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資料3
情報モラル教育の学習指導案と課題例
1 情報モラル教育についての学習指導案
学習指導案は,普通教育に関する教科「情報」の科目「情報C」について例示する。なお,
情報モラルについては,特定の教科・科目に偏らずに指導することが望ましい。例示した学習
指導案は,様々な教科・科目に応じて適宜取り扱うことができる。
(1) 学習指導案1
教科
情報
科目
情報C
題材名
インターネットの利用方法について
本時の目標
(1) 発信する情報の信頼性や社会に及ぼす影響について理解できる。
(2) Webページに掲載できる内容や表現方法について理解できる。
(3) チャットを使った意見交換で,円滑なコミュニケーションができる。
過
程
学 習
内 容
及
び 留
意 点
導
入 (1) 「インターネットの利用で,注意することは何か」と発問する
(2) インターネットを悪用した例や問題点について,Webページから情報を収
集する
「ネット被害 傾向と対策」
(http://www.netsecurity.co.jp/higai.html)
(3) チャットの利用方法について,Webページから情報を収集する
「ネチケットホームページ」
(http://www.cgh.ed.jp/netiquette/)
展
開 (1) 校内LANのサーバに構築した,情報モラルに関する演習課題の「インター
ネットの利用方法について」のWebページを表示する
(2) インターネットの告発サイトの例から,Webページに掲載する内容の是非
について,チャットを利用して考えさせる
① 告発サイトの是非について
※ 利害が対立する場合について説明する
※ 少数の意見が反映されるというインターネットのメリットも説明する
② 掲載されている情報の信頼性について
※ 情報の信頼性の確認方法について考えさせる
③ 掲載してもよい内容,掲載してはいけない内容の基準について
(3) 学校のWebページで,クラス紹介やクラブ紹介をするときの留意点につい
て発問する
① 掲載できる情報には,どのようなものがあるか
② 掲載できない情報には,どのようなものがあるか
③ 掲載できない理由は何か
(4) 地元の商店街のWebページをつくるときの留意点について発問する
① 掲載できる情報には,どのようなものがあるか
② 掲載できない情報には,どのようなものがあるか
③ 掲載できない理由は何か
まとめ (1) インターネットの特性について,個人のノートとは違い不特定多数の人が目
にすることを確認する
(2) 自分が発信した情報について,責任があることを認識させる
(3) Webページに商店街を評価する内容を掲載したとき,誹謗・中傷ととられ
る内容は,営業妨害として訴えられる可能性があることを説明する
- 61 -
(2) 学習指導案2
教科
情報
科目
情報C
題材名
個人情報の漏えいに関する問題について
本時の目標
(1)
(2)
(3)
(4)
個人情報を守るための具体的な方策について理解できる。
クレジットカードが不正に利用されて,被害を受けたときの対応について理解できる。
情報の暗号化の仕組みについて理解できる。
スパイウェアなどの情報搾取システムについて知識を高める。
過
程
学
習 内
容
及 び
留
意 点
導
入 (1) 個人情報の保護は,情報化社会にとって必要不可欠な内容であることを説明
する
(2) ダイレクトメールや商品勧誘の電話の経験を発問し,個人情報はどのように
して漏れるかを考えさせる
展
開 (1) 校内LANのサーバに構築した,情報モラルに関する演習課題の「プライバ
シーの配慮について」のWebページを表示する
(2) アンケートのWebページの問題点を考えさせる
① 入力しても差し支えないと思う項目について
② 入力に注意を要する項目と理由について
③ 住所や電話番号以外の個人情報の種類について
(3) 実際の問題事例について,Webページから情報を収集する
① 個人のプライバシーの侵害について
「インターネット事件を追う」
(http://www.mainichi.co.jp/digital/netfile/)
② 商品購買上のトラブルについて
「国民生活センター」
