機械 複合材料による製品軽量化はいかがですか エネルギー ~複合材料による構造要素軽量化の数値解析による検討~ 工学部 宇宙航空システム工学科 高雄 善裕 教授 TAKAO yoshihiro ■崇城大学 機械システム工学専攻長及び宇宙航空システム工学専攻長 ■日本複合材料学会理事 ■キーワード 複合材料、軽量化、省エネルギー、高比剛性、高機能性 ■シーズ概要 複合材料の研究開発は主に航空宇宙分野において進められてきました。最近、 自動車分野でも、省エネ・環境の観点から、複合材料の実用化が拡大しており、 実用化開発研究も盛んになっています。 複合材料は軽量ながら高強度・高剛性があり、省エネに効果的な材料です。ま た、金属に比べ耐食性と疲労特性にも優れています。 しかし、実用化に当たっては、材料に異方性があるため、試験結果の理解と把 握に経験が必要です。また、数値解析による予測も効果的ですが、ここでも複合 材特有の性質の理解が必要とされます。 ■アピールポイント ■複合材料は軽量であるので、その分だけ厚くできます。厚さの3乗で板の曲げ に対する抵抗が増えていくので、頑丈な構造にすることができます。これが、複 合材料の構造材としての大きなメリットです。 ■複合材料の欠点は繊維方向と垂直な方向の強度と剛性 l が極端に小さいことです。このため、強度や剛性の評価 は金属材料に比べると大変複雑になってきます。複合材 料の実用化にあたっては、複合材料に関する経験や知識 に基づく適切なアドバイスが大変重要です。 Pb y h 4 Pl 3 1 y= ∝ 3 Ebh Eh 3 ■その他の研究シーズ ■短繊維強化複合材料の剛性と熱膨張係数の予測 ■繊維強化複合材/金属ハイブリッド材の圧力容器 ■複合材料積層板の機械継手部の損傷 ■短繊維強化フェイスプレートによるサンドイッチ構造 ■メッセージ ■70 年代後半まで、複合材料を民間大型機の構造材に適応するのは、その破壊形 態の脆さから限定的な部品に限られるのではという懸念がありました。しかし、 実績の積み重ねと脆さを克服する様々な試みで、複合材料は信頼できる材料とし ての地位を獲得しました。 ■自動車分野への適用のため、繊維強化熱可塑性材料の製造方法や構造形態につ いて、多くの研究が立ち上がっています。航空機の 70 年代の状況に対応しますが、 その後の 30 年の経験を利用すれば、自動車分野ではより短期間に技術の成熟が得 られるかもしれません。また、熱可塑性材の成型技術は多くの製造業者が持って いますので広い分野に軽量化の潜在的可能性があると考えます。なお、自動車分 野への適用を考えるのであれば、余り時間は残っていないと思います。
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