保健だより特別号 ~貧血検査結果の見方

菖蒲南中学校ホームページ[保健室]からも読むことができます。
★学校保健目標★
自らの体と心を進んで管理し、
改善していくことのできる
生徒の育成
特別号の目標
貧血検査結果の見方を知ろう
検査結果を見てみましょう。各項目の数値はどうなっているかな?
【白血球数】
基準値
白血球のはたらき
約3500~9000/μℓ
体内に侵入してきた細菌やウイルスなど
の外敵と戦い、感染を食い止める。
白血球は、体の中に外部から異物が入った場合に、それを排除して
体を守る役割があります。異物が入りこんだときには、白血球数が増
えて、その異物を取り込んで無害化します。何かしらの感染症などの
症状があるときには、白血球数が一時的に増加します。
白血球数を検査すると、外からは見えない炎症や感染症などの異常
が発生しているかどうかを知ることができます。
【赤血球数】
基準値
約380~520万/μℓ
赤血球のはたらき
酸素を肺から体中に運ぶ。
赤血球の中のヘモグロビンに酸素をくっつけさせて、体中に酸素を
運びます。そして、体内で作られる二酸化炭素を回収します。
赤血球数が少ないと、酸素を運ぶ量が少なくなるため、酸欠による
貧血を起こしやすくなります。
逆に、多くても健康にはよくありません。高血圧、肥満、ストレス
などで赤血球数が増えると、血がドロドロして血管がつまりやすくな
ります。(※多血状態)
【血色素量】
基準値
血色素のはたらき
約11~15g/dl
血色素は赤血球の成分の1つで、「ヘモグロビン」とも呼ばれる。
酸素や二酸化炭素を運ぶ。
基準値を下回る場合は、貧血と判断されますが、実はあまり自覚症状
はありません。逆に、高い値の場合、多血症などを疑いがあります。
ヘモグロビンは、「ヘム」という赤い色をした鉄分と、「グロビン」と
いうタンパク質が結合した物質です。ヘモグロビンの量が減少するとい
うことは、同時に鉄分が減るため、酸素の供給量も減ります。この状態
を「鉄欠乏性貧血」と呼びます。
【ヘマトクリット値】
基準値
約36~45%
ヘマトクリットとは 血液中に占める血球の容積の割合。赤血球とほぼ同じ容積比である。
ヘマトクリットが基準値より低い場合は、いわゆる「血がうすい」
状態であり、貧血が起こりやすいです。
逆に、高い値の場合、多血症の疑いがあります。
【MCV(平均赤血球容積)】
基準値
MCVとは
約80~93fℓ
赤血球1個の大きさを表す。
【MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)】
基準値
MCHとは
約27~32pg
赤血球1個に含まれるヘモグロビンの量を表す。
【MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)】
基準値
MCHCとは
約31~36%
赤血球1個に含まれるヘモグロビンの濃度を表す。
上の3つの結果から、赤血球の大きさや色の濃さといった性質
を調べます。
これらの数値の結果から、貧血の可能性があるかないかを判断
するだけでなく、もしも貧血であれば、どの種類の貧血に分類さ
れるのか、それぞれの症状をさらに詳しく調べる段階へ進めてい
くためのきっかけになります。
検査結果の見方がわかりましたか?
判定結果が正常値内でなかった場合は、放置している
と悪化したり、すでに治療が必要な可能性もあるので、
早めに専門医に診てもらい、適切な指示を受けましょう。
貧血予防に効く!レバー料理とレシピ
鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄があり、それぞれ体内への吸収率が異なります。
具体的にはヘム鉄が約 30%、非ヘム鉄が約 5%であり、吸収率がはるかに高いヘム鉄の
積極的な摂取が貧血予防に効果的といえます。ヘム鉄の供給源としては、特にレバー、赤身
の肉、赤身の魚などが適しています。
今回は、その中でもヘム鉄だけでなく、タンパク質・ビタミン B12・ビタミン B6・葉酸
がバランス良く含まれた「レバー」の料理とレシピを紹介します。
≪
レバーの甘辛炒め
≫
材料
豚レバー
分量(1人分)
40g
かたくり粉
a
しょうゆ
さとう
みりん
しょうが
6g
12g
9g
9g
4g
いりごま
4g
油
8g
牛乳(下処理用)
40g
★作り方★
(1)レバーは白い部分を取り除き、よく水で洗い 1 口大のスライスにし、牛乳に浸ししっ
かり揉みこむ。
(2)レバーを流水で洗い、水気をよくふき取る。
(3)片栗粉を 2 回に分けてレバーにまぶす。1 回目はよく混ぜ込み、2 回目は粉っぽさが
出る状態にする。
(4)しょうがはすりおろしておく。
(5)フライパンに油を熱し、レバーを炒める。レバーが焦げ付かないよう注意する。
(6)レバーをいったん取り出し、フライパンの油をふき取り、a の調味料を入れ一度大き
く沸騰させる。その後、いりごまを加える。
(7)レバーを戻し、
(6)のタレとしっかり絡ませ、お皿に盛りつける。
このレシピのポイント!
レバーの下処理の基本、牛乳に漬け込み、スライスして血抜きをします。
それに加えて下味に生姜を利かせた、濃い味付けでご飯を食べやすくします。