(http://www.kokusen.go.jp/soudan/jirei/index.html)
「やさしいEC入門」
(http://www.ecom.or.jp/qecom/demo/whatisec.htm)
※ 被害を受けたときの対処法や相談先を説明する
(4) 情報モラルに関する演習課題の「電子商取引について」のWebページを表
示する
(5) オンラインショッピングの問題点について考えさせる
① カード番号を入力するときの注意点について
※ 暗号化されているWebページ以外では,個人情報が漏えいする可能性
が高いことを説明する
② 暗号化技術について,オンラインショッピングのWebページより情報を
収集する
「楽天市場」
(http://www.rakuten.co.jp/ssl.html)
※ 暗号化されているから安全という認識を改めることを説明する
※ 個人の情報を収集することを目的としたスパイウェアの存在についても
触れ,ブラウザ操作や電子メールの送受信にも,個人情報が漏えいする危
険性があることを理解させる
まとめ (1) 個人情報をインターネットに掲載する危険性について確認する
(2) オンラインショッピングでの注意事項と,被害を受けたときの対処方法につ
いて確認する
(3) Webページが暗号化されていても安全ではないこと,疑わしき情報には手
を出さないことを理解させる
- 62 -
(3) 学習指導案3
教科
情報
科目
情報C
題材名
チェーンメール,スパムメールについて
本時の目標
(1) 無意味な電子メールに対する対応について理解できる。
(2) スパムメールなどを使い,ダイヤルQ2などにアクセスするWebページの存在について
理解できる。
過
程
学
習 内
容
及 び
留
意 点
導
入 (1) 校内LANのサーバに構築した,情報モラルに関する演習課題の「チェーン
メールについて」のWebページを表示する
(2) 「寄付を求める電子メールが届いたらどうするか」と発問する
展
開 (1) チェーンメールについて,Webページから情報を収集する
「迷惑メール対策室」
(http://plaza19.mbn.or.jp/~tobita/meiwaku/)
(2) Webページより収集したチェーンメールの例を発表させる
① コンピュータウイルスの情報を提供する電子メール
② 難病の寄付を求める電子メール
③ テレビやラジオ番組の企画を語った電子メール など
(3) 実際に,チェーンメールが送信されてきたとき,どうするかを発問する
① 信じて次の人に送信する
② 無視して削除する
③ 送信相手の対して抗議する
④ 判断できないので,他の人に相談する
※ チェーンメールを受け取ったときは,削除することを説明する
※ 1人が5人にチェーンメールを出したときの影響を試算させる
例)5人/1回,25人/2回・・・970万人/10回・・・
※ 特に善意の電子メールを装ったものや,有名な番組名を語ったものが多
く,だまされやすいことを説明する
(4) スパムメールについて,Webページから情報を収集する
「SPAMメール対策」
(http://joe.ash.or.jp/hack/spam/spammail.htm)
(5) Webページより収集したスパムメールの例を発表させる
① 商品広告の電子メール
② キャッチセールスの電子メール
③ 出会い系サイト紹介の電子メール など
(6) 実際に,スパムメールが送信されてきたとき,どうするかを発問する
① 内容を信じる
② 無視して削除する
③ 送信相手の対して抗議する
④ 判断できないので,他の人に相談する
※ スパムメールを受け取ったときは,削除することを説明する
※ 抗議したときは,さらにスパムメールが送られてくる危険性があること
を説明する
※ ダイヤルQ2に接続するプログラムの危険性について,Webページを
から情報を収集する
「警視庁ハイテク犯罪対策」
(http://www.npa.go.jp/hightech/index.htm)
まとめ (1) チェーンメールを受け取ったときは,第三者に対して無意味な情報を送らな
いことを確認する
(2) チェーンメールはサーバに負荷をかけ,時としてサーバをダウンさせてしま
うなど,様々な影響があることを説明する
(3) スパムメールは,すぐに削除することを確認する
- 63 -
(4) 学習指導案4
教科
情報
