Asia handset shipments quarterly report 中国 台湾 韓国 インド携帯電話四半期出荷動向 2007 年 3Q(7-9 月)調査結果概要 中国 7-9 月の中国の端末出荷台数は 700 万台程度前期を上回った。仕向け地別では輸出が牽引し、国内向けは前期 の出荷台数を割り込んだ。 輸出では外資系大手と国産では Huawei、ZTE がアジア、北米向けに端末出荷を拡大した。国内では Nokia、 Motorola、Samsung が GSM で大半のシェアを確保し、CDMA では Huawei、ZTE、Hisense の国産勢が低 価格を武器に端末シェアを増加させた。 国産メーカ間で明暗が分かれた。Huawei、ZTE の海外向けが堅調に推移、Lenovo が安定した国内出荷を維 持し、TCL も 3Q では回復に転じた。一方 Ningbo Bird、Amoi は 3Q も端末収益の赤字が続いた。 国産新興メーカも目立った動きがない中、Tianyu が地方都市で端末出荷を拡大している。3Q の端末出荷台数 は輸出を含め 200 万台を越え、一躍国産上位に躍進した。 端末の生産認可制度が近く撤廃される見通しである。同時に信息産業部の許認可事項 9 件も廃止される。生産 認可制度は 1998 年に発表された「移動通信産業の発展を加速させるための若干の意見」で規定され認可が義 務付けられた。 生産ライセンスの発行件数は当初 49 件で GSM が 30 件、CDMA が 19 件、認可メーカ数は 38 社であった。2005 年に登録制に緩和され、同年 2 月以降にライセンスを取得したメーカは海外メーカ 11 社、国内メーカ 30 社、計 41 社が追加された。 廃 止 が 実 現 す れ ば 端 末は 信 息 産 業 部 に よ る入 網 に 対す る 品 質チ ェ ッ クを 受 け る だ け で 、 National Development and Reform Commission's (NDRC)の関与はなくなることになる。ただ適応は現行の方式で、 WCDMA、EVDO、TD-SCDMA については認可制度が残る見通しである。 生産認可の撤廃によりグレー市場の黒電話の内、生産認可を受けない端末は正規品になる。税規制を逃れた密 輸入品、偽造端末は依然イリーガルな黒電話になる。 規制緩和の一方で、中国政府が 2008 年 8 月に施行を予定している独占禁止法の影響が懸念されている。独禁 法違反と認められると前年度の売上の 1-10%の課徴金と不当利益が没収される。当該業界が該当するかは未定 だが、端末メーカでは GSM が Nokia、CDMA が Samsung、LG が対象になり、独占禁止法の解釈は当局の 独自判断に委ねている部分が多く懸念材料になる。 台湾 2Q は Arima、HTC の端末出荷が増加し、2Q 対比で大幅増になった。ODM 最大手 Compal は Motorola か らの受注が停滞し、前期並みの出荷水準になった。台湾メーカでは自社ブランド指向を強める HTC が好調な 業績を維持し Nokia 並みの収益性を確保した。 4Q の出荷見通しは Compal、Arima とも増勢基調で、特に Arima は Sony Ericsson のほか 4Q では LG から の受注分が上乗せになり、3Q 対比で大幅な出荷増が予想される。 ODM は現在台湾メーカと EMS メーカが競合しているが、中国有力デザインハウスが相次いで ODM に参入 しており、ODM ビジネスの競争は一段と厳しい展開に向かうものとみられる。 韓国 Samsung、LG の海外シフトから韓国端末生産は鈍化が予想されたが、3Q は国内向けが前期を割り込む一方 輸出が増加し、全体として韓国出荷は前期に対し 5%ほど伸長した。 国内向けは前期に対して減少したものの、辛うじて前期並みを維持した。2007 年の国内向けは 2,000 万を越 えることは確実で、前年比では 25-30%の伸びを実現する見通しである。韓国国内の拡大の背景は WCDMA への買い替え需要になる。 WCDMA の加入ベースは 10 月末には 400 万件に接近し、年末には累積加入 500 万件が視野に入ってきた。 3G シフトでは KTF、SKT とも積極的な拡販体制をとり、端末助成を実施して端末購買価格を抑えているこ とも需要増に寄与している。 10 月の端末販売に占める WCDMA ウエートは 44%と過半に近い占有率になっている。 インド インドの 3Q の新規加入は GSM が 1,730 万件、CDMA が 1,050 万件、計 2,780 万件と前期に対して大きく伸 長した。特に CDMA はローエンドの端末提供から大きく新規加入を増やした。 3Q の端末需要は新規加入並みの需要量が予想されるが、正規品、密輸品、偽造品など流通体制が渾沌として いるため、正確な需要量は把握できない。 