【資料5】東北地域における農水産品等の輸出拡大に向けて

資料 5
東北地域における
農水産品等の輸出拡大に向けて
東北国際物流戦略チーム
平成27年 3月 5日
- 目
次 -
1.平成25年度
平成 年度 前年度の報告と指摘事項
2 平成26年度の取り組み内容
2.平成26年度の取り組み内容
2-1 農水産品輸出を取り巻く情勢
2-2 東北地域における取り組みと進展
【 査】
【調査】
2-3 ビジネスモデルを検討する上での個別事例の深掘り
2-4 プラットホームで見る全国の先行事例
【結果報告】
2-5 検討会結果報告と提案
2-6
2
6 東北におけるビジネスモデルの提案
2-7 東北国際物流戦略チーム幹事会の開催
3 平成27年度の取り組み方針(案)
3.平成27年度の取り組み方針(案)
1
1.平成25年度 前年度の報告と指摘事項
■取り組み経過
○H25dは「物流」という視点から農水産品の輸出拡大を考えるための勉強会を開催。(全3回)
第1回 平成25年10月 1日
広域的な集荷や効率的な輸送方法、分野別の連携、輸送課題
第2回 平成25年12月18日
東北における輸送実態の把握、先進事例考察、連携の可能性
第3回 平成26年 2月26日
輸出拡大に必要な機能と連携、支援体制のあり方
○先進事例等から、東北における課題や対応方策、輸出拡大に向けて必要な機能・連携等をとりまとめ。
■まとめ (第8回本部会での報告と指摘)
【報告事項】
・東北地方における農水産品等の輸出拡大に取り組むうえでの基礎情報や課題検証結果
・輸出事業者の意見や事例からの効率的輸送方法の検証
輸出事業者の意見や事例からの効率的輸送方法の検証
・全国の先進事例の取り組み(分析結果)
・東北地方から安定的な輸出に向けた必要機能と対応イメージの提案
【本部会での指摘】
・実際に輸出事業に取り組むうえでの輸出課題を深掘りし、現実的な課題を検証すること。
(輸出事業者のニーズ把握)
・効果的な機能連携のあり方を整理し、実用的な協力体制や支援体制の構築を進め行動計画を立案すること。
2
2.平成26年度の取り組み内容
2-1
2
1 農水産品輸出を取り巻く情勢
円相場と農産物輸出動向
・円安基調下にあって、我が国の農林水産物・食品の輸出額は順調に伸ばしている。
・日本の円相場は、2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災から円高が続いていたものの、
日本の円相場は 2008年のリ マンシ クや2011年の東日本大震災から円高が続いていたものの
近年は円安傾向で、2013年の農林水産物・食品の輸出額は対前年比22.4%増の5,506億円と過去
最高を記録した。
・輸出額増加の要因の一つとして円安の影響があり、円安によりコメ等の一部の日本産の農林水産
輸出額増加の要因の
として円安の影響があり、円安 より
等の 部の日本産の農林水産
物に値ごろ感がでたと指摘されている。
USD/JPY
130
120
リーマンショック
110
100
90
80
東日本大震災
70
60
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
リーマンショック
円相場の動向
出典)Principal Global Indicators
東日本大震災
日本産農林水産物・食品輸出額推移
出典)財務省貿易統計を基に農林水産省作成
3
2.平成26年度の取り組み内容
近年の我が国の農水産物・食品輸出拡大に向けての動向
農
食 輸
動
平成25年6月に発表された「日本再興戦略」で内閣府では、
①世界の料理界で日本の食材の活用推進(Made FROM Japan)、
②日本の「食文化・食産業」の海外展開(Made BY Japan)、
p
③日本の農林水産物・食品の輸出(Made IN Japan)、
の取組を一体的に推進し、農林水産物・食品の輸出額を2020年までに1兆円規模への拡大を目指す、としている。
図 食文化・食産業のグローバル展開
出典:農林水産物・食品の国別・品目別輸出戦略、平成25
年8月 農林水産省
年8月、農林水産省
図 国別・品目別戦略のイメージ
4
近年の我が国の農水産物・食品輸出拡大に向けての動向
・内閣府では農林水産物・食品の輸出額を、2020年に「1兆円」、2030年「5兆円」にする、という目標
を掲げた。
・また、平成26年6月に立ち上がった農水省の「グローバル・フードバリューチェーン戦略」では、海外
での生産やサービスも含む海外売上高を2020年に「5兆円」、2030年に「20兆円」と掲げている。
名称
決定年月日
(改訂年月日)
目標年次
標年次
目標・指標及び輸出品目、輸出対象国・地域
標 指標 び輸出品
輸出対象国 地域
日本再興戦
略
(内閣府)
平成25年6月14日
2020年
●世界を惹きつける地域資源で稼ぐ地域社会の実現
<市場規模>
・農業・食糧関連産業生産額:120兆円
・世界の食市場規模:680兆円
<目標指標>
・6次産業の市場規模:10兆円
・農林水産物・食品の輸出額:1兆円
平成26年6月24日
変更なし
変更なし
平成25年12月10日
2020年
●国内外の需要を取り込むための輸出促進、地産地消、食育等の推進
・農林水産物・食品の出荷額:1兆円
・加工・業務用野菜の出荷量:5割増
●6次産業化等の推進
・6次産業化の市場規模:10兆円
・新たに「強み」のある農畜産物の創出:100件以上(今後3年間目標)
●林業の成長産業化
・国産材供給量:3
国産材供給量:3,900万㎥
900万㎥
●水産日本の復活
・魚介類生産量(食用):449万t(2022年)
・国産水産物輸出額:3,500億円
・魚介類消費量:29.5kg/人年(2022年)
平成26年6月24日
変更なし
●国内外の需要を取り込むための輸出促進、地産地消、食育等の推進
・農林水産物・食品の輸出額:2030年に5兆円(追加)
●6次産業化等の推進
・活性化プロジェクト10,000事業程度を立ち上げ。
農林水産
業・地域の
活力創造プ
ラン
(農林水産
業・地域の
活力創造本
部)
5
2.平成26年度の取り組み内容
近年の我が国の農水産物・食品輸出拡大に向けての動向
名称
決定年月日
(改訂年月日)
目標年次
目標・指標及び輸出品目、輸出対象国・地域
農林水産物・食品
の国別・品目別輸
国別 品目別輸
出戦略
(農林水産省)
平成25年8月
2020年
●2020年までに農林水産物・食品の輸出総額:1兆円の内訳
<重点品目>
・水産物:3,500億円
・加工食品:5,000億円
・コメ・コメ加工品(包装コメ飯、日本酒含む):600億円
・林産物:250億円
・花卉:150億円
花卉
億円
・青果物:250億円
・牛肉:250億円
・茶:150億円
<重点国・地域>
・新興市場:EU,ロシア、ベトナム、インドネシア、インド、フィリピン、タイ、シンガポール、
新興市場 EU ロシア ベトナム インドネシア インド フ リピン タイ シンガポ ル
マレーシア、ミャンマー、中東、ブラジル
・安定市場:コメ国、韓国、台湾、中国、香港
改定検討中
(第1回輸出戦略実
(第
回輸 戦略実
行委員会資料「輸
出戦略の検証シー
ト(案)概要」平成26
年6月26日)
中間目標
年次
年
(2016年)
を新たに
設置
●2016年までに農林水産物・食品の輸出総額:3,588億円の内訳
<中間目標>
・水産物:2,600億円
・コメ・コメ加工品:280億円
・林産物:190億円
・花き:135億円
・青果物:170億円
・牛肉:113億円
・茶:100億円
平成26年6月6日
2020年
●2020 年度の食関連産業(食料品製造業・飲食サービス業)の海外売上高:約5兆円
(2010年度:約2.5兆円))
