2014年4月号

めぐみ
2014 年
4 月 号
学校法人
初
雁
聖公 会北関 東学園
幼
稚
園
〒350-0057 川越市大手町 8-5
Tel.222-5385
Fax 228-5010
http://homepage2.nifty.com/hatsukari-kg/
「初めて」の記憶を忘れずに
園長
山本由香里
ご入園ご進級おめでとうございます。4月より 18
人の新しい友だちが加わり、年少組 14 名、年中組 16
名、年長組 13 名、全園児 43 名のスタートを迎えまし
た。昨年度の卒園を祝う会のはじめに、4人兄弟の四
男が卒園されたお母さんがお礼の言葉を述べられまし
た。「初めて入園したときに不安でたまらなかった自
分を、幼稚園にいるすべての人が温かく迎えてくれた
ことが忘れられない」、いつも明るく元気で何事にも
動じない堂々としたお母さんが涙で言葉を詰まらせる
姿に、その場にいたほとんどの大人が慌ててかばんか
らハンカチを出しました。子どもだけでなく、どの保
護者の方も最初は不安なのだという当たり前のことを改めて痛感しました。
4月は新年度の始まり、「フレッシュ」に溢れています。新入生、新社会人…期待と不安
を感じることでしょう。中でも幼稚園選びの時に初めて幼稚園に見学に来られたときの緊張
や不安は大きかったことと思います。皆さんと初めてお会いしたその時の記憶、表情や会話、
お子さんの様子は、同時に私たちの心にも強く残ります。電話口から聞こえた穏やかな口調
や優しそうな声、初雁公園でお子さんと遊んでいた姿が自然で素敵だったこと、最初はママ
友と来られたけれど次はお父さんと3人で来られゆっくり粘土遊びをされていたこと、懐か
しそうにライオンの遊具を見ていた方が初雁卒園生だったこと、マンションから落ちたおも
ちゃを届けた時のこと、学生の時にここで教育実習をされていたこと…一部の方を抜粋させ
ていただきました。今年の方に限らず、すでに卒園された方でも「初めて」の記憶は忘れら
れません。それはきっと、「このご家族と一緒に過ごせたらいいな」と願ったからなのだと
思います。
「思い悩むな。…あなた方の父は、これらのものがあなたがたに必要なことをご存じであ
る。ただ、神の国を求めなさい。そうすれば、これらのものは加えて与えられる」(ルカに
よる福音書 12 章 29∼31)
初雁幼稚園は、神様が私たちに与えてくださった必要な方々で支えられています。神様は
その一家族一家族を大切に見守り、導いてくださることでしょう。いつどんな時にも、信じ
て待つことが大きな喜びになることと思います。私たちも初めての記憶を忘れずに、皆さん
と過ごす日々をともに大切に歩んでいきたいと思います。
ご挨拶に代えて
ご入園ご進級おめでとうございます。初雁幼稚園が大切
にしていることをお伝えするため、今朝古い友人から届い
た電子メール掲載の物語をご紹介させて頂きたいと思います。
我が家の愛犬 14 歳のメスのアビーが先月死にました。アビーの死んだ翌日、4歳に
なる娘のメレディスはアビーがいなくなって自分がどれほど悲しいかを涙ながらにわ
たしに訴えました。彼女はいつアビーが天国に着いたか、神様がアビーに気づいたか
どうかを尋ねるために、神様にお手紙を書きたいと言い出しました。そうしましょう
とわたしが答えますと、メレディスは次のように書くよう求めたのでした。
「親愛なる神様 どうかわたしの愛犬のお世話をしてくださいませんか。アビーは
昨日死んで天国であなたと一緒にいます。わたしはアビーがいなくて悲しくてたまり
ません。アビーは病気だけど、わたしの愛犬として飼ってくださるととてもうれしい
んですけど。神様、アビーとあそんであげてください。アビーは泳ぐこととボール遊
びが好きです。アビーの写真をお送りしますので、神様がアビーをご覧になったらわ
たしの愛犬だとわかると思います。わたしはとても悲しんでいます。愛を込めて。メ
レディス」
わたしたちは手紙とメレディスとアビーの写真を、天国の神様へという宛名を書い
た封筒に入れました。メレディスが「天国まではとっても遠いんだから」というので
沢山の切手を封筒の表に貼りました。その日の午後彼女はその手紙を郵便局のポスト
に投函しました。何日かして、メレディスが神様に手紙が届いたか聞いたので、わた
しはきっと届いていると思うと答えました。
昨日のことでした。見たことのない筆跡で「メレディスへ」と宛名が書かれた、金
色の紙に包まれた荷物が玄関先に置かれていました。メレディスがそれを開けると、
中には『ペットが死んだ時』という題のロジャー氏の本が入っていました。表表紙の
内側には開封された封筒にはいった神さまあてのわたしたちの手紙が貼ってありまし
た。その向かいの頁には娘とペットの写真と次のような短信が書かれていました。
「親愛なるメレディスへ。アビーは無事に天国に着きました。写真のおかげでわた
しはすぐにアビーを見つけました。アビーはもう病気ではありません。アビーの魂は
ちょうどあなたの心にあるのと同じようにここでわたしと一緒にいます。アビーはあ
なたのペットで良かったと思っています。天国では体は必要ではありませんから、お
送りいただいた写真はしまうところがないので、アビーのことを思い出すためにもこ
の本にはさんでお返しします。素敵な手紙をありがとう、そして、あなたが手紙を書
くお手伝いをしてくれたママにもありがとう。何て素敵なママなのかしら、あなたの
代わりにお礼申し上げます。毎日あなたに祝福を送ります。ところでわたしは簡単に
見つかります。愛があるところなら、わたしはどこにでもいます。神」
神様に代わってメレディスにプレゼント付きの返事をくれた郵便局員さんのような
思いが何よりも大切なのではないでしょうか。
(チャプレン 輿石
勇)