保健室からのメッセージ - 埼玉県立常盤高等学校

今年度ワンランク上の健康管理を目指すためのキーワードは、
「睡眠」です。
ワンランク上の健康管理を目指します!!
平成25年6月号
保健室からのメッセージ
埼玉県立常盤高等学校
み なづき
「水無月」。旧暦6月というと、
梅雨が明けて水が涸れてなくなる
月であるという意味。
6月は8月と並んで、国民の祝日がない月です
ね。一部に時の記念日や夏至の休日化を目指す
動きもあるとか、ないとか!?
またジューン・ブライド(6月の花嫁)は、幸せにな
れるという話を聞いたことがあると思いますが、もとも
とはヨーロッパの伝承のようです。さて、その由来
は・・・?調べてみたらいかがでしょうか?
保健室でよく見られる症状 -その②「過敏性腸症候群(IBS)
」-
「過敏性腸症候群(IBS)
」というと、ピンとこない人もいるかもしれません
ね。緊張やストレスなどにより、腸には炎症などの異常はないのに、お腹が痛く
なったり、トイレに行きたくなったりする状態を繰り返す症状をいいます。例え
ば、テストの前や実技試験などプレッシャーがかかるような場面、あるいは乗り
物に乗っている時などにも起こります。実は、常盤生には、わりとよく見られる
症状といえます。学年が上がると、うまくつき合えるようになっていきます!
【原因は?】完全に明らかになっていませんが、緊張やストレスが自律神経を通っ
て腸に伝わり、腸管の働きが乱れるために起こると考えられている。
【症状?】下痢型と便秘型、下痢と便秘を繰り返す交替型があり、排便によって症
状が軽くなる特徴がある。
【予防法?】一番のおススメは、
『腹痛のきっかけを記録する』こと。つまり、
「こ
の行為をきっかけに起こる」
「このようなときにお腹が痛くなる」とい
う習慣を見つけて自覚することが回復への重要なポイント。
さらに、身近な友だちに『カミングアウト』してみると、理解してくれ
る人が近くにいることで気持ちが楽になる人もいます。
それぞれ自分に合った方法を見つけられるといいですね。
【症状が似ている病気?】
「潰瘍性大腸炎」や「クローン病」
。症状が改善しない場
合は、一度医師の診断を受けましょう。
元気レンジャー:三津橋佳子先生(看護科)の
「睡眠アセスメント」
キーワード:試験中睡眠 不眠 ゴードン ヘンダーソン
6月某日、この「睡眠」の原稿を書かなくては・・と思いつつ、某クラス、某科目の中間テ
ストのテスト監督をしていました。始まって15 分で、1 人の生徒が眠り始めた・・
「えっ、こ
んなに早い時間から!試験を諦めたのか、それとも体調が悪いのか・・」そうすると、30 分
経過したところで、18 名の生徒が眠っている!「大切なテスト!諦めずに問題を解きなさい!
たとえ、終わったとしても3回は確認をして!間違えや新たな答えがひらめくかも!!」と私
は心で叫びます。しかし、終了10分前では、25 名の生徒が・・・眠っている(正確には眠
っているように見えるで、机に伏した状態です。実は起きている人もいるいかもしれません
が・・)
。中には本当に熟睡している人も・・。
私の学生時代・・思い返せば、どんなに睡眠時間が短くても、試験中に眠るという行為は考
えられませんでした。それは、試験の緊張と、勉強不足の後悔と、それでもなんとか合格点を
とりたい!という必死さ・・一種の興奮状態だったと思います。アセスメントをすると交感神
経が優位に働いていたのだと考えます。では、試験中に寝ている生徒は、リラックスモードで
試験を受けて、副交感神経が優位に働いているということだろうか・・これはいいことなのか、
それともかなり心配なことなのか・・
(わたしはかなり心配しています)
、試験中や授業中によ
く寝てしまう人はすこし自分をアセスメントしてみてください。
逆に、不眠になった経験をした人もいると思います。1つの原因としてストレスがあります。
ストレスを受けると、交感神経を刺激する「ノルアドレナリン」というホルモンが分泌され、
これが熟睡を妨げると言われています。また、ストレスがあると血流は滞り、肩こり、頭痛、
冷えなど熟睡できない状態をもたらします。睡眠時に優位になる「副交感神経」と活動時に優
位の「交感神経」という自律神経の切り替えも、ストレスがあるとうまくいかなくなります。
さらに「眠れない」という焦りがストレスとなり、不眠を招くという悪循環が起こります。で
は、このような悪循環にならないためにどうしたらいいのか・・良い睡眠をとるためにはどう
したらいいのか・・これは看護にもつながりますね!
「睡眠」は看護では大切なキーワードです。ゴードンの機能的健康パターンでも「睡眠―休
息」が、ヴァージニア・ヘンダーソンの基本的看護の構成要素の第5でも「 患者の休息と睡眠
を助ける」が明記されています。患者の「睡眠」を援助するには、まず「睡眠」について知る
ことが大切です。そしてなによりも「自分の睡眠」について知ることが必要です。
4 月には 1 年生にベッドメーキングの導入として、
「自分の睡眠」について調査をしてもら
いました。2 年生は看護情報活用で、web と文献から「睡眠の調べ学習」と「自分のテーマに
そった睡眠調査」をすることになっています。
(どんな内容になるのか、今から楽しみです!)
自分のためにも、そして患者さんのためにも、
「睡眠」について、たくさん学んでいきましょう!