Title 走査型電子顕微鏡による花崗岩の微小CRACKの研究 Author(s) 金折, 裕司 Citation [岐阜大学教養部研究報告] vol.[23] p.[55]-[73] Issue Date 1987 Rights Version 岐阜大学教養部地学研究室 (Faculty of General Education, Gifu University) / 岐阜大学教養部地学研究室 (Faculty of General Education, Gifu University) URL http://repository.lib.gifu-u.ac.jp/handle/123456789/47614 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。 55 走査型電子顕微鏡 に よ る花 岡岩の 微小 CRACK の研究 金 折 裕 司 ・矢 入 憲 一 一 岐阜大学教養部地学研究室 ( 1987年10月12日受理) A n SE M Study of M icrocracks in Granite YUji KANAORI ・ and Kenji YAIRI A bstraCt Scanning electron microscope ( SE M ) has been widely used in many fields of geology and engineer, ing geology, since 1968. Secondary electron, cathodoluminescence and backscattered electron obtained by the SE M generally give us important informations in eχamining microcracks and microtextures of granite ; ( 1) secondary electron im age displays surface morphology and teχture of grains, and m icroctacks and micropores in rocks, (2) cathodoluminescence image clarifies healed cracks and a shear zone w ith healed crack arrays, or disrupted surface produced by fracturing, and (3) backscattered electron im age effected by differeces in avarage atomic number of minerals clearly illustrates microveins, microkinking, or grain boundary cracking. E ach im age w ould be characteristically used for each objective of microteχtureeχamination in granite. は じ め に 花尚岩 は Mylonite や Cataclasite と違 い, 変形の程度が小 さ い こ と も あ っ て, 変形構造の研究 があま り進め られて いな い。 我が国に分布す る中, 古生層は, 複雑に し ゅ う 曲し, 断層に よ り断ち 切 られて い る。 その地質構造は, かな り詳細に解明さ れて きて い る ( た と えば, Mizutani, 1964) 。 これ らの堆積岩 と 同時期 に送入 し た花尚岩について も, 堆積岩 と 同程度 に変形 し て い る はずで あ る。 花尚岩は堆積岩 と違 っ て, 層理や鍵層 がな いた め, 変形構造を追跡で き る場合が少な い こ と も, 花尚岩変形構造に関 し て研究が進んで いない理由のひ とつで ある。 一方, 室内岩石破壊試験な どで は, 異方性や不均一性が少な いた め, 花圈岩は良好 な試料 と し て 多用 さ れて い る。 た と えば, 有名 な も の と し て, Barre花尚岩 (Kranz, 1979a) や W esterly花尚岩 ( TullisandYund, 1977 ; W ong, 1982) な どがあ る。 室内で の実験結果を 自然現象に結 びつ け るた め には, 天然の微小 crack の研究が不可欠で あ る。 この よ う な状況下にあ っ て, Kosaka ( 1980) は, 中央構造線や跡津川断層周辺 に分布す る花尚岩質 岩を光学顕微鏡で観察 し , 断層運動 に よ り花肖岩質岩が変形 し て い る こ と を 明 らかに し た。Kanaori ( 1986) , 金折 ( 1987) は跡津川断層周辺 に分布す る花南岩類 に注 目し, 走査型電子顕微鏡 ( SEM ) を用いて カ ソ ー ドル ミ ネ ッセ ソ ス ( CL) 像 を観察 し, 断層周辺 3kmにわた り花尚岩類が変形 し, 石 英内部の healed crack や healed crack か ら な る shear zone の存在頻度 が, そ の外側 に比べて 高 い こ と を 明 ら か に し た。 花尚岩 中の微小 crack な どの変形組織 は, 岩石強度に も影響を与 えて い る (工藤他, 1986) 。 花 56 金 折 裕 司 ・矢 入 憲 二 尚岩の微小 crack の研究は, 花園岩の変形構造を知 るばか りで な く , 強度の違いに関す る情報を も 我 々に与 えて く れそ う で あ る。 こ こで は, 花 園岩中の微小 crack を 調べ る場合, SEM に よ っ て得 られ る情報の う ち, 2 次電子 像 ( SE) , カ ソ ー ドル ミ ネ ッ セ ン ス像 ( CL) , 反射電子像 ( BSE) を 利用す る方法を 述べ る と と も に, それぞれの像の特徴 と得 られ る微小 crack 像の性状 な ど観察結果の実例を示す。 原 理 試料 に電子線を 当てた 時に得 られ る情 報の種類 は, 図一 1 に示す と お り で あ る。 