残っている私にとって、何の苦もない課
題でした。私の「理想の教員像」は当時の先生方によって支えられています。これからもこの
目標を見失うことなく、私にとって東筑の先生方がそうであったように、時には優しく時には厳
しい、「生徒にとって魅力的な存在」となる教員でありたいと思っています。(北九州市立折尾
中学校教諭)
東筑柔道部卒業生会報
「人と違う」こと
第10号(3)
~米国滞在記~
藤田
ワシントンDC→
基(92期)
東筑柔道部卒業生の皆様、初夏の候、ますますご発展のほど
お喜び申し上げます。92期の藤田基と申します。
リッチモンド↑
山口大学医学部卒業後、山口大学医学部救急医学講座に
入局し、山口大学医学部附属病院の先進救急医療センターで
救急医として研修を積んだ後、昨年から2年間の予定で米国
バージニア州↑
Virginia州RichmondにあるVirginia Commonwealth Universityで
頭部外傷の研究に従事しています。今、私が住んでいる
RichmondはVirginia州の州都(日本で言う県庁所在地のような
もの)で、Washington DCから車で約2時間の人口約20万人の片田舎の都市です。米国東海岸に面して
いますが、米国南部に属しています。
こちらに住んでみて感じることは、単一民族国家の日本とは違い、米国が多民族国家であるということ
です。隣の人の肌の色が違うことや英語が話せないことは当たり前であり、それを受け入れようとする
環境が整っています。もちろん、人種差別(黒人に対してだけでなく、アジア系やヒスパニック系に対して
も)が完全になくなっているわけではないようですが、「人と違う」ということが当然の前提として受け入れ
られていることは、非常に重要なことだと感じています。長女の真凪(まな:7月で6歳)が現在こちらの
Kindergarten(日本の幼稚園年長)に通っていますが、そういう
教育を受けているようです。ちなみに英会話はすでに私より
堪能です。
さて、20年前に当時柔道部に所属していた兄・聡(90期)との
賭けに負けて柔道の世界に足を踏み入れた私ですが、その
後大学でも6年間柔道を続けることとなりました。柔道を通じて
出会った多くの人々に支えられて今の自分があります。特に
同期の仲間には、今も刺激をもらい支えてもらっています。
本当に感謝したいと思います。
最後になりましたが、東筑柔道部の今後の発展と卒業生・
在校生の皆様の今後のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し
【写真】旅行先にて。左から筆者、長女・真凪
上げます。 (米国バージニア州在住)
(まな)、妻・由紀、次女・結凪(ゆいな)
戦 績
◇平成22年度 金鷲旗高校柔道大会(7月)
【女子の部】
2回戦 ●東筑(三人残し)日大三(東京)○
【男子の部】
1回戦 ●東筑(一人残し)塩田工(佐賀)○
報 告
◇福岡県高等学校柔道選手権大会 兼 第33回
全国高等学校柔道選手権大会福岡県北部ブロック
予選会(1月)
【男子団体】6位
【男子個人】81kg以下級3位、90kg以下級3位
【女子団体】4位
【女子個人】予選敗退
◇県大会(1月)
【男子個人】予選敗退
◇第49回(男子)・第17回(女子)福岡県高等学校
新人柔道大会福岡県北部ブロック予選会(10月)
【男子団体】6位
【男子個人】 81kg以下級3位、90kg以下級1位
◇平成23年度福岡県高等学校総合体育大会
【女子団体】4位
【女子個人】 48kg以下級3位、52kg以下級3位・ 福岡県北部ブロック予選会(5月)
4位
【男子団体】ベスト8
◇県大会(10月)
【女子団体】予選敗退
【男子・女子個人】予選敗退
【男子・女子個人】予選敗退
東筑柔道部卒業生会報
第10号(4)
現 役 生 徒 か ら ~3年間を振り返って~
練習の「質」
伊澤 美鈴
(110期・遠賀南中出身)
東筑高校に入学して早くも
三年生になりました。私たちの
学年以降は女子部員がいない
ため、人数不足で今年の金鷲
旗は出場できません。春の柔道選手権が終
わり、女子は実質引退ということになりました。
私は、短期集中型練習が特徴である東筑高
校での柔道を通して、中学時代とは違い「教え
られる」ばかりではなく「自分で考え、周りから
改善点を学びとる」中で、短い時間でも練習の
質を高め成長できることを学びました。幸いに
も、周りには経験豊富でユーモアのある先生、
優しく熱心に指導をしてくれる多くの先輩方、
そして「負けてたまるか」と刺激をくれる同級生
や後輩がいて、振り返ってみると本当に恵ま
れた環境の中で柔道ができていたんだと実感
しました。
東筑高校で柔道をして、技術だけでなく精神
面でも多くの事を学ぶことができました。ここで
学んだことは受験勉強ではもちろん、これから
先の大学生活や社会
生活においても必ず
役に立つと思っていま
すので、活かしていき
たいです。
頑張れ、東筑生!
平成23年度
金鷲旗高校柔道大会
期日:7月21日(木)~24日(日)
会場:マリンメッセ福岡(福岡市)
【訃報】昨年以降事務局が把握した情報です。
ご冥福をお祈り申し上げます。(故人の氏名・期)
福沢 克也様(62期:平成22年12月)
田邊 三夫様(40期:平成23年 4月)
松崎 文平様(64期:平成23年 5月)
先輩を追い越せ 高田 隆司
(110期・本城中出身)
この三年間を振り返ってみると、
東筑で柔道をやっていた時間は
長いようで短いものでした。入学
当初は短期集中型の東筑の練習に
不安を感じていましたが、良い先輩やOBの
方々のおかげで、その不安は自然と消えてい
きました。
そして先輩について練習していく中で自分
がみるみる強くなっていることが分かり、大会
でも良い結果を残すことができました。その時
改めて先輩がいることは、幸せなことなんだと
思いました。
去年夏、三年生が引退して自分がキャプテ
ンになり、今度は自分がこれまでの先輩たち
のように部を引っぱっていこうと思いました。
時には、本当にこれでいいのかと悩んだ時も
ありましたが、様々な人たちの助けで、何とか
この時期を迎えることができました。
春の大会では、誰も県大会に進めないとい
う非常に悔しい思いをしました。なので、この
悔しさをバネに金鷲旗
に向け練習をして一つ
でも多く勝ちたいです。
引退後は志望大学に
合格できるよう思いっ
きり勉強を頑張ります。
編集後記 おかげさまで会報は第10号となりま
した。過去の9年、そして今号に快く寄稿して下さった
皆様、読者の皆様に感謝申し上げます▼10号記念事
業として、紙面カラー化が実現しました。変更後紙面の
ご意見ご感想お待ちしております。また皆様の近況報
告、部活動の思い出、最近の柔道への想い等、事務局
までお寄せ下さい▼間もなく金鷲旗。上記2名をはじめ、
現役生徒の奮起活躍を期待します▼我々も現役生徒
に負けないよう、いつも「明るく、楽しく、元気よく」過ご
して行きたいものです。がんばろう!(広報:増本)
<柔道部HP(会報「精力善用」が閲覧できます)>
http://tochiku.fku.ed.jp/html/bukatsudou/taiikukei/jyuudou/jyuud ouu.html