●2030年度の食関連産業の海外売上高:約20兆円
※海外売上高は、企業が自国以外で製品を販売したり、サービスを提供したりして得た売
上高のことをいい、これには国内からの輸出の他に、海外で生産し販売した分も含む。
グローバル・フー
ドバリューチェー
戦
ン戦略
(農林水産省 同
上戦略研究会)
6
2.平成26年度の取り組み内容
2-2 東北地域における取り組みと進展
東北各県の動向
・東北地域農林水産物等輸出促進協議会(東北農政局)では、国の農林水産物の輸出促進
政策の実現に向けて活動しており、各県へも積極的に働きかけている。
・一方、東北6県においては、輸出拡大の動きは、必ずしも一線上にはなく、各々が独自の
方 東北 県 お
は 輸出拡大 動きは 必ずしも 線上 はなく 各 が独自
取り組みを進めている。各地域により具体的な目標数値を掲げながら取り組んでいる状況。
(自地域ブランドの育成)
・県毎に輸出重点品目をみると、基本的には自県の特産品にこだわり、自県の特産品を輸出
したいとの意向を有するが、「コメ」や「りんご」など輸出目標とする産品が共通するものがある。
・また同様に輸出先をみると、香港、台湾など輸入規制の比較的少ない国が多い。
このほか今後の展開方向として、中国や韓国などの東アジア、ベトナム、タイなどの
東南アジアをにらむなど 共通の方向性がある
東南アジアをにらむなど、共通の方向性がある。
・以上のことから、東北各県の輸出品目や輸出国が重なる部分については、輸出の一元集荷、
共同輸送を図る必要が出てくるものと思われる。
共同輸送を図る必要が出てくるものと思われる
7
2.平成26年度の取り組み内容
■東北各県の目標設定(H26年度)
東北各県の輸出促進に関する動向 (参考)(事務局調べ)
農政局
東北各県
名称
(事務局)
平成26年度「輸
出戦略実行委
員会 東北地方
ブロック意見交
換会」 (農林水
産省)
東北地域輸出
促進協議会 農
林水産物等の
輸出連絡会議
(東北農政局)
【青森県】
青森県輸出拡
大戦略(青森県
観光国際戦略
推進本部)
【宮城県】
宮城県食品輸
出促進協議会
【山形県】
山形県新農林
水産業元気再
生戦略推進会
議
【秋田県】
商業貿易課
【岩手県】
農林水産流通
課
【福島県】
県産品振興戦
略課・農産物流
通課
決定年月
日
平成26年7月16
日開催
平成26年7月7
日開催
平成26年3月
-
-
-
-
-
目標年度
前年同様
前年同様
平成30年度
設定無
前年同様
-
-
-
目標指標
前年同様
前年同様
設定無
前年同様
-
-
-
輸出品目、 前年同様
輸出対象
国・地域
前年同様
農林水産品の輸
出額:210億円
●輸出品目
コメ、りんご、な
がいも、日本酒
水産品、加工食
品など
●輸出対象国・
地域
香港 台湾 タイ
香港、台湾、タイ、
インドネシア、ベ
トナム、コメ国な
ど
●青森県ロジス
ティック戦略の
策定
●同、青森県総
合流通プラット
フォーム編取り
組み
●輸出品目
コメ、日本酒、牛
肉、豚肉、鶏卵、
乳製品、青果物、
水産品など
●輸出対象国・
地域
香港 台湾 中
香港、台湾、中
国、韓国、ロシア
●輸出品目
コメ、りんご、牛
肉、鶏卵、青果
物など
●輸出対象国・
地域
香港、台湾、中
国 マカオ タイ
国、マカオ、タイ
●東アジアへの 前年同様
輸出はコメ、水
産物(冷凍物:サ
ンマ、サバ、シャ
ケ、スケソウダラ
等、干しアワビ)、
リンゴ、牛肉の
輸出量が拡大を
希望。
●福島県が力を
入れたい品目は、
福島県の特産品
である「もも」「日
本酒」
●県産食品の輸
出促進のため、
「食材王国みや
ぎ」のプロモー
ション活動の強
化、ジェトロ等の
関係機関との連
携 香港・台湾と
携、香港
台湾と
の販路確保に向
けた事業を実施
●全県、地域別
に「元気再生戦
略推進会議」を
設置し、実現化
を図っている。
●外向けに発信
する農産品輸出
戦略はなく、当
面は策定の予定
もない。
●混載やロット
のまとまりは、商
流は基本BtoB
なので難しいと
考えている。
●「地域産業6
次化戦略」の改
訂で、農産品の
輸出戦略を作成
中。現在は、品
目、数量、相手
国の記載ないが、
記載する方向
関連動向
●輸出戦略に基
づく取組の検証、
オールジャパン
での輸出に向け
た取組体制等の
議論を行う地方
ブロック意見交
換会を開催
●輸出に取り組
む事業者への情
報提供強化(輸
出の取組を支援
している関連機
関が情報共有を
行う連絡会議開
催)
●各関係機関か
ら輸出に関する
情報提供と意見
交換
●外向けに発信
する輸出戦略資
料なし。
●農産物輸出拡
大には、庁内で
横断的に検討を
始めたが、いつ
発表できるか
発表できるか、
するかは明確で
はない。
8
2.平成26年度の取り組み内容
2-3ビジネスモデルを検討する上での個別事例の深掘り
■個別事例整理の視点
・対象重点品目の輸出を先進的に実施している事例に対し、輸出の流れを踏まえ、
対象重点
輸出を先進的 実施
る事例 対 輸出 流れを踏ま
特に注目すべき点について整理した。
・その注目すべき点において、「東北での輸出拡大への示唆」及び「求められる行政
支援 についてまとめた
支援」についてまとめた。
(先行事例選定の考え方)
・対象重点品目(米
対象重点品目(米、ながいも、りんご、もも、なし、ほたて、さんま、日本酒)の輸出
ながいも りんご もも なし ほたて さんま 日本酒)の輸出
実績のある企業(農林水産物等の輸出取組事例、農水省を参照)
・輸出量は維持、拡大基調にある企業
・直接貿易を行っているか、間接貿易でもバイヤー、エンドユーザーのニーズを把握
している企業
る企業
(とりまとめの視点) ※事例によって注目すべき視点は異なる。
❏ブランドの確立 :売れる商品育成の考え方(輸出の前提)
❏販路の確立
:バイヤー、エンドユーザーとの関係の育成
❏集荷方法
:ロットの確保、広域的な荷の集め方
❏混載方法
:小ロット貨物のコンテナ化(LCL、FCL)の方法
❏輸出手続き
:通関、検疫、各種証明書、ラベリング等の手続
❏輸送品質の保持:生鮮モノの輸送方法、利用器材
9
2.平成26年度の取り組み内容
■個別事例からみた輸出拡大のためのポイントと物流上の課題
個別事例に対し課題の深堀のため、ヒアリング調査を行った結果、輸出拡大のためのポイント
と物流上の課題は以下のように整理できる。
品目
事例
輸出拡大のためのポイント
物流上の課題
長いも
A社(北海道)
・「ブランド維持」のための通年出荷で
きる広域集荷と品質維持のための一
元管理
・利便性の高い航路の開設(例えば、仙台港から
北米へのダイレクト航路は約2週間と早いので使
い勝手が良い。)
・品質保持のための包装素材の導入(例えば
品質保持のための包装素材の導入(例えば、呼
呼
吸するプラスティックの導入)
・長いもの隙間に少量輸出野菜を混載するノウハ
ウ。これが付加価値を生む。
・-3℃の温度管理
りんご
B社(全国商社)
・「青森りんご」等ブランドの確立
・輸入相手先のパイプを、逆に輸出の
販路として利用
・安定的な生産量、産地の確保
・産地、農協ごとにバラバラな輸送用パレットの規
格の統一
・中国方面へのりんごの輸出量が増えれば、八戸
港の利用も復活
・CA(Controlled・Atmosphere)倉庫と同じ環境下
での輸送
もも
C社(山形県)
・産地価格維持のための「ブランド化」
(品質へのこだわり農家の組織化)
決まった時期に統 的な品種を出荷
・決まった時期に統一的な品種を出荷
できる産地の体制
・大手商社との連携
・仙台空港等から東南アジアへ(香港、マレーシア、
シンガポール等)の便数の充実
輸送コスト削減のため、東北の港湾から東南ア
東北の港湾から東南ア
