1.日本からトルコへの植物の持ち込みについて

 毎年、日本から観光や商用でトルコに行かれる方が数多くいらっしゃいます。
トルコは農畜産業が盛んな国で食料生産においては自給自足できる国の1つでもあります。そのため、トルコでは自国の農畜産業を守るため
輸入される植物ごとに植物検疫条件を定めています。日本からトルコへ持ち込む植物(果物・野菜等)には、トルコで規制されているものもあり
ます。日本からのおみやげが、持ち込みができず放棄することにならないよう、出国前にトルコの規制を調べておく必要があります。
また、トルコにはさまざまな植物(果物・野菜等)がありますが、同時に日本にはいない「植物の病気や害虫」も発生しています。これらが日本
に侵入すると、農業や緑などに大きな被害が出る可能性があるため、植物の日本への持ち込みにはいろいろな制限が設けられています。この
規制は旅行者がおみやげとして持ち帰るものにも適用されます。
この規制を知らずに、持ち込みできないものを持ち帰り、帰国時にそれらを放棄しなくてはならない事例も数多く起きています。
1.日本からトルコへの植物の持ち込みについて
諸外国でも日本と同様に、自国に病害虫を侵入させないために「植物検疫」を行っています。国や植
物の種類によって「輸入禁止」「検査」「消毒」などさまざまな条件が設けられており、日本から植物を持
ち出す際には輸入国の検疫要求に合っているかどうかについて植物防疫所で確認しています(輸出検
疫)。
諸外国の植物検疫条件については改正されることがあるため、植物防疫所ホームページやこのお知
らせに掲載した内容も変更となる可能性があります。詳しいことや不明なこと等については、植物防疫
所または渡航先の政府機関等にご確認ください。
輸出検疫を受けるには?
輸出検疫を受ける場合は、「植物等輸出検査申請書」を検疫を受けようとする植物防疫所に提出してください。
輸出検疫は全国の海港や空港に所在する植物防疫所で行います。
輸出検疫はまず、輸入国の輸入禁止品に該当しないか、輸入国から特別な検疫を要求されていないかどうかを確認します。輸入国の検疫
要求に応じて、検疫対象の病害虫の付着や寄生の有無について、さまざまな検疫を行います。栽培地での検査や特別な検疫条件が要求さ
れている植物は、検疫に長期間を必要とすることがありますので、詳しくは、お近くの植物防疫所へお問い合わせください。
この輸出検疫に合格したものについて、『植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)』が発給されますので、この証明書を輸出植物に添付
し輸出してください。
輸出検疫にはどれくらいの時間がかかるの?
輸出検疫を受けないで植物を持ち出したらどうなる?
輸入国から栽培地検査や特定の室内検定などの特別の
要求がない植物の場合には、それほど時間はかかりませ
ん。ただし、出国当日に空港の植物防疫所で検疫を受け
る場合は、混雑時には通常よりも長い時間がかかることも
ありますので、検疫を希望される方は事前にご連絡をいた
だきますよう、ご協力をお願いします。
植物防疫法では、輸入国が輸出国の検疫証明を必要としている場合、その
検疫に合格したものでなければ輸出できないと定めています。また、検疫を受
けずに輸出した場合、それが輸入国の輸入禁止品に該当したり、輸入のため
の要求を満たしていない場合には、輸入国の法律によって処分されることが
あります。あらかじめ輸出検疫が必要であるかどうかについては、お近くの植
物防疫所にお尋ねいただくか、又は輸入国の植物防疫機関に直接お問い合
わせください。
(参考)在日トルコ共和国日本大使館 TEL 03-3470-5153
他の国にも同じような規制があるんですか?
諸外国から我が国に対して、さまざまな植物検疫上の要求(輸出条件)が来ていま
す。
植物防疫所ホームページでは、主な国からの要求事項を検索することができま
す。ホームページの「統計・情報データベース」のうち「輸出入条件に関するデータ
ベース」をご活用ください。
輸出入条件に関するデータベース
URL: http://carrot.pps.go.jp/inss/pps/srchinfo/srch_top.jsp
トルコへ持ち込めない植物は?
トルコが持ち込みを禁止している主な植物等です。
植物:土の付いた植物、干し草、雑草
その他:すべての土
注:ここに記載のないものや不明な点は、植物防疫所
にお問い合わせください。
植物検疫のお知らせ(トルコ共和国・渡航者編)
農林水産省植物防疫所
2.トルコから日本への植物の持ち込みについて
トルコから日本への持ち込みができないもの
〈果物〉
果物類のほとんどは、チチュウカイミバエ・コドリンガ又
は火傷病が付着している可能性があるため、日本へ持
ち込むことはできません。
〈生植物〉
カリン、セイヨウカリン、ビワ、マルメロ、アロニア属植
物、カナメモチ属植物、クラタエゴメスピルス属植物、ザ
イフリボク属植物、シャリントウ属植物、シャリンバイ属植
物、ストランウァエシア属植物、テンノウメ属植物、ディコ
トマンサス属植物、トキワサンザシ属植物、ドキニア属植
物、なし属植物、ななかまど属植物、ヘテロメレス属植
物、ペラフィラム属植物、ボケ属植物及びリンゴ属植物
の生植物(種子を除き、生果実、花及び花粉を含む。)
は日本には持ち込むことはできません。
〈野菜〉
野菜の中でも、トマト、ピーマン、トウガラシ等ナス科植
物の生茎葉・生果実はたばこべと病菌が付着している
可能性があり、またキャベツはコロラドハムシが付着して
いる可能性があり、日本には持ち込めません。
さらに、ショクヨウダイオウ、アブラナ属・フダンソウ属
植物の生の地下部については、輸出国(トルコ)の栽培
地検査を受け、その証明書をつけなくてはなりません。
(その他)
クルミの核子、オオムギ・コムギ・ライムギの茎葉(つ
と、こも、これに準ずる加工品を含む)、そのほかにも
「土」「土の付いた植物」「イネワラ・モミガラが含まれるも
の」「植物病原体・害虫」なども日本へ持ち込めません。
ここに記載のないものについては、植物防疫所にお問
い合わせください。
トルコから持ち込まれた輸入禁止の植物
(生植物・生果実を含む。)
・トキワサンザシ属 1回
(2004年、禁止品のために廃棄処分となったもの)
空港の免税店で果物が売られているが?
