中国 台湾 韓国 インド携帯電話四半期出荷動向

Asia handset shipments quarterly report
中国 台湾 韓国 インド携帯電話四半期出荷動向
2006 年 2Q(4-6 月)調査結果
中国
中国の端末出荷は初めて 1 億台を越えた。2Q で輸出が堅調に推移し、特に米国、インド向けが増加した。2Q では
Motorola の出荷が急増し、1Q に対しフラットで推移した Nokia とは対照的な中国出荷になっている。Motorola の
中国出荷分は天津工場、杭州の合弁会社、Compal ほか ODM 委託分の合算値になるが、ローエンド端末生産の拡大
以外に、Motorola は生産集約という生産構造そのものの変革を実施した可能性もある。
国産メーカでは Lenovo、Eastcom(大半は Motorola 向け)、ZTE、Haier が 1Q に対して出荷を増加させたが、Bird
など有力国産メーカは国内向けで苦戦が続いている。国産メーカの輸出は拡大しており、2Q で初めて 1,000 万台の
大台を突破した。Bird、TCL 以外に ZTE、Haier のインド向け CDMA 端末の出荷が 2Q では上乗せされた。
中国の全出荷に占める国産シェアは 1Q に比べややウエートを高めた。新規認可メーカが 2Q で端末出荷を増やして
おり、中でも Gionee、Aux、Desay、Jinpeng 各社は 20 万台以上の出荷を達成した。ただ新規認可メーカの将来に
ついては実際に端末が店頭に並び、消費者の評価を受けてからといえ、評価次第では下半期に出荷低迷の懸念もある。
台湾
台湾メーカの出荷(台湾、中国、ドイツ生産分)は Compal、CMCS の Motorola 向け ODM が増加し、前
期 1Q を 16%上回った。2 社以外では Benq と Arima が前期並みの出荷水準に落ち着いた。
台湾メーカの端末シェアは Motorola の発注次第という状況が 2000 年以降続いている。現在 Compal が
圧倒的な出荷台数を誇っているが、Compal のほか CMCS がローエンド の発注を受け、2007 年には大手
Foxconn への発注も有力視されているため、状況次第ではシェア変動の可能性は十分ある。Motorola か
らすれば ODM 委託の戦略を維持しつつ、発注先のカードを増やすことでバーゲニングパワーを高める
ことになる。ODM メーカにとってはいかに端末部門収益を確保するかが今後の競争条件になってくる。
台湾メーカでは HTC が独自の戦略を掲げ、ODM メーカ と一線を画している。同社はスマートフォンに
特化し、オペレータ 向けに製品供給している。同社は現在オペレータブランドから自社ブランドへの転
換を狙っており、欧州向けでは従来の Qtek から HTC ブランド に、アジアでは買収した Dopod ブラン
ドに変更する。同社の 2Q 業績は好調に推移した。
韓国
2Q の韓国出荷は輸出が落ち込み、1Q の出荷水準を下回った。背景としては欧米メーカの攻勢と Won 高が響いた。
Samsung、LG については主力の米国、インド向けを中国生産に振り分けた可能性がある。
大手 2 社以外では Pantech、Curitel も苦戦を強いられ、前者はロシアを含む CIS 向けの不調、後者は主力の米国向
けが伸び悩んだ。
2Q で中堅メーカの VK Mobile の破産が決定した。中国ビジネスの破綻が原因で Sewon、Telson に続く破綻要因に
なった。
インド
インドは新規加入が 1Q に続き順調に獲得し、端末需要も堅調な推移を示したもようである。
現在端末は大半輸入に依存しており、特に韓国、中国からの輸入が大半を占める。
Nokia がインド現地生産をスタートさせ、Motorola なども現地生産を決定したことを受け、インド政府高官は 2007
年半ばには端末輸入の禁止措置を示唆した。中国のビジネスモデルを踏まえた見解とみられるが、2007 年には現地
の生産能力で国内需要をまかなうことは不可能で、現実問題として実行は難しいものとみられる。
2Q(4-6 月)報告書の目次
1. 中国、台湾、韓国、インドの2Q(4-6月)携帯電話動向 …………
4
3.1.1. 方式別出荷推移
…………28
1.1. 3カ国の端末出荷動向概況
…………
4
3.1.2. 国内、輸出別出荷推移
…………
28
1.1.1. 中国
…………5
3.1.3. 台湾、中国生産拠点別出荷推移
…………29
1.1.2. 台湾
…………6
3.1.4. メーカ別四半期出荷推移
…………29
1.1.3. 韓国
…………6
3.1.5. 参入各社の至近動向
…………30
1.1.4. インド
…………
6
3.1.5.1. Benq
…………
30
1.2. 4カ国の加入推移
…………
7
3.1.5.2. Arima Communications
…………
31
1.3. 2006年 3Q国別端末出荷見通し
…………8
3.1.5.3. Compal Communications
…………31
2. 中国
…………
9
3.1.5.4. その他台湾メーカ
…………32
2.1. 2006年 2Qの端末出荷動向
…………9
3.2. 端末メーカ四半期業績推移
…………33
2.1.1. 方式別出荷推移
…………
9
3.3. 生産委託の最新状況
…………
35
2.1.2. 国内、輸出別出荷推移
…………11
3.4. 加入推移
…………36
2.1.3. 中国国内流通在庫
…………11
4. 韓国
…………
37
2.1.4. メーカ別四半期出荷推移
…………12
4.1. 2006 年 2Qの端末出荷動向
…………37
2.1.5. 参入各社の至近動向
…………
13
4.1.1. 方式別出荷推移
…………
37
2.1.5.1. Nokia
…………
13
4.1.2. 国内、輸出別出荷推移
…………
38
2.1.5.2. Motorola
…………14
4.1.3. 国内需要のメーカ出荷シェア
…………38
2.1.5.3. Sony Ericsson
…………15
4.1.4. メーカ別四半期出荷推移
…………39
2.1.5.4. Siemens (Benq)
…………15
4.1.5. 参入各社の至近動向
…………40
2.1.5.5. Samsung
…………
16
4.1.5.1. Samsung
…………
40
2.1.5.6. 日本メーカ
…………16
4.1.5.2. LG Electronics
…………42
2.1.5.7. Ningbo Bird
…………18
4.1.5.3. Pantech
…………44
2.1.5.8. TCL
…………18
4.1.5.4. Pantech & Curitel
…………45
2.1.5.9. Konka
…………
19
4.2. 加入推移
…………
46
2.1.5.10. Lenovo
…………
20
4.2.1. オペレータ別加入推移
…………
46
2.1.5.11. ZTE
…………21
4.2.2. EVDO 加入推移
…………46
2.1.5.12. その他国産メーカ
…………21
5. インド
…………
47
2.2. 加入推移
…………23
5.1. 端末出荷動向
…………47
2.3. PAS (PHS)普及状況
…………
26
5.2. 加入推移
…………
49
3. 台湾
…………
28
6. 参考 日本の四半期出荷推移
…………
51
3.1. 2006年 2Qの端末出荷動向
…………28
7. 主要中国、台湾メーカの表記一覧
…………
52