各種 の情報 の説 明は, SEM に関す る一 般的な教科書 ( 例 えば, 日本電子顕微鏡 学会関東支部編, 1976) に譲 る こ と に し て, こ こ で は概略のべ る に と どめ る。 得 られ る情報 は, それぞれの性質に応 じ て利用 さ れて い る。 表面分析や元素分 析には, オ ージ ェ電子や X 線がそ れぞれ 用 い ら れ て い る。 SE, CL, BSE, 吸収電 試 料 子, 透過電子は実際にそれぞれ固有の像 吸収電子 と し て 画面上で 捉 え る こ と が可能で あ る。 こ の う ち 前三者 が花 肖岩 の微 小 crack - 図一 1 試料 か ら 発生す る信号 ( 日本電子顕微鏡学会 を 捉 え る た め に重要で あ る。 以下 に, SE, CL, BSE の像の特徴を 関東支部編, 1976) 。 示す。 (1) 2 次電子像 ( SE) 像 SE と は試料 の表面付近か ら 出るエ ネルギーの低い電子で あ る。 表面の形態や表面の微細 な構造 を示す, SEM のも っ と もづ 般的な機能の一つで あ,名。 (2) カ ソ ー ドル ミネ ッ セ ス ( CL) 像 CL と は試料 に電子線が当た った時に発光す る現象で あ る。 透明鉱物の石英や方解石で の現象が 知 ら れて い る ( Zinke「nagel, 1978 ; Sommer, 1972ab」。 石英 の場合, CL の コ ン ト ラ ス ト は, a) Ti, Fe な どの不純物の含有量 ( Sprunt, 1981) , b) 石英を含む岩石の成因 (Zinkernage1, 1978) , c) 変成度 ( Sprunt et a1., 1978) , d) 応力を受けた程度 ( Smart andTovey, 1982) に よ っ て異な る。 (3) 反射電子 ( BSE) 像 試料で反射 さ れた電子で あ り, 入射電子 と ほぼ同 じ エ ネルギ ーを 持つ。 BSE 像は表面で の凹凸や 組成の違 いを反映す る。 検 出方式を 変え る こ と に よ っ て, 組成像, 凹凸像を別 々に得 る こ と がで き る。 組成像で の明暗は試料中の鉱物の平均原子番号に関係 し て お り, 平均原子番号が大 きい程明る く な る。 造岩 鉱物 の平 均 原 子 番 号 と 平 均 BSE 係 数 の関 係 を 図一 2 に 示 し た ( Hall and Lloyd, 1981) 。 こ の図で BSE 係数は輝度 に関係す る数で, 大 きいほ ど輝度が高 い。 方 法 (1) 試 料 作 成 花尚岩試料か ら, ・岩石薄片を 作成す る要領で岩石 チ ッ プを切 り 出 し , 一方の面を 研磨粉#3000で研 走査型電子顕微鏡 に よ る花 尚岩 の微 小 CRACK の研究 57 - 「1 ilmenit / 0・22 rutil pyroxt nes omphiboles 0.16 1 0.14 B ser cGrbonQtes b 0.10 8 biotite rGnge 9 - Z 図一 2 平 均 原 子 番 号 と 平 均 BSE 係 数 ( H all and Lloyd, 1981) 。 磨す る。 そ の後, (a)光学顕微鏡で の観察を 必要 と し な い場 合は, 研磨面を超音波洗浄 し, ダイ ア モ ン ドペ ース ト を用いて注意深 く 仕上げ る。 (b)光学顕微鏡の観察 を 同一試料で行お う と す る時は, 岩 石薄片を 作成す る場合 と ま っ た く 同 じ要領 で, ス ラ イ ド グ ラ ス に張 り付 け再度研磨す る。 し か し, 最終段階で はカバーグラ スを付けないでj a) と同じ要領で研磨面を超音波洗浄 し, ダイ アモ ン ドペ ー ス ト を用 い注意深 く 仕上 げ る。 光学顕微鏡観察を行お う とす る場合は, (b)の方法に よ っ て, 試料を作成 し なければな ら ない。 し かし, (b)の場合, 薄片にす るた め㈲ と比べて試料作成時に, 人工割れ 目が発生す る場合が多い。 試 料作成時に生 じ る人工割れ 目を 完全 に取 り除 きた い場合に は, イ オ ンエ ッ チ ン グに よ り, 研磨 に よ っ て乱 さ れて い る表面の数 μm を 除去す る必要があ る ( た と えば, Tapponnier and BraceにL976) 。 CL 像を観察す る場合, 蒸着時の厚 さ が厚す ぎる と, 試料か らの CL が蒸着膜を通過 し ないので, 注意を要す る。 蒸着材料 と し て は, 炭素( C) のほ う が金(A u) よ り適 し て い る(Krinsley andTovey, 1978) 。 (3) 観察時の加速電圧 は10~ 30KeV が も っ と も普通で あ る 。 粘土鉱物 な どの よ う に, 電子線で損傷 を受けやす い試料の場合 はで き るだ け低電圧で 観察す る こ とが望 ま し い。 石英の CL 像を観察す る場合, 試料 に よ っ て は弱い CL 像 し か得れな い場合があ る。 こ の様な場 合には, CL 検 出器を若干改造す る必要があ る ( 金折, 1987) 。 SE M 利 用の研究 史 1968年 に SEM が地質学 に導入 さ れて以来, 盛 んに利用 さ れ, 現在 に至 る まで の20年足 らずの間 に地質学の数多 く の分野の研究に, SEM は多大な貢献を し た。 特に, 堆積物や堆積岩か ら取 り 出さ れた石英粒子の SE 像か ら, その堆積, 運搬, 続成な どの作用を読み取ろ う とす る研究は, Krinsley and M argolis ( 1969) 以 降 , 膨 大 な 数 の 論 文 が 発 表 さ れ て 来 て い る 。 こ の 研 究 と ほ ぼ 同 時 期 に 岩 石 金 折 裕 司 ・矢 入 憲 二 58 表- 1 SEM Application to M icrofacturing 1965 SE ¦● SCannillgeleCtroll °iCroSCopygi゛esreSea゛CherSaCIoseリ Ook atroCk fraCtllieS(Willard) S・ SCanning eleCtron microSCope Study of pore SyStemS in roCks ( T imur et al.) 