2012年11月29日 米国10月住宅関連データチェック

りそな
経済フラッシュ
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米国 10 月住宅関連データチェック
(2012 年 11 月 29 日)
りそな銀行 総合資金部 吉元寛貴
10 月の住宅関連指標は改善傾向を維持
在庫の減少が続く
新築販売や着工許可件数などは一部減速
概観
改善傾向を保つ
販売・着工
中古が増加に転じる
新築は減少、ハリケ
ーンの影響も
米国の 10 月住宅関連指標は新築販売や着工許可件数など一部で減速がみられたが、
全体としてみれば、このところの改善傾向を維持していると判断できる。新築、中古共に在庫
が減少。今後は需要の拡大から足元の改善傾向が続くかが焦点となる。
住宅販売件数は、中古住宅が前月比 2.1%増の年率 479 万戸と 9 月から増加に転じた(9
月 2.9%減、469 万戸)(図表 1)。中古住宅販売のうち 8~9 割程度を占める一戸建ての販売
が増加した(9 月 3.5%減→10 月 1.9%増)。地域別では全米 4 地域のうち北東部(1.7%減)
を除く 3 地域で増加。
一方、新築販売は前月比 0.3%減の年率 36.8 万戸に減少。加えて 9 月分が 38.9 万戸→
36.9 万戸に下方修正された。地域別では中西部が 62.2%の大幅増となったが、北東部
(32.3%減)と南部(11.6%減)が減少。10 月末に米東海岸を襲ったハリケーンの影響が出て
いる可能性がある。なお、米商務省は集計は通常通り行われたとし、住宅市場への影響は
最小限にとどまるとの見解を示した。
中古住宅の在庫は前月比 1.4%減の 214 万戸、新築は 1.4%増の 14.7 万戸。合計では前
月比 1.2%減の 228.7 万戸と在庫減が続く。差し押さえ物件など大幅に値下がりした物件の
在庫が減少。
在庫減が続く
許可件数が減少
住宅着工は前月比 3.6%増の年率 89.4 万件。着工件数の先行指標とされる許可件数は
2.7%減の 86.6 万件と減少に転じた(9 月 11.1%増)。
住宅価格
中古住宅販売件数をまとめている全米不動産協会によると、中古住宅の取引価格の中心
値は前年比 11.1%増の 17.9 万ドルと昨年(年平均 16.5 万ドル)に比べて高い水準で推移し
ている(図表 2)。また、9 月の S&P ケースシラー住宅価格指数(20 都市平均)は 3.0%上昇
と、4 ヶ月連続で上昇。
中古価格は足元高水
準
住宅ローン
貸出基準は変わらず
FRB の 10 月調査によると、住宅ローンの貸出基準は前月と変わらず(図表 2)。昨年以降
横ばいで推移しており、需要増加から貸出が伸びるという展開には至っていない。
図表1: 住宅在庫と販売(灰色は米景気後退期)
百万戸
9
8
7
6
5
中古在庫
新築在庫
図表2: FRBローンオフィサーサーベイ
中古+新築販売件数
需要
貸出基準
100
80
60
40
20
4
3
2
1
0
05/10
住宅ローン 需要と貸出基準
DI
強い、厳格化
0
-20
-40
-60
弱い、緩和
-80
06/10
07/10
08/10
09/10
10/10
出所:全米不動産協会、米商務省、NBER、りそな銀行
11/10
12/10
07/9
08/9
09/9
10/9
11/9
12/9
出所:FRB、りそな銀行
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