心臓の手術を 受けられる方へ

様
心臓の手術を
受けられる方へ
手術の日 月
日()
:
からと決まりました。
手術を受けるにあたり準備する物や、術
後の合併症を予防するために練習する
ことがあります。
それらの事についてお知らせ致します。
4B病棟
説明看護師(
)
平成 25 年9月10日改訂
Ⅰ.同意書について
医師が手術の説明を行う際にお渡しします。
手術前日までに記入し、署名の上医師または看護師にお渡しくださ
い。
Ⅱ.準備するもの
1階の売店で購入できます。
ご自宅にすでにある物は、新たに購入される必要はありません。
手術前日までにご用意ください。
看護師が確認に伺います。
・ 浴衣2~3枚
・ バスタオル2~3枚
・ タオル2~3枚
・ 歯ブラシ、歯磨き粉、ひげそり
・ コップ、吸い飲み
・ お尻拭き
・ テープで止める前開きタイプの紙おむつ、尿取りパット
・ 石鹸またはボディソープ
・ 入れ歯入れ(入れ歯がある方)
・ 箸、スプーン
・ 胸部固定帯(バストバンドアッパー)
⇒手術後、胸骨保護のために、3 か月間程度使用します。
⇒購入前に胸囲を測定させていただきます。
バストバンドアッパーは、タオルを巻いた上に使用して
いただいているのでタオルで巻いた上から測定をします。
M:胸囲77~97cm
L:胸囲95~115cm
LL:胸囲113~133cm
・呼吸機能訓練用品『コーチⅡ』(3675 円)
*手術前日までに、手術後すぐに使う必要のない物(お花・飾り物・
雑誌等・冷蔵庫内の物)はお持ち帰りください。
*手術当日は集中治療室に移動いたします。
荷物はまとめておいてください。なお、集中治療室内は感染予防
のため、生花は持ち込み禁止になっております。
Ⅲ.全身麻酔について
全身麻酔は眠っている状態で手術を行います。
そのため、痛みを感じません。
*たばこを吸う方は、手術をすると痰の量が多くなり、大変辛い思
いをいたします。
手術1週間前から禁煙してください。
* 手術の前日までには麻酔科の医師の診察がありますので、麻酔に
ついて詳しくお聞きください。
Ⅳ.手術前日(月
時間
午前
行う事
切毛、髭剃り
午後
シャワー浴
爪切り
体重測定
荷物整理
日)
その他・注意事項
手術部位の消毒がきちんとできるよう
に、医師の指示の範囲の切毛を行わせ
ていただきます。
同時に、へその掃除もします。
腹部の手術もされる場合は、感染予防
のために念入りに掃除します。
シャワー浴ができない方は
看護師が身体を拭かせていただきま
す。
盗難が増えております。
貴重品はご家族にお預けください。
麻酔科医・手術室 麻酔や手術についての質問がありまし
看護師訪問
たらお尋ねください。
18:00 夕食
夕食後から 21 時まで水は飲んでもか
まいません。
21:00 消灯後禁飲食
これより飲食はできません。
就眠時の内服
麻酔科医師より薬が処方されることが
あります。
夜眠れない時はお申し出ください。
Ⅴ.手術当日(月
時間
起床後
日)出棟時間(時
分)
行うこと
禁飲食
その他・注意事項
飲食はできません。
冷蔵庫内の飲食物は片付けてくだ
さい。
浣腸
手術中の便失禁や術後の腸管麻痺
を予防するために行います。
看護師が声をかけます。
術前の薬
麻酔科医の指示によりますが、術前
の緊張を和らげたり、麻酔導入をス
ムーズにするために手術前に薬を
内服もしくは注射いたします。
看護師がお持ちします。
洗面
洗面後は化粧やクリームは使用し
ないでください。
身につけている物を 入れ歯、眼鏡、指輪、かつら、ヘア
はずす
ピンなどはずせる物はおはずしく
ださい。
貴重品の保管
御家族にお預けください。
テレビカードは抜き取り御家族に
お預けください。
更衣
:
点滴開始
:
:
移送用ベッドへ移動
手術室へ出棟
手術用の服に着替えます。
手術衣は下着を脱いでマジックテ
ープが背中にくるように着てくだ
さい。
抗生剤の点滴を行います。