空港内の免税店で生の果物がおみやげとして販売されていることがありますが、これら免税店商品であっても、植物検疫の規制が免
除されるわけではありません。
また、免税店に限らず、「日本に持っていっても大丈夫」という言葉で販売をしている所もあるようですが、中には日本の植物防疫法の
規制を十分に知らずに日本に持ち帰れないものを販売している事例もあるようです。ご注意ください。
植物検疫を受けないと罰金?逮捕?
「植物防疫法」では植物類を海外から持ち込む際には、必ず植物防疫官の検疫を受けなくてはならないことに
なっています。
万一、知らずに輸入が禁止されているものを持ち帰ってしまったとしてもこの検疫(検査)の際に「禁止品の放棄」
をしていただければ、直ちに何らかの罰則が適用されることはありません。
問題となるのは、持ち主の方が何ら申告をせずに税関での入国手続きをおこなってしまう、または虚偽の申告を
した場合です。この場合、申告義務を怠っていたと見なされてしまうことがあります。 また、「個人用だから」「少量
だから」といった理由で植物検疫を受けない場合にも申告義務違反になります。
植物類を持っている場合は必ず税関検査の前に植物検疫を受けてください。
・申告をすれば罰則はありません
・申告をしない場合に罰則が適用されることがあります
植物検疫のお知らせ(トルコ共和国・渡航者編)
農林水産省植物防疫所
トルコにはどんな病気や害虫がいるの?
トルコでは、我が国が侵入を警戒している植物の病気や害虫として
「チチュウカイミバエ」 「ヘシアンバエ」
「コドリンガ」 「火傷病菌」
「コロラドハムシ」 「テンサイシストセンチュウ」
「たばこべと病菌」
トルコからは何が持ち込めるの?
の発生が確認されています。
そのほかにトルコからよく来る農産物は?
それほど危険な害虫や病気なのか?
チチュウカイミバエは、数多くの果物・野菜を害する害虫であるた
め、世界各地で非常に警戒されている。 カンキツ類、モモ、ビワ、
リンゴ、ブドウ、パパイヤ、グアバ、コーヒー、ウリ類、ナスなどきわめ
て多くの生果実・果菜類に産卵、生まれた幼虫が果肉部分を食い荒
らす。この虫が果実に寄生すると腐敗・落果し、ひどい場合には収
穫皆無となるほどの被害をもたらす。
このため、日本においてもチチュウカイミバエ発生国から、この寄
主となる植物を持ち込むことが法律により禁止されている。
・ユリ、ナデシコの切花
・コムギ、ライムギの穀物
・乾燥したインゲンマメ、ヒヨコマメ、ヒラマメ
・タイサイ、キャベツ、ハクサイ、カブ等の野菜種子
これらについても検査を受けて、病気や害虫、土などが
付着していないものであることを植物防疫官が確かめなく
てはなりません。
もともとはアフリカ原産であるが、1842年までにスペインから中近
東にかけて生息域を拡大、その後オーストラリア、南アメリカ、さらに
はハワイ諸島に定着した。 アメリカ合衆国本土にもたびたび侵入
しているが、1929年フロリダに侵入した際には、アメリカ農務省はす
べての農産物の州間輸送を禁止し、多額のの予算を費やす大規模
殺虫剤散布事業を実行して根絶に成功した。
植物防疫(事務)所は、農作物の害虫や病気を対象にした検疫や防除に関わる業務を行う農林水産省の機関です。
輸出入(海外との物資の移動)に関しては、全国各地の空港・海港において、検疫所(厚生労働省)・動物検疫所(農林水産省)・
税関(財務省)などとともに日本の国益を保護するための活動を行っています。
世界各地では、穀類や果物、野菜類の栽培に非常に大きな被害を与える害虫や病気が発生しているため、これらの日本への侵
入・まん延を阻止しなくてはなりません。
〔植物検疫の対象となるもの〕
種・球根・苗・苗木(穂木)
切花・切り枝・ドライフラワー
果物・野菜・穀類・豆類・香辛料・薬用植物
植物を材料としたもの
植物検疫はどこで受けるの?
日本への入国時に手荷物として植物類をお持ちの方は、ご自分の
手荷物を持って、税関ブースを通る前に植物検疫を受けてください。
植物検疫カウンターは税関ブースの手前に設置されています。
その他(土・昆虫・キノコ・菌類など)
主な問い合わせ先(空港内)
お問い合わせください!
この作成物について、または植物の輸入・輸出等に関すること
について疑問点等ございましたら、お気軽にお問い合わせくださ
い。
■成田支所(成田空港)第1PTB 0476-32-6694
第2PTB 0476-34-2352
■中部空港支所
0569-38-8433
また、『植物防疫所ホームページ』では、お近くの植物防疫(事
務)所の連絡先や、植物防疫所に関する様々な情報を掲載して
おります。日本語でインターネットを利用できる環境であればどこ
からでも見ることができますので、是非ご利用ください。
■関西空港支所
0724-55-1936
■福岡空港出張所
092-477-7575
URL:http://www.pps.go.jp/
■那覇空港出張所
098-857-0054
2005年10月版