卜 ApplicationS. of electron microfractography to materiaIS reSearch ( A ST M ) 卜 CrackS and pores : a cloSer look ( Brace et al. ) 卜・ Direct obServation of miCrocavitieS in cryStalline roCkS ( Sprunt and Brace) 1970 卜 GlaSS-indurated quartz gouge in Sliding-friCtion eχperimentS in SandStone ( Friedman et al. ) CL 1975 SEM cathodolumineScence for characterization of damaged and undamged α-quartz in respirable dust ( H anuSiak and W hite) 卜 卜 StudieS of the crushability of decompoSed gr4nite Soil grainS ( M atSuo and Sawa) 卜 DeveIopment of StreSS-induced microcracks in W eSterly granite ( T apponnier and Brace) ● ・ M iCrocrackS in cryStalline rockS ( D engler) ● ・ W ear-like featureS on natural fault SurfaceS ( Sw ain and JaCkSon) 破壊力学 と材料強度講座 15 卜 S・・ フ ラ ト グ ラ フ ィ ( 北川 ・ 小寺沢) Effects of metamorphiSm on guartz cathod01umineSCence ( Sprunt et al. ) ● ・ 断層粘土中の石英粒子の表面構造 ( 金折他) ● ・ Crack growth and development during creep of Barre granite ( K ranz) 1980 Dating fault aCtivity by Surface textures of quartz grainS from fault gougeS ( K anaori et al.) ・ ● ・ BS £ K inetiC and metam orphic aSpectS of cleavage form ation in very low -grade m etam orphic SlateS ( W eber) F M iCromechanicS of faulting in W eSterly granite( W ong) S・ ● ●Application of SCanning electron microSCopy to the study of deformed rock ( LIoyd and H all) StreSS-dependent morphological featureS on fracture SurfaceS of quartz and glaSS ( N orton and A tkinSon) ● ・ 卜 マイ p ナイ ト の構造岩石学的研究 ( 宇井) 卜・ T he miCroStruCture of gouge from a mining-induced SeismiC Shear zone ( 0 1gaard and Brace) S・ M icroCraCkS in roCkS ( K ranz) 卜 Behaviour of graniteS and limeStones SubjeCted to SIow and homogeneouS temperature ChangeS ( H omand -E tienne and T roalem ) ● ・ カ ソ ー ドル ミ ネ ッ セ ジ スに よ る断層活動性評価 ( 金折) S i CathodolllmineSCenCe petrography of SynteCtoniC quartz fibreS ( DietriCh and Grant) 1985 Deformation miCroStructureS of Barre granite : an optical, SEM and T E M Study ( Schedl et al. ) 卜 ●・ A SE M cathodoluminesCence Study of quartz in mildly deform ed granite from the region of theA totSugawa fault (Kanaori) ●・A rapid technique for counting crackS in roCkS ( Durhum et al. ) Artificial generation of pSeudotaChylite uSing friction welding apparatuS : Simulation of melting on a fault plane ・゛ ( Spray) ・・・EE -3A 2 7 に み ら れ る 微 小 破 壊 面 ( 金 折 ) 1988 走査型電子顕微鏡に よ る花肖岩 の微小 CRACK の研究 59 利用の研究史 A pplication to General Geology SE ¦卜 A Studyof quartzSandgrainSurfaCeSwiththeSCanningeleCtronmiCroScope(KrinSleyandMarg011S) 卜 Problems of quartz grain morphology ( Schneider) CL ●・ CathodoluminesCence StudieS of SedimentS ( K rinSley and H yde) S・ A tlaS of quartz Sand SurfaCe teχtureS ( K