科目
情報C
題材名
コンピュータウイルスについて
本時の目標
(1) コンピュータウイルスに関する正しい知識を身につける。
(2) コンピュータウイルスの被害を受けないための知識や,感染したときの対処方法を理解で
きる。
(3) 感染したときは関係団体へ報告するなど,対応策について理解できる。
過
程
学
習 内
容
及 び
留
意 点
導
入 (1) 「コンピュータウイルスに感染した経験」を発問する
(2) 「知っているコンピュータウイルスの事例」を発問する
展
開 (1) どのようなコンピュータウイルスが存在し,どのような被害がでているかに
ついて,Webページから情報を収集する
「IPA情報処理振興事業協会」
(http://www.ipa.go.jp/security/)
※ インターネットでは電子メールを媒体にしたコンピュータウイルスが多
いことを説明する
※ 電子メールを感染媒体とするコンピュータウイルスは,アドレス帳に登
録してある相手に,無作為に感染した電子メールを送信するものがあり,
被害者が加害者になる危険性があることを説明する
※ LANなどのネットワークでは,1台が感染すると複数の端末に影響が
及ぶことを説明する
(2) 校内LANのサーバに構築した,情報モラルに関する演習課題の「コンピュ
ータウィルスについて」のWebページを表示する
(3) コンピュータウィルスに感染したときの対処について考えさせる
① 他の端末に感染させないための方策について
② 関係機関への届け出について
(4) 被害を受けないためには,どのような点に注意が必要かを考えさせる
① 件名なしの電子メールが送られてきたとき
② 身に覚えのない宛先からの電子メールが送られてきたとき
③ 不審なファイルが添付されてきたとき
※ 不審な電子メールは削除することを説明する
※ ワクチンプログラムの必要性を説明する
※ 毎日,新しいコンピュータウイルスが発見されていることを例示し,定
期的なワクチンプログラムの更新が必要なことを説明する
まとめ (1) コンピュータウイルスは,許されない行為であることを説明する
(2) ワクチンプログラムの導入で解決する問題ではなく,疑わしい電子メールや
宛先が不明な電子メールは,決して開かないよう注意を促す
(3) ワクチンプログラムの更新など,メンテナンスの必要性について確認する
- 64 -
(5) 学習指導案5
教科
情報
科目
情報C
題材名
知的所有権について
本時の目標
(1) 知的所有権の趣旨や内容について理解できる。
(2) Webページの情報について,正しい利用法が理解できる。
(3) 著作物の正しい利用法が理解できる。
過
程
学
習 内
容
及 び
留
意 点
導
入 (1) 知的所有権の意味を説明する
(2) 校内LANのサーバに構築した,情報モラルに関する演習課題の「著作権に
ついて」のWebページを表示する
(3) 身の回りのどのようなものに著作権があるかを発問する
展
開 (1) 著作権Q&AのWebページを利用して演習を行う
※ 各自の得点から,著作権に対する理解度を把握させる
(2) 演習後,次の点について確認する
① 著作権の権利発生時期と保護期間
② 著作権はプロとアマチュア,出来の良し悪しに関係なく発生する
③ 生徒が作成した作文や絵画にも著作権が存在する
(3) 著作権の侵害について,Webページから情報を収集する
「インターネット事件を追う」
(http://www.mainichi.co.jp/digital/netfile/)
※ Webページに掲載されている画像,写真も著作権が存在することを理
解させる
※ 著作物を利用するときは,著作権者の許諾を得る必要があることを理解
させる
(4) 著作物を利用するときの手続きについて考えさせる
① どの団体に手続きをすればよいか
② どのような手続きが必要か
③ 費用はかかるか
(5) 著作物を利用するときの手続きについて,相談窓口を設けている団体のWe
bページを検索して調べる(日本音楽著作権協会,コンピュータソフトウェア
著作権 協会など)
(6) 著作権者の許諾を得なくとも,著作物を利用できる場合があることを説明す
る
① 個人的に使用する場合
② 書籍から引用した場合
※ 引用部分が本文より多くならないこと,題名・著者名を明記すること,