・輸送コスト削減のため
ジアへのコンテナ航路の充実
・5℃の温度管理
なし
D社(大分県)
・出荷時期に合わせた作付(路地、ハ
ウスの別)
ウ
別)
・「ブランド維持」のため、輸出用選果ラ
インや貯蔵施設を産地に集中整備す
ること。
・輸出業者が梨の他にその他商品を選択的に混
載するノウハウ。
載する
ウ ウ。
・2~5℃の温度管理
10
10
2.平成26年度の取り組み内容
■個別事例からみた輸出拡大のためのポイントと物流上の課題
品目
事例
輸出拡大のためのポイント
物流上の課題
ほたて
E社(北海道)
・「三陸」ブランドの確立
・中国の需要拡大への対応
・在庫機能、HACCPなどの認証施設の
整備支援
・リーファーコンテナ、冷凍倉庫の確保
冷凍さん
ま
F社(宮城県)
・「三陸」ブランドの確立
(※出漁制限があるので、輸出は伸び
ない。)
・最寄り港の航路の充実(八戸港の混雑緩和等)
・-20℃以下での温度管理
日本酒
G社(宮城県)
・商品価値が理解できるマーケットの
開拓
・ワンコンテナに仕立てるバイヤーの混載ノウハ
ウ(日本酒は銘柄が多く、1社で大量に輸出する
ことは困難)
・-5℃の温度管理
11
2.平成26年度の取り組み内容
■個別事例(深掘り)整理のまとめ
~輸出事業者が求めるものは~
・利便性の高い航路の開設(例えば、仙台港から北米へのダイレクト航路は
約2週間程度(11日)と早いので使い勝手が良い。)
・輸送コスト削減のため、東北の港湾から東南アジアへのコンテナ航路の充実
・仙台空港等から東南アジアへ
(香港、マレーシア、シンガポール等)の便数の充実
・ 品質保持のための包装素材の導入
(例えば、呼吸するプラスティックの導入など)
・少量輸出野菜を混載するノウハウ。(製品の付加価値化)
・輸送上の一貫した温度管理、品質管理
・産地、農協ごとにバラバラな輸送用パレットの規格の統一
産地 農協ごとにバ バ な輸送用パ
ト 規格 統
・国別ニーズの情報把握
・CA(Controlled・Atmosphere)倉庫と同じ環境下での輸送
・リーファーコンテナ、冷凍倉庫の確保
リ ファ コンテナ 冷凍倉庫の確保
提案するビジネスモデル の反映
提案するビジネスモデルへの反映
12
2.平成26年度の取り組み内容
2-4
2
4 プラットホ
プラットホームで見る全国の先行事例
ムで見る全国の先行事例
■整理の視点
(先行事例選定の考え方)
・新聞、業界紙等で把握された取組事例に着目
・ヒアリング調査を実施
(とりまとめの視点)
・今年度は特に、実質的な活動、実績に着目
❏組織の目的
:基本的な目的は同じであるが、プラットホーム等名称は同じで
も、その意味するところは異なる点に注目
❏設立年・期間 :近年に立ち上がったところが多いこと、また期限限定の組織が
あることに注目
❏事務局
:実質的に当該組織、団体を動かしている窓口
❏主要な構成メンバー:実行部隊
❏実行段階
:多くの場合、構想、研究段階である点に注目
❏将来目標
:実効性の担保を評価する上で、将来目標が明確かどうかに着目
❏特徴的な機能・役割
:基本的目標が類似している中での、取組方の違いに着目
❏行政との連携 :行政との連携の度合い、あるいは行政からの支援の状態に着目
:行政との連携の度合い あるいは行政からの支援の状態に着目
13
2.平成26年度の取り組み内容
○近年になって、農水産物輸出に向けた組織・団体が次々と立ち上がってきている。
・政府の「日本再興戦略」の中で、農産物輸出促進策(農林水産物・食品の輸出額、2020年に1兆円、2030年に5兆
円)が打ちだされたことなどを背景に、中小の農水産物・加工品生産者の輸出促進を支援する組織・団体の設立が
相次いでいる。2012年以降、8事例(2008年以降9事例)である。
・問題意識は共通しており、小口の農水産物の輸送によるコストを軽減し、適正な価格で海外市場に輸出することで、
農産品・加工品をわが国の成長産業のひとつとして育成し、生産者、産地を活性化することにある。
・しかし、多くの取り組みはまだ立ち上がったばかりで、商業ベースに乗っている例は少ない。
輸出推進団体
設立年
設立母体
実施機関
組織の目的
①福岡農産物通商
(株)
2008年4月
【行政】
福岡県
JA福岡中央
会
【民間】
福岡農産物
通商
・ アジアを中心に美しく、おいしく、かつ安全な 福岡県産農産物等の
輸出拡大を図り、海外ニーズに応えるとともに県内農家等の所得向上
を目指す。
・県、農業団体、民間企業が出資する日本初の貿易会社
県 農業団体 民間企業が出資する日本初の貿易会社
②北海道国際輸送プ
ラットホーム推進協議
会
(HOP:Hokkaido
export Platform)
2011年10月
(研究会)
2013年9月
【行政】
北海道開発
局
【民間】
ヤマト運輸㈱
北海道支社
内
・生産者が北海道産品の輸出拡大・地域活性化を図るため、北海道
産品を直接かつ安定的に輸出できる仕組みの確立
・輸出手続き等を知らない生産者も、知らないものを知らないまま、出
来ないものを出来ないまま始められるサービスを目指す。
③一般社団法人 北
海道食産業総合振興
機構(フード特区機
機構(フ
ド特区機
構)
2012年3月
【官民】
北海道、札
幌市、江別
市、函館市、
帯広市、北
海道経済連
合会
【官民】
総合商社OB
や商社経験
者を日本・タ
イ、シンガ
ポールに配置
・農林水産物及び加工食品等の高付加価値化等による商品開発、生
産拡大及び販売促進のため、産学官及び地域間連携を推進し、食品
生産体制の強化する。
・輸出に関しては、海外での市場調査や販促活動のほか、新たな鮮
度保持輸送技術等について調査研究し、北海道産農水産物・加工食
品の輸出拡大を支援する。
④「関西・食・輸出推
進事業協同組合」
2013年8月
【民間】
新関西国際
空港㈱他
【民間】
新関西国際
空港㈱他
・関空を拠点とし、中小事業者では成し得ない商流や物流の課題を解
・関空を拠点とし
中小事業者では成し得ない商流や物流の課題を解
決し、組合というスケールメリットを発揮して、共同で多品目のパッ
ケージ化商品の提案や海外販路の拡大を図る。
14
2.平成26年度の取り組み内容
輸出推進団体
設立年
設立母体
実施機関
機
組織の目的
⑤ジャパン・メイド・プ
ロダクツ輸出促進振
興協議会(JPEC)
2013年 9月
【民間】
オールジャパン
丸紅㈱
青物卸
全日本空輸
みずほ銀行
日本通運
博報堂
りんご農家
【民間】
丸紅㈱
・生産者、国内成果流通事業者、国内輸出商社等が三位一体となり、
農業所得の向上に資する輸出振興の実現(成功できるプラットフォー
ムづくりを実現)
⑥関西フードエクス
ポート&ブランディング
協議会
(KANSAI FEB)
2014年4月
【民間】
新関西国際
空港㈱他
【民間】
新関西国際
空港㈱他
・中小企業からなる「関西・食・輸出推進事業協同組合」の動きを加速
させ、会員数を増やし継続した活動とるため、大手企業がコアになっ
て設立
⑦築地(東部)国際化
プロジェクト
2014年4月
【民間】
東京魚市場
卸協同組合
【民間】
東京魚市場
卸協同組合
・水産物の輸出を爆発的に増やしていけるようなプラットホームの構
築
・・新市場で国際的に通用する市場を目指す(ハード・ソフト両面で輸
環境を整備)
・卸売市場としての強みをパッケージとして発揮
卸売市場としての強みをパ ケ ジとして発揮
⑧「青森県総合輸送
プラットホーム」連携
協定
2014年7月
~2018年ま
での5年間
の協定
【官・民】
青森県
ヤマト運輸
㈱仙台支社
【民間】
ヤマト運輸㈱
仙台支社
・青森県産の農林水産品を対象に、青森県内の生産者・事業者の
ニーズを捉え、鮮度・品質を維持し、日々出荷可能である恒常的な輸
