症状２腹痛表2 腹痛の部位から考えられる主な疾患部位 ①心窩部 ②右季肋部 ③左季肋部 ④臍部 ⑤⑥右・左側腹部 ⑦⑧右・左下腹部疾患食道マロリー・ワイス症候群，突発性食道破裂，胃食道逆流症胃急性胃炎，慢性胃炎，胃アニサキス症，急性胃粘膜病変，胃潰瘍，胃穿孔，胃がん，胃肉腫十二指腸十二指腸潰瘍心臓虚血性心疾患，心筋梗塞その他膵臓，肝臓，胆道の疾患，胸部大動脈解離など肝臓Ａ型急性肝炎，肝硬変，肝がん，アルコール性肝炎，うっ血肝，肝膿瘍，肝嚢胞，肝腫瘍の破裂胆道胆石症，胆道感染症（急性胆嚢炎，急性閉塞性化膿性胆管炎），胆嚢がんその他胃十二指腸，右腎臓，膵臓，右肺，胸膜の疾患など膵臓急性膵炎，慢性膵炎，膵石症，膵がんその他胃，脾臓（脾破裂，脾梗塞），左腎臓，左肺，胸膜の疾患など腸感染性腸炎，虫垂炎の初期，腸閉塞血管腹部大動脈瘤破裂，腸間膜動脈塞栓症 ② その他胃の疾患など ⑤ 腎臓腎梗塞，腎盂腎炎，腎膿瘍，遊走腎，水腎症，腎がん，腎臓結石その他尿管の疾患など大腸虫垂炎（右下腹部），潰瘍性大腸炎，虚血性大腸炎，クローン病，大腸憩室炎とくにメッケル憩室炎，大腸がん，過敏性腸症候群，（鼠径・大腿・閉鎖孔）ヘルニア嵌頓，結腸捻転尿管尿管結石女性卵巣腫瘍，卵巣嚢腫茎捻転，卵巣嚢腫の破裂（卵巣出血），急性卵管炎，女性性器の疾患など膀胱急性膀胱炎，慢性膀胱炎女性骨盤腹膜炎，子宮付属器炎，子宮筋腫，子宮頸がん，子宮体がん，月経困難症，子宮外妊娠，切迫流産，子宮内膜症男性慢性前立腺炎，精巣捻転，精巣上体炎，尿閉による膀胱拡張その他大腸，尿管の疾患など ⑨下腹部腹部全体 ① ③ ⑥ ④ ⑧ ⑦ ⑨ 過敏性腸症候群，感染性腸炎，虚血性腸炎，小腸・大腸閉塞，腸穿孔，急性腹膜炎，腹腔内膿瘍，腹部大動脈瘤破裂，腸間膜動脈塞栓症，腸重積など（水野樹：腹痛，月刊ナーシング，29（２）：68，2009．より引用）腹痛をアセスメントするうえでのポイントル（表３）を用いて測定することで，痛みの程度や変化をどのように感じているか共有し，客観的評価につなげることが有用です． ●緊急性や重症度の高い場合や状況について腹痛を訴える患者では，急激に症状が起こった腹痛をアセスメントする際には，まず，その痛場合やショック症状，腹膜刺激症状を呈する場合みを正確にとらえる必要があります．痛みは主観に緊急性や重症度が高く，特に注意が必要です．的な体験ですので，できるだけ本人の言葉で表現１．急性腹症してもらい，痛む部位を指し示してもらうことが急性腹症（急激に発生した腹痛を主訴とする腹大切です．また，その痛みの強さはペインスケー部疾患の総称）の原因疾患は，消化器系や心血管 333-Vol.59 No.4 看護技術 2013-4 21