rinSley and D Oom kamp) 卜 白馬岳松川谷におけ る氷河堆積物中の石英砂粒表面組織 ( 清水) 卜 Surface morph010gy of quartz and age of SoilS ( DouglaS and Platt) ● SCanning electron microSCopy in the Study of SedimentS ( ed. by W halley) F BSE Environmental reconstruction by eleCtron m icroscopy ( Bull) ● ・T he SEM examination of ge01gicaI SampleS with a Semiconductor baCk-scattered eleCtron deteCtion ( H all and LIoyd) 卜M udroCkS examined by baCkSCattered eleCtron miCroScopy ( Pye and K rinSley) ● ・ SCanning eleCtron miCroSCopy eχampleS of clay reSidua from cryStalline rockS ( Samalikova) 卜 ・Granular diSintegration of gneiSS and migm atite ( Pye) 金 折 裕 司 ・矢 入 憲 二 60 破壊面 の研究 ( W illard, 1969) が開始 さ れた。 表- 1 には, 微小 crack の研究に関連す る主な論文を 時代別 に示す と 同時に。 地質学 にお け る SEM 利用 の重要 な論文を併記 し た。 堆積物, 堆積岩中に含 まれ る石英粒子の SE 像の研究は, 1973年に発行 さ れた Atlas of Quartz Sand Surfaces ( K rinsley and D oornkamp, 1973) で 集 大 成 さ れ た 。 そ の後 , SWansea で 1977年 に は , 英国の Scanning Eled ron M icroscopy in the Study of Sedimentology の シ ン ポ ジ ウ ム が 開催 さ れ, 隆盛 を極めた。 我が国で は, こ の種の研 究 と し て清水 ( 1975, 1980) がみ られ る程度で あ る。 石英粒子 の表面構造の違いを溶食時間の違い と い う観点で捉 え, 土壌の年代 ( Douglas and W hite, 1977 ; W hite, 1981) や 断 層 活 動 時 期 の年 代 ( 金 折 他 , 1978 ; 1986, K anaori et al., 1980 ; 1985 ; K anaori, 1983 ; 1985) が 明 ら か に さ れ た 。応 用 地 質 学 に 関 連 す る iSE M の 研 究 は , Sam alikova ( 1983) が, Bulletin of lntemationa1 Association of Engineering Geology に 出版 さ れ た 論 文 を 中心 に レ ビ ュ ーし て い る。 金属 の分野で は, SE 像 は主 に Fractography ( 破面解析) に用 い られ て い る。 SE 像 に加 えて, 堆積物や堆積岩中の石英粒子の CL 像の観察 も Krinsley and Hyde ( 1971) に よ っ て始め られた。 その後, 損傷を受けた石英 と受 けて いない も のが CL 像に よ っ て区別で き る こ と が明 ら かに さ れ ( Hanusiak and W hite, 1975) , 微小破壊へ の CL 像の応用が開始 さ れた 。 BSE 像の観察 について は, 1981年 に地質学 に応用 さ れる ( Hall andLloyd, 1981) と 同時に変形 し た岩石へ の応 用 ( Lloyd and Ha11, 1981) が始ま っ た。 そ の後, 0 P で は 観察す る こ と ので き な い堆積岩の微細 な組織の研究 ( Pye and Krinsley, 1983ab) に利用 さ れる よ う にな っ て きて い る。 以上 に地質学 への SEM の導入, お よび SE, CL, BSE 像の観察の糸 口と な っ た研究につ いて 略歴 を 述べて来 た。 も う少 し 詳 し く 微小 crack へ の応用の歴史 を み る こ と にす る。 実験 に よ っ て 生 じ た岩石破壊面 に始 ま っ た SE 像 の観察 ( W illard, 1969) は, まず, 破壊 し て い ない岩石の初生 の空隙や微小 crack の観察に導入 さ れた ( Timur et eL, 1971 ; Braceet al., 1972 ; Sprunt and Brace, 1974; M ontgomery and Brace, 1975) 。 そ の 後 , 滑 り摩 擦 試 験 後 の滑 り 面 の微 細組織 ( Friedman et al., 1974) , 風化 し , 強度低下 し た粒子 ( M atsuoandSawa, 1975) な どが観 察 さ れた。 天然 の微小 crack や空隙の観察か ら一歩進み, 1970年中 ごろ には, 一軸圧縮破壊試験に よ る変形 の程度 と微小 crack の出来方の研究 ( Tapponnier andBrace, 1976) が開始 さ れた。 引 き 続 き ク リープ試験の各変形 ス テ ージで の微小 crack の出来方, 発展 の仕方 な どの研究 (Kranz, 1979ab) が行わ れた 。 こ れ ら の一連 の研究 は Kranz ( 1983) に レ ビ ュ ーさ れて い る。 さ ら に, 高温, 高封圧下で の変形に対 し て 同様 な研究 (W ong, 1982 ; Fredrick andW ong, 1986) も あ る。 一方, 高温 ( 700℃まで ) を被 っ た花尚岩につ いて SE 像が観察 さ れ, 粒界か らの拡大や空隙率が増大す る こ と が示 さ れた ( Homand-Etienne and Troalem, 1984) 。 