2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 放射線による急性毒性 中枢神経系 Miranda Kramer, RN, MS Nurse Practitioner/Clinical Nurse Specialist 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 脳照射 • 照射は以下の目的で使用される場合がある: o o o 原発性脳病変の根治的治療 脳転移の一時的緩和 予防的頭蓋照射[化学療法が完全奏功した小細 胞肺癌において (30 to 36 Gy in 2 to 3 Gy per fraction*)] National Guideline Clearinghouse http://www.guideline.gov/summary/summary.aspx?doc_id=4533&nbr=0 03347&string=brain+AND+radiation 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar CNS(脳)治療のシミュレーション • カスタムマスクによりシミュ レーションを行う • 均一性を高め、ホットスポッ トを低減するために、多くの 病変に対し3D原体照射ま たはIMRT照射を計画立案 • 脳のMRIはCTより脳の問 題について高感度なので、 計画立案に役立ちうる。 www.bccancer.bc.ca/.../InfoSheet.htm 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar サイバーナイフ・ラジオサージェリー http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cb/CyberKnifeSchematic2.gif 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar サイバーナイフ • 腫瘍が他の重要組織に隣接している場合に 使用されることがある • 必要に応じ、身体のあらゆる部位で使用され ることがある • 腫瘍を限局するためにロボット工学を活用 する 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 第7脳神経のシュワン細胞腫 左第7脳神経のシュワン細胞腫患者の分割定位放射線療法(FSR)治療計画立案用の画像(T1強調 MRIスキャン)。90%等線量線に1日1.8Gyの分割照射が処方され、総線量は52.2Gy。 Schowalter, TN (Neurosurgery 63:734–740, 2008) 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar radonc.ucsd.edu/.../Procedures/SRS_Brain.asp 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 脳照射に続発する急性毒性 • • • • • 食欲不振 脱毛 頭皮の炎症/紅斑 外耳道&耳道の炎症 脳浮腫&頭蓋内圧亢進 o o 悪心および嘔吐 頭痛 • 嗜眠症候群(亜急性)-通常は小児に認められ、 成人には少ない。 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 一般的アプローチ • 診断時に患者は放射線腫瘍医および神経外科医 の診察を受けるべきである。緊急の外科的介入が 必要となる場合がある。 • 患者にステロイド(デカドロン)を投与し、最終的に 漸減させる必要がある。 • 治療レジメンは、病理/ステージによって、4,000 – 6,000 cGyの範囲。 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 食欲不振の評価– NCI 2003 • 1 – 食習慣の変化を伴わない食欲低下 • 2 – 重大な体重減少や栄養不良を伴わない経口 摂取の変化;経口栄養補給が適応となる • 3 – 重大な体重減少や栄養不良を伴う;IV輸液、 経管栄養法またはTPNが適応となる • 4 - 生命に関わる影響 • 5 - 死亡 しかし食欲不振はステロイド投与により抑制できる場合がある。ステロイド服用により食欲が増進するこ とが多い。 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 急性毒性 • 脱毛 毛嚢は2,500 – 3,000 cGyで影響を受ける。この線量で は一時的なことが多い。 o 5,000 – 6,000 cGyでは、脱毛が恒久的となる可能性が 高い。 o 脱毛は治療照射野の形状に生じる。 o • 頭皮の炎症/紅斑 o 他の部位の皮膚の炎症と同様に治療する。 • 外耳道&耳道の炎症 o 耳道の痒みおよび炎症に対しては、ヒドロコルチゾン点耳 薬の処方が必要となる場合がある。 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 放射線療法に続発する脱毛 www.benefitforskip.com/pictures.html 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 頭皮/毛髪の変化への対処 • 頭部を通じて多くの体温を失う可能性がある ことを患者に教育する。可能であれば、頭部 を覆う。 • 頭皮を太陽に晒さない。可能な場合は、日焼 け止め剤を塗るか、帽子を被る。 • 治療が始まる前にかつらを選ぶ-患者の頭 髪の色に合わせやすい。 • かつらをつけることが不快となる場合がある。 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 脳浮腫&頭蓋内圧亢進 • 悪心および嘔吐 必要に応じ、制吐剤を処方する。ベンゾジアゼピン系薬剤を注意しな がら処方する。 o 栄養不足と脱水がないか評価する。 o • 頭痛 • 平衡/運動症状-転倒リスクがないか監視する。 • 照射中に見られることがあるが、直接の毒性ではない その他の症状 o o 気分の変化(ICPよりもステロイドに関連していることが多い) 痙攣(照射自体によってではなく、ICPの主症状として生じる)。患者が 新たに痙攣の診断を受けた場合は、医師による許可が出るまでは車 の運転をしないように指導する必要がある。 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 悪心の評価– NCI 2003 • 1 – 食習慣の変化を伴わない食欲低下 • 2 – 重大な体重減少、脱水または栄養不良を伴わ ない経口摂取の減少;24時間未満の場合はIV輸 液が適応となる • 3 – 経口カロリー摂取、水分摂取が不十分;24時 間以上の場合はIV輸液、経管栄養法またはTPN が適応となる • 4 – 生命に関わる影響 • 5 – 死亡 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 嘔吐 – NCI 2003 • 1 – 24時間で1エピソード • 2 – 24時間で5エピソード • 3 – 24時間で6エピソード以上;IV輸液の必 要 • 4 – 非経口栄養補給が必要;集中治療を要 する生理学的影響、循環虚脱;生命に関わる 影響 • 5 – 死亡 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 嗜眠症候群(亜急性) • 眠気、傾眠、無気力、疲労、食欲不振、時折の軽 度の頭痛 • 発症は照射終了後4~12週間で、最大8週間続くこ とがある。 • この症状が確認されれば、栄養の維持および離床 不能に関わる問題(DVT、皮膚の損傷など)の予防 に注意する必要がある。 • ステロイド療法が奏功する場合がある。 • 組織の脱髄および血管透過性の変化により生じる 可能性がある。 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 限定的 vs. 多発性脳転移 • 限定的: 1 – 3 • 多発性: > 4 NCCN CNS Guidelines, V.1.2008 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 脳転移の治療ガイドライン 患者の一般状態により、1.8~3.0 cGy per fractionで 30~45 Gyの全脳照射 または <4.0cmの病巣に対しては定位放射線療法。 線量は腫瘍の大きさによる。 NCCN CNS Guidelines v 1.2008 2008年度兵庫県立大学大学院がんプロ:Advanced Health Assessment in Oncology Nursing Seminar 晩期毒性 • 脳壊死 o o o 以前に治療した部位に生じる 原発腫瘍の主徴候、人格変化、痙攣などのさまざまな症状が生 じうる。 >5,500 cGyの脳照射を受けた患者での発生率は3~5%(通常 は6,500~7,000 cGyは耐えられる。) • 認知機能障害および感情障害 • 白質脳症(化学療法での方が多い) • 下垂体機能不全および視床下部機能不全 o アジソン病、甲状腺機能低下症、尿崩症、成長ホルモン値の低 下、性ホルモン値の低下。
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