トイレを済ませておいてください。
移送用ベッドで手術室までお送り
します。御家族の方も一緒に手術室
入り口までいきます。
Ⅵ.手術後
手術後、集中治療室に入ります。
手術後は以下の管類が入ってきます。
挿管チューブ:口から気管に入っている管です。
人工呼吸のためのチューブです。
胃の管:鼻から胃まで管が入っています。
胃の中にたまったものを外に出す管です。
動脈圧ライン:手首もしくは肘の内側に入ることが多いです。
常に血圧を観察するためと、採血を行うために入っ
てきます。
スワンガンツカテーテル:点滴に使用されるほかに手術後の心臓
の状態(心拍出量、肺動脈圧など)を
観察するためのものです。
中心静脈カテーテル&末梢静脈ライン:栄養と薬を入れるための管
です。
尿管:手術後の尿量を知るための管です。
ドレーンチューブ:手術部の排液を観察するためのものです。
* 管はどれも大切なものです。勝手に抜いたりしないようにしてく
ださい。
* 各ラインは手術後の患者様の状態に応じて、抜去されていきます。
* 痛みは我慢せず、お申し出ください。
* 飲水・食事は人工呼吸のための挿管チューブが抜けてからになり
ます。手術、全身状態によって違ってきます。
医師の指示に従って、飲水から始めます。
* 同じ姿勢で長時間寝ていることで、床ずれなどを生じることがあ
ります。枕を使って左右交互に向きを変える必要があります。
看護師がお手伝いします。
* 手術翌日以降、医師の指示により、
心大血管リハビリテーションが始まります。
<正中切開手術を受けられた方への注意点>
胸に左右非対称の力をかけるような動き、胸を広げるような動きは
胸骨の治癒を妨げます。術後6週間は控えましょう。
避けたほうがよい動き
・ 身体を大きくねじる
・ 片手だけ肩より大きく上げる
・ 重いものを持つ
・ 両肩を後ろに引いて胸をそらすなど
×
両手を対称に肩より上に上げることや、左右が対称でなくても
肘が肩より上がらない動きは問題ありません。
○
Ⅶ.手術前にすること
手術を成功させ、術後の経過をよくするために、術前に次のような
ことを行います。
1.術前検査
内容や方法については、その都度医師または看護師が説明しま
す。
2.深呼吸の仕方
手術後は、痛みなどで呼吸が浅くなり一時的に身体の中の酸素
が尐ない状態になりやすくなります。
そのために深呼吸をして、全身により多くの酸素がゆきわたる
ようにします。
また、深呼吸をすることによって気持ちが和らぐこともありま
す。
手術後胸に創ができ、胸が膨らむ呼吸法(胸式呼吸)では、傷
の痛みにより十分に呼吸できない場合もあります。
そんな場合に備えて、創のないお腹を膨らます呼吸法(腹式呼
吸)を練習します。
1 回に30回ほど、1 日3~5回行ってください。
①ベッドの上に仰向けになります。
②手を胸とおなかに片方ずつのせる。
③鼻から空気を吸い込みおなかを膨
らませます。 このとき、胸があま
り動かないことを確かめる。
④口をすぼめ、ゆっくり息を吐き出し、おなかをへこませる。
また、ヘビースモーカーや痰の多い方、肺疾患の既往がある
方、高齢者、肥満者などは呼吸器合併症を起こす可能性が高
くなります。医師の指示により術前からスーフル等の器具を
使用することがあります。
3.排痰の練習
手術後は全身麻酔・挿管の影響で痰が増えますが。傷の痛みによ
り十分に痰が出せなくなることが多いです。
これは肺炎の原因にもなりかねないので、手術前から練習して
排痰のイメージをつけておくことが大切です。
①両手で創部をかばうように胸の前で腕を組みます。
②小さな咳を数回して、のど元あたりまで痰をあげます。
③痰が上がってきたら、最後に大きな咳をして痰を出します。
深呼吸の仕方、排痰の練習、手術後の上手な起き上がり方など
手術前に理学療法士が説明に伺います。
Ⅷ.ご家族の方へ
1.手術当日
*手術時間の 30 分前までには病棟にお越しください。