SE 像の観察は, 室内実験で変形 し た試料ばか り で な く , 天然の試料に も拡張 さ れ, 宇井 ( 1980) は, mylonite の変形構造を SE 像で と ら え, W eber ( 1981) はス レ ー ト の変形を捉 えた。 Schedel et al. ( 198 5) は B arre 花 尚 岩 に つ い て , エ ッ チ ン グ し た 結 晶 表 面 の SE 像 に よ っ て 格 子 欠 陥 を 捉 えた。 こ の他に, Swain and Jackson ( 1976) は, 断層面上 に微小 な球状の物質を 発見 し, 断層運 動時の摩擦熱で 生 じ た と推定 し た。 断層粘土中の石英粒子の観察か ら, 表面構造の違いが断層の活 動時期 や活動様 式 に関連 し て い る こ と も 明 ら か に さ れ て い る ( 金 折他, 1978 ; 1981 ; 1982ab ; 1986 ; K anaori et al・, 1980 ; 1985 ; 金 折 , 1981 ; K anaori, 1983 ; 1985) 。 0 1gaard and Brace ( 1983) は, 地震 に よ っ て坑道内に発生 し た 断層 に伴 う グー ジ状物質の SE 像を観察 した。 こ のよ う に天然 の断層面や断層物質の形状観察に も SE 像が用い られて い る。 損傷を 受 けた 石英を 受 けて い な い も の と 区別す る こ と に始 ま っ た CL 像の観察 ( Hanusiak and 走査型電子顕微鏡 に よ る花 肖岩 の微小 CRACK の研究 61 W hite, 1975) は, 変成岩の変成度の違いに関す る研究 (Spruntetal., 1978) へ と展開 し て い った。 石英粒子を超音波洗浄す る際に偶然に破壊 し た石英はまだ ら状に発光す る ( Krinsley and Hyde, 1971) こ とに ヒ ン ト を得て, 金折 ( 1984b) , Kanaori ( 1984b) は, 花崩岩 の三軸圧縮破壊試験で得 られた 石英破片を 観察 し, 破壊面 はぼんや り し た CL を 発す る こ と を 示 し た。 同時 に金折 ( 1984 a) , Kanaori ( 1984a) , Kanaori ( 1988) は, 断層粘土中の石英粒子の CL 像を 調べ, SE 像に よ る 表面構造 と比較 し, 断層活動に よ っ て形成 さ れた表面 と, そ の後の風化, 変質作用を受けた表面 と を 区別 で き る こ と を 示 し た。 Dietrich and Grant ( 1985) は, CL 像 こ そ示 さ な か っ た が, SEM を 利用 し て変形 し た岩石の CL 波長を 調べ, 変形 の時期 の違 いが CL 波形 の違 い に関係 し て い る こ と を 明 ら か に し た 。 K anaori ( 1986) , 金 折 ( 1987a) は, 跡 津川 断層 周辺 に分布す る , 肉眼観 察 で は ほ と ん ど変形 し て いな い花園岩を試料 と し て用い, 石英結晶の CL 像を調べた。 そ の結果, 光学顕微 鏡で ははっ き り と捉 え る こ と が出来 な かっ た healed crack やそ の集合か ら な る shear zoneを 明瞭 に CL 像で捉 えた。 Lloyd and H a11 ( 1981) は BSE を 変 形 し た 岩 石 へ の 応 用 の 可 能 性 を 示 し た が , 岩石 の変形 を 調 べ るた めにはほ と ん ど利用 さ れなか っ た。 そ のほか, 岩石中に発生 し た微小 crack を 計測す る 目的 ( Durham et al., 1985) や, 実際 に形成 さ れた psuedotachylite の組織 を 観察す る のに使わ れた ( Spray, 1987) 。 Pye ( 1985) は BSE 像を 使 っ て混成岩や片麻岩 の風化 が粒界か ら発生す る こ と を 明 ら かに し た。 金折 ( 1987b) は天然の水圧破砕 に よ っ て生 じ た花尚岩 中の微小 crack を 調べ る 目 的で BSE 像を 用いた。 BSE の微小 crack 観察への系統的な応用につ いて は, 研究の途 につ いた ばか りで研究例は少な いが, 今後の発展が望 まれ る。 SEM に よ る微小 crack の研究 SEM に よ る微小 crack の研究は, SE 像だ けで な く , CL 像や BSE 像を合わせて観察す る こ と に よ り, 種 々の微小 crack の特徴を は っ き り と捉 え る こ と がで き る。 こ こ で は, SE, CL, BSE 像 の特徴を利用 し た crack の研究につ いて述べ る と と も に, 各像の微小 crack 研究への適用性, 限 界性お よ び実例 につ いて述べ る。 (1) 2 次電子 ( SE) 像 SE 像は形態的特微を像 と し て示す もので あ る こ と から, 破壊 した粒子の表面組織お よ び岩石に 内在す る空隙や crack の形態を 明 らかにす る。 応用例 と し て, 断層の破壊様式, 活動時期を反映す る断層内石英粒子表面構造, 断層面の微細構造, 岩石破壊試験で試料内部に発生 した crack の形態 な どの観察に用い られ る。 A . 断層内石英の表面変化 断層粘土中の石英粒子の表面構造 は, 図版 l ab に示す よ う に, 新鮮な破断面を示す ものか ら, 表 面上で溶食, 沈殿が進み, 複雑な形態を示す も のまで , 個 々の断層に固有で あ る こ と が, 多 く の断 層の調査結果か ら分か っ て い る ( 金折, 1978 ; 1981a ; 金折1981 ; Kanaori et al., 1980 ; Kanaori, 1983) 。 