LAOUGUÉ ラウゲ SUD-OUEST / MADIRAN = マディラン村で白を開拓したマディランの師 = ■ 生産者について 現在の当主は、ピエール・ダバディ(Pierre Dabadie・1958年生)。 彼の父、シャルル・クレマンは、協同組合にぶどうを売るぶどう農家でした。ピエールは、ドメーヌを引き継ぐことを決意した際 「元詰めをしたい」と考え、ブルゴーニュ・ボーヌのワイン学校に入りワインづくりを学びました。その後、地元であるカオール、マ ディラン、ジュランソンなどで修業をかさね、1980年、ドメーヌに戻りました。ピエールが元詰を開始した1980年代、この地マ ディランではもっぱら赤ワインの生産がおこなわれており、辛口の白をつくる人はいなかったといいます。 今では白の甘口ワインとして有名なパシュラン・デュ・ヴィック・ビルでさえ、当時は協同組合で少量生産されるくらいでした。 マディランで有名な赤ワインの地で、甘口、辛口の白ワインを開拓していったピエール。今では、マディラン、パシュラン・デュ・ ヴィック・ビルともにこの地を語るには名前を外せない名手の一人であり、近隣の生産者からさまざまな相談をうけ、地域の品 質の向上に一役かっています。もちろん100%元詰。現在、娘さんがドメーヌを手伝い、将来も楽しみなドメーヌです。 Concours Bordeaux Vins Aquitaine、Concours General Agricole De Paris、Trophée Concourt De Bordeaux Aquitaine、Challenge International Du Vin、Concours Européen Des Masters、Concours Des Vins De Toulouse Concours De Macon、Concours International De Bruxelle、Concours Fédération Des Vignerons Indépendant、など多くの金賞を受賞しています。 ■ 畑・醸造について 赤用16ha、白用4haを所有。現在、ビオロジー栽培に転換中。 ■ ワインについて ◆ Pacherenc du Vic-Bilh Sec パシュラン・デュ・ヴィック・ビル・セック <品種>グロ・マンサン20% プティ・クルヴュ80% <土壌>粘土、花崗岩、丸い小石混じり <区画>南向きの斜面 <栽培>リュットレゾネ <醸造>ブドウ収穫後すぐプレスし、タンクでアルコール発酵、2次発酵を経て樽(新樽なし)の中へ。その後6か月を経てビン詰め。 <生産本数>5000本 ミネラル、火打石のような香り、エキゾチック系の果物の香りが特徴で、コクがあり凝縮した果実味があります。 アペリティフとして、優しい味のチーズ、魚介類とも相 性の良いワインです。 ◆ Madiran マディラン <品種>タナ50% カベルネ・フラン30% カベルネ・ソーヴィニヨン20% <土壌>粘土、珪藻土、小石、丸い石混じり <区画>南向きの斜面 <栽培>リュットレゾネ <醸造>100%除梗。20日間のキュヴェゾンで低温発酵、二次発酵後樽熟成(新樽なし)18か月。 <生産本数>30000-40000本 深みのある赤色でイチゴやブラックチェリーのジャム香りが特徴。味もとてもまろやかで余韻も長い。マグレ・ド・カナール、ピレネーのチーズと相性が良い。 ■ 一問一答 Q. お名前と誕生日、家族構成をおしえてください ピエール・ダバディ、1958年8月23日生まれ。妻は、少し前に亡くなったんだ。今は、2人の子供と犬と一緒に暮らしているよ。 Q. ドメーヌの創業はいつですか? 元詰を開始したのは、1980年。 Q. ワインをつくろうと思ったきっかけをおしえてください お父さんがやっていたこと(ぶどう農家)とは違う世界を切り開いて、自分のワインをつくってみたかったから Q. どこでワインづくりを学んだのですか? ボーヌのリセ・ヴィティコールで勉強した後、南西地方のカオール、ジュランソン、マディランで修業した。 Q. 先代、お父さん、師匠から教わったことで印象深いことをおしえてください なにも。彼らは反面教師のようだったから。彼らがぶどう農家をやっていたから私は元詰の道を選んだから。 Q. あなたが独自に工夫して大切にしていることはなんですか? 細かい仕事に手抜きをしないこと。ブドウの観察を怠らないこと。まわりの生産者にアドバイスしてるから、私独自、ということはもうないんじゃないかな。 Q. どんなワインをめざしていますか? タナのポテンシャルを追求したい。実はボルドーに肩を並べるくらい可能性があると思うから。個人的には、上品な凝縮感をもった女性的なワインをつくりたい。 Q. 印象に残った年とエピソードをおしえてください 1992年。とても良い年となるはずが、収穫直前の9月28日に雹が降って台無しになってショックだったなあ。 Q. もらえるとしたらつくってみたいワインはありますか? グルナッシュやシラーがつくってみたい。 Q. 自身のワイン以外で好きなワインをおしえてください イザベル・フェランドのシャトー・ヌフ・デュ・パプ。 Q. 楽しみにしていること、趣味をおしえてください スポーツ、特にラグビーはやっていたから。あとはジョギングと自転車。 Q. 苦手なものはありますか? 差別や理にかなわないこと。 Q. 休みが一か月あったら何をしたいですか? スペインに旅行に行きたい。 Q. 行ってみたい国、場所をおしえてください アジア、特に日本はこれを機に行ってみたい。呼んで! Q. ワインをつくっていて一番の苦労はなんですか? バランスのよいぶどうを育てること。それがいいワインをつくるほとんどでもあるから。 Q. どの季節のぶどう畑が好きですか? 初夏。生命が生まれる季節だと感じる。 Q. あなたのワインに合うと思うお料理をおしえてください マディランと鴨、白のセックは魚介類と、甘口はチーズ、特にロックフォールなんて最高だと思う。 Q. 和食は食べたことがありますか?好きなメニューはありますか? 食べたことがない。そのためにも日本に行きたいよ。 Q. あなたのワインをどんなシチュエーションで飲んでもらいたいですか? 個性的なワインが多い地域だし、甘口をアペリティフにするところからはじめるのはどうかな? Q. おすすめのレストランをおしえてください アルザスの「リル」はよかった。あとは、ミッシェル・ゲラールのレストランが近所にあってそこもいいね。 Q. 座右の銘はなんですか? 友情 Q. 日本であなたのワインを飲む人にメッセージをお願いします 日本人はワインに詳しいし味覚も鋭いと聞くから、この繊細さがわかってもらえるかなと思ってる。
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