送プラットホームの構築
⑨東北海外展開加速
化協議会
2014年8月
~2016年3
月までの2
年間
【民間】
一般社団法
人 東北経
済連合会
【民間】
一般社団法
人 東北経済
連合会
・被災3県(岩手、宮城、福島)が連携し海外に販路を広げる生産者を
後押しする。
・生産者が輸出に取り組む上でボトルネックとなっているロット確保や
物流効率化等を広域連携により解決するモデルを構築
※各団体ホームページ等から東北地方整備局にて整理
15
2.平成26年度の取り組み内容
■先行事例整理のまとめ
❏組織の目的
:「小ロットで、鮮度管理の難しい農水産品を、ロットをまとめ、鮮度を保ちなが
ら、各国の規制や様々な輸出手続ききを代行し、農水産品の輸出拡大、産
地の育成を目的とした総合的な役割を担うこと。」に集約される。
:一方、「プラットホーム」の意味するところは、以下のような視点がある。
☑情報共有の場
☑よろず相談窓口
☑ 気通貫の物流システム(ソフト)
☑一気通貫の物流システム(ソフト)
☑一気通貫の物流そのもの
❏設立年・期間 :2012年以降、全国に少なくとも8団体が立ち上がっている。
:パイロット的位置づけのため、期間限定の組織がある。
❏事務局
:コアとなる企業が窓口になっている例が多い。
コアとなる企業が窓口にな ている例が多い
❏主要な構成メンバー:コアとなる企業、企業体となっている場合が多い。
:行政や関係団体は、諮問機関のような存在。
❏実行段階
:立ち上げ時期から間もないことから、多くの場合、構想、研究段階にある。
:しかし実現することが前提であることから、パイロット事業、トライアル事業、
テストマーケティングなど段階的に取り組んでいる。
❏将来目標
:立ち上げ時期から間もないことから、 明確な数値目標を持つ団体は少ない。
効率的な輸送の実現、一貫した輸出機能の構築
❏特徴的な機能・役割
:「売りたいものから、売れるもの」を前提に、商品のブランディングを重視する
傾向が強くなっている。
❏行政との連携 :立ち上げ段階では行政がきっかけとなっている場合が多い。
:立ち上げ段階では行政がきっかけとなっている場合が多い
:農水省やJETRO等補助金を活用している例が多い。
16
検討結果報告と提案
17
2.平成26年度の取り組み内容
2-5
2
5 検討結果報告と提案
【 検討経過 】
○ 幹事会に先立ち、下記の通り関係者による意見交換会を実施。
名称:東北地域における農水産品等の輸出拡大ビジネスモデル検討会
日時: 平成26年12月25日
14:00~16:00
場所: 花京院スクエア 9階会議室
参加者団体:東北国際物流戦略チーム事務局
東北国際物流戦略チーム参画団体ほか、(株)日本政策金融公庫 等
のべ27団体
❏検討会内容 :
①支援体制・行動計画立案に向けた方向性の検討
・最新情勢及び輸出事例から見る課題と対応(課題の深掘り)
関係機関 のヒアリング及び意見交換
・関係機関へのヒアリング及び意見交換
②次年度の取り組み案
・東北地域における農水産品等の輸出ビジネスモデルの提案
・ビジネスモデル(例)の提示
18
2.平成26年度の取り組み内容
❏検討会における意見提言
・国内と海外の商流について同じように対応できることがシステムが理想的。
・地域の中小企業が直接輸出を行うことは難しい。商社等の事業者に期待することも賛成。
地域の中小企業が直接輸出を行うことは難しい。商社等の事業者に期待することも賛成。
専門の輸出事業者から商品を売るところから指導をいただく、また代わりに商談を行ってもらうなど、
間接輸出を支援するといった形もある。
・東北にプラットホームができていれば輸出したいという潜在需要もあるのではないか。
企業がビジネスモデルに参加するだけでなく、企業提案を受けてビジネスモデルを構築するということも大事。
・物流について東北地方ならではの課題は横もちの時間。リードタイムを短縮する経費は相当な重荷になって
いるため、国の機関が支援するべきなのはそういったところではないか。
・持続性が担保できる助成、制度設計を行ってほしい。(初期段階の支援。民間のビジネスベースなら別)
・ビジネスモデルを動かす中で、それぞれの行政機関でどういう役割を担えるのかというところが重要なポイント
ビジネスモデルを動かす中で、それぞれの行政機関でどういう役割を担えるのかというところが重要なポイント
・色々なツールがあっていいと思うので、テストやトライアルをたくさん行った方がいい。
ビジネスモデルを一度動かしてみる、走らせてみるということは重要。
・輸出額や輸出量を目標とするのか、産地の所得向上を目標とするのか、どちらにしてもトライアルの実施を
予定するなど、ビジネスモデルを段階的に整理できればもっとわかりやすくなるのではないか。
・東北特有の課題への対応(ハードとソフト)
東北はマーケットが小さく量が確保できないことや横持ち費用がかかってしまうこともあり、現地の事業者と
相談するときに厳しい提案をせざるを得ないのが現状である。例えば低温輸送しなければいけない商品も
低温輸送できなかったり、輸送時間がかかるので結果として販売期間を短くするといった課題がある。
・モデル選定条件の視点の中にコストパフォーマンスといったことをしっかりイメージしてプレーヤ選定を工夫。
・いきなりオールジャパンで集約することは難しい産地→県→東北→全国のような段階であっても良い。
・地元の産地を利用した、地に足がついた海外との取り引きが重要。
・拙速な取り組み、提案ではなく、様々なモデルケースを検討議論して行くことも必要。
拙速な取り組み、提案ではなく、様々なモデルケ スを検討議論して行く とも必要。
・地方港を利用したビジネスモデルを作ろうとしているのは画期的な発想。
・港湾や空港間の連携なども勉強にしたい。
19
2.平成26年度の取り組み内容
事前アンケートによる意見提言(参考)
事前アンケ
トによる意見提言(参考)
今年度の取り組みに当たり、東北国際物流戦略チームに関わる自治体、官公庁、政府系機関など関係各所に対
し、昨年度提言された「東北における農水産物輸出促進のためのプラットホーム)」係る参加等意向についてのアン
ケートを実施した
ケートを実施した。
アンケートの調査内容は「プラットホーム構築上の課題」「有効な支援・機能」「検討したい取り組み」「その他留意
事項」についてである。
その結果、以下の重要な意見が得られた。
【主な意見】
◍継続的な輸出のため輸出品目のロットを確保すること
継続的な輸出のため輸出品目のロットを確保すること
◍個々の地域ブランドへの拘りへの扱い等、地域の協力体制を構築すること
◍付加価値の高い商品、つまり「売りたいものから売れるもの」の育成が大切であること
◍事業者の意向を尊重し、事業者が主体的・積極的に取り組める体制にすべきこと
◍産地間連携や産地リレーの可能性を検討すべきこと
◍JETROや各地の輸出促進協議会等の既往組織との連携 役割分担を考慮すること
◍JETROや各地の輸出促進協議会等の既往組織との連携、役割分担を考慮すること
◍地域のニーズに対応してビジネス連携体制(商社との連携等)を構築すること
◍物流事業者等の民間活力を向上させる受け皿づくりとすること
◍民間活動を費用面でサポートできる制度か、予算化が必要であること
20
2.平成26年度の取り組み内容
自治体
プラットホーム構
築上の課題
・付加価値の高い商品の開発
・品目数の拡大、品目供給量の拡大等
・産地間連携を行う場合は 品質の均一化
・産地間連携を行う場合は、品質の均一化
・事業者の意向の反映
・各県の取り組みが異なることから「ALL東北」として統一することは困難
・生産者や加工品製造企業、地域商社などプレイヤーが混乱しない支援体制の構築
有効な支援・機能
・輸出事業者の人材育成等に係る支援
