戦争をする義務がある、ブッシュ大統領 世界中の声を無視して、ブッシュ米大統領が、イラク侵攻の命令を下しま した。テレビ映像では、巧妙にイラク兵士降伏の画像などが放映され、生々 しい被害のシーンについては、報道されていませんが、これは湾岸戦争と同 様の、厳重な報道規制が敷かれているからに違いありません。 あれだけの空爆をして人命の被害がないはずはありません。米国内向けに は、米国兵士の生命の安全と、勇敢さ、そして世界に は、米国兵士の寛容さなどを強調し、世界の世論を巧 妙にリードしていく、例の手口だと、私は考えていま す。湾岸戦争で、世界が騙されたことの第一は、スカ ッドミサイルの性能でしょう。目標に向かって、ピン ポイント爆撃が出来るという幻想を、世界中のCNN ニュースの視聴者に信じさせました。戦争後、この報 道は、真実でないことが判明いたしましたが、各国が ら、このスカッドミサイルを注文したい旨の引き合いが殺到した事実を考え 合わせると、この湾岸戦争の趣旨が、疑問だらけとなります。わが国は、1 億ドルも米国に払って協力したあげく、「日本は戦争に全く協力的でなかっ た」と米、英から無視された、あの屈辱は何だったのか、日本人の一人とし て、大きな反発を感じたことを、想起しました。 そして、あの湾岸戦争の指導者である、ブッシュの息子のブッシュが大統領 として、戦争を決断したのは、歴史の皮肉です。また、当時の最高司令官で あったパウエル国務長官が、政権内部では、開戦慎重派であったことも、何 かいわくありげです。米国の産軍複合体、つまり軍と、軍需産業の癒着は、 言われて久しく、第 2 次世界大戦の、欧州戦線の英雄で、米国大統領になっ たアイゼンハワーが、大統領を退任するにあたって、「軍と軍需産業の異常 な癒着が、将来、米国の政策を誤らせる危険がある」と警告を発して、米国 民の自覚を求めた事件がありました。しかし、それにもかかわらず、ニクソ ン、レーガン、ブッシュ親子と、産軍複合体の巨大な組織に支持された大統 領が出現し、米国は「世界の保安官」として、自国に都合の良い、 #はたらく男 福岡市議会議員 おばた 久弥 レポート№61 世界戦略を描いていますが、しかし、私たち日本人が、そのお先棒を担ぐこ とには、到底賛同できません。有事法制は、国防のために必要でも、戦争に は大反対です。米国の最大の目的は、世界の石油産出国を、自国の意のママ にすることなのでしょうが、わが国にとって、世界中の戦争反対を表明する 大多数の国連加盟国の国々を無視してまで、この戦争を支持することが国益 につながるのか大いに疑問です。強国の子分として、自国の世界戦略を持た ない国の末路が悲惨であることは、歴史的に証明されています。人も、国も 尊敬を受けるのは、良いことと、悪いことをはっきりと言えるかどうか、だ と私は考えています。 ではどうしたら、フセインや、金正日のような独裁者の暴走を抑えたらよ いのか、という難問はどう解答するのか、を考えざるを得ません。 善意のある説得で、彼らが説得できたでしょうか。あるいは、軍事力での 威圧だけで彼らが説得できたでしょうか。そうではありません。旧ソ連の崩 壊は、決して、国民による革命ではありませんでした。米国の圧倒的な軍事 力にゴルバチョフが屈しただけのことです。あまりにも強い圧政は、暴動す ら起こせない国民には、到底、打倒できるものではありません。 つまり、イラク、そして北朝鮮の混迷と、国民の受難とは、そういう種類 のものです。私は、何度も書くように、戦争には反対です。 しかし、「無法者国家」に対する実際的な対処法を示せ、言われたとき、 どういう正解があるのでしょうか。こうしてみてくると米英軍による今回の イラク攻撃は無法国家の、ならず者指導者を追放する「次善の策」として仕 方なかったのか、また小泉首相の米国支持も「妥当」だったのか、と考えざ るを得ません。 勿論、これは、もやもやとした、すっきりとしない見解であります。 軍事力を示さず、解決する最善の方法があったらお示し下さい。 意見をお待ちしております。
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