貧血・多血・血液疾患 - 中部公衆医学研究所

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貧血・多血・血液疾患
カテゴリ : 検査結果の見方
投稿情報 : 投稿者: Webmaster 掲載日: 2008-7-14
検査項目:ヘマトクリット・赤血球・血色素(ヘモグロビン)・MCV・MCH・MCHC白血球
・血小板
検査結果が悪いからといって必ずしも病気が潜んでいるとは限りません。精密検査の指示のある方
は必ず医療機関にご相談ください。
また、検査項目は関連性がありますので単独の検査項目だけでなく、他の検査結果と合わせてご覧
ください。
ヘマトクリット・赤血球・血色素(ヘモグロビン)・MCV・MCH・MCHC
の検査からわかること
● 血液中の大半を占めている赤血球・血色素は、体内(各臓器)に酸素を運ぶ役割をしています
。
赤血球・血色素が少ないと貧血が疑われます。ひどくなると各臓器に酸素が十分供給されずに、運
動など体を動かすのに支障が出る場合があります。また、酸素不足により心臓への負担が大きくな
ります。
(肝臓・腎臓などの慢性疾患がある場合は、血液をつくる機能に影響することがあるため、検査結
果が変化します。)
赤血球・血色素が多い血液の濃い状態は多血といわれ、血管が詰まりやすいことが心配されます。
● ヘマトクリット・赤血球・血色素で貧血や多血かどうかを判断します。
検査項目 基準値 検査結果の見方
ヘマトクリット 男:38.5∼48.9%
女:35.5∼43.9% 血液中に占める赤血球の容積の割合を示したものです。多ければ血液
の濃い状態、少なければ血液の薄い状態です。
赤血球 男:400∼539万/mm3
女:360∼489万/mm3
血液1mm3あたりに含まれる赤血球数をみたものです。
血色素
(ヘモグロビン)
男:13.1∼16.6g/ dℓ
女:12.1∼14.6g/ dℓ
100ccあたりの血液にどのくらい血色素が含まれ
ているかをみたものです。
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● 貧血のある場合には、「MCV・MCH・MCHC」で貧血の種類を判断します。 貧血がなけ
れば「MCV・MCH・MCHC」に異常があっても大きな問題はありません。
検査項目 基準値 検査結果の見方
MCV 男:83.0∼103.0 μm3
女:81.0∼100.0 μm3
赤血球の平均容積を表わします。
低値:小球性貧血
正常:正球性貧血
高値:大球性貧血
MCH 男:28.0∼36.0pg
女:27.0∼35.0pg 赤血球に含まれる平均血色素量を表わします。
低値:小球性低色素性貧血
高値:大球性貧血
MCHC 32.0∼37.0%
赤血球に含まれる血色素の濃度を表わします。
低値:小球性低色素性貧血
貧血は、赤血球の大きさと、血色素の濃度の2点で分類されます。
貧血には以下の3種類があります。
小球性低色素性貧血 赤血球が小さく、血色素の濃度も薄い
(MCV・MCH・MCHC共に低値)
正球性(正色素性)貧血 大きさも濃度も正常である
(MCV・MCH・MCHC共に正常)
大球性(正〈高〉色素性)貧血 赤血球が大きく、血色素の濃度が濃い
(MCV・MCH共に高値、MCHC正常)
どんな病気が隠れているか、この分類をヒントに診断するのに活用します。
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● 貧血の原因は?
◇ 赤血球の材料の不足
赤血球は、肉や魚などの食品に含まれるたんぱく質と鉄分を材料にして作られます。偏った食事
によって材料が不足します。
◇ 胃が悪く吸収ができない
胃の病気がある場合や過去に胃の切除をしている場合、赤血球を作るために必要な材料が十分吸
収できないことがあります。
◇ 出血
胃潰瘍や子宮筋腫、痔などの出血性の病気があります。
◇ 骨髄の異常
血液は骨の中の骨髄で常に作りかえられています。赤血球が作られない骨髄の異常や、一定であ
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る赤血球の寿命よりも早く壊れる病気が原因となっていることもあります。
● 多血の原因は? 水分補給が少ない時や、脱水や下痢など体内から過剰に水を失うことによって
、見かけ上多くなることがあります。
骨髄の異常により、赤血球だけでなく白血球や血小板も多く作られる場合(真性多血症)がありま
す。
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白血球の検査からわかること
● 白血球の働き 白血球は体に侵入したウイルス等の異物を退治・処理する働きをしています。
<基準値>35∼95百/ μℓ
● 異常値を示す時 正常範囲が広く、特別の異常な疾患を認めなくても、かぜなどの感染症や、
ちょっとした外傷、喫煙、運動やストレスなどによって簡単に変化します。
明らかな異常値が続く場合は原因究明が必要です。単独項目だけの異常か、他の血液所見にも変化
があるかなど、総合的に判断します。
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血小板の検査からわかること
● 血小板の働き 血小板は血管が傷ついた場合に、血管の傷を修復する働きをしています。
<基準値>13.0∼34.9万/ μℓ
● 異常値を示す時 少なすぎると出血しやすく、多すぎると一般には血栓(血の塊)ができやす
い状態です。血小板が異常に増加した場合には正常に機能しないため、逆に出血しやすいといわれ
ます。
過度の運動・興奮や急性の出血、貧血に付随して増加する場合がありますが、血小板自体の病気と
は違います。
明らかな異常値が続く場合は原因究明が必要です。単独項目だけの異常か、他の血液所見にも変化
があるかなど、総合的に判断します。
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ご不明の点はお問合せください。
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