・現地渡航費、検査費、商品改良費等に係る支援
・現地商談会、展示会等の参加や現地プロモーションの開催等に係る支援
・産地間連携を行う場合においては、重点品目の策定、品質基準の策定等
・事業者が主体的・積極的に取り組むことのできる仕組みづくり
づ
・間接輸出を前提とした施策展開
検討したい取り組
み
・産地間連携の可能性/産地リレー体制の構築等
・他県の輸出への取組みの研究
他県の輸出への取組みの研究
・物流の支援体制の構築/県港湾・空港等の利活用方法の検討
・「東北ブランド」の確立
その他留意事項
・農林水産省の輸出戦略である「品目別」の取組は重要な切り口
・オールジャパンの司令塔の姿や都道府県の役割をどのように考えているのか。
オ ルジ パンの司令塔の姿や都道府県の役割をどのように考えているのか
・新たな機能も必要ではあるが、これまでの施策によって設立された都道府県ごとの組織
(食品輸出促進協議会など)をどのように関与させるか。
・窓口を増やすことでかえって民間事業者の混乱を招くのではないか。役割の明確化が
必要。
必要
21
2.平成26年度の取り組み内容
官 庁
官公庁
プラットホーム構
築上の課題
・プレイヤー(輸出企業)不足
・産地間連携等コーディネート機能不足
・地域企業のニーズに応じたビジネスパートナー不足
・仙台空港民営化にあたり運営委託会社との協力
有効な支援・機能
・プレイヤー(輸出企業)の発掘
・地域企業のニーズに応じたビジネス連携体制の整備(地域商社の活用・育成、広域連
携事業の実施主体(受け皿)となる組織の開拓・創設)
・具体的なプロジェクト形成支援(物流モデル構築等)
・ビジネスに繋がる地域の仕組み作り
・地域の複数の商品を集め戦略的な輸出を行い、輸送コストの削減や販路開拓を行う事
業主体を育成する等
・生産者、物流事業者、航空運送事業者とのマッチング
・既存の支援機関(JETRO)や東北内の各地にある輸出促進協議会等の類似組織との
役割分担
検討したい取り組
み
・東北の物流情報の効果的なPR
・物流企業等を巻き込んだビジネスベースの受け皿づくり
・行政間の情報共有・提供の仕組みを図るだけでない民間活力を向上させる受け皿作り
・実際の輸出者の課題やニーズを踏まえた組織の検討
実際の輸出者の課題や
ズを踏まえた組織の検討
その他留意事項
・農協や漁協が率先して輸出拡大を図ること
・他省庁、自治体の協力が得られる横断的な取組ができるようなスキームとすること
22
2.平成26年度の取り組み内容
政府系機関
プラットホーム構
築上の課題
・ロットの確保
・既存商流や個別ブランドの取扱い。
・中核となるマンパワー 専門家を雇用あるいは契約して運用するための予算
・中核となるマンパワー、専門家を雇用あるいは契約して運用するための予算
・地域の意識、協力の意思
・零細事業者の輸出・商品改良への意欲
有効な支援・機能
・ノウハウや知識を伝えるジェトロの機能の強化とPR
・ロットを揃えたり、物流を効率化したりする相談に応じる機能の適切な設置
・協同商談、協同輸出、国内での円支払いなどを可能にする枠組み作りへの協力
・マンパワー、予算面での協力、あるいは民間事業者への補助など
・ 風評被害対策(官民合同での戦略的なプレス対策)
検討したい取り組
み
・プラットホームが、関係者連携による効率的かつ円滑な支援を継続的に行う機能を十分
発揮できるような望ましい役割分担
・ジェトロ等既往組織との連携/役割分担の明確化
輸出の取組のための資金需要を適切に把握してその受け皿となること
・輸出の取組のための資金需要を適切に把握してその受け皿となること
・気仙沼や石巻などの深刻な震災被害を受けた水産加工業集積地の企業が一体となっ
て輸出を実現できる具体的な仕組みづくり。
・日本酒や農産品、畜産品等個社では輸出対応能力の無い事業者が相乗りすることので
きる協同輸出の仕組みづくり
その他留意事項
・個々バラバラに取り組んでも費用対効果の点では実現性が低い。
・国内で売るのと同様に、第3者機関が零細企業の商品を買い上げるなり、代理で扱うな
どし、商談から輸出手続き、決済など全てを代行してあげる仕組みづくりが必要
23
東北におけるビジネスモデル(案)の提案
24
2.平成26年度の取り組み内容
2-6 東北におけるビジネスモデルの提案
取り組みステップ概念の見直し
●プラットホーム先行事例にあるように東北地域でも地域間連携、青森県による
プラットホームの構築の動きも出てきている。
●東北農政局が農水産品の輸出拡大に向け、平成26年10月31日に相談窓口を
設置したことより、広域貿易マネージャー(以下、「当初案」という)の考える
第 段階 の体制が構築され、改めて役割が明確化された。
第一段階
の体制が構築され 改めて役割が明確化された
・農水産品輸出拡大に係る支援
・輸出拡大の物流の効率化に係る支援
●当初案に対する関係機関への事前アンケートを踏まえた結果、コーディネート
する体制の必要性は認識されたところであるが、当初案では2020年までに
輸出額1兆円の時間軸には合わないことから(間に合わない)、最終目標である
プレーヤーを発掘し、プレーヤーが実施するビジネスモデルに対し、関係行政
機関が一体となって支援する方向に舵をきることとしたもの。
機関が
体となって支援する方向に舵をきることとしたもの。
25
2.平成26年度の取り組み内容
東北におけるビジネスモデル(案)の提案
●ビジネスモデルとは
・行政主体のプラットホームだけでは、農水産物・加工品の輸出拡大の動きに直結しにくいこ
行政主体のプラットホ ムだけでは、農水産物 加工品の輸出拡大の動きに直結しにくいこ
とから、実績あるいはノウハウを有する民間事業者と連携して取り組むモデルのこと。
●ビジネスモデルのタイプ例
①実績のある地方商社を活用
①実績
ある地方商社を活用
②実績のある全国商社を活用
③既に海外に販路のある企業の活用
④海外との間にコ ルドチェ ンを構築している事業者の活用
④海外との間にコールドチェーンを構築している事業者の活用
⑤プラットホームの構築を目指している団体との連携
⑥中央卸売市場との連携
●選定方法
・公募(自薦、他薦)
・一社、一団体に限らず、複数の団体と関係することも可とする。
●選定の条件(例)
・東北を産地とする重点9品目のうちいずれか一品を取り扱えること
・東北農水産物・加工品のブランド力を高めてくれること
・可能な限り東北の港湾・空港を活用すること
26
東北の農水産品輸出拡大ビジネスモデルイメージ
東北農水産品輸出拡大ビジネスモデルを提案する組織体を形成
農
提案ビジネスモデルに合うプレーヤーを発掘
ビジネスモデル①
プレ ヤ としては、零細企業を束ねる組合形式、地域商社、オ ルジャパン
プレーヤーとしては、零細企業を束ねる組合形式、地域商社、オールジャパン
で活動している商社や物流事業者などが考えられる。
ビジネスモデル②
ビジネスモデル③
組織体で提案するビジネスモデルに対し、プレーヤーを発掘
※ビジネスモデルとして、既にビジネスとして動いている発展モデルや新規モデルに
ついて複数検討する予定
また、地域モデルから全国モデルへのステップを踏むことも検討要素
・
・
・
ビジネスモデル④
当該組織体で提案するすべてのビジネスモデルに対し、各参画団体がどの部分でどのような支援が可能か示し、実際に動かす
プレーヤーを発掘(発掘手法はモデル事業への公募形式が良いかは要検討)
プレ
ヤ を発掘(発掘手法はモデル事業 の公募形式が良いかは要検討)
【生産(初期)過程】
・集貨 ・輸出相談 ・各種セミナー開催、
・バイヤー招聘、・技術開発、・融資相談など
マーケティングに係る支援
(輸出初期段階のサポ トなどフォロ )
(輸出初期段階のサポートなどフォロー)
東北農政局
相談窓口
東北経済産業局