本文と引用文の区別を明確にするなど,引用に関する注意事項を説明する
③ 点字による複製の場合
④ 著作権フリーの素材集などを利用する場合
※ 著作権法では認められていても,取り扱いによっては著作権の侵害とな
るおそれがあることを説明する
まとめ (1) 著作権法により,創作物が平等に保護されていることを説明する
(2)「知らなかった」で済まされる問題ではないことを確認する
(3) 著作物の利用を禁止しているのではなく,正しい手続きで利用することが必
要なことを確認する
- 65 -
(6) 学習指導案6
教科
情報
科目
情報C
題材名
不正アクセス行為について
本時の目標
(1) 不正アクセス行為(侵入行為,なりすまし,サービス妨害)の具体的な内容について理解
できる。
(2) パスワードの管理の重要性など,不正アクセス行為を防ぐための方策について理解できる。
過
程
学
習 内
容
及 び
留
意 点
導
入 (1) 校内LANのサーバに構築した,情報モラルに関する演習課題の「不正アク
セスについて」のWebページを表示する
(2) ネットワーク社会の危険性について説明する
(2) 個人も不正アクセス行為の危険にさらされていることを説明する
展
開 (1) 不正アクセス行為にはどのようなものがあるか,Webページから情報を収
集する
「IPA情報処理事業振興協会」
(http://www.ipa.go.jp/security/index.html)
「コンピュータ緊急対応センター」
(http://www.jpcert.or.jp/)
(2) 不正アクセス行為の種類や内容について説明する
① 侵入行為(コンピュータに侵入し,データの改ざんや削除,パスワードを
盗みだす行為)
② なりすまし(他人のID,パスワードを不正取得して侵入する行為)
※ 大型コンピュータやサーバのみが標的ではなく,インターネットに接続
している家庭のコンピュータも,標的となる可能性があることを説明する
(3) 不正アクセス行為を防ぐために注意する点を発問する
① パスワードの管理について
※ パスワードを電話などで確認する業者はないことや,連番や生年月日な
ど推測しやすいパスワードは設定しないことを理解させる
② Webページからのデータのダウンロードについて
※ スパイウェアが組み込まれているWebページが存在しており,個人情
報が流出する危険性を説明する
③ ブラウザの設定項目の変更について
※ ブラウザのセキュリティレベルを調整する機能や,悪用の危険性がある
「Cookie」
,
「Active X」の受入の設定について説明する
(4) 被害を受けたときは,どのように対応したらよいかを発問する
① 警察などの機関に届け出る
② ハードディスクを初期化し,OSを再インストールするなど,不正アク
セスの被害の拡大を防ぐ
まとめ (1) インターネットの利用は,不正アクセス行為の危険性があることを確認する
(2) パスワードの管理は厳重に行うことを確認する
(3) 悪意を持った第三者に踏み台にされ,別のユーザに対し攻撃を加える恐れも
あるなど,被害者・加害者の両方になる危険性を説明する
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(7) 学習指導案7
教科
情報
科目
情報C
題材名
違法な商品の販売について
本時の目標
(1) 麻薬や凶器など違法・非合法な商品販売について良識ある考え方を身につける。
(2) 購入すること自体が犯罪行為と理解できる。
過
程
学
習 内
容
及 び
留
意 点
導
入 (1) 「違法な商品とはどのようなものがあるか」と発問する
(2) 違法な商品の販売について,Webページから情報を収集する
「不正商品対策協議会」
(http://www.aca.gr.jp/intro.htm)
展
開 (1) 校内LANのサーバに構築した,情報モラルに関する演習課題の「薬物販売
について」のWebページを表示する
(2) 違法な商品売買の危険性について,電子掲示板を利用して意見交換を行う
① インターネットで販売されている違法な商品の種類について
② 何が違法なのか
※ 薬物の情報を扱ったWebページが多く存在していることを説明し,検
索エンジンを利用してヒット数を確認させる(キーワード 向精神薬,ド
ラッグなど)