*手術中は手術室の家族控え室でお待ちください。
*貴重品は必ず携帯してください。
*手術後、患者様は集中治療室に入ります。
2.集中治療室での面会・病状説明について
集中治療室内では患者様の容態・また治療・看護を最優先とさせて
いただくため、次のことをご承知ください。
1)面会時間
平日:午後3時~午後8時
土・日:午後1時~午後8時
①面会は近親者のみに限らせていただきます。
②12歳以下のお子様のご面会はご遠慮ください。
③お入りいただけるのは、1度に3人までで時間は 15 分以内でお
願いします。
④手術直後の面会時間は医師より連絡があります。
⑤手術翌日の 8:15~8:30 頃病状説明・面会がありますので、
病棟ロビーでお待ち下さい。
⑥病状によっては、医師の判断に基づき面会時間外であっても、
面会可能です。
2)面会の方法
①スタッフステーションの看護師に声をおかけください。
②患者様に必要な物品以外の荷物は最小限にお願いします。
③入り口に備え付けの「手指消毒液」を手の平に噴射し、よく刷り
込んでください。
④医療機器類、チューブ類には触れないよう、お願いいたします。
⑤お静かにお願いします。
3)その他
①病状の説明は医師(主治医または担当医)が行います。
前もって医師の日時の都合をご確認ください。
②電話での病状問い合わせはご遠慮願います。
③治療上、ご家族の来院を待たずに移動することがあります。
あらかじめご了承ください。
④ご家族の都合で面会に特別な事情がある場合につきましては、
医師・看護師にご相談ください。
⑤面会時、丌足物品の補充と洗濯物の交換をお願いします。
3.ご家族へのお願い
手術を受けるということは、ご本人にとってもご家族の方にとって
も一大事であると思います。
ご本人はご本人なりに、ご家族の方はご家族の方なりに、手術の事
やその後の事を考えると丌安や戸惑いで複雑な気持ちでおられると
思います。
ご本人にとって、ご家族の方の温かい気持ちは心の支えとなり、何
よりも励ましになると思います。
ご丌明な事がありましたら、
いつでも医師・看護師にお尋ねください。
ご家族の方とご本人が一体となって、
手術を受け退院し 1 日も早く社会復帰
できるようにお手伝いさせていただきます。
Ⅸ.手術後、退院に向けて
1. より早く、安心して社会復帰をしていただくために手術前・手術後に
理学療法士の指導のもとリハビリを行っていきます。
詳しくは、理学療法士より説明がありますが、次のページに簡単な内
容を記載していますので参照してください。
2. 退院が決まったら、退院前に担当医より退院後の生活の説明がありま
す。
概算、手続きの方法は退院前日に看護師より説明いたします。
3. 入院生活や退院後の生活に関わることや、心配な点がありましたら
医療福祉相談室をご紹介いたします。
医師または看護師に声をおかけください。
心大血管リハビリテーションについて
<心臓リハビリテーションの目的>
*心臓の手術をした方は、手術する前の体力を取り戻す。
*日常生活の注意点を理解し、少しでも不安のない生活を送る。
*残された心臓の機能を十分に配慮し、可能な限りの体力の増進を図
る。
*ご自分の適切な活動量を体得していただく。
<内容>
医師の運動処方をもとに、心電図、血圧をみながら運動を行います。
運動の内容は個人の運動能力や体力に応じた内容で行っていきます。
リハビリ室ではストレッチ→エルゴメーター(自転車)→整理体操を行っ
ていきます。
<場所>
*はじめはベットサイドから開始します。
*医師の指示が出れば 1 階のリハビリテーション室で 15 時~16時に行
います。
<用意していただきたいもの>
*運動しやすい服装
*室内用運動靴
*靴下
*タオル
*お水
スポーツドリンク・ジュース・お茶・コーヒーは塩分・糖分・カフェインが含ま
れるので避けたほうがよいでしょう。
身体の具合が悪い場合、いつもと違った症状がある場合は、
運動前にお申し出ください。