【流通過程】
【販売(販路拡大)】
・物流(船便、航空便情報)の
・国内外の商談機会の提供・支援、
提供、拠点形成、容器開発へ
・販路拡大に係る情報提供、各種助成など
の助成 輸出手続きなど
の助成、輸出手続きなど
※ビジネスモデルの最終段階は港湾の利活用
物流の効率化に係る支援
日本貿易振興機構
日本政策金融公庫
税関・検疫所
参画関係機関・自治体
農水産品の輸出拡大に係る支援
(総合的支援)
東北国際物流戦略チーム
※各機関は、所掌の範囲内でビジネスモデルを動かすプレーヤーを支援する。
また、組織体としては、プレーヤーのビジネス情報や要望に対し、情報共有・戦略を検討する。
27
ビジネスモデル例 ① 実績のある地方商社を活用
事例イ
メージ
青森県を拠点にする地方商社との連携
対応の
背景
・行き詰まり感のある地域の農水産業に寄り添い、
密着しながら輸出拡大をサポートしてほしいという要
請
・災害復興等地域一体となった取り組みの要請
・航路維持のための貿易の活性化
特徴
メリット
・地元中小企業を取りまとめるなど、キメの細やかな
地元中小企業を取りまとめるなど、キメの細やかな
対応が行える。
・生産者の顔が見えるため、個別の相談、対応が可
能となる。
・小口から輸出が出来る。
小口から輸出が出来る
・地域密着商社であることから地域企業をグループ
化して海外販路獲得に取り組むことが期待される。
・自治体や商工会議所、青年会議所等地域団体と連
携を組み 地域全体の後押しを受けることが期待さ
携を組み、地域全体の後押しを受けることが期待さ
れる。
東北港
湾、空港
湾、
港
の利用
・りんごや水産品などワンコンテナ化できるものにつ
いては、最寄りの港湾(八戸港)から出す可能性が高
、最
港湾
戸港
す
高
い。
課題
・通年出荷可能になる生産体制の確保
・意欲ある産地の育成
・輸送費低減のための混載貨物の確保
具体例
※ビジネスモデル例の留意点
ビジネスモデルの提示例は、今後、検討を進めるうえで
参考とした事例であり、内容はホームページより
出展している。
なお、支援イメージは戦略チームが例示用に作成したもの。
八戸港航路と㈱ファーストインターナ
ショナルの設立の背景との関係
青森県・八戸市には全国でも珍しい、地域密着型の
商社がある。地元有志が集まり立ち上げた商社は、
県産品の海外展開に不可欠な存在になっている。
1994年9月に八戸商工会議所の有志が中心となり、
35社の出資によって設立された。輸出・輸入・国内取
引を主な業務として、輸出は県の特産品であるリン
ゴ、長芋、水産物など、輸入は主に北米からの木材
や建材のほか青果物などを取り扱っている。
・八戸市は1993年にアメリカワシントン州フェデラル
ウェイ市と姉妹都市提携書を交わしており、同市と物
流面での交流も行おうと、貿易に対する意欲が市全
体に高ま てい たことが設立の背景としてあげられ
体に高まっていったことが設立の背景としてあげられ
る。また同じタイミングで八戸港から東南アジアへの
定期航路が開通されたこと、円高基調で輸入市場が
活気づいていたことなども後押しとなった。
資料 月刊「事業展望」事業構想大学院大学出版部
資料:月刊「事業展望」事業構想大学院大学出版部
http://www.projectdesign.jp/201407/pn‐
aomori/001482.php
28
ビジネスモデル例 ① 輸出サポートイメージ
【前提】・輸出主体は農家・漁家単位から
・地域の輸出未経験者にも対応
相談
啓発
グループ化
グループ化
小口
・農家、中小企業等からの
輸出相談/トライアル輸出
・個別のニーズ把握
集荷
・地域企業のグループ化に
よる量の確保
・小口の取扱いも可
・混載ノウハウ
混載 ウ ウ
輸出
北米・東南アジア向けコンテ
ナ化
混載貨物用倉庫の利用
パレットの統一など
小口
八戸港
八戸港
既存航路等の利用(育成)
サポート体制
輸出相談
東北農政局
JETRO
日本政策金融公
庫
倉庫整備
の支援
行政機関、自治体
航路の拡充
物流戦略チーム
物流戦略チ
ム
自治体
アジア
中国
韓国
北米
29
ビジネスモデル例 ② 実績のある全国商社を活用
事例イ
メージ
九州を拠点とする全国商社との連携
対応の
背景
・年間を通して安定した出荷が求められる。
・九州は夏場暑くて野菜がだめ。逆に冬場は東北や
北海道の野菜がだめ。温室はあるがそんな物は高く
て話にならない。
・中小零細企業では単品商品だけの扱いとなり、す
ぐに飽きられてしまう。
特徴
・産地間連携・季節リレーよる安定供給
メリット
・縦に長い日本列島にあって、地域別に異なるシー
ズンや旬季をとらえて、産地間産地間リレーによる通
年出荷が可能
・九州の物産と東北の物産の組み合わせにより、多
様な品目が提供可能であると共に、量の確保が可能
東北港
湾、空港
の利用
・産地・季節リレ に合わせて、まとまった出荷が見
・産地・季節リレーに合わせて
まとまった出荷が見
込める産地最寄りの港湾、空港を利用
・極東ロシア向け、東北二省向けの貨物量をまとめ
やすく、秋田港、酒田港等を利用する可能性が高ま
る。
課題
・長期的な商談が成立するモノの確保
・意欲ある産地の育成
・産地間競合から協同への意識改革
海外へ
日本海側港湾港
具体例
図 九州と東北の産地間連携イメージ30
ビジネスモデル例 ② 輸出サポートイメージ
【前提】・輸出主体は農協・漁協単位から
・既にマーケットは小規模に存在。しかし、
極東ロシア方面は未開拓
海
海外へ
発注
出荷
全国(九州ほか)に極東ロシ
ア、東北二省方面の農産物
東北 省方面 農産物
を発注/トライアル輸送
陸送
品質保持コンテナ利用
品質保持
ンテナ利用
日本海側港湾
敦賀港
関西圏の貨物の積み込み
集荷
新潟港
関東圏の貨物の積み込み
秋田港
東北の貨物の積み込み
積み合わせ
サポート体制
産地間連携の
支援
東北農政局.JETRO
産地間連携の
支援
日本政策金融公
本政策 融
庫
保冷倉庫の整
備支援
行政機関、自治体
輸出
ロシアへダイレクト輸送
ロシア航路の
開設
物流戦略チーム
アジア方面へ
極東ロシア
中国東北
二省
商談会等
支援
JETRO31
ビジネスモデル例 ③ 既に海外に販路のある企業の活用
事例
イ
メー
ジ
海外との間に農産物輸入の
パイプのある企業との連携
対応
の背
景
海外から我が国に農産物の輸入実
・海外から我が国に農産物の輸入実
績のある企業に対し、そのルートを
活用して輸出拡大を図る。
特徴
・既にある東南アジア等海外とのパ
イプを活用
・東南アジアでは収穫できない、例え
ば「りんご」の輸出を拡大
メリッ
ト
・既存のルートを活用するため
既存のル トを活用するため、意
意
欲と安定的に供給できるものがあれ
ば、すぐにでも輸出が可能
東北 ・量をまとめることにより、最寄りの
港湾 港湾の利用が可能
港湾、
空港
の利
用
課題
・長期的な商談が成立する農水産物
の確保
・意欲ある産地の育成
規格 統
・パレット規格の統一
具体
例
㈱ドール・ジャパン
図 ㈱ドールの取扱農産物と地域
資料:㈱ドール・ジャパン提供資料
32
ビジネスモデル例 ③ 輸出サポートイメージ
【前提】・輸出主体は農協・漁協単位から
【前提】
輸出主体は農協 漁協単位から
・マーケットはすでに存在
発注
出荷
集荷
JA等に必要な時期に必要な量を
注文
・各産地のCA倉庫から輸送
・品質管理のできるコンテナ利用
・検疫は出荷元で
サポ ト体制
サポート体制
産地の育成
東北農政局
CA倉庫等整備
支援
行政機関/自治体
パレット基準
の統一
輸出
異なるパレットから積替え、
異なるパレ
トから積替え
航路のある港から輸出
行政機関等
航路の拡充
京浜港
東北港湾
物流戦略チ ム
物流戦略チーム
世界各国からの既存の輸入ル ト
