中国 台湾 韓国 インド携帯電話四半期出荷動向

Asia handset shipments quarterly report
中国 台湾 韓国 インド携帯電話四半期出荷動向
2006 年 1Q(1-3 月)調査結果
中国
1Q では外資系の端末出荷ウエートがさらに拡大した。国産シェアは 2003 年 1Q をピークに、2006 年 1Q までほぼ
シェアの下落傾向が続いている。
2005 年の国産メーカの端末事業は軒並み収益の赤字を記録したが、1Q では Ningbo Bird、Amoi の収益は均衡に転
じた。ただ端末事業が回復したとみるのは早計で、依然苦境は続いている。2 社以外では TCL、Eastcom など 1Q
の赤字が確定、外資ながら国産の位置づけの Dbtel が中国端末ビジネスの撤退を決定した。また業績推移を見る限り
Soutec、Panda、Kejian も事実上の端末撤退メーカとみなせる。中国の PHS を主戦場とする Utstarcom も 2006
年 1Q はもとより、2005 年の年間決算を Nasdaq に提出できない事態に追い込まれている。
中国政府は飽和感の強い国内市場から海外市場への誘導を図っているが、Sagem と提携する Bird、Alcatel と提携
する TCL、Philips 向けの ODM 委託の Shenzhen SED などが輸出を拡大している程度で中国国産ブランドの本格
進出には至っていない。
輸出は季節需要から欧州向けが減少、替わってインド向けローエンド GSM 端末輸出が急増した。インド国内での端
末生産はスタートしたばかりで、大半は韓国、中国からの輸入に依存している。インドは下半期には端末生産が本格
化することから、短期的にはともかく中期的には中国からの輸出は減速する見通しである。
中国国内向けは販売チャネルを確保した外資が優勢で Nokia、Motorola、Samsung、Sony Ericsson の各社が出荷
シェアを伸ばした。家電系を中心とした新規認可メーカも 1Q ではほとんど目立った出荷はなく、市場にインパクト
を与えるメーカは出ていない。
台湾
台湾メーカの端末出荷は前年同期に対して 2.2 倍になった。生産地では中国が大半を占めている。
Siemens 分が 4Q から Benq に加算されたため、台湾メーカ全体の前年同期対比は実体以上の伸び率になっているが、
それでも上位の Compal Communications、Arima は Motorola、Sony Ericsson の生産委託を背景に急速に出荷を
伸ばした。一方上位陣が躍進したのに対して Lite-On、Compal Electronics(Compal C に統合)の端末市場撤退に
続いて 1Q では Dbtel の端末ビジネスの撤退が決定した。Dbtel は中国に自社ブランドで進出、2004 年以前の台湾
端末業界をリードしたメーカである。同社は端末ビジネス中心のため、中国市場からの撤退は企業存続を左右する意
思決定になる。
Motorola、Sony Ericsson 以外に有力な ODM 受注先が見当たらない現状、上記各社以外の端末メーカはオペレータ
向け ODM 供給、東南アジア向け自社ブランド出荷で活路を見出している。ただ出荷数量は少なく、先行きの端末ビ
ジネスを不透明なものにしている。
韓国
韓国の端末出荷は前期 4Q 対比 6%減になった。欧州向けの輸出が落ち込んだものの米国向けが前期並み、インド向
けは前期輸出水準を上回った。国内向けも前期に対して増加した。
メーカでは Nokia TMC、LG が前期を大きく割り込んだものの、Samsung、Pantech、Curitel 各社は前期出荷水準
を越えた。
韓国ではロイヤリティ問題で揺れている。2005 年後半から CDMA ライセンスで Qualcomm と争っており、2006
年に入り訴訟へと発展した。当初はライセンス期限が論争の中心であったが、現在は適正なライセンスレートへと条
件闘争に変化している。
両社の決着がつかない中、LG と米国開発会社が GSM のパテント料支払いで合意、GSM のパテントについては
Samsung や中堅メーカへも波及する動きになってきた。韓国中堅メーカは GSM に軸足を移し始めており、今回の
パテント問題は生産コストへ直結するだけに厳しい対応を迫られることになる。
インド
インドの加入は 2006 年に入り加速し、1-3 月期の新規加入は中国に迫る勢いである。特に 3 月は政府が加入規制を
緩めたことで前月 2 月の新規加入レベルを大きく越えた。4 月速報値ではさらに新規加入は増加し 3 月を大きく上回
った。方式内訳は GSM が 3 月を下回ったものの、CDMA は 3 月に対して 3 倍の新規加入水準になった。
5 月、6 月に同様の新規加入傾向を継続すれば、2Q は新規加入者数で中国を抜いてインドが最大手になる可能性が
出てきた。
インド向け端末出荷は新規加入にスライドして大きく伸長した。2006 年は前年比倍増の見通しが出てきた。
インドでは有力メーカの現地生産がスタートし、下半期には生産規模を拡大、インド国内はもとより中近東など近隣
諸国向けの輸出が本格的にスタートする見通しである。
1Q(1-3 月)報告書の目次
1. 4カ国の1Q(1-3月)携帯電話動向
…………………….
