ギャラリー稲童便り No.4

2013 年 2 月 15 日
File No.4 平成 12 年6月~
ギャラリー稲童だより
早いものでギャラリーも今年で3年、常設展示も
5期目を迎えました。
冬の稲童の景色もなかなか味わい深いものがあ
ります。
「上鴒」
(ジョウビタキ・別名紋付鳥)が枝
から枝へ、時には庭の大きな岩にとまって囀ります。
上空にはトンビが覗山に向かって吹きあげる上昇
気流に乗って、緩やかに羽を広げて舞っています。
ツグミやヒヨドリは常連です。耳をすませると林の奥から、普段は聞き慣れない小鳥の声も届きます。
雑草刈りの心配もなく、虫さされもないこの時期は、
庭の散策をしたり、遺作の整理を行うなどのゆったりと
した時間を過ごすのにうってつけの時期ですが、今年は
そうはいきません。アトリエ・研修棟の建設が大詰めを
むかえ、大工作業に追われているのです。
外壁の塗装と、内壁の板貼りは何とか出来上がりま
したが、部屋の間仕切りや押し入れの扉作りなど比較
的細かい内装作業が残っています。押し入れの他にも、
衣類や食器などの収納スペースも作らなければなりま
せん。全体の照明をどのようにするかも、工夫のしど
ころです。プロに頼んだり、既製品を買ってくれば済
むのですが、それでは手造りの味が薄れてしまいます。
カンパをお寄せいただいた多くの方のご厚意に応え
るためにも、ここは自作で行こうと考えています。宮崎源喜師匠の指導のもと、副館長の濱田さん、
理論派の「文明人」近藤さんらと協力し合って内装作業を進めています。
外周の整備は弟の義隆がどこからかおんぼろユンボを借りて
きて、友人のオペレーター喜多島君と一緒に汗を流しています。
このユンボは機嫌を損ねるとなかなか言うことを聞いてくれま
せん。ちょっとでもオイル切れすれば直ちに黒煙を吹いてしまい
ますし、ファンベルトも作動しているかどうかわからない状態で
す。この機械を騙し,すかして動かす能力は大したものです。
さらに、地元在住の藤川さん、筒井さん、前田さんをはじめ多くの方が手伝いにきてくれます。
内装のカーテンやアーティストインレジデ
ンス(宿泊して制作する美術家)の夜具類の調
達は美恵子さんと妻の幸子が引き受けて、無印
良品の店などを回って、あれこれと購入してい
ます。
3 月にはハワイから彫刻家のランディー高木
さんが作品制作のために滞在する予定です。そ
れまでに間に合わせようとみんなで力を合わ
せています。
3 月 23 日(土)に恒例の瀧月忌を予定しています。この
日からランディーさんの彫刻展が始まります。みんなの協力
で出来上がった(きっと出来上がるでしょう)アトリエ・研
修棟の使い初めであり、ギャラリー稲童にとって初の国際交
流展覧会となります。さて、どんな展覧会になるのか、今か
ら楽しみです。
この展覧会が終わりますと、第6期の常設展示となります。
第6期はスケッチを軸に展開したいと考えています。また、
6月初めには総会と共に東日本の子どもたちを支援する3
回目のチャリティコンサート・オークションを開催します。
どうぞご期待下さい。皆さまのご来館をお待ちしています。
ギャラリー稲童、館主 植田義浩 & スタッフ一同