インドでは 5 月に 777 ルピーの超ローエンドが CDMA オペレータから販売されたが、年末にかけて 500 ルピ ー(約 1,500 円)の GSM 端末が店頭に並ぶ見込みである。現在インドの GSM の最安値は 1,200 ルピーなの で、半値以下ということになる。500 ルピー端末は中国で生産され、SKD によりインドで再組み立てされる が、中国の供給メーカ、スペックなど詳細は明らかになっていない。使い捨てではなく、通常の端末であれば Nokia など有力 GSM メーカにとって脅威になる。 2007 年 3Q(7-9 月)報告書の目次 1. 中国、台湾、韓国、インドの3Q(7-9月)携帯電話動向 …………………….. 4 3.1.1. 方式別出荷推移 …………………….. 25 1.1. 3カ国の端末出荷動向概況 …………………….. 4 3.1.2. 国内、輸出別出荷推移 …………………….. 26 1.1.1. 中国 …………………….. 5 3.1.3. 台湾、中国生産拠点別出荷推移 …………………….. 26 1.1.2. 台湾 …………………….. 6 3.1.4. メーカ別四半期出荷推移 …………………….. 26 1.1.3. 韓国 …………………….. 6 3.1.5. 参入各社の至近動向 …………………….. 27 1.1.4. インド …………………….. 6 3.1.5.1. Benq …………………….. 27 1.2. 4カ国の加入推移 …………………….. 7 3.1.5.2. Arima Communications …………………….. 27 1.3. 2007年4Q国別端末出荷見通し …………………….. 8 3.1.5.3. Compal Communications …………………….. 28 2. 中国 …………………….. 9 3.1.5.4. HTC …………………….. 28 2.1. 2007年3Qの端末出荷動向 …………………….. 9 3.1.5.5. その他台湾メーカ …………………….. 29 2.1.1. 方式別出荷推移 …………………….. 9 3.2. 端末メーカ四半期業績推移 …………………….. 30 2.1.2. 国内、輸出別出荷推移 …………………….. 10 3.3. 生産委託の最新状況 …………………….. 32 2.1.3. 中国国内流通在庫 …………………….. 10 3.4. 加入推移 …………………….. 33 2.1.4. メーカ別四半期出荷推移 …………………….. 11 4. 韓国 …………………….. 34 2.1.1. 端末プラットフォーム …………………….. 12 4.1. 2007年3Qの端末出荷動向 …………………….. 34 2.1.2. 参入各社の至近動向 …………………….. 12 4.1.1. 方式別出荷推移 …………………….. 34 2.1.2.1. Nokia …………………….. 12 4.1.2. 国内、輸出別出荷推移 …………………….. 34 2.1.2.2. Motorola …………………….. 13 4.1.3. 国内需要のメーカ出荷シェア …………………….. 35 2.1.2.3. Sony Ericsson …………………….. 14 4.1.4. メーカ別四半期出荷推移 …………………….. 35 2.1.2.4. Samsung …………………….. 14 4.1.5. 参入各社の至近動向 …………………….. 36 2.1.2.5. LG …………………….. 15 4.1.5.1. Samsung …………………….. 36 2.1.2.6. Ningbo Bird …………………….. 15 4.1.5.2. LG Electronics …………………….. 38 2.1.2.7. TCL …………………….. 16 4.2. 加入推移 …………………….. 40 2.1.2.8. Lenovo …………………….. 17 4.2.1. オペレータ別加入推移 …………………….. 40 2.1.2.9. ZTE …………………….. 18 5. インド …………………….. 41 2.1.2.10. その他国産メーカ …………………….. 18 5.1. 端末出荷動向 …………………….. 41 2.2. 加入推移 …………………….. 20 5.2. 端末メーカ動向 …………………….. 42 2.3. TD-SCDMA …………………….. 23 5.3. 加入推移 …………………….. 46 2.4. PAS( PHS) 普及状況 …………………….. 23 6. 参考 …………………….. 48 3. 台湾 …………………….. 25 7. 主要中国、台湾メーカの表記一覧 3.1. 2007年3Qの端末出荷動向 …………………….. 25 日本の四半期出荷推移 …………………….. 49
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