世界各国からの既存の輸入ルート
33
ビジネスモデル例 ④ 海外との間にコールドチェーンを構築している事業者の活用
事例イメージ
海外との間にコールドチェーンを有する宅配事業者との連携
対応の背景
・農水産物の小口でも海外に輸出したいという要請への対応
特徴
・小口からトライアル輸出ができる。
・個人事業主、個別農家からでも輸出ができる。
個人事業主、個別農家からでも輸出ができる。
メリット
・小口からでも保冷輸送を可能にするコールドチェーンを利用できる。
・小口=サンプル品が受け入れられれば、取引量が拡大する可能性がある。
東北港湾、空港の利用
東北港湾、空港
利用
・航空間トランジットを使えば翌日には東アジア・東南アジアへ輸送できる(例:仙台空
航空間トランジットを使えば翌日には東アジア 東南アジア 輸送できる(例:仙台空
港~伊丹空港~那覇空港(ANAハブ)~東アジア・東南アジア)
課題
・コールドチェーンが確立されている地域・国が限定されている(今後拡大の可能性)。
・個人事業主、農家単位から産地、地域単位にするには、意欲ある産地を育成し、ブラ
ンド化することが必要。
ド す
が
具体例
ヤマト運輸㈱/北海道国際輸送プラットホーム推進協議会(HOP)/「青森県総合輸
送プラットホーム」連携協定
図 ヤマト運輸国際保冷輸送サー
ビスの流れ
資料:㈱ヤマト運輸HP
http://www.kuronekoyamato.co.jp/
kokusaicooltakkyubin/image/kokus
ai_cool_flow_big.jpg
34
ビジネスモデル例 ④ 輸出サポートイメージ
【前提】・輸出主体は個別農家・漁家単位から
・輸出者はブランディングの理解・対応者
・マーケットはレストラン等小規模に存在
ブラン
デ ング
ディング
集荷
仙台空港
伊丹空港
輸出
一定の規格・品質を確保した輸出
商品の選別
サポート体制
産地の育成
東北農政局
個別荷主からの集荷
パレット規格の統一
パレット規格の統
民営化に伴う集荷方策との連携
連携支援
物流戦略チーム
積み合わせ
積み合わせ/通関
那覇空港
ANAハブ
香港
ほか
上海
台湾
マレー
マレ
シア
35
ビジネスモデル例 ⑤ プラットホームの構築を目指している団体との連携
事例イメージ
東北にも関連がある計画・構想段階にある他のプラットホームとの連携
対応の背景
・東北にも関連があり、これから農水産物の輸出拡大に向けた取り組みを行なおうとしている
団体との連携を図ることにより、動きを加速化させる。
特徴
・東北経済連合会が主体となった被災地三県の輸出支援との連携
・大手商社がエンジンとなった動きへの参画
メリット
・東北経済連合会のPR効果検証事業等成果のフィードバック
・包括的な共済制度等の設計、導入
・テスト販売、トライアル輸送等役割分担による成果の供給
テスト販売、トライアル輸送等役割分担による成果の供給
東北港湾、空港
の利用
・全国的な商流から俯瞰した、物流費削減のための最寄り港湾、空港の利用促進(東北の港
湾、空港利用の可能性)
課題
・役割分担
役割分担、機能分担如何により、動きが鈍化する恐れがある。
機能分担如何により 動きが鈍化する恐れがある
具体例
東北海外展開加速化協議会/ジャパン・メイド・プロダクツ輸出促進振興協議会(JPEC) (※
山形県東根市のフルッタ・ベアーレ㈱なども立ち上げに関与)など
【東 海
【東北海外展開加速化協議会
加速 協議会 活動内容】
動 容】
①PR 戦略の策定
・協議会が選定した海外向けのチャレンジ商品と併せて、相乗効果をもつ食材や食
文化・伝統文化等を選定し、ブランディングと併せて効果的・効率的にPR できるプロ
モ ション戦略を策定
モーション戦略を策定
②テストマーケティングのためのPR ツールの制作
・パンフレットをはじめとするPR ツールを制作
③PR 戦略等の有効性確認のためのプラットフォームの構築
・制作されたPR ツール等が有効に機能することを確認するプラットフォームとして、
2015年のイタリア・ミラノ国際博覧会等海外の展示会における出展計画を作成
年のイタリア ミラノ国際博覧会等海外の展示会における出展計画を作成
図 東北海外展開加速化協議会の活動内容
資料:東北海外展開加速化協議会提供資料
図 JPECのホームページ
資料:JPEC HP (http://www.jpec‐world.com/
36 )
ビジネスモデル例 ⑤ 輸出サポートイメージ
【前提】 輸出主体は組織化された団体
【前提】・輸出主体は組織化された団体
・マーケットは未開拓
・実務上のコア企業が存在
海外へ
協同化
被災地三県
プラットホーム
プラットホ
ム
コアとなる貿易・
なる貿易
輸出事業者
仙台塩釜港
仙台空港
集荷
関西国際空港
関西
プラットホ ム
プラットホーム
海外へ
・販路の開発
販路の開発
・PR
・トライアル輸出
海外へ
・各プラットホームから
の品目の相互融通
・方面別の貨物の集積
・品目の相互補完
・季節リレー
輸送品
質の確
保
・冷凍冷蔵倉庫の共同
利用
・品質保持用コンテナ
のラウンド
のラウンドユース
ス
輸出
・方面別に最寄りの港
湾・空港の利用
・航路の充実
サポート体制
サポ
ト体制
連携支援
東北農政局
JETRO
日本政策金融公
庫
連携支援
戦略物流チーム
連携支援
東北農政局
JETRO
コンテナラウン
ドユース支援
東北地方整備局
航路の拡充
支援
物流戦略チーム
37
ビジネスモデル例 ⑥ 中央卸売市場との連携
事例イ
メージ
中央卸売市場協同組合との連携
【中央卸売市場とは】
対応の
背景
・量販店の台頭で市場を飛ばした流通となって
いることもあり販路を開拓する必要性が生じて
いる。
・日本人の魚離れが進んでいる。
特徴
・卸売市場なので農水産物が日常的に集積する。
・陸送が確立されている。
陸送が確立されている。
・生鮮食料品等の流通及び消費上特に重要な都市及び
その周辺の地域における生鮮食料品等の円滑な流通を
確保するための生鮮食料品等の卸売の中核的拠点とな
るとともに、当該地域外の広域にわたる生鮮食料品等の
流通の改善にも資するものとして 地方公共団体等が農
流通の改善にも資するものとして、地方公共団体等が農
林水産大臣の認可を受けて開設される卸売市場をいう
(卸売市場法第2条)。開設者となれるのは都道府県、人
口20万人以上の市、またはこれらが加入する一部事務組
合もしくは広域連合である(卸売市場法第2条第3項)
メリット
・産地まで集荷に出向く必要がない。
・農水産業者ならば必ず利用するので勝手が分
かっている。
・貨物量がまとまる。例えば、水産部と青果部が
貨物量がまとまる 例えば 水産部と青果部が
全体として、和食文化を海外へ輸出(刺身とツマ
の組合せた輸出等)が可能となる。
・通年出荷が可能である。
東北港
湾、空
港の利
用
・東北に立地する中央卸売市場利用により、東
北の港湾、空港利用の可能性
課題
・輸出実務者との連携
・HACCP対応
・トレーサビリティの確保
・中央卸売内場の再編等動向に留意
中央卸売内場の再編等動向に留意
具体例
築地(東部)国際化プロジェクト
取扱金額(平成24年度 億円)
市
場
数
市場名
青森市
1
青森市中央卸売市場
136
八戸市
1
八戸市中央卸売市場
191
岩手県 盛岡市
1
盛岡市中央卸売市場
195
164
468
738
開設者
合計
合計
合計
269
合計
合計
9
414
13
204
青森県
仙台市中央卸売市場
本場
宮城県 仙台市
2
秋田県 秋田市
1
秋田市中央卸売市場
福島市
1
福島市中央卸売市場
114
いわき市中央卸売市
いわき市 1
場
149
仙台市中央卸売市場
食肉市場
359
92
1,449
21
21
73
