サルワールド新聞 平成19年4月16日 ヒトってすごい! 母親からバナナを受け取り、テナガ ザルにそれを与えるヒトの子ども テナガザルは、バナナを受け取る(テイク) だけだが、ヒトは子どもの頃から、受け取った 物を与える(ギブ)ことができる。つまりヒト は、ギブ・アンド・テイクが、当たり前のよう にできる動物なのである。 ヒトは霊長目に属しています。つまり大 きく見ればサルの仲間です。 そのサルの仲間が進化してゆく課程で、 特に身につけていったこと、その1つは、 脳の発達があげられると思います。 サル舎の前で動物を観察していると、「 うわぁ~、すごい!」とか「ほーっ!賢い ね~」という言葉をよく耳にします。 でも、よ~く考えてみて下さい。「すご い」とか「賢い」が、目撃した瞬間にわか るヒトってすごいと思いませんか? サル舎を担当してきて、彼らのために、 ちょっと考えないと餌をとることができな い仕掛けなどを作ってきました。 そこでつい思ってしまうのは、「どうし てこんなことが解らないんだろう。」でし た。そうなのです。ヒトの脳の発達は、霊 長目の中でもずば抜けていると言えます。 そして、その賢さと共に、「他人のため に何かをしてあげる」という利他行動が、 当たり前のようにできる唯一の動物です。 今、環境破壊が問題となっています。ヒ ト以外の動物の身になってこの問題を少し 考えてみませんか? 今まで、沢山の木を切り倒してきました 。でも、時間はかかりますが、苗木を植え ることで、元に戻せるのは、ヒト以外には いないのではないでしょうか? 5年ほどサル舎を担当して、最近つくづ くこんなことを考えてしまいました。皆さ んは、どのようにお感じになりますか? 今までサルワールド新聞を読んで下さっ て、有り難うございます!これからも後任 が続けていってくれると思いますので、よ ろしくお願いします(旧担当者:ナガオ)
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