(3) 違法な商品についての具体的な事例,対処法,公開したときの処罰について,
Webページから情報を収集する
「警視庁ハイテク犯罪対策」
(http://www.npa.go.jp/hightech/index.htm)
① 違法な商品を扱うWebページを公開したとき,どのようなことになるか
② そのようなWebページを見つけたとき,どのような対処が必要か
(4) 次の事例を提示し,違法か合法かについて,電子掲示板を利用して意見交換
を行う
① 通院先の病院で処方された薬が,インターネットで販売されていたとき
※ 医師の処方箋がない医薬品や,麻薬類,毒劇物の販売及び購入等は厳し
く処罰されることを説明する(関係法律:薬事法,覚せい剤取締法,麻薬
及び向精神薬取締法,大麻取締法など)
※ 薬の情報には正規なものも存在するが,薬の服用感レポートや睡眠薬の
入手方法など悪意を持ったものもあることを理解させる
② 外国の宝くじがインターネットで販売されていたとき
※ 日本国内で販売したり購入することは,禁止されていることを説明する
③ 海外では合法とされている薬が,インターネットで販売されていたとき
※ 海外では合法でも,商品を国内に持ち込むと日本の法律が適用されるこ
とを説明する
まとめ (1) 違法な商品を購入することは,犯罪行為であることを確認する
(2) 違法なWebページを発見したときは,関係機関への相談や届け出を行うこ
とを確認する
(3) 海外から商品を購入するときの相談機関について説明する
「個人輸入通関相談センター」
(http://www.tsukangyo.or.jp/soudan.htm)
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(8) 学習指導案8
教科
情報
科目
情報C
題材名
インターネットを利用した詐欺行為について
本時の目標
(1) インターネットを悪用した詐欺行為や,オンラインショッピングの問題点について理解で
きる。
(2) インターネットを利用した代金決済の問題点について理解できる。
(3) オンラインショッピングで被害者にならないために,消費者としての自覚と態度を身につ
ける。
過
程
学
習 内
容
及 び
留
意 点
導
入 (1) インターネットを利用した個人売買や,インターネット・オークションを利
用した経験を発問する
(2) 「インターネットを利用した代金決済の方法にはどのようなものがあるか」
と発問する
展
開 (1) 店頭による商品購入とインターネットの商品購入を比較して,オンラインシ
ョッピングの問題点について考えさせる
① 店頭による商品購入の流れはどのようになっているか
※ 対面販売により商品説明を受ける→手にとって確認する→商品の選択→
購入
※ 接客態度,品揃え,評判,客の入り具合などを,総合的に判断して購入
する
※ 時間的,地理的な制約がある
② オンラインショッピングによる商品購入の流れはどのようになっているか
※ Webページ閲覧→商品情報の確認→商品の選択→購入
※ 限られた情報(品名,画像,型番,数量,単価)の中から判断して商品
を購入する
※ 購入の簡便さと引き替えに信用確認は保留される
(2) 校内LANのサーバに構築した,情報モラルに関する演習課題の「インター
ネットを利用した詐欺行為について」のWebページを表示する
(3) 個人売買やインターネット・オークションの問題点について考えさせる
① 個人売買の危険性について
② 詐欺行為の手口について
※ インターネット・オークションでの雲隠れ行為や,マルチ商法などの詐
欺行為について説明する
(4) 相談事例や具体的な対処方法について,Webページから情報を収集する
「国民生活センター」
(http://www.kokusen.go.jp/soudan/jirei/index.html)
※ オンラインショッピングは,通信販売以上に注意が必要であることを理
解させる
まとめ (1) インターネットの取引は,簡便さと引き替えに危険性を含んでいることを確
認する
(2) 個人売買では,相手の身元確認が必要であり,信頼できる相手から購入する
以外,対策がないことを理解させる
(3) 被害を受けたときは,関係機関への相談や届け出を行うことを確認する
- 68 -
2 イントラネットを利用した情報モラル教育の課題例
