Musica poetica

J
2007 〈受難楽の夕べ〉
Musica poetica
J.S.BACH
Taro Tanno
Masatoshi Sasaki
J.S.バッハ〈ヨハネ受難曲〉
JOHANNES-PASSION
BWV245
指揮/イエス■淡野 太郎 Taro Tanno アルト■淡野 弓子 Yumiko Tanno 福音史家■佐々木正利 Masatoshi Sasaki テノール■武田 正雄 Masao Takeda ソプラノ■柴田 圭子 Keiko Shibata バス/ピラト■浦野 智行 Chiyuki Urano
Keiko Shibata
Yumiko Tanno
Masao Takeda
Chiyuki Urano
ユビキタス・バッハ UBIQUITOUS BACH
ヴァイオリン I■瀬戸 瑶子(コンサートマスター)/柿沼まさこ/林 由紀子
ヴァイオリン II■永井 由里/若尾 紀子/森田 朋子
ヴィオラ■David Schicketanz /谷口 勤/高島 麻子
ヴィオラ・ダ・ガンバ■中野 哲也
チェロ■諸岡 範澄
大軒 由敬
櫻井 京子
コントラバス■兼利 剛也
フルート■岩下 智子
Yoko Seto
Yuri Nagai
Tetsuya Nakano Norizumi Morooka
市岡 正適
オーボエ■宮本 忠昌
大木 務
ファゴット■功刀 貴子
コントラファゴット■田崎 達明
オルガン■辰巳美納子
Tomoko Iwashita Takako Kunugi Minako Tatsumi Yoshio Watanabe
チェンバロ■渡邊 順生
ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京 Heinrich-Schütz-Chor Tokyo
S 今村ゆかり/大渕久実子/大森 純子/門倉 春子/川辺 美佐/阪本 恭子/巽 瑞子/武井 紀子
玉井 千恵/西川真理子/山田由紀子 A 秋山百合子/石塚瑠美子/影山 照子/小西久美子/佐藤 道子/田畑 玲子/中埜 紀子/中村 光子
松井美奈子/湊 岑子/山田みどり
T 甲斐 高志/鳥海 寮/武藤 和明/依田 卓
細川 裕介/松本 浩 B 石塚 正/内尾 知起/大森 雄治/阪本 一郎
中村 誠一/春宮 哲/山田 明生
/3 /11[SUN]
2007
S 5,000円(指定席)
18:00開演
(17:30開場) 東京・お茶の水
A 4,000円(自由席)
連絡先■ムシカ・ポエティカ T 03-3970-0585 F 03-3998-5238
菊田音楽事務所 T / F 042-394-0543
日本大学カザルスホール
学生 3,000円
(自由席)
www.musicapoetica.jp
J.S.バッハ
〈ヨハネ受難曲〉BWV245●覚書
●ライプツィヒにおけるカントール二年目の受難週
(1724年聖金曜日)
に初演され、作曲者の生存中少なくとも四回演奏された。●バッハは演奏のたびに少しずつ
改訂したため、現在四種の
「ヨハネ受難曲」が存在し、
これに加え未完のスコア21頁が現存する。●テキストは福音史家
(T)
によって語られるヨハネによる福音書
第18 19章(途中2カ所マタイ伝より)
と自由詩、
そしてコラール歌詞である。聖書に現れた個人の登場人物はソリストが受け持ち、群集や弟子達、
ユダヤ人たちといっ
た複数の人物の台詞は合唱が歌う。それらの場面に対しての個人的な感慨はソリストの歌うアリアによって、信者全員の気持はコラールによって表現される。
●この作品の基本理念は
「天の意志と地の迷妄、
あるいは超越的な力と人の限界との対比」
、
そして
「この世の人の罪のすべては、
イエスただ独りが担い、
その死に
よってわれら人間は魂の自由を得た」
にあり、バッハはこの対比と逆転という概念を具体化するにあたって、全体をシンメトリカルに構築した。●この構造ゆえに
「ヨハネ受難曲」には多くの曲が、同じ音楽ながら歌詞は異なる、
という姿で登場する。●全体を通して12曲のコラールが要所要所に置かれ重要な役割を果す。
第一部、
および第二部の終曲はコラールである。●シンメトリーの中核を成す曲もコラールであり、
その内容は
「あなたが捕われたことによってわたしたちは自由を
得た」
というものである。●1729年に初演されたとされる
「マタイ受難曲」
では、時々刻々の記事により非常に人間的なイエス像が描かれているのに比べ、
「ヨハネ
受難曲」
では鳥瞰図的レポートによる超越的なイエスの性格が表されている。●
「ヨハネ受難曲」
の全体の流れは劇的かつスピード感に富んでいる。これはヨハネ
伝記者の記述に加え、
バッハの一気呵成の筆力によるものであろう。特に聖書の言葉は、福音史家の最後の言葉が次の合唱の始まりに食い込んでおり、