18
205
131
8
288
151
福島県
図 東北地域の中央卸売市場
資料:卸売市場データ集(平成25年度版)、農林水産省
食品製造卸売課卸売市場室
38
ビジネスモデル例 ⑥ 輸出サポートイメージ
海外へ
【前提】・既存の農協・漁協が輸出主体
・マーケットは小規模に存在
・中央卸売市場は集荷機能のみ
出荷
・産地から各農協、漁
協へ
サポート体制
連携支援
仙台市中央卸売市場
仙台塩釜港
仙台空港
港
集荷
・各地の農協、漁協等
から通常の陸送を利
用
東北農政局
JETRO
日本政策金融公
庫
貿易・輸出事業者
東京都中央卸売市場
東京港
羽田空港
海外へ
中央卸
売市場
輸出
・事前に仕向国、物量
を 整
を調整
・市場で混載貨物の調
達
連携支援
東北国際戦略物
流チーム
・混載のうえロット化
最寄港
最寄港・
空港
39
2.平成26年度の取り組み内容
2-7
2
7 東北国際物流戦略チ
東北国際物流戦略チーム幹事会の開催
ム幹事会の開催
【 検討経過 】
○ 本部会に先立ち、下記の通り幹事会を開催
名称:平成26年度 東北国際物流戦略チーム幹事会
日時: 平成27年 2月12日(木)
14:00~16:00
場所: ハ
ハーネル仙台2回階
ネル仙台2回階 「松島」
参加者団体:東北国際物流戦略チーム委員 (実務担当者含む)
約50名の参加
❏検討会内容 :
①東北地域における農水産品等の輸出拡大に向けて
②環日本海側港湾における新航路開設の可能性検討について
③平成27年度の新たな取り組みについて
○ 主な意見
・ビジネスモデルの支援体制や方策について(農水産品)
・ビジネスモデルは地域間/産地間の相互連携が重要(農水産品)
・対岸貿易についてはコンテナを含む混載貨物について検討(新規航路)
・産業立地促進の検討は進めるべき。港湾利用のメリットのある企業誘致方策等を検討
(新たな取り組み)
40
3.平成27年度 取り組み方針(案)
41
3.平成27年度の取り組み方針(案)
ビジネスモデル行動計画内容
1)支援体制の構築
・各関係機関の所掌の範囲で支援組織を立ち上げ(組織名が必要)
・組織をとりまとめる機関の調整
・組織の形態
→各関係機関による意見交換や提言を頂きながら、方向性を決めていくものとし、一定の合意を図る
2)ビジネスモデルを実施する事業者の発掘
・ノウハウのある関係機関が中心となり、既にビジネスとしている事業者に対し
提案ビジネスモデルを推薦
・提案ビジネスモデルを実施する選定事業者の手法の検討
(参考;例えば公募)
・ビジネスモデルを複数案提示し、それぞれのビジネスモデルでは、どの段階でどのような支援が得ら
れるか明確にした上で公募(自薦、他薦、合同企業体でも可)
・仙台空港の民営化後
仙台空港の民営化後、空港の運営事業者との連携調整
空港の運営事業者との連携調整
3)行政機関によるセミナー開催
・2020年輸出額1兆円の目標に向け、東北管内の行政側が一体となり取り組んでいることを
輸出事業者へPR
→各機関単独で開催しているものを有効活用
4)運用後のフォロー体制
(選定事業者が輸出する上で課題が出てきた場合 或いは要望があった場合)
(選定事業者が輸出する上で課題が出てきた場合、或いは要望があった場合)
・支援組織の中で情報共有するとともに対応を検討
→既存の情報共有の場を利用
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ビジネスモデル行動計画内容
1)支援体制の構築
・各関係機関が所掌の範囲でビジネスモデルを支援する組織の
立ち上げ
・組織をとりまとめる機関の調整
東北地域における
農水産品等の輸出拡大に向けて
→各関係機関による意見交換や提言を踏まえながら、方向性を
→各関係機関による意見交換や提言を踏まえながら
方向性を
決めていくものとし、合意形成を図っていく
2)ビジネスモデルを実施するプレーヤーの発掘
・ノウハウのある関係機関が中心となり、既にビジネスを展開して
・ノウハウのある関係機関が中心となり
既にビジネスを展開して
いる事業者に対し提案ビジネスモデルを推薦
・提案ビジネスモデルを実施する事業者の選定手法の検討
(参考:例えば公募)
※ビジネスモデルを複数案提示し、それぞれのビジネスモデルでは、
ど
どの段階でどのような支援が得られるか明確にした上で公募
階 ど
うな支援が得 れ
確
募
(自薦、他薦、合同企業体でも可)
など
海外へ
海外
海外へ
海外
連携
3)行政機関によるセミナー開催
・2020年輸出額1兆円の目標に向け、東北管内の行政側が一体
となり取り組んでいることを輸出事業者へPR
→各機関単独で開催しているものを有効活用
など
4)運用後のフォロー体制
※選定プレーヤーが輸出する上で課題・要望があった場合など
・支援組織の中で情報共有するとともに対応を検討
→既存の情報共有の場を利用
など
東北国際物流戦略チーム
平成27年3月5日
東北の農水産品輸出を取り巻く現状・課題
■現状・課題
各地域が独自に
取組みを展開
東北農水産品輸出拡大ビジネスモデルの実現
■東北地域が一体となった取組み推進
・少ない輸出量や日持ちの関係から高コスト
・出荷時期が限られており、安定的な輸出が不可
東北地域がまとまると
東北の基幹産業である農水産業の新たな発展の機会の喪失
連
携
米国市場へ
市場の拡大に
つながらない
アジア市場へ
・マーケティングも広がりがなく、
ブランド浸透力にも限界
想定されるメリット
■海外市場の動向
アジア市場
TPP参加国(アメリカ カナダ等)市場
TPP参加国(アメリカ、カナダ等)市場
・中国(香港含む)の需要の増加
・加えて、ベトナム、タイ向けも拡大
・将来の高所得者が3億人超(2022年)
(日本の平均所得以上)
・現状において、農産品の輸入需要はアジア
市場以上
・既に高所得者が2億人超
(日本の平均所得以上)
今後拡大する高所得者層の需要の取り込み
他地域
●通年での安定集貨実現
・産品連携・混載等による輸送ロット確保
(東北地域+他地域連携による実現)
・国別品目別輸出戦略が可能
●マーケティング力の向上
・東北ブランドとしてのPR力強化
・効率的なビジネスマッチングの実現
・バイヤーニーズの共有
●効率的な物流の実現
効率的な物流 実現
・共同事業による冷凍冷蔵機能の確保
・安全・高品質等の東北プレミアムの実現
・大ロット実現による輸送コスト大幅低減
※海上輸送コストは空輸の1/10
既にある輸入農産品需要の開拓
■東北農水産品輸出拡大ビジネスモデル
■輸出拡大に向けた取り組むべき視点
市場に応える高品質な東北の農水産品を安価かつ安定して供給
安定か 安価な
安定かつ安価な
物流システムの実現
高品質な
東北クオリティーの実現
効率的な
マーケティング
・市場の拡大・開拓に繋がる効果的なマーケティングの実施
・安価かつ安定した市場への供給を可能にする効率的な物流システムの実現
・高品質な農水産品を市場に供給できる東北クオリティーの実現
結果
○東北地域からの輸出機会の拡大
○地域地場産業の発展・創出の実現
○農水産品の販路拡大
連携
ビジネスを動かす
プレーヤー
プレ ヤ
●生産者が小ロットでも輸出できる仕組み
●生産者が仲介を通じて輸出できる仕組み
●他地域と連携出来る仕組み
●全体の物流・商流をコントロールする仕組み
東北地域一丸となった
コーディネート機能
(支援体制)
東北地域が一丸となって
プレ ヤ を支援
プレーヤーを支援
(関係行政機関等で構成)
【ビジネスモデルのタイプ例】
①実績のある地方商社との連携
①実績
あ
方商社
連携
②実績のある全国商社との連携
③既に海外に販路のある企業との連携
④海外との間にコールドチェーンを構築している事業者の連携
⑤プラットホームの構築を目指している団体との連携