イントラネットを利用した情報モラル教育の指導では,次に示す課題例をCD-ROMに収録
した「情報モラルに関する演習課題」の各課題に差し替えて利用することができる。
(1) インターネットの利用方法について
①
課題例1
京都市在住の男性は,電子メールで知り合った女子大生を京都市内で暴行し,宇治田原町の
橋から女子大生を川に突き落とし水死させた。
被害女性は「メル友に会いに行く」と言い残して外出し殺害された。容疑者とは出会い系サ
イトと呼ばれる携帯電話のサービスで知り合っていた。
京都府警は15日,この男性を殺人,死体遺棄容疑で逮捕した。
(平成13年5月)
②
課題例2
沖縄県在住の男性は,出会い系サイトに「何でもやる,殺しもやる」と相手の募集を掲載し
ていた。この電子メールを見た男性から連絡が入り,2人で市内の喫茶店への強盗に入った。
証拠を隠すために,互いの名前はあかさずにサイト上のニックネームで呼び合っていた。
沖縄県警と宜野湾署はこの男性2人を強盗の疑いで逮捕した。
(平成13年4月)
(2) 個人情報の漏えいに関する問題について
①
課題例1
岡山市在住の男性は,以前交際していた女性会社員についての,みだらな文書と電話番号な
どの個人情報を,出会い系サイトの掲示板に書き込み,アクセスすれば自由に閲覧できるよう
にしていた。
岡山県警岡山南署はこの男性を名誉棄損の疑いで逮捕した。
(平成13年7月)
②
課題例2
神奈川県在住の会社員は、同僚の女性のIDやパスワードを使い8回にわたって電子メール
を盗み見ていた。女性と一緒にプロバイダと契約する時に,IDとパスワードを覚えていた。
女性がパスワードを変更すると,パスワードを忘れた人が利用するサービスを悪用して,本
人になりすまして新しいパスワードを得て犯行に及んでいた。
警視庁ハイテク犯罪対策総合センターと新宿署はこの会社員を不正アクセス禁止法、電気通
信事業法違反(通信の秘密の侵害)の疑いで逮捕した。
(平成13年8月)
(3) チェーンメール,スパムメールについて
①
課題例1
スパムメールの例
「いますぐアクセス! ポイントにより最高10万円プレゼント」
このたび,画期的な企画が誕生しました。下のURLにアクセスするたびにポイントがたま
り,何と,最高で10万円があなたの手に。期間限定(12/31まで)のスペシャルイベントを開
催中です。 このチャンスを逃すのはもったいない。友達にも教えてあげよう。
- 69 -
②
課題例2
チェーンメールの例
この メールは,ハッピーwinterメールといって,受け取った人はみんな幸せになれ
るメールです。好きな人と両思いになれる,大金が入る,試合に勝てる,成績が大幅に上がる,
ヤセる,肌がきれいになる,髪がサラサラになる,異性の注目のまとになれる,などなど,効
果は抜群です!願いが2週間以内に必ずかなうんです!試してみれば分かります。実際にこの
メールは,いろいろな雑誌に取り上げられています!
さぁ,願いをかなえたかったらこのメールを3時間以内に8人の人にまわすのです!もし,
まわさなかった人は必ず不幸になります!財布を落とす,イメチェンに失敗する,失恋する,
ケガをする,友達とケンカする,成績が落ちる,などの事が起こります!タレントの○●○●
ちゃんも,ある雑誌で証言しています!
とにかく,早くまわしてしまう事です。
(4) コンピュータウイルスについて
①
課題例1
世界的に流行している新種のコンピューターウイルス「サーカム(Sircam)」が,電
子メールを通じて滋賀県庁のコンピュータに入り込んで4台に感染した。このウイルスは,電
子メールで発信され,添付ファイルを開くと感染する。感染すると電子メールソフトのアドレ
ス帳に登録されているアドレスや,過去に閲覧したWebページにでているアドレス先まで,
感染した電子メールを送信する。
(平成13年7月)
②
課題例2
出会い系プログラムを装ったウイルスTROJ_MATCHER.Aは,Microsoft社のOutlookを媒体に広
がり,アドレス帳に登録された宛先全部にウイルス本体を複製して送信するウイルスである。
システムを破壊するような症状はでないが,頻繁に電子メールを送信するため,ネットワーク
のトラフィックを混雑させる可能性が高くなる。
電子メールのタイトルはMatcherで,MATCHER.EXEというファイルが添付されており,本文中