こ の表面構造 の違 いは断層内石英粒子を取 り巻 く 化学的環境の違いに よ る溶食, 沈殿速度を 考慮 し な く て はな ら ない も のの, おお まかには断層活動 に よ り石英粒子が断層内に開放 さ れて から の時間に関係す る こ と がわかっ て い る (Kanaori, 1985) 。 断層内石英粒子の表面構造を調べ, すで に対比が行われて い る表面構造 と地質年代 ( Kanaori, 1983) に照 ら し合わせ る こ と に よ っ て 断層の 活動時期を 知 る こ と がで き る。 断層内石英粒子を試料 と し て電子 ス ピ ン共鳴法に よ り求め られた断 層の活動時期は, 石英粒子の表面構造か ら得 られた結果に よ く 一致す る ( Kanaori et a1., 1985 ; 金 折, 1986) 。 B. 破面解析 (Fractography) 62 金 折 裕 司 ・矢 入 憲 二 金属, ガ ラ ス な どの破断面上の組織を調べ る こ と に よ り, そ の表面組織の違いか ら, 破壊様式を 調べ る こ と を Fractography と呼び, 金属の分野で は広 く 応用 さ れて いる (ASTM , 1971 ; 北川 ・ 小寺沢, 1977) 。 こ の結果を 断層内に存在す る石英粒子の表面構造解析に応用す る こ と に よ っ て, 断 層の破壊様式 を 決定で き る ( 金折, 1981 ; kanaori, 1983 ; 1985) 。 た と えば, 図版 l c は滑 ら かな 表面上のへ き開段の例で あ る。 図版 l dはやや溶食の進んだへ き開段を示す。 表- 2 を参考 にす る と, こ のへ き開段は脆性破壊で形成 さ れた粒界破壊に属す る こ と がわかる。 今後, 断層面を 破面解 析 し , 断層面か ら読み取れ る破壊様式 と, 断層内に含まれる石英粒子の破壊様式の両方を 明 らかに し て行 く 必要 があ る。 破壊様式を示す例 と し て, すで にへ き開段は堆積岩や風成堆積物中の石英粒子の表面に観察 され て い る ( Krinsley andDoornkamp, 1973 ; W halley andKrinsley, 1974 ; W ellendorf andK rinsley, 1980) 。 また, W illard ( 1969) は点載荷試験で破壊 し た Quartziteの表面に リバーパ タ ーンを報告 し て い る。粒界破壊面は大理石のね じ り試験で生 じた破断面上( Atkinson, 1979) や mining-induced fault 中の粒子表面 ( Gay and Ortlepp, 1979) に報告 さ れて い る。 C. 微小空隙や crack の性状, 進展過程 花尚岩中に は微小な crack や空隙が存在 し て い る ( 図版 l ef ) 。 岩石の切断面の表面で の微小 な crack や空隙を 調べ る こ と に よ っ て, 微小な crack や空隙の形状分布を 調べ る こ と がで き る ( T imur et a1., 1971 ; Brace et al., 1972 ; Sprunt and Brace, 1974 ; M ontgomery and Brace, 1975) 。 同様 な方法 で岩石圧縮破壊試験, ク リ ゞ プ試験, 高温高圧試験 な どに よ っ て生 じ た微小 crack や 表- 2 破面の特微的なパタ ーンの分類表 ( 北川 ・ 小寺沢, 1977) A。 粒 内 破 壊 (1) 延 性 破 壊 (a) 微小空 洞の合体 に よ る も の 八丿づ詰昌丿≒ (b) す べ り 面 破 壊 蛇行すべ り, リ ッ プル, ス ト レ ッ チ ン グ (2) ぜ い 性 破 壊 (a) へ き 開 破 壊 リバ ー ・ パ タ ー ン, へ き開段 へ き開 フ ァ セ ッ ト タ ン グ (b) 擬 へ き 開 破 壊 リバ ー ・ パ タ ー ン, へ き開段 擬へ き開 フ ァ セ ッ ト タ (3) 疲 労 ン 破 グ 壊 - イェー づ穴 二舅二魏 工 タ イ ヤ ・ トラ ック B. 粒 界 破 壊 (1) 延性破壊 ( 微小空洞の合体 に よ る も の) デ ィ ン プルのあ る粒状破面 ▽ (2) ぜ い性破壊 模様 のな い ( 少ない) 粒状破面 (3) 疲労破壊 ス ト ラ イ ェ ーシ ョ ソ, ス ト ラ イ ェ ーシ ョ ソ状模様のあ る粒状破面 走査型電子顕微鏡 に よ る花肖岩の微小 CRACK の研究 63 空隙の進展過程 な ども各変形のス テ ージに応 じ て観察可能で あ る ( Tapponnier and brace, 1976 ; K ranz, 1979ab ; 1983 ; W ong, 1982 ; H om and-Etienne and T roalem , 1984 1Fredrick and W ong, 1986) 。 こ の場合, 試験片か ら試料片を 切 り 出す こ と に よ り生ず る人為的 な crack を 除外す る必要 があ る。 こ のた めには, イ オ ンエ ッ チ ン グ と い う方法が一般的 に用い られて い る ( Tapponnier and Brace, 1976) 。 試験表面を イ オンエ ッ チ ン グす る こ と に よ り試料作成時に乱 さ れた表面近傍を 除去 し, 乱 さ れない表面で空隙や crack を観察す る こ とがで き る。 D. 断層面の微細構造 滑 り試験後の試料表面や天然の断層表面 の観察を行い ( Swain andJackson, 1981 ; Friedmanet al・, 1974) , 断層面上の組織を調べ る こ と に よ り, 断層が滑 る時に摩擦熱が発生 し た証拠を得 る こ と がで き る。 また, 断層面の微細構造を 明 ら かにす る と 同時に破面解析す る ご と に よ っ て, 断層面の 破壊様式を検討す る こ とがで きる。 し かし, この方面の研究は例が少な く , 今後発展が期待 さ れる SEM 応用の分野で あ る。 (2) カ ソ ー ドル ミ ネセ ン ス ( CL) 像 CL は これまで主 と し て光学顕微鏡 ( OP) に取 り付け られた検 出器を用いて, 堆積岩中の石英の overgrowth な どの研究に用 い られて来た ( Zinkernagel, 1978) 。 