in collaboration with 災害リスク軽減における 2015 年以降の行動指針に向けた対応能力強化のための国際科学諮問メ カニズム構築に関する声明 現在の喫緊課題 災害リスク軽減および対応能力に関する科学情報が果たす役割や価値は、長年、周知の事実です。し かし、災害時の政策や手順をサポートする根拠に基づくアドバイスを提供するためのより効率的な方 法に加え、研究成果がより直接行動に結びつくことが必須です。現在討議中の 3 つの主な国際プロセ 1 ス を 2015 年に統合しようとすれば、このような国際的な取り組みにおける科学の利用に即刻段階的 な変更を加える必要が生じます。特に以下が挙げられます。 2 我々 は、兵庫行動枠組の継承および 2015 年以降持続可能開発目標に関する 2015 年以降の国際 協議の準備に携わった各政府および他の利害関係者と一丸となり、対応能力強化のための災害リ スク軽減における国際科学諮問メカニズムの行動指針の実行を支援する。 我々は世界の科学者、科学機関、科学ネットワークおよび他の集団を招聘し、同声明を推進する ための意見や行動を共有する。より詳しくは以下を参照のこと: http://preventionweb.net, http://www.unisdr.org/partners/academia-research および www.icsu.org 行動指針 1. 災害リスクの研究や科学的評価の統合を図るため既存および将来のプログラムやイニシャティブ を擁護し、強化する。 行動に結びつく研究の提供を強化するため、官民および市民共同体の利害 関係者と共に共同設計し、研究成果の産出と発信を行い、世界の科学者たちを巻き込んで、必要 なすべての自然科学、社会科学、健康科学、エンジニアリング、関連のある人文分野を駆使し、 あまねくセクターや規模を通して横断的に研究を執り行い、災害リスク軽減および対応能力に関 する研究、政策、手順を連結する重要性に特に焦点を当てる。 2. 科学的根拠を強化し、効率よく災害リスクを軽減し、対応能力を高めるための災害リスク軽減に おける国際科学諮問メカニズムを構築および促進する。 同メカニズムは、各国や他の利害関係 者が 2015 年以降の持続可能開発指針および兵庫行動枠組の継承という背景を踏まえ、災害リス ク軽減を実行し、進捗状況を監視できるよう支援するための科学的情報および根拠を提供する。 さらに、同メカニズムは、既存のプログラム、イニシャティブ、リソースを参考にし、必要に応 じ新しい要素を導入していく。これら要素とは以下に挙げられるが、必ずしも以下に限定するも のではない。 (a) 現在、そして将来の災害リスクやそのようなリスクの世界的、地域的、国家的、局部的規模にお ける取り組み状況に関する定期報告書の作成 (b) 災害による損失を軽減し、災害に対する対応能力を備えるための国際的な合意目標に対する進捗 状況の監視 (c)リスク評価、リスクモデリング、分類学、データ活用のための用語、方法論、基準に関する指導 (d) 利害関係者の召集し、災害リスクおよび対応能力に関する科学研究、情報、根拠に対する要求の 明確化およびそれらへの取り組み 1 災害に対する対応能力に関する兵庫行動枠組、持続可能開発目標、気候変動に関する国連枠組条約 における 2015 年気候協定 2 同声明は、2014 年 3 月 27、28 日にロンドンのウェルカム・トラストにおける防災・減災専門家お よび利害関係者数名により作成された。付記 1 参照。 in collaboration with (e) 政策立案者や他の利害関係者の意思決定を支援するための複雑な科学情報や根拠のコミュニ ケーション力の向上 これらの行動は、一部、議長総括-防災グローバル・プラットフォーム会合(2013 年 5 月)にて達 した結論に起因し、以下に示される。 1. 多くの高所得、中所得、低所得国が直面している災害リスクの重大度が段階的に増大している。 人および物がより危険にさらされ、極端な現象や海面上昇に対する気候変動の影響の結果、将来 起こり得る災害による損失の見通しが増大している。 2. 災害リスク軽減は、持続可能開発目標の達成、気候変動の影響に対処、そして極端な現象に対し 対応能力を備える点で重要である。 従って、我々は、兵庫行動枠組の意欲的な継承である 2015 年以降の持続可能開発指針へ減災項目を突出して盛り込み、これらの政策枠組が相互に強化され ることを支援する。 3. 科学および教育は、各政府や各利害関係者の取り組みを支援する上で中心的役割を担う。自然、 社会経済、健康、エンジニアリング科学全般における科学および教育は、災害リスク、減災、地 域かつ世界レベルを通しての対応能力の強化に対する意識を高める上で重要である。国際的な合 意目標、目的、指標、決意、そして文化遺産の保護を含めた人類の置かれた状態を改善する役割 に向けての前進を見届ける上で、根拠が担う価値を認識する。 4. 科学情報や根拠を強化する既存の取り組みは,災害リスク軽減を支援する上で活用されるべきで ある。 このような取り組みには以下が挙げられるが、以下に限定されるものではない。(i) 国連 国際防災戦略(UNISDR)科学技術諮問グループ、 (ii) 災害リスク総合研究計画科学国際協議会 (ICSU)、国際社会科学協議会および UNISDR、 (iii) 防災科学に関する専門的評価を提供する ために ICSU 後援の下、作業を行う災害リスク評価専門家グループ、 (iv) 水(国際洪水・干ばつ イニシャティブ)、海洋(津波早期警戒システム)、ジオハザード(IGCP)における DRR に関 連した UNESCO 政府間科学研究プログラム、 (v) UNISDR の年 2 度のグローバル評価報告書、 (vi) 気候変動に関する政府間パネルの気候変動への適応推進へ向けた極端現象および災害のリス ク管理に関する特別報告書および第 5 回評価報告書、 (vii) 専門化国連機関や他の国際機関の現行 および既存のプログラムやイニシャティブ。以上の重要な取り組み。 5. 現在および将来の災害リスク管理における科学情報および根拠の連携、強化アプローチは重要で ある。これには、2015 年以降の持続可能開発協定および兵庫行動枠組の継承における災害リス ク軽減や対応能力の効率よい実施、かつ監視が必要とされる。そして地域社会、政府、他の利害 関係者からのそのような情報に対する要求に応えること。 6. 科学の多様性、発信性、独立性は、災害リスク軽減および対応能力にとり重要である。 既存の イニシャティブ、グループ、ネットワーク、組織を支援し、特に発展途上国では、国家および地 方政府と共に世界的な適応や視野を確保し、特にリスクの高い国・地域のニーズに対応する必要 性がある。科学情報や根拠を提供し、あらゆる問題や機能におけるジェンダーの重要性を認識す ることは、成功を収める災害リスクの軽減や対応能力の向上にとり必須である。
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