には「あなたの恋人を探します」といった内容が書かれている。添付ファイルを開いた時点で
感染し,起動するごとに自分自身を添付した電子メールを,アドレス帳の宛先全部に2回づつ
送信する特徴を持っている。
(平成13年4月)
(5) 知的所有権について
①
課題例2
愛知県警生活経済課と西署は,一太郎などのビジネスソフトを無断でCD-Rにコピーし販
売したとして,京都市の会社員と専門学校生を著作権法違反の疑いで書類送検した。
会社員は約8カ月間で107人に、専門学校生は約3年間で231人に販売していた。共にプロバ
イダが運営する電子掲示板に広告を出して客を募っていた。
(平成13年10月)
- 70 -
②
課題例1
ゲームソフトメーカー71社は,違法コピーしたコンピュータゲームソフトを販売していたと
して,ソフト販売店の経営者を東京地裁に提訴した。この経営者に対して3111万円余の賠償を
求めている。
このソフト販売店は昨年9月までの半年間に、計約340タイトル(約3300本)の海賊版ソフト
を正規品の4分の1程度の価格で販売した。経営者は昨年12月、著作権法違反で福岡地検から
起訴され、有罪が確定している。
(平成13年10月)
(6) 不正アクセス行為について
①
課題例1
鹿児島県在住の女性は,市内のプロバイダに,不正に入手した知り合い男性のパスワードな
どを勝手に使って接続しインターネットを利用していた。
男性とは以前同じ会社に勤務しており,男性がプロバイダに加入した際に接続手続きなどを
手伝ったことからパスワードなどを知り,男性あての電子メール約100通を勝手に読んでいた。
(平成13年4月)
①
課題例2
大阪府在住の私立大学1年生は,高校3年生の時に,インターネットでIDとパスワードの
不正入手の方法を知り,プロバイダの管理者を装い,Webページを運営している大阪府内の
女性に対して,セキュリティ異常のため,IDとパスワードを送信するように,虚偽の電子メ
ールを送信し,送られたIDとパスワードを使って,Webページの改ざんや電子メールの盗
聴,パスワードの変更をしていた。
警視庁はこの大学1年生を不正アクセス禁止法違反の疑いで逮捕した。
(平成13年5月)
(7) 違法な商品の販売について
①
課題例1
和歌山市内の男性2人は,2月上旬,県内の公立高校在学中のアルバイト店員8人の携帯電
話に「21世紀やからドリンク,生ビールなどオール21円。来てください」などと書いた電子
メールを送信した。この電子メールを,アルバイト店員を通じて同級生などに転送させ,電子
メールを見て来店した和歌山市内の公立高校生4人にビールを提供していた。
和歌山西署は21日,風営法違反(禁止行為)の疑いで書類送検した。
(平成13年5月)
②
課題例2
名古屋市在住の無職の男性は,インターネットの掲示板に女性の名で「ハルシオン売ります。
ご希望の方は連絡下さい」と,広告を掲載し販売していた。
男性は,不眠症と偽り8カ所の病院からこれらの薬を入手していた。インターネットで販売
広告を出して9回にわたり,ハルシオンなど計152錠を7人に対し送り,その代金計21万6,000
円を同容疑者名義の普通預金口座に振り込ませた。
栃木県警と宇都宮中央署は,この男性を麻薬取締法違反容疑で逮捕した。(平成13年4月)
- 71 -
(8) インターネットを利用した詐欺行為について
①
課題例1
神奈川県在住の男性は,昨年4月にインターネットオークションで「コンピュータを買って
ください」と書き込み,東京都新宿区の男性に10万円を振り込ませた。しかし,コンピュータ
は渡さずに代金をだまし取った。同オークションを悪用した詐欺の摘発は,県内では初めてで
あった。
神奈川県警は男性を詐欺の疑いで逮捕した。
(平成13年5月)
②
課題例2
福岡市在住の男性は,不特定多数の相手に「即金ビジネス,みんなで稼ごう」「今なら狙え
る大台5,000万円」などと,ねずみ講に勧誘する電子メールを送信した。
この仕組みは,紹介を受けて入会した会員が参加費12,000円を開設元の銀行口座に支払って
入会し,会員を1人勧誘するごとに,2,000円が分配されるようになっていた。
福岡県警生活経済課と博多署は,インターネットでねずみ講を開設していたとして,無限連
鎖講防止法違反(ねずみ講)の疑いで,自宅などを家宅捜索した。
(平成13年4月)
- 72 -