中越パルプ工業株式会社 川内工場 〒895-0065 薩摩川内市宮内町 1-26 TEL:0996-22-2211 FAX:0996-21-1157 南日本 新聞社賞 地域資源を有効活用した「竹紙」で伝えたい 「竹」と「環境」のこと 鹿児島県は竹林面積日本一(約16,000ha)、タケノコ生産第1位(約8,935t)であるが、良質なタケノコを生産するには5年以上の古い竹の間引 きが必要となる。伐採された竹は竹林内に放置され、腐るのを待つしかなく、タケノコ生産の厄介ものだった。また、成長力が旺盛な竹は、周囲へ根を 伸ばし雑木林や植林地を侵食し、森の多面的機能や生物多様性を低下させるなど、竹林管理の必要性が問題になり始めていた。1998年に鹿児島県 からの要請もあり、地域貢献と環境貢献の観点から、地元タケノコ生産林や放置された竹林から発生する伐採竹を紙の原料として利用する取り組み を開始した。 〈取組内容〉 竹は中身が空洞の為、山からの搬出・輸送にかかる費用が大きな問題であったが、タケノコ生産者が伐採竹を工場に持ち込み、買い取るシステム を構築することで輸送費を削減。 タケノコ生産者のみならず土木工事関係者からも竹の搬入があり、安定した竹の集荷だけでなく竹林の整備も進んだ。 1998年に木材パルプに竹パルプ10%配合の試験生産に着手し、2009年には竹100%紙の生産技術を確立。各イベント等にも提供。 〈今後の取組〉 ・集荷エリアを拡大し、安定した集荷システムを行政と地域住民の方と一体となり集荷の拠点作りを進める。 ・竹林拡大の影響や竹林管理の必要性を広く周知し、一般に竹紙を使っていただくよう発信。 ・地域資源である杉間伐材を使用した紙の生産にも積極的に取り組み、地域と地球環境への貢献に取り組み続ける。 竹の紙が できるまで 1.竹林 2.伐採 3.問題点 全国で放置竹林が問題になってい 生産性向上のために間伐された竹 成長の早い竹が、今まで製紙原料 ます。森林の多面的機能を発揮す は、山に放置するしかなく、関係者 に活用されなかったのは、空 洞の るためにも、竹 林整 備は欠 かせま の 悩みの種でした。中越 パ ルプ で ため効率が悪いからです。しかし、 せん。 は10年以上前から、竹の有効利用 地 域のみなさんの協力により、製 に取り組んでいます。 紙原料にしました。 4.運搬 5.チップ 6.パルプ 7.竹の紙 例えばタケノコ農家は、作業現場へ 専用工場で 切削された 竹チップ。 紙になる一歩 手前の状 態です。竹 作られたばかりの原 紙。竹の 繊 維 向かう軽トラックが、帰り道では運 薬品が染み込みやすいサイズに刻 チップから取り出した繊維が紙に、 は強くてしなやかです。日本の竹だ 搬 用として最寄りのチップ工場 へ まれます。空 洞で堅い竹は生 産性 残りがエネルギーに利用される工 けで作られた紙は、存 在もユニー 竹を持ち込みます。少しでも安く運 は悪いですが、ここでもチップ工場 程 は、木 材と全く変 わりありませ ク。この紙の利用は、里山や生物多 ぶ工夫です。 の協力がありました。 ん。 様性の保全の一助となります。 活動により期待されるCO2削減効果 ・タケノコ生産で竹を間引きした後、新たに竹が成長する過程でCO2を吸収。 ・雑木林や植林地へ侵食した竹による荒廃を防ぐことで、本来ある森林のCO 2吸収量を維持。 ・パルプ製造工程で副産物として出てくるバイオマスエネルギーの利用が可能。 5 ストップ温暖化大作戦!
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