5
3.1.5.2. Arima Communications
…………………….
29
1.1. 4カ国の端末出荷動向概況
…………………….
5
3.1.5.3. Compal Communications
…………………….
29
1.1.1. 中国
…………………….
6
3.1.5.4. その他台湾メーカ
…………………….
30
1.1.2. 台湾
…………………….
7
3.2. 端末メーカ四半期業績推移
…………………….
30
1.1.3. 韓国
…………………….
8
3.3. 生産委託の最新状況
…………………….
32
1.1.4. インド
…………………….
8
3.4. 加入推移
…………………….
33
1.2. 4カ国の加入推移
…………………….
4. 韓国
9
…………………….
34
1.3. 2006 年2Q国別端末出荷見通し
…………………….
10
4.1. 2006年1Qの端末出荷動向
…………………….
34
2. 中国
…………………….
11
4.1.1. 方式別出荷推移
…………………….
34
2.1. 2006 年1Qの端末出荷動向
…………………….
11
4.1.2. 国内、輸出別出荷推移
…………………….
35
2.1.1. 方式別出荷推移
…………………….
11
4.1.3. 国内需要のメーカ出荷シェア
…………………….
35
2.1.2. 国内、輸出別出荷推移
…………………….
12
4.1.4. メーカ別四半期出荷推移
…………………….
36
2.1.3. 中国国内流通在庫
…………………….
12
4.1.5. 参入各社の至近動向
…………………….
37
2.1.4. メーカ別四半期出荷推移
…………………….
13
4.1.5.1. Samsung
…………………….
37
2.1.5. 参入各社の至近動向
…………………….
14
4.1.5.2. LG Electronics
…………………….
39
2.1.5.1. Nokia
…………………….
14
4.1.5.3. Pantech
…………………….
41
2.1.5.2. Motorola
…………………….
14
4.1.5.4. Pantech & Curitel
…………………….
41
2.1.5.3. Siemens (Benq)
…………………….
15
4.2. 加入推移
…………………….
42
2.1.5.4. Sony Ericsson
…………………….
15
4.2.1. オペレータ別加入推移
…………………….
42
2.1.5.5. 日本メーカ
…………………….
16
4.2.2. EVDO 加入推移
…………………….
42
2.1.5.6. Ningbo Bird
…………………….
5. インド
17
…………………….
43
2.1.5.7. TCL
…………………….
18
5.1. 端末出荷動向
…………………….
43
2.1.5.8. Konka
…………………….
18
5.2. インド進出各社の動向
…………………….
43
2.1.5.9. Lenovo
…………………….
19
5.2.1. Nokia
…………………….
43
2.1.5.10. Amoi
…………………….
19
5.2.2. Motorola
…………………….
43
2.1.5.11. ZTE
…………………….
20
5.2.3. Sony Ericsson
…………………….
43
2.1.5.12. その他国産メーカ
…………………….
20
5.2.4. LG
…………………….
44
2.2. 加入推移
…………………….
22
5.2.5. その他
…………………….
44
2.3. PAS (PHS)普及状況
…………………….
25
5.3. 各社のインド生産状況
…………………….
44
3. 台湾
…………………….
26
5.3.1. Nokia
…………………….
44
3.1. 2006 年1Qの端末出荷動向
…………………….
26
5.3.2. Motorola
…………………….
44
3.1.1. 方式別出荷推移
…………………….
26
5.3.3. Samsung
…………………….
44
3.1.2. 国内、輸出別出荷推移
…………………….
26
5.3.4. LG
…………………….
44
3.1.3. 台湾、中国生産拠点別出荷推移
…………………….
27
5.3.5. その他
…………………….
44
3.1.4. メーカ別四半期出荷推移
…………………….
27
5.4. 加入推移
…………………….
45
3.1.5. 参入各社の至近動向
…………………….
6. 参考 日本の四半期出荷推移
28
…………………….
46
3.1.5.1. Benq
…………………….
7. 主要中国、台湾メーカの表記一覧
28
…………………….
47