OP で CL 像を 観察す る場合, 鮮 明な像写真を得 るためには露出時間を長 く 取 る必要があ り, 試料観察に時間がかかった。一方, SEM の場合で は短時間で鮮明な像写真 を得 る こ と がで き る。 し か し, 色調の観察は特別な装置を工夫 し ないかぎ り ( 金折, 1987) 不可能で あ る。 SEM に よ る CL 像の観察は, 石英の損傷や石英に存在 す る healed crack の形 状, 分布 を 調 べ る のに有効 で あ る。 A. 石 英 の 損 傷 石英の CL 像の明暗 と損傷につ いて次の こ とが知 られて い る。 (a)損傷を受けた石英は受 けない も のと比べて明る く 発光す る ( Hanusiak andW hite, 1975) , (b)三軸圧縮破壊試験で破壊 し た石英は, ぼんや り と発光す る ( 金折, 1984b ; Kanaori, 1984b) 。 (c)超音波洗浄に よ っ て破断 し た石英はまだ ら模様 に発光す る ( KrinsleyandTovey, 1978) 。 このよ う に石英の CL 像は表面七の損傷 の程度に 関係 し て い る こ とが予想 さ れ る。 また, 岩石破壊時のH2の発生は, 表面で損傷を受けた部分 と H2 0 の反応 に よ る こ と が実験的に確 かめ ら れて い る ( Kita et a1., 1982 ; Sugisaki et a1., 1983) 。 CL 像の研究に よ っ て, これ らの石英表面で の損傷を 明 らかにす る こ と がで き る。 B. H ealed crack 花園岩中に存在す る流体包有物を 伴 う healed crack は普通 の光学顕徴鏡で観察が可能 で あ る。 流体包有物を 伴わず, 周辺の石英 と光学的 に連続 し て充填 さ れた healedcrack は Sprunt andNur ( 1979) に よ る光学顕微鏡の CL 像に よ っ て初めて明 らかに された。 そ の後, 金折( 1984a) , Kanaori ( 1988) は, 断層粘土中の石英粒子 に も こ れ ら の healed crack が観察 さ れ る こ と を 示 し, healed craqk に は母岩 に 由来す る も のや断層運動 に よ っ て形成 さ れる も のがあ る こ と を示 し た。 花園岩中の石英の SEM に よる CL 像は, 次の 4 つの変形構造を 明瞭に示す ( 図版Il a c e) 。 (a) 流体包有物を伴 う healed crack (b) 流体包有物を伴わな い healed crack (c) healed crack の集合 す る ・shear zone (d) 鉱物で充填 さ れた細脈 (a)一(d)はいずれも CL 像中に暗線 と し て識別で き る ( 図版 H) 。 こ の う ち, (b) と(c)は光学顕微鏡で 観察で き な い。 暗線, つ ま り, healedcrack や細脈の出現頻度は断層の位置 と関係があ り, 断層運 動 に よ る破砕 の程度に関係 し て い る ( Kanaori, 1986 ; 金折, 1987) 。 こ の よ う に, 花園岩中の石英 の CL 像 は healed crlack や鉱物で充填 さ れた細脈 の分布を示す。 金 折 裕 司 ・矢 入 憲 二 64 20 . 47 A totsugaw a F t. FS= 002 CPS LT = 0060 SE C 9999 乖 ■ AL ■ SI ■ FE ■ CA ■ CU R = 00. 00 K EV 000 . 000 CPS CA A L FE FE CA 図一 3 D. TI ME = 00% エ ネ ル ギ ー分 散 型 X 線 検 出器 に よ る 細 脈 の組 成 分 析 。 (3) 反射電子 ( BSE) 像 BSE の微小 crack 研究への応用 は, こ れ ま で ほ と ん ど研究例 がな い。 Druham et al. ( 1985) が 微小 crack の計測に使用 し た の と, 金折 ( 1987b) が天然の水圧破砕で生 じ た微小 crack の観察 に 使用 し た程度に過 ぎない。 既に述べた よ う に, BSE 像の明る さ は構成鉱物の平均原子番号に関係 し てい るの七, 鉱物の違いや鉱物内で の元素分布の違いに よ る ゾーニ ン グな どを調べ るのに適 し て い るレ A. 細 脈 の 形 態 花尚岩中の鉱物の粒界を切 っ て細脈が し ば し ば認め られ る( 図版III- IV) 。 細脈は直線的な壁を持 つ も の ( 図版 111a) や不 規則 な壁 を 持つ も の ( 図版 m c d) が BSE 像 で 明瞭 に区別 で き る。 エ ネ ルギー分散型 X 線検 出器 の分析結果の一例を 図一 3 に示す。 図版IIl cd の明 る い脈 は Ca, Fe, Si, A1 か ら な り緑 れん石で あ る こ と がわか る。 配列 につ いて も, en echelon 状 を 示す も の ( 図版IIl a ~ c) , 粒界に沿いそれか ら羽毛状に分岐す る も の ( 図版111a) が明瞭に観察 さ れ る。 また, 赤鉄鉱 の crack を緑れん石が埋めて い る も の ( 図版IVb) , 黒雲母のへ き開に沿い貫入 し て い る赤鉄鉱脈 ( 図版IV cd) な どの性状が細部 にわた っ て BSE 像で捉 え られ る。 B. 粒界や粒 内の微小 crack や kinking 風化作用に よ っ て粒界か ら解離 ( disintegration) が始 ま る こ と が, Pye ( 1985) に よ っ て BSE 像 で示 さ れて い る。 同様 な結果を 図版IIl ef に示す。 風化作用 に よ っ て粒界 に crack が発生 し て い る こ と がわか る。 図版IIl f で は明る い粒子 ( カ リ長石) の粒界の凸部 か ら, crack が発生 し て い る こ とがわかる。 