中断される
Profile
ことがない。●今回の使用楽譜は、
アーサー・メンデル校訂、
ベーレンライター版"新バッハ全集"第四巻〈Johannes-Passion:ヨハネ受難曲〉
である。
淡野太郎 Cond / Jesus[B]Taro Tanno
1972年、
リオ・デ・ジャネイロに生まれる。幼時より主にバロックを中心とした音楽に
興味を持ち、10歳頃からハインリヒ・シュッツ合唱団他で歌い始める。東京都立芸術
高校音楽科を経て東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。この間、声楽を岡崎實俊、
佐々木正利、嶺貞子、
リコーダーを守安功、濱田芳通、
ファゴットを山上貴司、室内アン
サンブルを野村満男の諸氏に師事。芸大在学中にはバッハ・カンタータクラブに在籍、
小林道夫氏の薫陶を受ける。1989年から2001年まで12年の歳月をかけて行われた
「ハインリヒ・シュッツ全作品連続演奏」
プロジェクトのほとんどに参加、
その際に演奏し
たシュッツ作品は合計で450曲以上にのぼる。1997年以降度々渡欧し、声楽及び歌曲
解釈等をケルンにてアグネス・ギーベル女史に、
パリにてカミーユ・モラーヌ氏に、
ゲント
にてツェーガー・ファンダステーネ氏に、
ライプツィヒにてヘルマン・クリスティアン・ポル
スター氏に師事。また2003年から2004年にかけてドイツ・ヘアフォルトのヴェストファー
レン教会音楽大学に学び、声楽をザビーネ・シャマイト女史に、
リコーダーをエリザ
ベート・シュヴァンダ女史に、合唱指揮をヒルデブラント・ハーケ氏に師事。2004年から
06年までライプツィヒ・ゲヴァントハウス室内合唱団メンバー。ドイツ各地及び日本で
リートやオラトリオの歌い手、
またリコーダーやドゥルツィアン奏者として活動。正確な
読譜力と的確な解釈、
また特にドイツ語テキストの発音とアンサンブル能力の高さは
自他共に認めるところであり、内外の数多くの指揮者や演奏家からの信頼も厚い。
発声法にも造詣が深く、
その指導力にも一定の評価を得ている。現在、ハインリヒ・
シュッツ合唱団 ・ 東京、ユビキタス・バッハ、メンデルスゾーン・コーア、各指揮者。
ムシカ・ポエティカ・スタッフ。
佐々木正利 Evangelist[T]Masatoshi Sasaki
東京藝術大学声楽科卒業。同大学院修士及び博士後期課程修了。須賀靖元(声
楽)
、服部幸三
(音楽学)
、小林道夫
(演奏法)、森明彦
(発声法)
、松本民之助(作曲)、
岳藤豪希
(宗教音楽)
の各氏に師事。1973年楽壇デビュー以来、宗教音楽のスペシャ
リストとして揺るぎない地位を得ている。1970年東京藝術大学バッハ・カンタータ・
クラブの創設に携わり、多くの後進を育てると共に指揮者としての活動を開始。以後
約30数年に亘って主に宗教曲の演奏に冴えを見せ、そのいずれもが名演の誉れ高
い。特に自身の育てた複数の合唱団を率いての10度に及ぶドイツ公演では
『シュッツ、
バッハの世界的担い手』
『マタイ演奏史上、最も特筆されるべき演奏の一つ』『音楽と
言葉との見事なまでの融合』
等、
その音楽作りが絶賛された。1979年シュトゥットガルト
に渡り L.フィッシャー教授に師事。1980年第6回ライプツィヒ国際バッハコンクール
声楽部門第5位入賞。同年より1982年までデットモルト北西ドイツ音楽大学に学び、
H.クレッチマール教授に師事。在独中は欧州各国の演奏会に招かれ、特に1980年
ウィーン楽友協会ホールでの
〈マタイ受難曲〉では
『若き日のP.シュライヤー』
と新聞
各紙で絶賛され、1985年にはザルツブルク音楽祭に招聘される。帰国後も内外の
著名オーケストラのソリストとして度々起用され、宗教音楽の名指揮者たちと数多く
2007年 受難節 ムシカ・ポエティカ
共演、高い評価を受けている。1987、88年にはリリング音楽監督のバッハ・アカデミー
にてテノール・マスタークラスの講師を務めたほか、内外各地のセミナーで講座を受け
持つ。また H.ヴィンシャーマン率いるドイツ・バッハゾリステンの演奏会には、
ソリスト
としてだけでなく自身が育てた合唱団も度々共演し、
その歌唱力、合唱指導力によって
絶大な信頼を得ている。1994年第47回岩手日報文化賞(学芸部門)受賞。2000年
アメリカ・イオンド大学より名誉博士号授与。岩手大学教育学部教授。二期会会員。
日本声楽発声学会を始め多くの専門団体の理事を務め、盛岡バッハ・カンタータ・
フェライン及び、仙台、
岡山、金沢、東京の各合唱団、
さらに東北大学、岩手大学合唱団
各指揮者。二期会バッハ・バロック研究会講師。
ユビキタス・バッハ Ubiquitous Bach
