第6学年1組 算数科学習指導案 指導者 国井 豊広 1 単元名 体積 2 目標 ○ 単位となる大きさのいくつ分としてものの大きさを数値化することのよさが わかり、進んでこれを活用しようとする。 (関心・意欲・態度) ○ 直方体や立方体の体積公式を考え出したり、これを活用して簡単な複合図形 の体積の求め方を工夫したりすることができる。(数学的な考え方) ○ 直方体や立方体の体積を求めたり、身の回りのものの概形をとらえて、その 面積や体積を概測したりすることができる。(技能・表現) ○ 体積の意味が分かり、単位cm3、m3を知るとともに、かさとの関係をと らえることができる。 (知識・理解) 3 単元について 本学級児童(男子25名、女子10名)の1学期の市販テストの結果を示す。 整数 分数の足し算・引き算 立体 見積もり 平均 単位量あたり まとめ 平均点 最高点 最低点 92.2 100 73.3 92.7 100 80 90.8 100 60 82.0 100 40 85.1 100 50 89.6 100 56 80.9 100 53.3 (正進社150点満点を100点に換算) 上記の結果から、次の2点を推測する。 ① 今年度は教材の移行期にあたり、前年度に既習した内容がある。 ② 現在行っている向山型算数の授業(資料参照)による変化がおこった。 しかし、以下の問題点もある。 ・ 「立体」「見積もり」以降、下位児童の点数の向上がなされていない。 ・ 「見積もり」以降平均点が90点を割っている。 ・クラスの児童が「算数が好きになった」という状態ではない。 (アンケート結果34人中 算数が好き 7人 どちらといえば好き 6人 ふつう 8人 どちらかといえば嫌い 10人 嫌い 3人 ) これは、教師の授業技術がまだ未熟で、リズムとテンポがよい授業ができていな と考える。 これまで、児童は、量と測定に関して、長さ・かさ・重さ・面積などの概念や測 定方法を学習してきている。前学年までの面積を求めた場合からの類推により学習 を進めるが、実態調査では、 「面積は、1辺が1cmの正方形がいくつ分で表す」と いう内容が理解できているのは3人である。(資料参照) 「体積」は、小学校で出てくる量の概念の中で最後に出てくる難しい概念である。 昨年度までの学習指導要領と新学習指導要領を比較してみる。 新学習指導要領 体積の意味について理解し、簡単な場合について、体積を求めることがで きるようにする。 ァ 体積について単位と測定の意味を理解すること。 イ 体積の単位(立方センチメートル(㎝3))について知ること。 ゥ 立方体及び直方体の体積の求め方を考え、それらを用いること。 変更点は、次の2点である。 1つ目は、体積の求め方を「知ること」から「考え、それらを用いること」に変 更されたこと。2つ目は、 「容積の意味について理解すること」の内容が削除された ことである。 学習指導要領解説(算数編)(P155)には次のように書かれている。 体積は三次元の広がりがあるため、表面積と混同するなど理解にやや困 難がある。したがって、前学年までの面積を求めた場合からの類推により、 学習が進められるよう指導の工夫を図る必要がある。 なお、身の回りにある箱の大きさを調べたり、一辺が10㎝の立方体を 作ったりするなどの作業的な活動を通して、体積についての量感をそだて るように配慮することが大切である。 つまり、前学年までの面積の概念「1平方センチメートルのいくつ分」から「1 立方センチメートルのいくつ分」を類推させたり、具体的に立体を作ったりするな どの作業的な活動を通して、体積の意味を理解させ、体積を求めることができるよ うにさせるのである。 その導入の手だてとして次の2点がある。 ① 擬似操作・・・立体に書き込ませて数える。 ② 具体的操作・・・1立方センチメートルの立方体を積む。 4 単元構想の概要(全10時間) 第1次 直方体と立方体の体積 (2時間) ○ 体積の概念と体積の単位㎝3 ・直方体の大きさ比べを通して、数値化する方法を意欲的に考えようとする。 ○直方体・立方体の体積の公式と求積 ・㎝3の単位を知り、体積を求めることができる。 第2次 大きな体積 (4時間) ○ 大きな体積の単位m3と、㎝3とm3の関係 ○ 小数値の場合の体積の求積 ・m3の単位、㎝3とm3の関係を知り、体積を求めることができる。 ○ 複合図形の体積の工夫した求積 ○ 体積を求める問題 ・複合図形の体積を工夫して求めることができる。 第3次 およその形と大きさ (2時間) ○ 身の回りのものの面積や体積の概測 ・身の回りのものの概形をとらえ面積や体積の概測をすることができる。 ○ 身の回りのものの体積の概測、1㍑=1000cm3 1㍉㍑=1cm3 ・㍑、㍉㍑とcm3の関係がわかる。 第4次 算数の窓、復習 (2時間) ○ 基本のたしかめ、 ・不定形のものの体積を水に置き換えて求める方法を理解し、関心を もって取り組む。 ○ 復習 5 本時の学習(第1次第1時) (1)目標 ○体積は、1cm3の個数の集まりととらえることができる。 ○1立方センチメートルの積み木で立体を作ることができる。 ○体積の定義について知る。 本時の基礎・基本は次の3点であると考える。 ・既習の面積の求め方から類推して、体積を求められること。 ・立体の陰で見えない部分を想像できること。 ・体積の単位について知ること。 そこで、本単元においては、以下の手だてを行う。 ・体積について一目で分かる図(説明)を工夫させる。 ・1立方センチメートルの実物で立体を作る作業を体験させる。 ・逆読みを行わせ、体積の定義を身につけさせる。 本時の評価として次の3点である。 ① 教師が一目で分かる図が描けたか。 (友だちの図を写すのも含む) ② 立方体を作る作業的な活動を通して、陰に隠れて見えない部分の立方体を含 んで数を数えられたか。 ③ 定義を間違わないで言えるようになったか。 (2)準備物 教科書の(あ) (い)の図の拡大コピー 8枚 「1立方センチメートルの立方体の積み木」 (児童分) 授業の展開 日付とページは事前に書いておく。 指示1 先生問題です。この長方形の面積が1 5 c m 2 であることの意味を説明 しなさい。 ○○くん「たてが3 c m 、横が5 c m でたて×横が3 ×5 で1 5 c m 2 です。」 □□さん「1 辺が1 c m の正方形が1 5 個分あるからです。」 そのとおり 指示2 先生について読みなさい。 9 体積。葉っぱマークを読む。その後子ど もが読む。 発問1 ○あと○いではどちらが大きいですか。 指示3 ノートにずばり書きなさい。 ○あの人手を挙げなさい。○いの人手を挙げなさい。(確認する) 指示4 ○あと○いの図の中に線を引いたり、絵を書いたりしてもいいですから、ど ちらがどれだけ大きいのか、国井先生が一目で分かるように持ってらっしゃ い。(立方体の作図の時間を削るために拡大コピーして張っておく) A,B,C で評定する。 持ってきた子から黒板に書かせる。 板書した子に説明させる。 指示5 ○○君の図を下の図に写しなさい。 指示6 P 3 真ん中を読みます。かさのことを体積といいます。体積は, ・・・・」 発問2 かさのことを何といいますか。 発問3 体積は何で表しますか。 いっしょにさんはい。(体積です。) (1 辺が1 c m の立方体が何個分あるかで表します。) 指示7 全員起立。おとなり同士で教科書を見ないでいいなさい。二人ともいえ らすわりなさい。 最初に座った2 人組を指名。 指示8 大切なところですから、もう一回読んでみましょう。 (体積は、1 辺が1 c m の立方体が何個分あるかで表します。) 説明1 ○○君の図は1 辺が1 c m の立方体が何個分あるかで表したんですね。 指示9 その下、先生について読みなさい。 「1 辺が1 c m の立方体の体積は1 立方センチメートルです。」 教師が範読後、子どもが読む。 発問4 1 辺が1 c m の立方体の体積のことをなんといいますか。 (1 c m 3 ) 指示 10 「『1 c m 3 は1 辺が1 c m の立方体の体積です。』言ってごらんなさい。 」 (1 c m 3 は1 辺が1 c m の立方体の体積です。) 発問5 1 c m 3 とはなんですか。 指示 11 みんなでさんはい。(1 辺が1 c m の立方体の体積です。) 指示 12 全員起立。自信を持って自分で言えるようなったら座りなさい。 最初に座った子を指名。 板書 1 c m3 指示 13 1 c m 3 とノートに3 回書きなさい。お隣と確認。 指示 14 今読んだとなりに、1 立方センチメートルの図があります。それを赤鉛筆 でていねいに塗りなさい。 その間に1 c m 3 の立方体をグループに配る。 指示 15 今塗った図の横に配った1 c m 3 の立方体を置きなさい。 説明2 これが実物の1 立方センチメートルですね。これが何個分あるかで体積は 表します 発問6 指示 16 ○あの体積,○いの体積はそれぞれ何立方センチメートルでしょう。 ノートに書きなさい。 □□さん「1 8 c m 3 です。」そのとおり。 ○○君「1 6 c m 3 です。」そのとおり。 発問7 どちらが大きいですか。みんないっしょに さんはい (あ) 指示 17 ○2 をやります。いっしょに読みましょう。さんはい。 (1 辺が1 c m の立方体の積み木で・・・・) 指示 18 配った立方体で作りなさい。 1 つ作れたらとなりどうしで確認しなさい。確認してもらったら新しい立体 を作りなさい。 向山洋一氏の4年「面積」の介入授業を5年「体積」の授業に応用する 埼玉県荒川村立荒川東小学校 木村 重夫氏 の東京書籍授業プランを 啓林館用に修正追試 参考文献 向山型算数セミナーIN 東京 向山氏の介入授業をもとに組み立てる 向山型算数パーク 大関 貴之氏 ぱっと見て分かる向山型算数 啓林館「体積1」(1) 加藤 剛志氏 実態調査・アンケート結果 氏名( ) 1.次の図形の面積を求めなさい。 ァ ィ 3㎝ 4㎝ 6㎝ 4㎝ 式 式 3×6=18 24人 4×4=16 30人 6×3=18 5人 3×6=12 1人 式なし 式なし 4人 4人 答え( 18㎝ 29人) 18㎝ 4人 12㎝ 1人 答え( 16㎝ 30人) 16㎝ 4人 2.次の長方形の面積が12 ㎝であることを説明しなさい。 3㎝ 12㎝ 4㎝ ・1辺が1㎝の正方形が12個(友藤早) ・1㎝が12まい長方形の中入っているから(内藤) ・1つの正方形が12こある(石井) 多くはたて×横だから。公式に言及。 3.算数は好きですか。きらいですか。記号に○をつけなさい。 ァ 好き 7人 ィ どちらといえば好き 6人 ゥ ふつう 8人 ヱ どちらかといえばきらい ォ きらい 3人 10人
© Copyright 2024 Paperzz