こ れは, 粒子の凸部に応力集中が生 じ た こ と に よ,る。 この crack は試料作成時に生 じ た も のか, 天然 に生 じ て いた も のかは, こ の結果だ けで は明 ら かで な い。 赤鉄鉱にみ ら れる微小 crack の一例を 図版IV a に示す。 赤鉄鉱粒子 には他の造岩鉱物 に比べて 微小 crack が多 く 発達 し て い る。 光学顕微鏡で も黒雲母 のへ き開を あ る程度観察す る こ と が可能で あるが, BSE で は黒雲母内部の組成の違 い に よ る ゾ ーニ ン グを 含め明瞭 な像 を 得 る こ と がで き る ( 図版IV c d) 。 図版IV e で は石英 と の粒 界付近 に顕著 な kink band がみ ら れ る。 ま た , 図版IV f は黒雲 母 のへ 走査型電子顕微鏡 に よ る花尚岩の微小 CRACK の研究 65 き開に沿 う開 口 CraCk を示す。 こ の 2 つ の例 は, 応力が加お っ て も石英 は変形せず, 石英 に挟 まれ た黒雲母だ けに応力集中が起 こ り, 変形 し た証拠で あ る。 以上, 花園岩 に認め られ る細脈や黒雲母 の微小変形 について, BSE 像の実例を示 し て来た。 今後 は, これ らの観察を系統的に行 っ て い く 必要があ る。 お わ り に SEM を用いて花園岩の微小 CraCk を観察す る方法 と応用例, 今後の課題 について述べて来た。 SE 像, CL 像, BSE 像はそ れぞれ固有 の性格を 持 っ て い るた め, そ の特長 に応 じ た利用法が望 ま れ る。 つ ま り, (1)SE像は表面の形態, 微小 CraCk や空隙の形態 と 分布, (2)CL 像は損傷 を 受けた程 度や healedCraCk の形態, 分布, (3)BSE 像 は細脈や CraCk の分布, 形態, 黒雲母の変形, 粒界の 形態や CraCk, な どの研究 にそれぞれ有効で あ る。 SE 像 に よ る研究は, これ まで に莫大な数の報告があ る。 それに比べて, CL, BSE 像に関 し て は 研究例が少ない。 特 に, 花園岩の微小 CraCk な どの変形構造の研究はあ ま り進んで い る と は言い難 い。 一つの理 由は花園岩は変形の程度が低 く , 光学顕微鏡で ははっ き り と変形構造を観察出来 ない こ と に よ る。 今後は, こ こで述べた SEM に よ る SE, CL, BSE 像お よびそ の付加機能で あ る元素分析機能 な ど も あわせて行 う こ と に よ り, 花嵩岩の微小変形を調べて行 く 予定で あ る。 謝 辞 本研究を進め る にあた っ て, 名古屋大学理学部水谷伸治郎教授 には有益 な助言を受 けた。SEM 観 察におい て は, 電力中央研究所我孫子研究所 の 日本電子㈱製 JSM T -100, T -300を 使わせて頂 い た。 観察時には, 同所立地部地質研究室 曽根賢治氏の協力を 得た。 また, 同所地質研究室井上大栄室長, 田中和弘, 千木良雅弘, 大山隆弘各氏には有意義 な討論を いた だ いた。 こ こ に記 し て, 謝意を表す る。 引 用 文 献 A m erican Society for T esting and M aterials ( 1971) A pplication of electron microfractography to materials research. 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Schw eizerbart sche V erlagsbuchhandlung, Stuttgart, 69p. 走査型電子顕微鏡 に よ る花 尚岩 の微小 CRACK の研究 図版 I a b c d e f 69 SE 像。 少 し溶食を受けた断層粘土中の石英粒子。 著 し く 溶食を受けた断層粘土中の石英粒子。 へき開段を示す断層粘土中の石英粒子の表面。 やや溶食 し たへ き開段を示す断層粘土中の石英粒子の表面。 花南岩中の粒界にそ う微小 crack と微小空隙。 花南岩中の微小空隙の内部。 溶食を受け表面が起伏 し ている。 図版 II 花 肖岩 中の石英 の CL 像 ( a, c, e) と OP 像 ( b, d, f) 。 a, c, e, はそ れぞれ b, d, f, と 同一場所で あ る。 ス ケ ールは500μm。 写真 cに見 られる暗線の集中 した部分は, 写真 d で波動消先を示す ゾーンに一致す る。 写真 eで の矢印は写真 f の OP で はま っ た く 認め られな い。 図版Ⅲ 花肖岩の BSE 像。 石英を 切 っ て方解石細脈が認め られ る。 b . 長石 ( K-rich) に石英の細脈が認め ら れ, 羽毛状に枝分かれ し て い る。 c . 長石 ( Na-rich) に認め られる緑れん石細脈。 細脈の壁は不規則で あ る。 d。 長石 ( Na-rich) に認め られ る K に富む部分 ( 中程度 に明るい部分) と そ れを切 る緑れん石細脈 ( 最 も 明る い部分) 。 a . f. 写 真 e の 中 央 部 の 拡 大 写 真 。 長 石 ( K - rich) の 凸 の先 端 か ら 石 英 中 に crack が 発 生 し て い る 。 図版IV 花 尚岩の BSE 像。 a . 赤鉄鉱 に見 られ る crack. b. 赤鉄鉱 ( 明る い部分) を埋め る緑れん石。 c . 黒雲母のへ き開にそ っ て入 っ て い る褐鉄鉱。 d . c の拡大部分。 e 。 f. 石英 と黒雲母の粒界付近での黒雲母の kinking. へ き開にそ って開 口し てい る黒雲母 ( 写真中央部, 両側の粒子は石英) 。 金 折 裕 司 ・矢 入 憲 二 70 図版 I 走査型電子顕微鏡 に よ る花尚岩 の微小 CRACK の研究 図版 II 71 金 折 裕 司 ・矢 入 憲 二 72 図版 m 走査型電子顕微鏡 に よ る花肖岩 の微小 CRACK の研究 図版 IV 73
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