1998年4月18日より始まった日本キリスト教団本郷教会(東京・上荻)
の
〈夕べの音楽:
Soli Deo Gloria〉
で器楽を受け持っていたメンバーが、
バッハ・カンタータ・シリーズの
開始
(2003・9・13, SDG Vol.171)
に伴って「ユビキタス・バッハ
(バッハ時空自在)」
と
名乗ることとしたのが、
このグループの由来。プロ、
アマを問わず、各曲の楽器編成に
従ってメンバーが集うシステムで、
これまでに70∼80名の奏者が参加、50曲を越える
カンタータをシュッツ合唱団、
メンデルスゾーン・コーアの有志とともに演奏。シュッツ
合唱団公演ではバッハ
〈ヨハネ受難曲〉
(2004)及び
〈ロ短調ミサ曲〉
(2006)
を共演。
ハインリヒ・シュッツ合唱団 Heinrich-Schütz-Chor Tokyo
1968年4月にハインリヒ・シュッツの作品の研究、紹介、演奏を中心課題とする合唱団
として東京に発足。以来淡野弓子、H.J.コルロイター、鈴木仁、淡野太郎らの指導、
指揮のもとに公演活動を続ける。1985年、94年ドイツ演奏旅行では国際ハインリヒ・
シュッツ祭にて演奏。そこで紹介された柴田南雄〈宇宙について〉
( 欧州初演:85年
ドレスデン・ゼンパー歌劇場ほか)及び94年の武久源造〈初めに言ありき〉
の二作品は
いずれも各紙の絶賛を受ける。1989年10月より12年計画で
「シュッツ全作品連続
演奏」がスタート、2001年10月1日およそ500曲に及ぶ全曲の演奏を終了。シュッツ
作品のみならず、ルネサンス期のア・カペラ作品、バロック期の主要作品、
ロマン派の
宗教曲、世俗曲、
内外の現代作品の広いレパートリーを持つ。1990年A.ペルト
〈ヨハネ
受難曲〉、2002年のC.レーヴェ〈贖罪のいえにえ・新しい契約〉
日本初演はいずれも
高い評価を受けた。2002年4月第3回、2004年12月第4回、2006年12月第5回ドイツ
演奏旅行。これまでにハインリヒ・シュッツ・コーア ハイルブロン、
フーゴー・ディスト
ラー・コーア ベルリン、
ドレスデン吹奏楽団、
ドレスデン聖母教会室内合唱団ほか多くの
海外の演奏家、団体との共演、交流を深める。先般の旅ではドレスデン聖母教会の
礼拝
(06・12・17)で聖歌隊として奉仕、シュッツ、
ラインベルガーのモテットを歌った。
CD: シュッツ
〈マタイ受難曲〉
(鈴木仁、
ヴァン・デ・ワーレほか)ALCD-3 メンデルス
ゾーン
〈パウロ〉(アグネス・ギーベル、佐々木正利、宮原昭吾ほか)ALCD-1098,1099
シュッツ
〈カンツィオネス・サクレ Op.4 全40曲 SDG/MP-001,002
ア・カペラの時空
Soli Deo Gloria
∼谺の戯れ∼
教会暦によるバッハ・カンタータシリーズ
∼復活祭ののち∼
本郷教会礼拝堂 東京・杉並区上荻4-24-5 Tel 03-3399-2730
聖書朗読:廣田 登 本郷教会牧師
器楽:ユビキタス・バッハ
合唱:ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京&メンデルスゾーン・コーア
指揮:淡野弓子・淡野太郎・武久源造
2007.4.21[土]18:00 SDG・Vol.229 BACH カンタータ Nr.112「主はわたしの真実の牧者」 指揮 淡野弓子
2007.4.28[土]18:00 SDG・Vol.230 BACH カンタータ Nr.146 指揮 淡野弓子
「われら幾多の艱難を経て」
(Sinfonia:チェンバロ協奏曲)
VIVALDI〈四季〉より「春」と「秋」
ヴァイオリン・ソロ 永井由里&弦楽陣 指揮/チェンバロ 武久源造
[参会歓迎・無料]
ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京 指揮:淡野弓子
2007.5.20[日]14:30 三島・長泉 ベルフォーレ
ディストラー★歌え、主に向かって新しい歌を/シュッツ★それは確かなまこと
モンテヴェルディ★おお春よ/シュッツ★おお春よ
ディストラー★それは確かなまこと/J.S.バッハ★歌え、主に向かって新しい歌を ほか
主催:沼津婦人合唱連盟 2,000円/1,000円[学生]問合せ■055-966-3409
『エリア』
〈レクイエムの集い〉
(1846)メンデルスゾーン
(1809・2.3-1847・11.4)没後160年記念
エリア
[B]淡野太郎 ほか
メンデルスゾーン・コーア/ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京
シンフォニア・ムシカ・ポエティカ
指揮:淡野弓子
2007.11.2[金]18:30 東京カテドラル聖マリア大聖堂
主催:ムシカ・ポエティカ